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シロタ画廊で「榎本香菜子展」を観て、ギャラリーナユタで「門井幸子写真展」。久しぶりの銀座は人出が少なかった

2020-12-02 13:37:45 | 日記・エッセイ・コラム

コロナ感染者数(中でも重症者数)が増加して「65歳以上の高齢者、基礎疾患のある者は外出自粛」が言われる中、銀座で開催中の二つの個展に行ってきた。どちらも今週末までの展示で、どちらも観たい!個展だった。

 

一つは、シロタ画廊の「榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー」。

榎本香菜子さんは、ずっと辿れば大学時代の友人、さらには就職した編集部に繋がる、長い知り合いだ。

香菜子さんの作品は、広々と風が吹く抜けるような画面とどこか懐かしく、時代や地域を超えた既視感が特徴だが、今回は、ミツバチを通しての表現である。蜜蝋と転写の技術を用いて手作業によるコラージュ(のような)作品は、古い洋書のページを蜜蝋で転写し、そこに油彩でミツバチを描き、六角形の額縁(弟さんの手による)にはめ込み、さらにそれをいくつか組み合わせてミツバチの(ハニカム構造)巣のように展示したものは、一点一点がそれぞれ古い時代の燻したような色調と、ほのかに黄金色のミツバチの絵とが、かすれかかった昔の記憶と仄かな煌めきを感じさせる。

花々の周りで蜜を集める小さなミツバチのイメージしか思い浮かばないが、香菜子さんは、女王蜂、働き蜂、それに女王蜂と交尾することだけが役割りの雄蜂の命に思いを馳せ、1億5千年前から地球に存在し、地球に花が咲き出した1億年前あたりから登場したといわれるミツバチ(=ハナバチ)を通して、人間社会のあり方を問うている。

ハチは環境のリトマス試験紙だという話を聞いたことがある。ミツバチの作品を観ながら、世界各地でコロナウィルスが蔓延する現状を思うと、地球が様々な手段によって私たち人間社会に警告を発しているように思えてくるのだった。

■榎本香菜子展ーミツバチの羽音は聞こえるかー

会期:2020年11月30日〜12月5日(土)11:00-19:00(最終日17:00迄)

会場:シロタ画廊 http://www.gaden.jp/shirota.html

 

シロタ画廊を出て、次に向かったのは、大好きなスペースでもある1丁目の古いビル奥野ビルにあるgallery Nayuta。

こちらでは、12月6日(日)まで、門井幸子写真展「春 その春」が開催中である。

東京生まれ、東京在住の門井幸子さんが北海道を巡り写真を撮り歩いている中で、ふと眼に留まった地ー穂香(=ほにおい)という美しい名前の風景との出会い、その後10年に渡って繰り返し訪れ撮り続けてきた作品である。

「春 その春」と題された作品は、”春”とはいえまだ寒風に吹きさらされる雪の中に立ち上がる藪竹(かな?)や、熱く積もっていた雪が溶けてなぎ倒された草々や、勢いよく流れる小川の水の冷たさ、うち捨てられた木枠のブランコ等々、風景に残された風や空気や光を通して時間の流れを感じさせる。モノクロ作品に焼き付けられた風景は観る人の記憶に繋がって、冷たい春の先に来る蘇りの季節への憧れを呼び起こす。

 

ギャラリーナユタの佐藤香織さんのオススメで、3階にある「中松商店」に立ち寄り。小さな雑然としたスペースではあったが、ここで、昭和の古い時代に描かれたカルタ絵や、東郷青児の描いた扇絵や、昭和モダンな作風の書画を見せてもらって面白かった。

 

■門井幸子写真展「春 その春」

会期:2020年11月23日〜12月6日  12:00-19:00(水曜休廊)

会場:ギャラリーナユタ

https://www.gallerynayuta.com/2020/10/19/門井幸子展-春-その春/


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