沖縄・台湾友の会

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鴻海精密工業が高雄にふたつの大工場建設   郭台銘、2024台湾総統選立候補声明直後に派手な式典

2023-04-10 20:45:34 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)4月11日(火曜日)
        通巻第7702号 <前日発行>
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 鴻海精密工業が高雄にふたつの大工場建設
  郭台銘、2024台湾総統選立候補声明直後に派手な式典
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 高雄市長(鎮其邁)、副市長列席の下、鴻海精密工業(フォックスコム)からは系列「鴻海科技集団」会長の劉楊偉がひな壇に立って、高雄にふたつの大工場を建設する壮麗な着工式が行われた。
日本円換算で1000億円を投じ、EVならびに電池工場を建設、およそ2000名の雇用を見込む。中国大陸での新工場はアメリカの圧力を前にして鴻海精密工業としては、台湾に建てた方が得策と判断したのだろう。

 大工業都市となった高雄市は新設の工業団地がある。そのうちの一つ、和発産業団地ではEV電池を生産し、橋闘科学園ではEV自動車仕様のバスを年間500台製造する。2025年に生産開始を見込むとした。

 台湾メディアはこうした前向きの投資プロジェクトを大きく報じているが、主役はなんと入っても鴻海CEO郭台銘である。郭は正式に2024年台湾総統選への立候補を表明したからである。
かれの両親は山西省出身だから、外省人二世である。英語名はテリー・ゴウ(Terry Gou)。シャープ買収で日本でも名を馳せ、『フォーブス』長者番付で台湾一の富豪となった。

1974年「鴻海プラスチック企業有限公司」を設立、当時台湾の産業を支えたプラスチック製品の製造・加工を始め、創業時は白黒テレビのつまみを作る街工場だった。
「鴻海」の由来は「鴻飛千里、海納百川」(鴻(おおとり)は千里を飛び、海はすべての川を納める)。初心からスケールは大きかったのだ。
以後、躍進を続けた。85年には米国へ進出、88年には中国に富士康(フォックスコン)を立ち上げて100万人を雇用した。映画のモデルにもなった。

 ▲鴻海高雄のCEOには日本人が就く

2023年2月1日、日本電産CEOだった関潤氏が鴻海EVのCEOとして赴任と電撃的に発表された。関は日産のナンバー3のCOO(最高執行責任者)として、カルロス・ゴーンが食い逃げた後の日産立て直しに尽力していた。
或る日突然、永守重信に説得され日本電産に電撃移籍した経緯がある。
しかし業績不振を理由に22年九月に日本電産を突如解任され、永守重信会長とは袂を分かっていた。

鴻海精密工業は、日本電産の売り上げの13倍もある。
嘗て『台湾の松下幸之助』と言われたのは台湾プラスチックの王永慶で小さな材木商の丁稚小僧から世界的企業に育てた(筆者は三十年ほど前に王とインタビューのため台北の台湾プラスチック本社ビルを訪ねたことがある。王が伝法な日本語を喋るのには驚いた)。

郭台銘もおなじく立志伝中の人物だが、放言癖とぎらぎらした野心はトランプとそっくりだという人もいる。そういえば孫正義、馬雲と並んでトランプが出席したSBGの鍬入れ式でも郭台銘が並んだ。

王永慶が不在となった後、台湾財界を率いるのはTSMC(台湾積体電路製造股fen
限公司)の創設者、張忠謀と、この郭台銘である。知名度は世界的にも抜群。
この国民的人気によって国民党予備選で党首席の朱立倫と新北市市長の候友宜を飛び越える可能性はなきにしもあらず。政治的閉塞感をうち破る勢いに台湾の庶民が期待するからだろう。
むろん、与党・民進党関係者は郭台銘が北京寄りの政治姿勢であることを警戒している。また国民党は党内秩序が乱されることを懸念し、郭台銘の電撃参入には迷惑顔だ。

ましてや次期総統選挙前哨戦の段階で、第三党「台湾民衆党」の何文哲(元台北市長)も正式に立候補を声明している。混線となると、『台湾のトランプ』が誕生する可能性はゼロとは言えなくなった。現時点では国民党予備選に勝ったわけでもないから泡沫でしかないけれども、高杉晋作が言ったように「時の勢いには勝てない」のである。

 4月9日に行われた日本の地方統一選挙が最適の見本、奈良県知事が格好の材料を提供してくれる。自民分裂で票が割れ、場違いな候補に勝利をさらわれた。二位と三位の票を足すと当選者より多いのである。したがって台湾総統選挙、何文哲が出馬すれば国民党候補が漁夫の利を得ることは明らかである。

「中国気球」について衝撃事実

2023-04-10 20:43:42 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
             頂門の一針 6467号 

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「中国気球」について衝撃事実
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【有本香の以読制毒】2~3月に多数が日本海に飛来も…当局は政治的影響に鑑み「対処しない」決定していた 

「2023年 中国『偵察気球(スパイ気球)』事件」は、まだ記憶に新しいことだろう。

発端は2月1日、米モンタナ州上空に正体不明の「気球」が飛来、多くの市民の目撃動画が次々にネット上にアップされ始めたことだった。地元空港は万一のリスクに備えて、飛行機を欠航させた。

これを受け2日、米国防総省の報道官が「1月28日、中国の気球が米国の領空に入った」と公表した。

その後、紆余(うよ)曲折あって4日、米南東部サウスカロライナ州沖に達したところで、米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター」が空対空ミサイルで気球を撃墜した。あの一件である。

発見から撃墜までの数日間、世界に共有された光景はさながら、テレビドラマのようだった。

中国は「平和的な気球だ」「米国は過剰反応だ」と主張。しかし、アンソニー・ブリンケン国務長官は予定していた中国訪問を中止した。

ここまでは外交上の"ドラマ"だが、野党・共和党はジョー・バイデン政権の対応を「弱腰」だと非難した。米中関係の緊張とともに、米国内の対立も激化した。

この一件後、筆者はずっとモヤモヤしたものを感じていた。

中国の主張を真に受けるわけでは無論ない。米国の大メディアが報じた「軍事偵察目的」との話も、さもありなんと思った。とはいえ、たかが気球である。

当初、「目的は米軍基地の画像情報取得だ」との報道があったが、200基以上の偵察衛星を保有している中国が、わざわざローテクの気球を使う必要があるのかと思った。

また、たかが気球を撃ち落とすのに、米国が、同盟国の日本にさえも「機密保持」を理由に売らなかった戦闘機F22を用いる必要があったのか。当初、国防総省は撃墜を考えなかったとも報じられていたのに…。などなど、多くの疑問が消えなかった。

3年前、わが国の東北地方に同様の気球が飛来したときのことも思い出した。当時の河野太郎防衛相は、気球の行方や再飛来の可能性を問われて「気球に聞いてください。安全保障に影響はございません」と答えていた。

今般改めて野党の追及を受けた河野氏は「分析の内容を対外的に話すことはできない」と答弁した。

これは大筋として理解できる。しかしそれなら、「お答えを控えます」と真面目に言うべきところを、「気球に聞いて」と茶化すように言うセンスには首をかしげる。

余談だが、河野氏は2021年の自民党総裁選に立候補した際、敵基地攻撃能力について「昭和の時代の概念」などといってケムに巻いた。国防の肝であり、最も言い難い論点をはぐらかす態度からは、「将来の宰相の器」を感じられない。

気球に話を戻そう。

米NBCテレビは3日、気球が「複数の米軍基地の兵器システムが発する信号や兵員間の通信を傍受していた」と報じた。収集した情報はリアルタイムで中国本土に送っていたという。

織田邦男氏「目的はピンポイントで持っていけるようにする」

だとすると、安全保障に影響は大ありだ。当然、わが国に飛来した気球にも同様の疑いを向けるべきだ。さらに、元航空自衛隊空将の織田邦男氏は、筆者のネット番組「百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時!」で、震撼(しんかん)する未来予想を解説した。

「中国がもくろんでいるのは、この気球を世界中にピンポイントで持っていけるようにすることです。風の速度と方向は高度によって違いますが、それが全てわかれば、全データをAIに入れ、どの高度に上げて(下げて)どこまで持っていくか操れるようになる。ピンポイントでワシントンに持っていき、生物兵器を落とすことも可能です」

もはや、たかが気球という話ではない。

最後に、筆者があるソースから得た最近のわが国に関わる重大情報を明かそう。

米国での「気球」事件の後、2月中旬から3月にかけ、わが国の日本海側に中国のものとみられる気球が多数飛来していた。当初、空自戦闘機が緊急発進(スクランブル)で監視したが、その後、数があまりにも多いことや、政治的影響に鑑み、日本当局は「対処しない」と決定した。

果たして、この決定は正しいのか。われわれの未来の安全を「気球に聞いて」いる場合ではないはずである。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

有本香ジャーナリスト
著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。