沖縄・台湾友の会

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「台湾の声」【浅野和生】対中政策が乖離する自民と公明

2022-07-11 11:10:49 | 日記
【浅野和生】対中政策が乖離する自民と公明

価値観共有か近隣友好か
連立政権がはらむ危険を露呈


            平成国際大学副学長 浅野 和生

 第26回参議院通常選挙に臨む自民党のマニフェスト(政権公約)の、安全保障政策はまことに不思議な文章であった。

 自民党は、マニフェストの冒頭に「毅然《きぜん》とした外交・安全保障で、“日本”を守る」の章を置き、「外交と防衛は国の根幹」であるという認識を示した。しかも、「日本の平和と安全を維持する」という文言を用いず、「国際社会の平和と安定を実現する」として、日本一国の平和追求ではなく、世界の平和に責任を負う姿勢を明らかにした。「来年のG7(先進7カ国)議長国として、普遍的価値に基づく国際秩序の維持・発展に主導的役割を果」たすとも宣言した。

<<公約で中国に言及せず>>

 さらに「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、「米、豪、印、欧州、ASEAN(東南アジア諸国連合)、太平洋島嶼《とうしょ》国、台湾等との連携」強化を謳《うた》い、台湾との協調を明言した。これは、「自由で公正な経済秩序の構築」「人権尊重を後押しする国際協調・指針策定・輸出管理の検討」「法の支配と基本的人権の尊重に基づく司法外交」の推進と合わせて、自由と人権、市場経済と法の支配を守るという、価値観を共有する国々との連帯の表明であり、今日の日本にふさわしいものであった。

 しかし実は、上記の文は中国に言及しなかった。すなわち自民党の令和4年参議院選挙公約、「決断と実行。」の3~4ページは、毅然とした外交・安全保障について語り、「国際社会の平和と安定を実現する」「国防力を抜本的に強化する」「海上保安体制を強化し、海洋秩序を保つ」「経済安全保障をさらに推進する」の四つについて論じているが、「ロシアのウクライナ侵略、中国や北朝鮮の軍事力強化など、安全保障環境が加速度的に厳しさを増す中」という冒頭の情勢説明がある外、「中国」に対する政策が出て来ないのである。
 立派な価値観外交を展開して「日本を守る」と言っているが、中国に対する政策については論じていない。

 一方、公明党のマニフェストは、「経済の成長と雇用・所得の拡大」を最初に置き、「誰もが安心して暮らせる社会へ」が続いて、3番目にようやく「国際社会の平和と安定」が出てくる。これが「公明党らしさ」であろう。

 公明党のマニフェストは、自民党よりはるかに多弁で、3番目の「国際社会の平和と安定」において「戦争・核兵器のない世界のための国際秩序の構築」その他もろもろについて語っているが、「価値観を共有する国々との連帯」を述べてはいない。
 そこにウクライナに侵攻したロシアへの批判はあるが、公明党は窮極的に、どの国とでも友好関係を持ちたいのである。だから北朝鮮についても、「核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題を解決」し、「不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現」を目指すと宣言している。

 また、「日中関係」については、現在の中国における人権や基本的自由の尊重について「国際社会から具体的な懸念が示されて」いるが、公明党はこの「懸念を共有している」ので、「中国は透明性をもって説明し、国際社会に対する責任を果たすべき」だと主張した。しかしここで公明党は、中国に「国際社会が納得するように説明してほしい」と注文しているだけで、ウイグル族への強制労働や、香港の「一国二制度」の終焉《しゅうえん》と自由・民主の抹殺について、事実と認定して非難し、改善を求めているわけではない。
 だから「日中国交正常化」から50年の節目に当たる2022年、公明党は「与党交流をはじめ政党間交流、民間交流を活発化させ、積極的な対話を推進し、相互理解を深める努力」を進めると明言したのである。

<<危機への対処に不安も>>

 要するに、公明党は、自由と民主、法の支配とルールに基づく市場経済などの価値観共有を基準とせずに、近隣友好外交を提唱しているのである。これは、「自由で開かれたインド太平洋」の維持を求める今の自民党とは懸け離れた外交政策というしかない。
 国際情勢が深刻さを増すなか、中国による台湾併合のアクションが待ったなしの今日、岸田内閣は、外交の基本理念が乖離《かいり》している公明党の議員を抱え込みながら、アメリカをはじめとする同盟諸国と協調しつつ、危機に対処していけるのだろうか。<<(あさの・かずお)>>


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台湾の声


AC 論説No.900 安倍元首相の暗殺に思う

2022-07-11 11:07:52 | 日記
AC通信No.900 (2022/07/10)
AC 論説No.900 安倍元首相の暗殺に思う

8日の夜、パソコンをつけたら20分前に安倍元首相が奈良で参院選の街頭演説をしていた時に背後か
ら狙撃されたという速報が入っていた。当時は心肺停止で病院に運ばれたと言っていたが、間も無く死
亡したというニュースが入ってきた。心よりご冥福をお祈りいたします。

安倍元首相が暗殺された後、日本では与野党、共産党など全ての政治家が暗殺は卑怯だ、暗殺は悪だと
批判した。翌日になると世界各国の政治家が安倍首相の死を悼み、みんなが暗殺テロを否定する言論を
発表した。

暗殺事件のあと色々考えることがあった。

政治家の生命を奪い、言論を封殺するのは絶対に許されぬ悪質な暴力である。今回の安倍氏暗殺は個人
的行動であったし、犯人の動機が明らかにされないので、それが本当に個人の意見だったのか、それと
も計画的に安倍暗殺をするほど影響を与えた論説、またはグループがあったのか。それほどの影響を与
えたのは日本国内の反安倍論か、それとも外国の洗脳や金銭の影響があったのか。安倍氏暗殺から3日
たってもまだ外国由来を考慮した言論はない。本人が喋らないから彼の真意はわからない。

安倍氏が暗殺されたあとの一般的な意見は、暗殺は卑怯なテロリズムだ、安倍氏は偉大な政治家で日本
の大きな損失だと言われている。でも安倍氏暗殺を肯定するような人も少数ながら居るという。暗殺は
卑怯、罪悪だと言うけれど、もしもこれが安倍氏でなくプーチンや習近平が暗殺されたニュースだった
らどうだろう。安倍氏暗殺を否定する人たちでもプーチンだったら肯定するかもしれない。暗殺は悪
だ、しかしある人にはOKだと思う。感情が理性を否定する。人間の正義感なんて当てにならない。

ある人は「みんなが同じ意見だったらそれが民主主義の正義だ」というかもしれない。個人の暴力で政
治家の生命を奪うのはテロリズムで民主主義に反すると言う。だが大衆が賛成するなら構わない。

つまり現今の「民主主義、デモクラシー」とは大衆の意見が正義であるように洗脳された意見である。
安倍氏は立派な政治家だったが民間でもトランプと同様、ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせられた政治
家でもあった。これはメディアが大衆の意見を左右出来ることを証明している。メディアが連日宣伝す
れば民衆の政治家に対する印象や意見はどのようにでも変えられる。

メディアが大衆の意見を左右できるなら、DSをコントロールするDeep Stateが政敵の生殺与奪をコント
ロール出来る。メデイアに扇動された大衆が「XXは殺しても良い」と言えばそれが正義となって通る。
そんなデモクラシーは「デモ殺し」である。

バイデンも国民の大半を扇動して「デモ殺し」を実行している。アメリカの最高裁がRoe vs. Wadeの裁
判で中絶の法制定は人民と州にあるとしたあと、中絶を支持するグループが連日のように保守派の最高
裁判事の家の前で抗議デモを行っている。でもバイデンには民衆がデモをする権利があると言う。

最高裁判事の個人と家族の生命安否を脅かすデモ行為は違憲である。それでもバイデン政権は左翼デモ
を支持している。カバノー最高裁判事を暗殺する目的でカリフォルニアからワシントンに行った男が逮
捕されたのに、ガーランド司法長官は今日まで左翼のデモを放任しているのだ。

若しもバイデンの支持する「平和なデモ」が暴徒化し、ある最高裁判事が殺害されたら、バイデンは直
ちに新しい左翼裁判官を任命するだろう。これが彼のはな真意ではないか。

バイデンは大統領でありながら公然と最高裁の判定に逆らって妊娠中絶を支持するだけでなく、2日前
に「中絶をする女性の安全を守る」と言う大統領命令にサインした。女性が中絶をする権利を保護する
ためという。

その同じ日の夜、カバノー最高裁判事がワシントンのレストランで食事をしていたことを聞きつけた暴
徒が彼の食事をしているレストランに押し寄せた。生命の安否に関わる一大事となったのでカバノー判
事はレストランの裏口から脱出した。

その翌日、バイデン大統領はカバノー判事に抗議するためレストランに押し寄せたグループを「レスト
ランの門前での平和な抗議だったからオーケー」と述べ、群衆が「平和な抗議デモ」をする権利がある
とさえ言ったのである。

中絶をする女性の安全を保護する命令を発布した大統領は、最高裁判事の生命の安全を保護しない。
The Conservative Briefと言う雑誌社は「バイデンはラディカル左翼に降参した」と書いたがそれは違
う。バイデンこそラディカル左翼、「デモ殺し」の本尊なのだ。


中国のネット炎上。中華思想組は「安倍暗殺を祝福する」    中国のイメージを傷つけると批判も。

2022-07-11 10:59:06 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月11日(月曜日)
          通巻第7400号
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 中国のネット炎上。中華思想組は「安倍暗殺を祝福する」
   中国のイメージを傷つけると批判も。
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 9日から中国のSNSが安倍首相銃撃のコメントで炎上している。「祝福したい、戦争犯罪を否定しなかった政治家だからだ」とか。
 こうした「率直な」コメントに対して、「国際社会で中国のイメージを傷つける」と反対意見、批判も散見される。

 習近平は哀悼の意を表し、日中関係に前向きに寄与した功績を称えたが、通り一遍の文言を並べただけだった。

 中国は米英と日本で不幸が起こると喜ぶ習性があり、911テロの時は万歳を叫んでカクテルパーティが上海で開催されたこともあった。台湾独立は「分裂主義」と獅子吼している国だから、正常は判断が出来ないシナ人が夥しくいる事実の逆証明にもなる。

 奈良市内の銃撃現場では大雨をついて供花の長い、長い列ができた。
 バリ島でG20外相会議に臨んでいたブリンケン国務長官は9日にバンコクへ移動し、その後の予定を変更し来日、今晩の通夜に出席する。

11日の通夜と12日の葬儀は近親者のみとされるが、自民党葬となれば数万の人手が予想される。父親の安倍晋太郎氏の葬儀も芝の増上寺だった。

増上寺は浄土宗の名刹、そして徳川幕府の歴代将軍の菩提寺だ。二代将軍秀忠、家重、家宣、桂昌院などの墓地がある。ここで倒幕長州出身の政治家が葬儀を営むのも歴史のイロニーだろうか。

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年7月9日号) *スパイに狙われた安倍元総理

2022-07-11 10:54:09 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年7月9日号)
*スパイに狙われた安倍元総理
故・安倍元総理の最大の功績は自由インド太平洋構想を提唱し主導した事だが、この構想を成功させるためには、日本が防衛力を大幅に強化しなければならない事を彼はよく知っていた。そこで国家安全保障戦略を総理在任中の2020年末までに改定し、防衛費を倍増させる計画だった。

しかし新型コロナウィルス対策に忙殺される中、持病が再発し辞任したので、計画は頓挫した。新型コロナウィルス騒動が収まりを見せた今年初めから、安倍元総理を総帥とする勢力が精力的に動き始め、4月には「防衛費GDP2%以上を念頭に5年以内に防衛力を抜本強化する」趣旨を盛り込んだ自民党の提言を岸田総理に提出した。
政府はこの提言を受けて年末に2年遅れで国家安全保障戦略を改定する。だが防衛費の倍増が確定した訳ではない。財政均衡を重視する財務省は抵抗を示しているし、岸田総理の周辺には、財務省関係者がとぐろを巻いている。

つまり防衛費が倍増するか、どうかは参院選後の政治折衝で決定されるのである。もし、防衛費倍増派の総帥たる安倍元総理を亡き者にすれば、防衛費倍増は阻止できるという認識を、日本の防衛費倍増を阻止したい中朝露の情報機関は当然持っていよう。
彼らがなぜ、日本の防衛費倍増を阻止したいのかと言えば、来るべき戦争において日本の防衛力が弱体であれば、あるほど戦局が彼らに有利に働くからだ。つまり戦争の準備であり、そのために元総理の暗殺を企むのは情報機関としては当然であろう。

暗殺実行犯の山上徹也は20年前に海上自衛隊に3年間勤務している。早期退職の自衛官はスパイ工作の対象になる場合がある。私も航空自衛隊に11年いて退職したとき、こうした怪しげな誘いが少なからずあり、おかげでスパイ工作の実態を知ったのである。
山上は「特定の団体に恨みがあり、安倍元首相がこれとつながりあると思い込んで犯行に及んだ」という趣旨の供述をしているが、これは何らかの強い洗脳工作を受けていた形跡としか考えられない不自然な供述だ。

スパイ防止法もなければ情報機関もない日本においては、スパイ工作に対応する機関はなく、警察は山上をただの殺人犯として起訴する他ない。これはスパイ工作の勝利であり、将来的に見れば日本の敗北ひいては自由インド太平洋構想の瓦解を意味する。
安倍元総理の殉難の報に接して、私が思い起こしたのは論語の先進第十一の九節、「ああ、天、われを喪(ほろ)ぼせり。天、われを喪ぼせり」


志半ば、兇弾に仆れても、その精神は受け継がれる    神武肇国の大和へ不屈の志と魂は還った

2022-07-11 10:51:42 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月 9日(土曜日)
          通巻第7399号 <臨時増刊号>
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 志半ば、兇弾に仆れても、その精神は受け継がれる
   神武肇国の大和へ不屈の志と魂は還った
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 熊襲と出雲を退治して凱旋したヤマトタケルに景行天皇は続いて東征を命じた。ヤマトタケルは草薙剣で駿河国造の襲撃を切り抜け、常陸国の新治まで行軍した帰路、甲斐の酒折で歌を詠んだ。
尾張でおごりが出て草薙剣をおき、伊吹の賊を退治にゆくが油断して重傷を負い、伊勢の能褒野でみまかった。ヤマトタケルは白鳥となって古市をめざした。絶命の前に遺したとされる歌は
 「大和はくにのまほろば たたなづく 青垣やまごもれる 大和しうるわし」

 現代日本の強き指導者は奈良の北辺で撃たれ、樫原に没した。ここは神武肇国の土地であり、英雄の陵(みささぎ)が造成されている。わがくにの肇国の魂が呼んだのだ。

 昭和四十五年十一月二十五日、夜半に関西は雨に見舞われた。保田譽重郎は、文豪の諫死を憂い、その夜雨を「神々の涙」と比喩した。

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 安倍晋三元首相の急死に世界から弔慰が寄せられたが、筆者が深い心の交流を感じたのは四人いる。
米国のトランプ前大統領、ロシアのプーチン大統領、そしてトルコのエルドアン大統領とインドのモディ首相からのものだ。
弔文を改めてここに記す必要はないだろう。この四名は国益を追求して戦ったナショナリスト同士であり、政治の原点を見つめる共通の認識があり、政治的な立場こそ異なっても魂の反応があった。合掌。