400年の歴史がある落語
生まれて初めて「生」で落語をみました。
マンハッタンで。
ちょうど、先日手にとった日系のフリーペーパーで、
こちらで落語のステージがあることはチェックしていた。
落語について詳しい知識はない私でも、テレビで『笑点』は見たことあるので、
桂 歌丸さんの写真が載っていれば、そりゃ「ほぉ」ってなるもので。
そんなこんなでさらに先日、知人を通じて
その落語公演を運営している「JAPAN SOCIETY」の方とお会いした。
JAPAN SOCIETY
http://www.japansociety.org/
落ち着く和のテイスト(JAPAN SOCIETY内)
「落語公演があるのでぜひ」とのこと。
自分でもちらっと気になっていたし、
New Yorkでこのような機会があるのも何かの縁、
行ってみようかなと思っていたところで。
私たちが食事をしていたレストランに歌丸師匠登場。
この偶然は、何かが引き寄せてくれたのでしょう。
行って参りました。
何せ、初めての落語。
ワクワクすると同時に、どんなお客さんが来ているのかも興味津々。
客席はほぼ満席。
6~7割は日本人で、その他は外国人といったところ。
後ろで流暢に聞こえてくる日本語を話すのは2人の外国人の方だったり。
生で聞く三味線の音。
あぁ、こういうの久しぶり、いいものだなぁと思うと同時に、
自分は日本人なんだなと改めて感じる。
異国の地で日本のよさを再確認することってありませんか。
三笑亭 夢太朗さんの「長屋の花見」
三笑亭 茶楽さんの「ふなとく」
桂 歌丸さんの「しりもち」
どれも、英語の字幕がつくのだが、その翻訳の仕方も面白い。
しゃべりで聞かせる(魅せる)からこそ伝わるその面白さを翻訳することは
そう簡単ではないと思う。
しかし、日本人はもちろん、外国人の方たちもほぼみんな同じところで
笑いが起きることにまた感心。
面白いと思うツボは一緒なんだ。
もちろん、聞かせる(魅せる)側がうまいからというのは大いにあると思うが。
途中、紙きりもあった。
生で見る紙切りも初めて。
あっという間に、いろいろなかたちが出来上がっていく。
客席からのリクエストにもこたえてくれた。
自由の女神、虎、侍などなど。。。
印象的だった歌丸さんのことば。
日本の伝統芸能というと、歌舞伎や能などが主に紹介されることが
多いが、本当の大衆芸能というのは落語ではないか。
泣く、怒る、喜ぶ…人間にはいろいろな感情があるが、
笑うこと、人を笑わせることが一番難しいことだと思うと。
なるほど、人を笑わせることが一番難しいというのは、
チャップリンも言っていたそうな。
(↑SMAPの中居くんが言っていた)
とっても楽しい、あっという間の2時間だった。
会場内は大きな拍手で包まれました
その後、こちらに住んでいる外国人の方にお話を聞いてみた。
日本語の分からない人にとってどうだったのか、
率直な感想を聞いてみたかった。
今回初めて落語を観た(聞いた)その女性は、とっても楽しんだとのこと。
エキサイトした様子が伝わってきた。
字幕で分かったことはもちろん、
動作交じりの語りが面白かったと。
確かに。
New Yorkでの公演は11月4日まで。
その後、ワシントン、ポートランドと移動して公演を行うそう。
初めてみた落語、とても楽しかった。
もしこの土地で出合わなければ、見るきっかけを逃していたかもしれない。
ぜひ浅草演芸ホールにも行ってみようかなと思う。
PS:
歌丸さん、最初の自己紹介で自分の名前を、
「アートネイチャー・ミュージックボール(桂 歌丸)です」って。
自己紹介する際に、その意味を紹介するのも面白いということ学んだり。
おまけ
MOMA(ニューヨーク近代美術館)内のBOOKSコーナーにて素敵な本発見
ひとめぼれした本、その名も「PINK」!
ピンク色のモノや風景の写真がもりだくさん&
それらにまつわる現代文化について述べられている