沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年7月22日号) *バイデン撤退後の米国

2024-07-23 15:55:04 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年7月22日号)
*バイデン撤退後の米国
 バイデン大統領が11月の米大統領選への出馬を取りやめた。現職の大統領が次期大統領選への出馬を取りやめるのは1968年のジョンソン大統領以来、56年ぶりの異例の事態である。
 当時のジョンソン政権もバイデン同様、民主党政権だったが、類似点はそればかりでない。60年代、ベトナム戦争は民主党のケネディ政権で始まり、続くジョンソン政権で拡大し、泥沼に陥った。
 米国内では反戦運動の嵐が吹き荒れ、本来、民主党支持である筈のマスコミや学生たちがジョンソンに批判の矢を浴びせかけたから、ジョンソン再選は危ぶまれていた。そこでジョンソンは健康上の理由で出馬を取りやめたのである。

 これは、アフガニスタン撤退で躓(つまづ)き、ウクライナとパレスチナで泥沼に陥り、学生たちの批判を浴び、認知症が疑われるバイデン現大統領の状態と、完全に重なる。ならば今後の推移も当時の推移と似るのではないか?
 1968年の大統領選に勝利した共和党のニクソンは、米軍をベトナムから撤退させることに成功し一時的に東南アジアに平和をもたらしたが、政治スキャンダルで失脚し、東南アジアは再び紛争の巷(ちまた)となった。

 共和党のトランプは、ウクライナとパレスチナの戦争を終わらせると公約しており、ゼレンスキーやネタニヤフもトランプの停戦交渉に期待を示し始めた。米国の政権が交代することにより停戦交渉が進展する例はしばしばあり、トランプは停戦を実現できるかもしれない。
 しかしニクソン同様、政治的スキャンダルで失脚する可能性も否定できず、その場合、世界は再び戦争の危機に連れ戻されるかもしれない。


バイデンが転んでハリスが大統領候補。民主党多数は納得か   『負ける試合には出ない』。ニューサム知事、立候補見送りへ

2024-07-23 15:54:07 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月22日(月曜日)
     通巻第8338号    
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バイデンが転んでハリスが大統領候補。民主党多数は納得か
  『負ける試合には出ない』。ニューサム知事、立候補見送りへ
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 7月21日、バイデンは大統領選挙レースから降りると声明し、代替の候補にカマラ・ハリス副大統領を推挽した。
拙著『トランプ劇場2・0』(ビジネス社、23年1月刊)で、すでに「不出馬はいつか」と予測してきただけに格別の驚きはないが、本命とされるニューサム知事が、見送りを表明したことが、意外である。
 ようするに『負けることがあきらかな試合には出ない』ということだろう。

 バイデンの不出馬表明まで停止されていた政治献金が再開され、民主党全国委員会は活動を再開した。
https://www.amazon.co.jp/dp/4828425861/

 一方、トランプ陣営はキャンペーン広告、宣伝戦略を一からやり直しとなる。
 バイデン批判ではパンチが弱くなるだろうが、実績がゼロのハリスを、いったい何から批判するか、広告広報戦略家の腕の見せ所になる。


「国益」を封じてきた日本外交 ━━━━ 【阿比留瑠比の極言御免】 令和6年7月18日

2024-07-22 09:48:12 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6934号 

「国益」を封じてきた日本外交
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【阿比留瑠比の極言御免】 令和6年7月18日

 戦後の日本がいかに異常な言論空間に閉じ込められていたかを、改めて実感した。自民党の高村正彦元外相のオーラルヒストリー(歴史研究のための口述記録)である『冷戦後の日本外交』を読んでの感想である。この中で、高村氏と聞き手の一人で外務省出身の兼原信克・元内閣官房副長官補のこんなやり取りが出てくる。

 高村氏「(平成10年7月に小渕恵三内閣の)外務大臣になって最初の講演をした時に、驚いたことがあります。私は、日本の外交は国益を守るためにやっている、と至極当たり前の話をしたのですが、外務省の若い職員が何人か来て、ありがとうございます、とお礼を言われました。彼らによると、『国益を守る』というのはそれまで言えない雰囲気があったそうです」

 兼原氏「私が81年(昭和56年)に入省した時も言われましたよ。国益と戦略という言葉は使っちゃいけないと」

 現在なら、外務省が国益を追求しないでどうすると誰しも思うだろうが、確かに日本はそんな国だった。



[「当たり前」の答弁]

 同書とは別だが、ある大使経験者も「外務省には国益とか、愛国心といった言葉を小ばかにする風潮があった」と語る。敗戦国の引け目もあり、国際協調や友好ならばいいが、日本だけの利益を主張するのは野蛮だという発想だろう。

 このエピソードを読んで「やはりか」と得心したのは次の記憶からである。平成15年6月、参院決算委員会で世耕弘成氏の中国への政府開発援助(ODA)に関する質問に、小泉純一郎首相(当時)はこう述べた。

 「国益を考えない援助はあるか。ODA政策の中に国益の視点があるのは当然だ」「(援助が)どのように使われているのか。本当にその国の国民が感謝しているのか、喜んでいるのか、厳しく見直していかないといけない」

 今ならごく当たり前の答弁に筆者は驚き、ただちに当番デスクに出稿を連絡した。「首相、ODAは国益勘案」「対中国『認知度など吟味』」との見出しがついた記事は、翌朝の1面トップを飾った。



[親日国を後回し]

 約20年前までは、それだけ首相や閣僚、外務官僚らが率直に「国益」を語るのは珍しく下品なこととされていたのである。それが今では、わが国の国益とは無縁の場所に立っていそうな社民党の福島瑞穂党首らまで、ときに国益を口にするようになっている。

 時代の変遷とともに価値観も変化していく。また10年ほど前には外務省幹部からこんな言葉を聞いたことがある。

 「もともと外務省には、親日国を大切にするという発想はなかった」

 あることないこと対日批判を繰り返す「反日国」に頭を下げたり、ご機嫌を取ったりするのに手一杯で、親日国と手を携えて未来へ進むことまで頭が回らなかったのかもしれない。

 本書に話題を戻すと、高村氏といえば24年9月の自民党総裁選で次のように述べて、早い段階で安倍晋三元首相支持を表明した人物である。

 「候補者の中で統治能力というか、官僚組織を動かす力、官僚を使いこなす力を比較すると、安倍さんが一番優れている」

 当時、安倍氏に対してはこれと正反対の見方が多かっただけに、高村氏の炯眼(けいがん)に刮目(かつもく)した。本書でも、高村氏が麻生太郎元首相に電話で「このメンバーの中で内閣を仕切れるのは安倍さんだよな」と話す場面が出てきて興味深い。


イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出 “赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突

2024-07-22 09:46:25 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月19日(金曜日)弐
     通巻第8337号    
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●休刊のお知らせ● 小誌は明日(7月20日)から22日、休刊です
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イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出
“赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突
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 世界一の大富豪イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出する。マスクは「スペースX」ち「X」の本社をテキサス州へ移転すると発表した。
 LGBTQ戦争の結末である。

カリフォルニアから脱出する理由は“赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突である。則ちカリフォルニアの学校で教師が、教え子がトランスジェンダーを自認しているかどうかを親に告げることを禁じる新法(SAFETY法)に明確に反対し、すでに一年前から「そんなことをしたらカリフォルニア州でビジネスを継続することは困難になる」と忠告してきた。

ギャビン・ニューサム(カリフォルニア州知事)は7月16日に「SAFETY法」に署名し、成立させた。
左翼活動家たちは「同性愛者やトランスジェンダーの子供たちのためだ」と歓迎している。ところがSFETY法は、子供たちが教室で同性愛者だと自認したり、出生証明書に記載された名前や代名詞を勝手に呼び替えたりしても、学校職員が親に通知することを禁止する。まさに親の権利の侵害である。

 マスクはXの本社をサンフランシスコからテキサス州オースティンに移転するとし、「暴力的な麻薬中毒者の集団を避けるのはもううんざりだ」と言った。
サンフランシスコの町は荒み、ホームレス、麻薬乱用、路上犯罪により日常生活にも支障がでているからだ。

「嘗ては美しかったサンフランシスコは繁栄を極めていた。いまダウンタウンは“荒廃したゾンビの黙示録”に化けてしまった。数十年にわたる民主党政権の(愚かな政策)のせいだ」
すでにマスクは、2021年にテスラ本社をカリフォルニア州のハイテク拠点からテキサス州オースティンに移転し、自宅もテキサス州に移している。

「トランスジェンダーの娘がロサンゼルスのリベラルな学校へ通うことは完全な共産主義者になることであり、金持ちは悪だと考えるようになる」と彼は言う。
マスク自身、20歳になる娘がそうなってしまったことへの猛省がある。「同意年齢に達していない児童に不可逆的な性転換を行うことは『犯罪』である」とカリフォルニア州の奇妙奇天烈な政策に鋭く批判を続けてきた。

共和党を揺らす「プロジェクト2025」(ヘリテージ財団)   バンス副大統領候補は「すばらしい提言だ」、トランプ「私は知らない」

2024-07-19 11:15:29 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月19日(金曜日)
     通巻第8336号    <前日発行>
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●休刊のお知らせ● 小誌は7月20日から22日が休刊となります
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 共和党を揺らす「プロジェクト2025」(ヘリテージ財団)
  バンス副大統領候補は「すばらしい提言だ」、トランプ「私は知らない」
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 「ヘリテージ財団」の『プロジェクト2025』(922ページ)の全文は下記でご覧になれます(無料)。
https://static.project2025.org/2025_MandateForLeadership_FULL.pdf

保守系最大最強のシンクタンク「ヘリテージ財団」が作成した『プロジェクト2025』は、連邦政府の解体、規模縮小を唱えている。政府機構を全般に亘って、根本的に再編し、現在の保守運動の道徳的、文化的、政治的価値観重視の提案である。

肥大化した政府、リベラルのプロを食わせるのが目的かと思われる奇怪な組織や、不思議な予算の割り当てなど民主党は好き勝手なことをやって自分たちが肥ることに専念してきた。これらは急激に大胆に改編が必要と主張する。

本文は922ページの浩瀚、全30章からなる。『リーダーシップへの使命:保守派の約束』を基調に、ヘリテージが「行政国家」と呼ぶ、「選挙で選ばれていない官僚による政策運営を立て直すべき青写真が提示されている。

官僚機構の削減、家族の価値観と個人の権利の促進、国防費の増額、「全体主義カルト」の政府からの排除など、数百の提案である。バンス副大統領候補は、ヘリテージ財団で講演したこともあり、同財団作成の「プロジェクト2025」を推進すると表明したという。
「保守派による、保守派のための議題であり、我が国を破滅の瀬戸際から救う準備ができている」(ヘリテージ財団ケビン・ロバーツ会長)

エネルギー政策、気象変動問題に関してはトランプの主張と重なる政策提言が多い。
 とくに2017年にトランプは「パリ協定」から離脱した。石炭、石油、ガスの生産を擁護し続けながら、多数の連邦環境規制を無効化または弱体化させた。
 プロジェクト2025は、連邦政府のあらゆる側面を徹底的に見直す抜本的な計画を打ち出しており、気候変動政策に重点が置かれ、こう述べている。
「自動車、油田、ガス田、発電所からの温室効果ガス汚染を抑制するための規制を破砕し、連邦政府のクリーンエネルギー計画を解体し、化石燃料の生産を促進する」

プロジェクト2025は、バイデン政権下の連邦政府に蔓延している所謂「気候狂信主義」を一掃する目的がある。IRAの廃止に加えて、バイデン政権が推進したエネルギー省融資プログラム局の閉鎖を要求している。

また国務省に対し「対外援助計画からのすべての気候変動政策の撤回」と「発展途上国における化石燃料をめぐる戦争の停止」を求め、パリ協定からの離脱も支持している。
このプロジェクトは、トランプの資源開発拡大を推奨し、「アメリカの膨大な埋蔵量の石油と天然ガスは環境問題ではなく、経済成長の活力源である」と主張している。


 ▼トランスジェンダーは軍隊からたたき出せ

 国防総省に関しては国防予算の増額、核兵器の増強、中国が台湾を侵略できないようにする効果的な防衛、欧州やアジア太平洋の同盟国との負担分担の強化を求めている。ここもトランプの主張と重なる政策である。

 トランスジェンダーの軍からの排斥は、共和党内でも合意がない。
 ヘリテージ提言はこう言う。

 「国防総省もまた、深刻な問題を抱えている。軍隊はアメリカで最も信頼される機関の一つであったが、長年にわたる継続的な悪習があり、上級将校や高官を守りながら現場の下級将校や兵士を危険にさらす二重の説明責任、無駄な支出、安全保障政策における劣悪な規律などが軍に深刻な打撃を与えている」と指摘し、「プロジェクト 2025」では、「人種に関係なく、採用、士官学校への入学、昇進が能力、実績、功績のみに基づいて行われる米国軍の文化を構想し、特定分野への入隊基準は職務のニーズに基づくべきである。医療処置を必要とする傾向の
ある人(例えば、HIV陽性や性別違和症)に対する例外は廃止されるべきだ、性別違和症の人は兵役から追放されるべきだ」 

 また「マルクス主義の教化と人種理論プログラムを排除する。マルクス主義の教化を排除するために、軍事アカデミーのコースを監査し、学術専門家の終身雇用制度を廃止する。トランスジェンダーが軍隊に入隊することは認めない。ワクチン接種を拒否したために除隊となった軍人を復職させ、階級を回復し、未払い給与を支払う」など軍の効率化が唱われた。

 トランプ自身は系列のシンクタンクをもっており、以前からヘリテージ財団とは距離を置いてきた。したがってこれらのヘリテージ財団の政策提言がただちに実行に移されるかは分からないが、共和党支持者のなかに強い影響力がある。レーガン時代、多くのレーガノミックスは、このヘリテージ財団から誕生した。