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インドがガンジー記念館を「ディズニーランド」(テーマパーク)に?   アーメダバード住民に反対の声、モディ首相は何を考えているのか

2021-09-15 17:21:36 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)9月15日(水曜日)弐
通巻第7053号
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 インドがガンジー記念館を「ディズニーランド」(テーマパーク)に?
  アーメダバード住民に反対の声、モディ首相は何を考えているのか
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 「無抵抗の抵抗」を呼びかけ、インドの独立運動を指導したマハトマ・ガンジー。その記念館(サバルマティ・アシュラム)がグジャラート州の州都アーメダバードにあって、多くの人々が訪れる。
 2017年には安倍首相がモディ首相と並んで訪問した。グジャラート州はモディ首相の出身地だから、人一倍愛着もあり、日本企業の誘致に熱心だった。

 事実、アーメダバードからムンバイへ、インド経済の大動脈を繋ぐ新幹線は日本が請け負って工事を始めている。

 筆者も安倍訪印の翌年にアーメダバードへ飛んで、このガンジー記念館もついでに見学した。市内から大きな川を渡り、かなりの道を川沿いに歩く。人力車もタクシーもあるが、早朝、ホテルから歩いて一時間ほどだった(余談だが、2021年九月の豪雨でアーメダバードも各地で堤防決壊、洪水に見舞われている)。
 記念館の敷地は以外に広く、独立運動の概要や、インドの近代史が写真パネルで展示されており、広い庭もあって、その奥の部屋にガンジーの蝋人形の「糸つむぎ」風景が再現されている。

 平和の象徴、ガンジーの銅像はインド各地、どこに行ってもお目にかかれるが、それほどインド人の尊敬を集めている。

 この記念館で意外な発見があった。売店の図書コーナーにガンジーばかりか、チャンドラ・ボーズの著作がうずたかく積まれていたことだった。ボーズとガンジーは路線対立で敵対した。長らくガンジー崇拝派はボーズを評価しなかった。

帰国後、この話を関岡英之氏にすると、「私も行きました。驚きました。近くボーズが果たした役割を論じる歴史論にも挑みたい」と言ったことを昨日のように覚えている。
関岡さんは戦争中に日本の諜報員が、東トルキスタンからインドにおける工作の跡をたどり、貴重な資料を集め、一冊にまとめたばかりだった。そのウイグル語訳がでる直前に若くして急逝されたのは惜しまれる。

 さて、このガンジー記念館をインド政府は改築し、テーマパークとすることを正式決定。改築予算は180億円。近くの土地も買収し、駐車場、敷地内にはフードセンターも設置し、世界から観光客を呼び込もうという段取りだ(ついでにいえば、アーメダバードは、540日連続でコロナ感染者ゼロ)。

 この動きにガンジー崇拝派が反発し「これはガンジー思想への冒涜だ」と声を挙げて反対運動を展開しはじめたのだ。

インドのような多様な価値観をほこる民主主義国家らしいが、思想的にいえば、吉田松陰の松下村塾跡地をミニ・ディズニーランドにするような暴挙だから、いったいインド政府は何を考えているのか、という批判に繋がるのだろう。
 


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