沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

印露大接近で変わる世界の秩序 櫻井よしこ

2022-07-17 21:20:40 | 日記
━━━━━━━━━━━━━━
印露大接近で変わる世界の秩序
━━━━━━━━━━━━━━
            櫻井よしこ


日本ルネッサンス 第1007回

石油、天然ガスの供給を軸に国際関係に大変化が生じ、世界はパワーバラ ンス再構築の時代に突入した。

中国がウクライナ侵略戦争の中で親ロシア路線を選んだのはすでに世界的 な認識だ。しかし、私たちはユーラシア大陸のもうひとつの大国、インド にも注目しなければならない。中国は親ロシアの立ち位置に一ミリも揺る ぎを見せない一方、なるべく目立たないように気遣っている。対照的にイ ンドは誰の目にも明らかな形で親ロシア外交を深めている。

安倍晋三元首相の提唱したインド・太平洋構想は米国のアジア戦略の要と もなり、日米豪はインドを含めて中国に対峙する四か国戦略対話、 QUADを進めてきた。だがインドの変化はQUADにも深刻な影を落と しかねない。インドがロシアにより深く肩入れすることで、エネルギー供 給をテコにロシアがアジアに影響力を広げる可能性もある。インドと中国 の間には国境を巡って深刻な対立があるが、それを超えて両国の関係が深 化すれば、日本は中印露の連携という、より大きな脅威と向き合うことに なる。

プーチン露大統領は6月30日、「サハリン2」を事実上接収するという日本 や世界の常識からは考えられない命令書に署名した。極東サハリン沖のこ の天然ガス開発事業に日本は官民挙げて協力体制を敷き、ウクライナ侵略 戦争勃発後も、同事業を継続すると表明していた。事実上の接収命令はこ のような日本に平手打ちをくらわせたに等しい。

強引な手法を是とするロシア、同じように強引だが、実際にはロシアより ずっと狡猾な形で他国の権益や領土を奪う中国、近い将来には人口で中国 を追い抜き、民主主義の力を発揮するかとも期待されたインドがひとつの 勢力を築くとしたら、世界、そして日本はどうなるか。

北大西洋条約機構(NATO)が今後10年の指針となる戦略概念を発表し たのは6月29日だった。岸田文雄首相は日本の首相として初めてその NATO首脳会議に出席した。

プーチン氏にとっては紙くず

新戦略概念は、ロシアとの関係を「戦略的パートナーシップ」とした従前 の定義を変えて、西側にとっての「最も重要で直接の脅威」と定義し直し た。インド・太平洋地域の情勢は「欧州・大西洋に直接影響する」とし て、NATOはそれら諸国と対話及び協力を深めるとし、中国について は、西側に「体制上の挑戦」を突きつけている国だと明記した。世界には 価値観の異なる二つの勢力圏が存在し、双方が抜き差しならない対立関係 に陥っているとの考えを世界に示したことになる。

インドのモディ首相は右のNATOの決意表明がなされると、2日後の7月 1日にプーチン氏と電話会談を行い、経済協力を進めていく旨、発表した のだ。インドがウクライナ侵略戦争後の国際秩序構築において親露路線を 強化するとの決断を示したと見てよいだろう。

サハリン2の例からも明らかなように、ロシアは勝つためには何でもす る。国際条約や国際契約はプーチン氏にとっては紙くずに等しい。自国の 権益しか考えない点において中国も全く同じである。まさにこうした価値 観を異にする国々との対立の中では、西側がロシア産原油や天然ガスの輸 入を段階的に削減しようと努力しても、或いは輸入禁止に向けて団結を固 めても、ロシアに十分な制裁を科し、ウクライナ侵略戦争をやめさせると ころには中々辿りつけない。

ロシアが持ちこたえているのは、中国とインドがロシア産原油の輸入を大 幅に増やしているのが主要な原因だ。インドの場合、去年の輸入は日量3 万3000バレルだった。ウクライナ侵略戦争勃発後の今年3月には日量60万 バレル、6月にはさらに115万バレルに増えた。

ジャイシャンカル外相をはじめとするインド側の弁明はざっと以下のよう なものだ。西側(米国)はイランやベネズエラに制裁を科し、原油輸入を 制限せよと言う。しかしウクライナ侵略戦争で国際価格も上がった。どの ようにして国内需要を満たすのか。原油価格の上昇と、それに伴うインフ レを如何にして抑えるのか。隣国スリランカは燃料不足とインフレで全土 にデモが広がり暴力行為が発生した。同種の混乱はインドとしては絶対に 避けたい。ロシアは国際価格の3割引きの取引に応じてくれる。ならばそ れを受けるのは当然ではないか、と。

このような考え方は、ロシアにとっても旨味がある。原油価格自体が1バ レル=100ドル水準に上がっているため、3割引きでも十分な利益があるか らだ。

馬鹿げた政策

私は当欄でこれまでニコラス・スパイクマンやブレジンスキーらの地政学 の論理を紹介してきた。スパイクマンは1940年代に地球上の最大の大陸、 ユーラシアの重要性について、ざっとこう論じている。

「米国の2.5倍の広さと10倍の人口(当時)を持つユーラシア大陸全体の 潜在力は、将来アメリカを圧倒する可能性がある」

スパイクマンもブレジンスキーも、敵対的な同盟でユーラシア大陸が統一 されるのを防ぐことがアメリカにとっての最重要課題だという。日本にも 同様のことが言えるはずだ。ユーラシア大陸では近未来に中国が、ロシア を圧倒する形で主導権を握る存在になるだろう。そこにインドが加われば どうなるか。

インドは戦後ずっと旧ソ連(ロシア)と関係を深めてきた。元々非同盟を 標榜して中立の立場をとってきたが、事実上向こうの陣営にコミットして きた。その結果、インドは軍備・装備のほぼ6割をロシアに依存して今日 に至る。その上ロシアへの原油依存を強めればインドはロシアから離れら れなくなる。エネルギー問題が中露印の協力体制を強めるのである。この ような事態の深刻さ、国際社会の力学の変化に岸田首相は気がついているか。

日本は猛暑の中、電力不足に喘いでいる。だからといってロシア産のエネ ルギーや中国主導のエネルギー供給体制を当てにするようなことはあって はならない。ロシアの天然ガスや中国の技術に頼らずとも、わが国は自力 で十分に電力を生み出せる。100%国産の技術で支えられているのが原子 力だ。野党の多くは原発は危ないという。しかし現場を取材すれば、3.11 の事故を受けてわが国の原発の安全性が世界一の水準になっていることを 実感するだろう。

岸田政権は経済政策「骨太の方針」で、脱炭素化実現のため風力発電を主 力に10年間で150兆円も注ぎ込むという。太陽光発電同様、風力発電で日 本のエネルギー需要を支えるのは不可能だ。おまけに風力の発電設備は中 国が世界最大のシェアを持つ。日本の風力発電の投資は全て中国に注ぎ込 まれる。こんな馬鹿げた政策は即刻見直して、日本の実力が発揮できる原 子力発電の新増設を強く進めるときだ。


芽吹くか安倍氏「後来の種子」 ━━━━━━━━━━━━━━       【阿比留瑠比の極言御免】

2022-07-17 00:18:33 | 日記
━━━━━━━━━━━━━━
芽吹くか安倍氏「後来の種子」
━━━━━━━━━━━━━━

      【阿比留瑠比の極言御免】 


 参院選の街頭演説中の8日に暗殺された安倍晋三元首相の12日の葬儀 で、夫人の昭恵さんは「まだ夢見ているようです」とあいさつした。これ は筆者が、10日に安倍氏邸を弔問に訪れた際、昭恵さんから聞いた言葉と 同じだった。

 ずっと白日夢にとらわれているような感覚なのだろうと、痛ましかった。

 ただ、昭恵さんが続けて安倍氏が父、晋太郎氏の追悼文で引用した幕末 の志士、吉田松陰の言葉に触れたのには大宰相の妻としての覚悟を感じ た。昭恵さんはこう語ったのだった。

 「10歳には10歳の春夏秋冬があり、20歳には20歳の春夏秋冬、50歳には 50歳の春夏秋冬があります。父、晋太郎さんは首相目前に倒れたが、67歳 の春夏秋冬があったと思う。主人も政治家としてやり残したことはたくさ んあったと思うが、本人なりの春夏秋冬を過ごして、最後の冬を迎えた。 種をいっぱいまいているので、それが芽吹くことでしょう」

[同志に将来託す]


 松陰は刑死を目前にしても、私の志を憐(あわ)れみ継ぐ者がいれば、私 は「後来(こうらい:将来)の種子」として未来につながっていくと同志に 呼びかけている。「種をいっぱいまいている」との昭恵さんの言葉は、多 くの同志たちに日本の将来を託したということだろう。

 ちなみにこれは、死を予感したイエスが述べたという次の言葉にも通じる。

 「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一粒のままです。し かし、もし死ねば、豊かな実を結びます」(新約聖書)

 松陰を尊敬し、国内外で大きな足跡を残した安倍氏の生涯に思いをは せ、これからの日本を考えるうえでまことにふさわしいあいさつだったと いえる。

 安倍氏自身も平成18年9月、第1次政権をスタートする際の所信表明演 説で松陰の事績を引き、こう訴えていた。

 「吉田松陰は、わずか3年ほどの間に、若い長州藩士に志を持たせる教 育を行い、有為な人材を多数輩出しました。小さな松下村塾が明治維新胎 動の地となったのです」

 わずかな期間、松陰の薫陶を受けただけの塾生の中から高杉晋作ら倒幕 に大きな役割を果たした維新の志士、また伊藤博文、山形有朋ら首相をは じめ多数の閣僚、大学の創設者など近代日本建設につながる人材が巣立っ ていった。

 まして憲政史上最長の8年8カ月もの長期にわたり政権を担った安倍氏 の言動を、周りで見て学んだ政治家は少なくない。ぜひ芽吹いてもらいたい。

[首相も継承明言]

  「彼が一生は、教唆者に非(あら)ず、率先者なり。夢想者に非ず、実 行者なり。彼は未(いま)だ嘗(かつ)て背後より人を煽動(せんどう)せず。 彼は毎(つね)に前に立ってこれを麾(さしまね)けり」

 この言葉は、ジャーナリストの徳富蘇峰が吉田松陰を評したものだが、 常に先頭に立って論戦に挑み、政策を実現させてきた安倍氏の姿が重なる。

 岸田文雄首相は11日の記者会見で、安倍氏の功績にふれ、こう強調した。

 「思いを受け継ぎ、(北朝鮮による)拉致問題や憲法改正など、自身の 手で果たすことができなかった難題に取り組む」

 首相は、安倍氏の志を受け継ぐと明言し、難題から逃げない姿勢を鮮明 にしたのである。

 その決意を決して忘れず、自ら先頭に立って防衛費大幅増や一刻も早い 原発再稼働、景気回復などの」課題に正面から立ち向かってもらいたい。 国民の一人として、衷心よりお願いする。


中国経済はすでに死んでいる。『心肺停止』だがゾンビはしぶといのだ   地方銀行のとりつけさわぎが意味するもの

2022-07-17 00:17:32 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月15日(金曜日)
          通巻第7405号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 中国経済はすでに死んでいる。『心肺停止』だがゾンビはしぶといのだ
  地方銀行のとりつけさわぎが意味するもの
****************************************

 「構造的不況」というのは日本と中国では根本のところが異なる。
 国家の組織として組み込まれているプロジェクト、たとえば新幹線は採算なんぞ度外視してがむしゃらに強行される。国家が決めた事業であり、計画を消化する必要があり、また中国鉄建(中国国家鉄路集団)は従業員27万人、関連企業ならびにその家族を含めると300万人ほどが、この中国鉄路集団によって暮らしている。

 そのうえ、この企業は軍の影響下にあって、人員削減、合理化などは出来る相談ではないアンタッチャブルである。

 だから数人の乗降客しかいない辺境や砂漠にも駅舎を建て、イケイケどんどん、営業キロはとうとう4万キロを超えた。それでも利権が広がり、これを維持するためには、さらに2025年に5万キロ、35年に7万キロが目標。累積赤字は公表された分だけでも120兆円、あと3万キロ伸ばすとなると単純計算でも73兆円かかる。
高利の鉄道債を起債し、金融機関に強制的に買わせて、資金をまかなってきた。鉄道事業そのものは採算が取れず赤字経営。この体質が、おそらく永遠に続く。資本主義システムでは考えられないことが中国ではおこる。中国の鉄道債の金利は6~7%とされる。

 地方政府は、融資平台の焦げ付きが著しく顕在化し、土地売却を急いだが民間企業の応札がない。入札会場は閑古鳥、手元現金がなくなり、地方からの出稼ぎは現場を去った。
 恒大集団、世茂集団のデフォルトがいみじくも、不動産業界のおかれた立場を雄弁に物語っている。民間企業が主だから、解雇されても社会問題化しないうえ、マンションを購入しても引き渡しのない人たちの抗議活動も潰された。

 コロナ禍報道の影に隠れたが、地方政府は公務員の給与を下げた。ボーナスはでない。悲鳴があがる。

 3月以降、深センでは教師らがボーナスを60%削減され、一部は給与がいきなり削減された。厦門や蘇州などでは、手当や補助金が取り消された。基本給も20~30%カットされ、中国の有力な経済誌『財訊』は特集を組んだ。


 ▲学校の先生たちもボーナスなし給与カット、遅配に抗議デモ

 6月中旬、山東省煙台市の教師たちが抗議集会とデモを展開した。
「過去2年間のボーナスが支払われていない。減らされた給与を返せ」と訴えた。同様に給与削減は広東省、浙江省、江蘇省などの公務員に見られ、マイカーも不動産投資も話題からは消えている。子供たちの大學授業料も払えない。海外留学?とんでもないということだろう。
 ただし、現時点で地方自治体は賃金を引き下げたが解雇を避けてきた。今後は大量解雇の状況になる。

 不動産バブルは史上空前の規模で潰えた。1929年の大不況どころではない。その悪政の予兆が随所に出始めた。

 当局は深刻な状況をひた隠すが、幽霊マンションが中国全土にあり建設現場ではクレーンが動いて居らず、労働者が消えているから、おかしいというより、異様な状況におちいっている実態はサルでも分かる。

 2022年上半期に土地取引量は前年比50%以上減少した。商業用住宅の販売面積は前年比23.6%減少、住宅販売面積は34.5%減少した。
 これにともなって国土税と固定資産税のうち、付加価値税は前年同期から28.1%減少土地付加価値税は同9.4%減となった。

 すでに物件の値下げが始まっているが、当局が「15%以上の値引きをするな」としたため、物件が動いていない。
不動産会社の倒産は連鎖で地方の中小銀行を倒産させる。
そのうえ地方自治体は債務を隠蔽している。つまり中国は金融危機に直面しているのだ。

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年7月15日号) *安倍総理、ケネディ、伊藤博文

2022-07-17 00:16:44 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年7月15日号)
*安倍総理、ケネディ、伊藤博文
 今回の安倍暗殺事件は半世紀以上前のケネディ暗殺、そして1世紀以上前の伊藤博文暗殺と驚くべき共通項がある。

 米国のケネディ大統領は1963年11月にテキサス州ダラスで銃撃され死亡した。直後に実行犯として逮捕されたオズワルドは元海兵隊員だがソ連(現ロシア)に滞在歴があり、背後にソ連がいることは確実だった。
 しかし、真相を公表すれば、米ソの戦争に発展することを恐れた当時の調査委員会は、証拠物件を2039年まで非公開とする決定を下した。オズワルドは逮捕直後にやはり銃撃され死亡し、この実行犯ルビーは4年後に病死しているから、真相の解明は2039年まで待たなければならない。

 明治の元勲、伊藤博文は1909年に満州(現中国黒竜江省)のハルビンで銃撃され死亡した。安重根(あんじゅうこん)が実行犯として直後に逮捕されたが、彼が撃った弾は伊藤に命中しておらず、伊藤の体内から検出された弾丸はロシア軍使用の銃の弾丸であった。
 つまり安重根はダミーであり、真犯人はロシア軍であり、銃撃直後に逃走したのである。しかし真相を公表すれば戦争に発展しかねず、1905年に日露戦争にようやく勝利したばかりの当時の日本に、その余力はなかった。

 さて、今回の安倍銃撃事件との共通項は明からだろう。実行犯の山上の供述は前号でも指摘した通り支離滅裂なものであり、彼が洗脳されていることは明白だ。背後関係は確実だが、日本には憲法の制約のもと、こうしたスパイ工作に対応する情報機関が存在しない。
 結局、ケネディや伊藤の事件と同様に、単独犯で処理され真相は歴史の闇に葬られることになろう。