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パライソメッセージ20140103 No.37

2014-01-07 08:30:57 | メッセージ

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パライソメッセージ 2014.01.03 N0.37

  Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

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 新年明けましておめでとうございます。

 平和で穏やかで誇り高い日本が、何やら危うくなりそうな世情の昨今ですが、正道は見失わず、決して諦めることなく、大勢に流されずにプライドを持ってこの一年も生きていきたいと思います。

 私事ですが、この3月には43年間の“賃労働者”生活もいよいよ卒業となります。もっとも、途中11年間は“資本家”も経験したのですが、大企業に搾取されるといった“被搾取者”としては変わることの無い長い半生ではありました。しかし、自分のやりたいことや信念を曲げることなく、そしてすばらしいパートナーとともに、幸せで刺激的な(平凡ではありません)家庭を築いてこれていることは、望外の幸せです。

 卒業後は、若者のキャリア形成を支援するNPOを設立し(申請済・縦覧中)引き続き『やりたいことをして』残された人生を生きていきます。

 

 特定秘密保護法が安倍首相の主導で、自民・公明両党によって国会で強行採決されて1ヶ月が過ぎる。強行採決後、多くの新聞やマスコミは穏便な報道や“結果報告”ばかりになり、早くも大政翼賛会のムード作りか自粛ムードが感じられる。しかし一方では、フォーカスが年末には『逆らう国民はテロリスト』といった特集取材を載せたり、一部新聞では問題指摘や批判報道を続けている。何よりも広範な国民の中で特定秘密保護法や安倍首相、自民・公明党を批判し、指弾する声は絶えることがない。とはいえ、特定秘密保護法に反対した多くの人達も、たとえ強行とはいえ採決・法制化されてしまったのだからと言って諦めるとか、反対の世論もいずれ沈静化するといった、安倍・自民党政府、官僚、自・公両党の思惑通り、このままやがては諦めと無気力・無抵抗の世の中になってしまうのか。

 実は私は、そうは思っていない。彼らの思惑を頓挫させる可能性は大いにあると思っている。第2次世界大戦時の治安維持法や軍機秘密法制定の時代と今日の状況の大きな違いは何か、私の考えを述べたい。

 【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:『特定秘密保護法』を告発する③

(『新しい市民運動』)

 『逆らう国民はテロリスト』といったセンセーショナルな見出しが、年末の写真週刊誌フォーカスの表紙に踊った。このことは連日国会を取り巻いた特定秘密保護法に反対する大きな市民運動を指して、石破自民党幹事長の言った『テロと本質的には変わらない』をとり上げているのだが、彼がつぶやいてしまうほど大きなうねりを起こした市民運動だったのだろう。

 私は、この市民運動は反原発の運動と繫がる、“新しい”ウェーブだと思った。何が“新しい”のか。つまりこの運動は、かつてと違って共産党や社民党といった野党政党や労働組合等が組織した運動ではなかった。動員や組織された人たちではなく、SNSで繫がった人たちや、とにかく危機感を強く感じた人たちが、反原発の運動のように反特定秘密保護法という一点で集まってきた。集まってきた人たちは、主義や主張も支持政党もポリシーもそれぞれバラバラで、“革命”などとはおよそ縁遠い、おそらく“反革命”の人たちも多くいたであろうと思われる。かといって全くの自然発生的でもなく、反原発・反特定秘密保護法といった一点のポリシーを共有している。特定秘密保護法の場合は、知る権利を重い刑罰で抑制することによって、権力者の強い思いであるファシズムの現実的な可能性に対する、強いNOの意思表示なのだろう。

 こういった市民運動はかつて無かったと思う。イデオロギーで繫がるのではなく、NOの意思表示が集団行動のアイデンティティとなっている。そのことが世代や性別や職業、キャリア、いろんな属性を越えたウェーブとなって、何万人もの市民が集まる原動力となったのだろう。参加者各々がそれぞれのパフォーマンスで意思表示する。暴力や強制は無縁で、市民集会や市民デモのいわば先進国でのグローバル・スタンダードのスタイルに近いのではないか。

 

(戦前との違い、それは自立した市民)

 第2次世界大戦前において、世界で2,000万人以上の人々が犠牲者となった。その中で日本国民の300万人以上の犠牲を強いた大きな元凶は帝国主義・軍国主義だ。日本においては、大政翼賛会として実質上政党活動を抑圧し、天皇を神格化しかつ徹底的に政治利用を図ることによってファシズムの体制が敷かれてきた。政治・経済・思想文化の全てが戦争へと動員された。この、国家総動員を強制すべく法的措置が治安維持法であり、軍機秘密法である。

 治安維持法の初めは違反の最高刑は禁固20年であったが、すぐに死刑となった。治安維持法によって、小林多喜二を始め、多くの草の根反戦主義の人たちや日本共産党員が弾圧され、拷問による虐殺や獄死・刑死させられたのである。当時の言論は大本営発表の情報の垂れ流しであり、軍機は勿論のこと、学術・文化、宗教、思想・言論、スポーツ等ありとあらゆる分野で、“真実”は権力者によって徹底的に隠蔽されたのである。国民の多くは真実を知らされること無く抑圧され、そして300万人以上もの青年兵士や非戦闘員の市民が犠牲となっていった。

 しかし、現在の状況は大いに異なる。戦前と異なり現在では情報は世界を駆け巡り、誰も情報を止めることは出来ない。その情報に接し、情報を摂取し活かしているのは“自立した市民”である。権力者は情報の阻止よりも、むしろ情報の操作・利用に躍起となる。操作・利用のし易い新聞・マスコミのみならずSNSを利用した、反中国・反韓国キャンペーンやヘイトスピーチなどもその一例だろう。

 しかし“自立した市民”の意思表示は、特定秘密保護法によって抑圧することなど、できるはずも無い。かつて人権を抑圧した国々でも今では情報と意思表示は抑圧できないではないか。

 次回は、更に進めて『それではどうすれば良くなるのか』について、私論を述べたい。

(続く)

 「一押しMovie」

映画名:永遠の0

監督:山崎貴(49才)  原作:百田尚樹(57才)

出演:岡田准一、三浦春馬、山本学、井上真央、夏八木勲

感想:若手が作った第2次世界大戦を題材とした映画ということで、是非とも見ておかなければと思い年末に見に行った。靖国神社を肯定する原作者ということもあり、『興味』を持って見に行った。

 結論から言うと、究極のヒロイズムの映画だった。岡田准一演じる宮部久蔵は、当時世界最高性能戦闘機ゼロ戦の誰よりも熟達したパイロットで、超人的な機体操作で艦砲も機銃も当たらない。ぎりぎりひきつけておいて急反転し、敵戦闘機の背後に回り撃墜体制に入るという離れ業を平然とやってのける。そして、自身は妻を愛し、子供を愛し『死なずに生きて還って来る』と言う。

 真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦などターニングポイントとなる空中戦に参加し、空中戦では乱戦から離れ、被弾を避ける。『臆病者・卑怯者』と罵られる。戦争末期になり、特別攻撃隊が結成されても宮部は志願せずに生き延びるが、敗戦直前の沖縄戦で何を思ったか志願し、出撃時には整備不良機を部下に譲り生き永らえさせようとして、自らはアメリカ軍空母に突入する。そういった、宮部久蔵の生き方が、現在に生きる孫達の『本当のおじいちゃん探し』を通じて画かれている。

 いかなる罵詈雑言を浴びせられようと妻子を愛し妻子の為に自分は生き延びる、超人的な熟達した兵士、実は臆病でも卑怯者でもなく、ただ一機敵の艦砲・機銃を潜り抜け、空母に突入しようとするラストシーン、どれをとっても“究極のヒーロー”である。この映画の題材は第2次世界大戦ではあるが、戦争の悲惨さ、空しさ、2度と戦争をしてはいけないといったメッセージは何も無い。残ったのは素晴らしいCGで効果がアップされた宮部久蔵のかっこよさとヒロイズムだけ。但し、合コンでの孫世代の戦争観や特攻の評価のやりとりや、『本当のおじいちゃん』探しの結末の山本学が好演する人間ドラマの展開と、宮部が敵戦闘機を含め他人を撃墜するシーンが無かったことや、特攻の非人間性の告発、ラストシーンの余韻等には、監督の非凡な力量と思いは伝わってくる。

 イソの評価:★☆☆☆☆


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