沖縄・台湾友の会

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オルバン、「ウクライナとロシアの間に「ほとんど合意はなかった」 「メルケルならウクライナ紛争は「国際戦争」までエスカレートしなかった」

2024-07-12 07:36:30 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月12日(金曜日)
     通巻第8326号   
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オルバン、「ウクライナとロシアの間に「ほとんど合意はなかった」
「メルケルならウクライナ紛争は「国際戦争」までエスカレートしなかった」
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 「ハンガリーのトランプ」こと、オルバン首相の「暴走」はEU議会とNATO加盟国を大きく動揺させ、また反発をもたらした。
 オルバンはタブーを口にした。「兵士、装備、技術のバランスを考えると、プーチン大統領が負けるはずはない。ロシアの敗北は想像しにくい。ロシアが実際に負ける可能性は計算できないほど小さい」。

 オルバンはNATO創立75周年のワシントン会議出席の途次、ドイツへたちよった。
そしてドイツのメディアとのインタビューで「メルケル前首相がまだ権力を握っていたら、ウクライナ紛争は「国際戦争」にまでエスカレートすることはなかった」と妙に持ち上げて見せた(ディ・ウェルト紙、7月8日付け)。
これはEUのオルバン批判に対しての一種「変化球」である。

 オルバン首相はNATO会議の前にドイツのショルツ首相と会談した。ウクライナ紛争の解決について「ウクライナとロシアの間に「ほとんど合意はなかった」と述べ、「いつも(発言を控えて何もしない)ショルツ前首相がいなくて寂しい」と強い皮肉を言った。

そのあとで、「もしメルケル首相がまだ権力を握っていたら、現在の形のロシアとウクライナの紛争は決して起こらなかっただろう」と発言したのだった。メルケルに高い評を与えるオルバンの思惑とは何か?
「彼女(メルケル)には、ヨーロッパにとって有害な紛争を隔離する能力、理解力、スキルがあった。我々は紛争を許し、戦争を許すという過ちを犯した。そして隔離する代わりに、エスカレートさせ、国際問題にしたのだ」。

ゼレンスキーは「オルバー首相にはロシアとウクライナの紛争終結を交渉するために必要な影響力がない」と指摘した。

習近平国家主席はロシアとウクライナの紛争解決に向けたハンガリー首相の努力を称賛した。中国外務省は会談後、「ウクライナ問題に関しては北京とブダペストの立場はかなりの程度まで一致している」とした。

 これがNATO75周年記念のワシントンでの動きだが、裏舞台で囁かれているのはバイデンの交替とともに、じつは「ゼレンスキーの交替」説である。停戦交渉の障害物は、いまやゼレンスキーではないか、というわけだ。

 またNATOのメンバーでもない日本、韓国、豪州、NZが招かれ、[IP4](インド太平洋四ヶ国)などと煽てられたが、欧米の真意を探る必要があり、この動きは要注意だろう。


中国の就職戦線に異状あり。あの好景気はどこへ消えた?   35歳以上はお断り、新卒内定率は四割を切った

2024-07-12 07:35:28 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月11日(木曜日)
     通巻第8325号   
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 中国の就職戦線に異状あり。あの好景気はどこへ消えた?
  35歳以上はお断り、新卒内定率は四割を切った
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中国の大學は卒業シーズン。じつに1158万人の新卒が社会に巣立つ。
ところが大卒ほど就職難、内定率は四割を切った。深刻な状況というより「史上かつてない悲惨な状況」である。内定の取り消しも続出しているが、たとえ就職できても、希望する給与は昔話、IT関連のビッグテックですらエンジニアの給与は60~75%カット。引く手あまたですぐに他社へ転職できた状況もなくなった。

AI、半導体など技術を持つ学生なら大丈夫と言われたのも過去の話、花形だったアリババ、テンセントも大幅なレイオフを敢行した。
或る統計では「2022年時点で文系学生の就職率は12.4%だった。理工学系でさえ、理学系が29.5%、エンジニア系が17.3%だった」という。

なぜこうなったのかは説明不要だろう。
不動産バブル破裂である。たしかにコロナ禍でサプライチェーンが途絶えた結果、不況に陥った側面もあるけれども、それは当局の言い訳に過ぎない。

過剰在庫、不動産バブル破裂はローンの不払い、クレジットカード破産に連鎖し、銀行ビジネスを襲い、経済の血脈たるカネの流れが逆流している。中国共産党の政策は庶民を救うことではなく国有銀行を救う目的が第一義だからだ。

 就職戦線、ついに「35歳以上お断り」となった。35歳を過ぎると職場がないので、ならば建設現場へ行こうにもマンション、ビル建設現場はクレーンが停まっている。屋台は競争が激しく、こうなると貧困家庭が急増し、治安が悪化する。社会学的にいえば若者の心理に悪影響が出ている。鬱病、トラウマ、精神疾患の急増。社会は活気を喪う反面、金融詐欺が横行する。

 げんに「オレオレ詐欺」「なりすまし」「儲かりますよ」の詐欺は激増し、その拠点がフィリピン、ラオス、カンボジアから昨今はミャンマーの山岳地帯にまで及んでいた。

 頭脳の海外流失も顕著な勢いである。それも従来のアメリカ移住は激減しており、昨今の中国人の海外転職はフィリピン、ロシアだという。
 標語は「GO GLOBAL」。
様変わりの中国、若者のエネルギーはいかなるかたちで爆発するか?