グレートノーザン鉄道

アメリカのグレートノーザン鉄道の実物(歴史、資料等)と鉄道模型(HO:レイアウト、車両)に関するプログです。

ヴァンダービルト・テンダー

2006年05月04日 | 実物・歴史
(昨日のF‘Trackさんのコメントへの回答です)
 グレートノーザン鉄道で数多く利用されている、円筒形の水タンクを特徴とするのが、ヴァンダービルト・テンダーです。円筒形タンクの優位性は、①普通の四角いテンダーに比べると、少ない鋼材で同じ体積の水を収容できる、②四角い箱より円筒形の方が強度が高い、③したがって四角いテンダーより軽量等があります。以上は、以下のHPからの受け売りです。(このHPは、ワークスKさんのBBSの2005年5月8日に紹介されています。)また、円筒形の方が、積んでいる水が安定するとの情報もあります(GNGOATより)
http://www.steamlocomotive.com/tenders/#vanderbilt
http://homepage2.nifty.com/kk_works/bbs_new/BBS_bk18.htm#[1799]
なお、なぜグレートノーザン鉄道が数多くヴァンダービルト・テンダーを採用したかは、GNGOATでも「不明」とされており、謎となっています。この謎の回答のひとつになりそうなのが、「ヴァンダービルト家」です。ヴァンダービルト家は、後に「提督」と呼ばれる初代コーネリアス・ヴァンダービルトによって一代で築きあげられた大財閥です。この4代目(ニーリー)がこのテンダーの特許を1901年に取得しています。他方、初代(提督はNYCの創業者で、アメリカ鉄道界でホリエモンも真っ青な買収・乗っ取りを繰り返しております。以下は、ワークスKさんの「アメリカ型鉄道模型ブログ版」2005年11月26日版「NYC創業者の伝記」からの抜粋です。
http://works-k.cocolog-nifty.com/page1/cat4287560/index.html
「ところで、本書を読むもう一つの興味は、ヴァンダービルト・テンダーの特許を1901年に取得した人物についてです。「提督の孫」という認識だったのですが、どうも4代目、曾孫のコーニリアス・ヴァンダービルト3世(愛称はニーリー、1871-1942)の様です。直接的な記述はないものの、p218に「ニーリーは(ニューヘブンのエール大学機械工学)修士課程を終えて、ニューヨーク・セントラル鉄道の仕事に励み、新しい機関室を開発し、列車の故障を解消した。彼の発明は成功を収め、ヴァンダービルト鉄道のほとんどの機関車に設置され、おかげで、ニューヨーク・セントラルは何十万ドルもの修理費を節約することが出来る。ニーリーは機関車工学の天才とうたわれた」とあります。一族の中で技術に言及されているのはこの人物だけですから、間違いないと思います。また、鉄道模型大辞典に書いていただいた内容によればヴァンダービルド火室なるものがあるとのことです。
http://hpcgi2.nifty.com/kk_works/usdb.cgi?pp=26」
ヴァンダービルト家については、下記のHPが要約を書いており、分かりやすいです。
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200410210000

なお、最後に、小生もいくつかヴァンダービルト・テンダー(HO)を持っています。グレートノーザン鉄道の蒸気機関車としては、S-1(4-8-4), Q-1(2-10-2), M-3(2-6-8-0), N-3(2-8-8-0)の4両です。写真はM-3です。

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1 コメント

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バンダービルト火室 (鈴木光太郎)
2006-05-04 17:22:11
某大辞典にも書き込みさせてもらいましたが、

http://www.sdrm.org/faqs/boilers/fig37.jpg

上記がバンダービルト火室の側面図です。

この図面は火床の記載が無いという欠点がありますが、

普通は円筒形の火室の下から1/3程度の高さに水平な火床があります。

バックプレートの大部分が水ジャケットで無い事がわかります。



内火室の大部分が平面でなく曲面で構成されているので、圧力に強く爆発の危険も少ない一方

火室容積や火床面積を大きく採れない問題がありました。

ドイツには同様のもので「Lentze?(←綴りが怪しいです)火室」がありました。

日本では鉄道連隊の、英国Bagnall製機関車が円筒だったそうです。(出典、"ろがねの勇者たち"P103)
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