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羅臼岳山行②

2009-03-13 18:32:25 | 

 羅臼岳頂上直下から羅臼平を経て、三ツ峰・知床連山

 

 やがて七時二十五分に『弥三吉水(やさきちみず)』の水場着。ここは湧水を樋で引いており飲める水。一口飲んでみたが湧水独特の‘甘味’があまりなく、単純なミネラルウォーターの感じであった。『弥三吉水』で十五分間の中休止。ここまで下りの難路を考えゆっくりしたペースだが、全員快調に登山を続ける。登山者も多く休憩中にやがて下のほうから十名以上の高校生のワンゲルか山岳部かのグループが三名の先生に引率されて上ってきた。引率の女性教師は

「私はここで待っているから、みんなで登っておいで。」

と息を切らしながら話している。『弥三吉水』の広場は登山者でいっぱいになってきたので、わが一行はお菓子を食べてから出発。

林間の道から、時々は山頂方面への見晴らしのある、森林限界に近くなってきた道を登り続け、八時二十五分に『銀冷水(ぎんれいすい)』の水場着。ここの水は飲用には適さないとのこと。湧水ではなく雨水のよう。ここでは五分間の休憩。

 『銀冷水』を発って、中高年のグループと抜きつ抜かれつの本当にゆっくりしたペースで登り続ける。やがて山頂部の展望が開け、木々も低木となってきて森林限界となってきたところで、視界も大きく広がったところが『大沢』の谷の基部。『大沢』は枯れ谷で岩場。途中鎖場もあったりする。沢の頂上部は鞍部になっており、左の山は『三ツ峰』で右の山がわが一行の目指す『羅臼岳』、鞍部が『羅臼平』である。大沢の岩場を登っているとIさんが、

「今度はシマリスがいますよ。知床には先ほどの蝦夷リスとシマリスの二種類のリスがいますが、

今日は両方とも見られて、本当によかったですね。」

右手の大きな岩の上にかわいいシマリスが座っている。人を恐れる様子もなく周りをキョロキョロと見ている。今度はデジカメを取り出し、焦点を合わせズームアップし、きっちりと写真撮影に成功した。下からは高校生のパーティが登ってきて、シマリスを教えるとワーワーキャーキャー。それでもシマリスは逃げる様子もなく岩の上に座っていた。

『大沢』を登り続け、やがて鞍部の平坦地『羅臼平』に九時二十五分に到着。東は『三ツ峰』そして西は何やらルートの厳しそうな『羅臼岳』。時折雲に覆われるが、くっきりと聳え立っている。『羅臼平』にはテントが一張り。長逗留の様子である。Iさんが、

「このテントはたぶん先輩のガイドさんのものだと思います。山の雑誌の取材で記者の方たちと一週間ほど山に入ったきりです。」

わが一行は、生活の臭いがたっぷりと漂うテントの横で、簡単な行動食を採ることとした。

 

強い風の中、羅臼岳に登頂。そして羅臼に向けて下山開始

 『羅臼平』で行動食後九時四十五分に頂上目指して出発。十五分ほど行くと最後の水場である『岩清水』着。ここの水は湧水で飲用可。ここでIさんが、

 「皆さん大丈夫ですか。ここで疲れていたり、膝が痛かったりしたら羅臼側への下山は無理です。今日のコースは登り五時間、降り六時間のコースで、ルートの厳しさも登りの道とは比較になりません。ここまではゆっくりしたペースできましたが、これで疲れているようなら羅臼側ルートは無理です。大丈夫ですか。」

 の念押し。ここまではペースもゆっくりでほとんど疲れもなく、わがファミリーはノー・プロブレムの返事をする。そのようなやりとりの後山頂目指して行動再開。

『岩清水』を左に捲くと道は急峻な岩場になってくる。岩場といっても一枚岩ではなく大小の岩が山頂に向かって積み重なっている大中の石のガレ場状態である。ところによっては三点支持で慎重に登らねばならなかったり、落石に注意をしたり少し緊張する場所もある。山頂直下の最後のアルバイトで、これが結構な仕事であった。とはいえ、多くの中高年のパーティや小学校高学年くらいの子供、その引率のかなりのご年配のご夫婦などいろんな登山者が登っている。

山頂から降りてくる人たちとのすれ違いで待機したりしながら、やがて十時五十分に、羅臼岳山頂(千六百二十一メートル)に到着。岩かげから十五人ほどが居れる山頂に出たとたん、かなりの風にあおられ、思わず身が締まった。羅臼平でもそうであったが、オホーツク海側から太平洋へ、ここは風の通り道である。眺望は北にオホーツク海、南には羅臼の町から国後島、東には三ツ峰、硫黄岳と連なっていく知床連山が、雲が時々吹き飛ばされる瞬間に、壮大で美しい景色を見せてくれる。

山頂では、Iさんと、羅臼平でテントを張っていたIさんの先輩のガイドさんとのご対面。山岳雑誌の記者さんの取材のガイドで同行し、五日間キャンプしていたけれどシャッターチャンスがなかった、食料も無くなったので本日これから下山するとのこと。山頂で連れ合い、次女、そしてガイドのIさんと記念写真を何枚も写し、名残惜しい思いをしながら、十一時十五分に下山開始。

                                                                                              (続く)


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