沖縄・台湾友の会

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EU議会、オルバンとルペン集団が第三会派を形成   ヨーロッパでも「トランプ亜流」の政党が議席を躍進

2024-07-09 08:30:50 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月9日(火曜日)
     通巻第8323号   
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 EU議会、オルバンとルペン集団が第三会派を形成
  ヨーロッパでも「トランプ亜流」の政党が議席を躍進
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 7月8日早朝、オルバン・ハンガリー首相は北京を電撃的に訪問した。
ウクライナ和平へ向けてオルバンは7月2日にゼレンスキーと、5日にはクレムリンへ飛んでプーチンと、そして7日にはアゼルバイジャンで複数の政治指導者と会合を持ち、その足で北京へ飛んだ。

第一報はハンガリーのメディアで「首相はアジアの何処かの国へ向かった」。ついで中国が速報でオルバンと習近平の会談が緊急に行われたと報じた。習は五月にブタペストを訪問したばかりだ。習は「ウクライナ停戦を望む」とした。
欧州が中国に制裁をかす中、ハンガリーは飛び抜けて中国寄りである。またオルバンは中国のEV車「BYD」のハンガリー工場を歓迎し欧州全体の政治的空気に強く逆らってきた。

同時並行してオルバン主導の政治劇がEU議会で起きた
EU議会内で新会派「欧州愛国者グループ」の結成がなされたのである。汎欧州の各国の保守系政党の支持を集め、EU議会の承認を獲得した。EU加盟国それぞれの選挙で保守系の躍進をうけて、オルバンは六月から「ヨーロッパの愛国者」と呼ばれる、EU議会内に新会派を結成する意向を発表していた。

7月8日までに構成メンバーがまとまり、79議席を確保したので、EU議会の第三勢力となる。議長にはジョルダン・ベルゲラが就くことが発表された。ベルゲラはフランス「国民連合」の党首、ルペンが次代を託する政治家である。

オーストリアの「自由党」、チェコの元首相アンドレイ・バビシュ「不満市民行動(ANO)」等が最初から参画を表明しており、その後、5つの政党が参加した。オランダのウィルダース率いる自由党、ポルトガルの「チェガ」、スペインの「ヴォックス」などである。

アンドレ・ベンチュラ(チェガ党首)は「ポルトガルのトランプ」。大躍進をとげ連立政権の一員である。スペインの「ヴォックス」(VOX)は、カタルーニャ州の自治権剥奪、同性婚の廃止、保護貿易の重視、農村部や伝統的行事である闘牛の活性化などを唱え、いまやスペイン議会第三党となった。

デンマーク国民党は移民反対、非白人移民の国外追放、反イスラーム主義、ユーロ導入反対、トルコのEU加盟反対、グリーンランド独立とコソボの独立に反対の排外主義的主張が強い。
このデンマーク国民党と、フラームス・ベラング(ベルギーの保守政党)も加盟を発表し、ギリシアの「不満の声」党も参加した。またたくまに79議席となった。これは「7カ国から23人の議員以上の参加」という会派成立条件を満たした。


▼フランスの選挙結果を待っていた

欧州愛国者グループの正式結成が延びたのはフランスの選挙結果を待っていたからだ。
フランスは7月7日の第二回投票でルペンは議席数では第一党をのがしたが、得票率は37%で第一位である。議席数が確保できなかったのは第二党と第三党が連合して、ルペン勝利を阻んだからで、大統領選挙のシステムとまったく同様である。
しかしルペンは「勝利は延びただけだ」と意気揚々、記者会見で語った。

フランスの総選挙結果は以下の通り。

政党    獲得議席(増減)   得票率
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NFP   188(+57)   26・3% (左翼)
ENS   161(▼76)   24・7% (マクロン与党)
RN    142(+53)   37・1  (ルペン)
LR     48(▼10)    6・2  (共和党)
他      38(▼21)    5・6

フランスのルペン「国民連合」、ならびにサルヴィーニ率いるイタリアの「同盟党」もこの新しい議会内会派「欧州の愛国者グループ」に加盟した。フランスは「欧州愛国者グループ」の最大派閥となって会派議長を兼ねる。

EU議会はややこしい仕組みとなっていて保守政党が一会派に勢揃いというわけにはいかず、イタリアのメローニの集団とポーランドの正義党などは別に「ECR」を形成、リベラルな会派「再生ヨーロッパ」と対抗してきた。
またドイツの「AfD(ドイツのための選択肢)」も別会派である。しかしEU議会の議論においては三つの保守会派が連携で、左様路線の暴走を阻止できることになる。

オルバン首相は、長年にわたってEU議会主流派を「ブリュッセルのエリートたち」と激しく非難してきた。
伝統的な家族の価値観を訴え、ウクライナ支援に反対してきた。これらの保守的な政党が集うわけだから議会戦戦術が奏功すれば、ファン・デン・ライアン委員長の再任を退けることも出来る。

欧州の左翼新聞はあいかわらず「極右のあつまり」と蔑視の視点から報じている。日本のメディアは主体性がないから、欧米の論調の複写機。本当に欧州で何が起きているかを知ることは難しいだろう。


 政権運営に不信感 ━ 岸田首相に"退場勧告"櫻井よしこ氏「本質を読みとれず大局観も欠く」安倍元首相の暗殺から2年間、

2024-07-09 08:23:56 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6922号 

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 政権運営に不信感
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岸田首相に"退場勧告"櫻井よしこ氏「本質を読みとれず大局観も欠く」安倍元首相の暗殺から2年間、

「産経新聞」への寄稿で
保守派論客の重鎮、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が岸田文雄首相に"退場勧告"を突き付けた。1日付産経新聞への寄稿で、安倍晋三元首相が暗殺されてから2年間の岸田首相の政権運営に不信感を示し、憲法改正と安定的な皇位継承の法整備ができなかった場合、<自民党は岸田氏に代わる志ある総裁を選出し、徹底的に国の在り方を議論し、再出発する。それが国益だ>と論陣を張った。

櫻井氏は産経新聞の寄稿「美しき勁(つよ)き国へ」で、岸田首相就任直後の2021年10月の衆院選の圧勝や、22年7月の参院選での自民党の単独過半数獲得などについて、<国民は岸田氏が安倍晋三元首相の遺志を継ぐ決意を固めた、国防の本質を理解していると受け止めた。だからこその圧倒的支持だった>と分析した。

だが、安倍元首相が暗殺され、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題が浮上すると、首相は<事の本質から外れて旧統一教会と自民党の関係清算に力を注いだ>とした。定額減税も、<国民が感じ取ったうさん臭さの本質を理解できなかった>とし、政治資金問題も<またもや本質を踏み外し、自ら泥沼の議論に埋没した>と指摘した。

櫻井氏は,本質を読みとれない岸田文雄首相は大局観も欠いている>とも批判する。

9月までの自民党総裁の任期中に憲法改正の実現を目指すと語ってきた岸田首相に、櫻井氏はエールを送ってきた。5月3日の憲法記念日に開かれた改憲派の集会に首相がビデオメッセージを寄せた際、主催団体代表の櫻井氏は「憲法改正の第一歩を踏み出す。このミッションをやり遂げることができるのは岸田首相しかいない」と語っていた。

だが、憲法改正原案の提出は見送られ、通常国会は閉会した。櫻井氏は中国、北朝鮮、ロシアなどの権威主義国の脅威を取り上げ、<憲法改正は、岸田氏が好んで口にする「先送りできない課題」の筆頭だ。万が一、それを先送りするなら岸田氏には退場しかないだろう<と迫り、<志ある政治家は手を挙げよ>とつづっている。

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「日本の弱腰が増長させた」
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☆中国、大陸棚にも海洋ブイ設置 岸田政権に仕掛ける「超限戦」レアメタルなど海底資源が標的か 石平氏 

 習近平国家主席率いる中国が、岸田文雄政権に「超限戦」を仕掛けてきている。人民解放軍による軍事的威圧だけでなく、駐日大使が「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と恫喝(どうかつ)したうえ、日本周辺海域に海洋ブイを複数設置して、対応を見極めているのだ。読売新聞は5日朝刊で「中国、日本の大陸棚にブイ」「沖ノ鳥島北方」「太平洋では異例」などと報じた。岸田政権は、国民と国益を守り抜けるのか。

 「超限戦」とは、軍事だけでなく、政治や外交、経済、情報など、あらゆる手段を駆使した、中国による"限界を超えた戦争"のことだ。

 航空自衛隊による2024年の緊急発進(スクランブル)実施状況を見ると、4月と5月は41回と37回もあるが、うち中国への対応は28回と31回と圧倒的である。


 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に2日に侵入した中国海警局船2隻は4日、領海外側の接続水域に出た。中国当局船による尖閣周辺での領海侵入は3日連続で今年26日目。中国当局船が確認されるのは196日連続で、尖閣国有化(2012年)後、最長連続日数を更新した。

 尖閣周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)内では昨年7月、中国が海洋ブイを無断で設置しているのが確認された。日本政府は、日中首脳会談や外相会談などで即時撤去を求めているが、ブイは設置されたままだ。

 前出の読売新聞によると、尖閣周辺に海洋ブイを設置した中国当局の大型作業船「向陽紅22」が先月中旬、沖ノ鳥島北方の四国海盆海域内に新たなブイを設置したという。

 四国海盆海域は付近に島がなく、日本のEEZにあたらないが、国連の大陸棚限界委員会は12年、沖ノ鳥島を基点とした日本の大陸棚に認めた。この海域の海底には、レアメタルを含んだ鉱物資源が分布している。国連海洋法条約に基づき、日本はこの海域での海底探査や資源開発について、主権的な権利を行使できる。

 大陸棚はEEZと異なり、上部水域での海洋調査に沿岸国の同意は要らない。ただ、中国の海洋ブイが海底資源調査などを行っていれば、国連海洋法条約違反の可能性がある。

 政府関係者は「中国による日本周辺海域での活動は常態化している。沖縄県の尖閣諸島周辺での先鋭的な活動だけでなく、隠密裏の調査活動にも警戒すべきだ」と話す。

 中国は、日本領土である沖ノ鳥島について、国連海洋法条約に基づく「島」ではなく未帰属の「岩礁」などと独自の主張をしている。

 日中関係筋は「中国が似た状況の南沙諸島で岩礁を埋め立て、着々と要塞化しているのは不気味だ。日本周辺の海底に埋蔵されるレアメタルは、電化製品や電気自動車のモーター、バッテリーなどの製造に不可欠だ。中国は喉から手が出るほど欲している」と分析する。

 今回のブイ設置の背景は何か。

 中国情勢に詳しい評論家の石平氏は「尖閣周辺で海洋ブイを撤去できなかった日本の弱腰が、中国を増長させたかたちだ。主権侵害の"既成事実化"は中国の常套(じょうとう)手段だ。放置すればEEZ、領海へと行動をエスカレートさせる。日本政府は厳重抗議し、即時撤去の方法を考えるべきだ」と語った。


英国選挙、保守党は惨敗したが、労働党が大勝したわけではない    ウクライナ支援派継続、移民政策はより厳格な規制

2024-07-09 08:22:49 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月8日(月曜日)
     通巻第8322号   
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 英国選挙、保守党は惨敗したが、労働党が大勝したわけではない
   ウクライナ支援派継続、移民政策はより厳格な規制
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 結果を見れば労働党の大勝利である。
 労働党412,保守党121、自由党72、緑4(定数650)
 スターマー率いる労働党は211議席増。スナクの保守党は251議席減。

 やや絶望の空気と刷新への期待が有権者に広がり、そのくせ投票率は伸びず、保守主義は健全であり、要はスターマーがひとこと標語にした「CHANGE」が一人歩きした。
国民の多くが「所得減」を実感しており、「保守党」の看板が飽きられたということだろう。日本の与党に対する失望感の拡がりに酷似する。

 もう一つの要因は同時に進行中のアメリカの大統領選挙とプランスの「国民連合」の躍進、ドイツにおける左翼の顕著な退潮をよこめにしながら行われた選挙だったこと。「労働党にいれた有権者は党に忠誠心をもっているわけではない」との解説が目立つのも、次の選挙ではまた与野党が入れ替わる可能性が高いことを示唆している。

 第一に英国のウクライナ支援の姿勢には「毫も変更がない」として、合計一六〇億ドルの支援(既存九七億ドルに新規六三億ドルの合計)をゼレンスキーに約束している。政権発足直後、外相をドイツ、ポーランド、スウェーデンに派遣し、ウクライナ戦争支援継続を再確認させている。

 第二に労働党が掲げた政策実現のための雇用である。
 「2029年までに、6500人の教員を増やし、5000人の税務署査察官、3000人の警官の増員、そして8500人を病院のメンタルヘルスに投じる」とした。五年計画の目標値だが、予算審議でもめるだろう。

 第三に環境、クリーンエネルギーへの取り組むだが、これも薔薇色の粉飾ではないか。
風力発電を二倍に、太陽光パネル発電を三倍に、洋上風力発電を四倍に。そしてスナクが改正したガソリン車全廃の見直しの再検討と、北海油田開発の増設を、再検討するとしている。このために消費者ローン、補助金を拡大すると唱っている。
 現在、英国は発電の三分の一がガスによる。

 「問題は、それより移民対策が優先だ」とブレア元首相がスターマー新首相に助言したそうな。