三津嚴島神社ブログ

愛媛県松山市神田町に鎮座する嚴島神社の神主の記録

今月1日の言葉「この秋は雨か嵐かしらねども 今日のつとめの田草取るなり」

2020年10月01日 | 今月の言葉

この秋は雨か嵐かしらねども 今日のつとめの田草取るなり

二宮尊徳先生の道歌(教訓的な短歌)です。

人は到底孤立して生きて行く事は出来ません。
共同体の中で生まれ、共同体の中で一生を送り、共同体の中で死んでいきます。
地域や職場、家庭の中で、各自がいろんな役を担いながら支えあって日常の生活を送っています。

「駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」
という例えがありますが

この中で誰か一人が欠けても、世の中うまく回って行きません。

我々の祖先は神話では八百万の神々として登場します。
日本の神様はお一人お一人個性を持った神様たちです。

世の中の事をなんでも知っているけれども、足が動かないクエビコ(農業の神)や
あらゆる才能に長けているけれど、身体が人一倍小さいスクナビコナ(医療の神)など、
決して万能ではなく、長所も欠点も持った神様ばかりです。
そして、それぞれが持ち分を活かしながら、神様の世界を形作っています。

我々人間の世界も同じです。
いろんな立場の人が協力しながら生活しています。
世の中に無駄な人は一人もいません。
そして地域社会或いは職場や家庭でそれぞれの立場で与えられた役割を実行していく事で
世の中が順調に進んで行くのです。

「この秋は雨か嵐かしらねども 今日のつとめの 田草取るなり」

春に植えた稲が秋には台風や水害でダメになるかもしれないが、
私に出来る事は今日のつとめをこつこつと実行していく事である。

明日の為に今日働き、来年の為に今年働くという気持ちで、一日一日を過ごしたいものです。

作家の武者小路実篤は
「まず自分のする事をして、今日も無事に有益に1日過ごせた事を心ひそかに喜びたいと思う」
と述べております。

「お陰様で今日も充実した一日を過ごせました。お守り頂きありがとうございました。」
とご神前に手を合わせながら感謝できるような一日に致しましょう。


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