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パライソメッセージ 2013.08.30 N0.24
Mail : isokawas@goo.jp
Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas
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「パライソメッセージ20130830 No.24」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。
【主張・意見・コメントのページ】
テーマ:かつてR学園は光り輝いていた-活気溢れるR学園の再生を目指して-②
(「大学ランキング」での高い評価…W大・K応「背中」が見えてきたかと思われた)
学園の評価や到達点を示す指標として、「大学ランキング」では2000年前後には多くの項目で上位を占めるようになってきた。例えば『大学ランキング2000年版』では、『学長からの評価(研究)では1位K大でR大は2位(D大は11位)』『同じく(就職指導・08年版)で、1位R大、4位W大(D台は19位)』『同じく(高校からの評価)で、1位K大、4位R大(D大13位)』『企業からの評価(産学連携98年版)1位W大、2位K大、4位D大、5位K院、6位R大』『企業からの評価(就職に熱心)1位R大、3位K大、(10位D大)、(18位K院)、26位W大、(31位K大)』といった状況であった。
ランキングを見て、『W大学・K義塾の背中が見えるところに近づいてきた』と学生・教職員や校友・父母は大いに確信を持ち、社会的な評価も急上昇したのは、そう遠くない以前のことだったのである。
なお、『学長からの評価(就職指導)』『企業からの評価(就職に熱心)』は2008年版に至るまで1位の評価であるが、この項目は以前から高い評価を得ていたし、2000年以降、2005年頃まで、更に「ランクアップ」し続けている。
(社会からの支持が「10万人入試」として結実した)
この連続し持続し続けてきた「改革」は一部幹部のリーダーシップに依拠し、教職員は何の努力をすることなしになりえたのでは決してない。「改革」のバックグラウンドには、全ての学園構成員がそれぞれの機構・組織の中で、旺盛かつ情熱的に徹底して議論を繰りひろげてきたこと、またそれぞれが主体的に「改革」へ参加・参画してきた等の全国一の圧倒的な改革への実践が有る。そしてその努力は、一方では大手私学の中で、初年度納付金が最も安い、いわゆる「相対的低学費政策」への社会的支持も相まって、数年間数度にわたって10万人以上、W大に続いて全国第2位の入学志願者を集め続けたいわゆる「10万人入試」として結実した。
(光り輝く学園に何が起ったのか)
さて、そういった学園「改革」の成果が結果として高い社会的評価に繋がっていった。2000年のAPU開学以降、特に2004~2005年以降に学園に入職した多くの教職員は、『改革の学園』については聞き及んでいたことだろうし、自身も『改革』に身を投じようと『決意』していたのだろう。実際にその時期、全国の大学関係の交流会などに参加しても、R大学の教職員は他大学に比較して意欲的、前向き志向で、何倍もの努力で主体的改革への実践に取り組んでいたといっても過言ではないだろう。
しかし、APUの開設で終了した第5次長期計画とともに、学園一部トップの変節が始まり、志に燃えて入職してきた教職員は、持続し続けてきた学園改革のフェードアウトに徐々に巻き込まれ、結果、改革のダイナミズムに参加・参画し、学園の理念・ポリシーの具現を体験することができなかった。それどころか、2005年の一時金の1ヶ月カットや、強引なトップダウン・ガバナンス、極端な教職員組合敵視、理事長・総長の退任慰労金問題、超過勤務の適正な管理の欠落と結果としての差額分の遡り支給、総長選挙規定を廃止し総長選任規定を制定して理事長の意向に沿う選挙人を大幅に増やし、理事長人事による総長を選出する仕組み作り、不可解な人事異動、「相対的低学費政策」の放棄他、諸々の学園の一部トップ層による独善的、非民主的な諸施策がなし崩し的に行われてきた。それらの諸施策を強引に押し進めて来た中心人物は、それ以前に学園の改革のリーダーとして教職員の先頭に立ってきた、前理事長のK氏である。彼は変節したのであり、2005年以降表面的にはK氏は理事長職を退くが、彼に指名され彼の意を汲んだ一部トップ層が、光り輝く学園を完全にフェード・アウトさせていくこととなる。
2008年には生命科学部新入生の特別転籍問題とそれによる経常費補助金の25%、15億円以上のカットなどの事態を目の当たりにして、『一体どうなっている』『平和と民主主義が泣いている』『新しい理事会のガバナンス施策は問題である』などの学内世論が高揚する中で、特別転籍問題の釈明に続き、2008年9月、常任理事会による「満腔の反省」文書が出された。
このことによって、学園一部トップ層が、学園の民主的再生に再び踏み出すであろうと、一縷の望みに期待したが、実際に彼らが進めてきた学園運営は、「満腔の反省」を悉く反故にし、学園の将来に大いに禍根を残す可能性を内包したOIC展開であることは、周知のことである。そのことは別途論及したいが、本稿においては、かつて光り輝いていた学園を支えてきたのは一体何であったのか、その本質を探っていきたい。
(続く)
「一押しBook」
書名:ねっとわーく京都8 2013 No.295
著者:NPO法人 ねっとわーく京都
出版社:フリーマガジン
内容:
「ねっとわーく京都8 2013 No.295」誌は、特集として『大学のまち京都第21弾』を組んでいる。特集の内容として産業社会学部の景井先生が2つのテーマでインタビュー。「東北の復興・新生を目指して 学都仙台コンソーシアム「復興大学」の取り組みを語る」では、被災地での大学関係者の大学教育・研究の再構築に取組むレポートが被災地の人々に寄り添った視点で、丁寧に報告されている。「『みちのく未来基金』による進学支援の取り組み」ではロート、カゴメ、カルピーが共同で出資して設立した『みちのく未来基金』で、理事として出向しているロート製薬復興支援室長のインタビューが書かれている。マスコミでは殺伐とした世相が強調されているが、一方ではこういった企業が世の中に沢山あることに、敬服するとともになにやら安堵を覚える。特集の最後には「学生の就活事情とブラック企業問題」という記事が掲載されている。これは5月19日に京都総評が開催したイベント『Union Up
2013』での同名のパネルディスカッションでの、私とNPO法人京都POSSE代表の京都大学院生のK君のパネラー報告が掲載されている。私が、ブラック企業とは、ということと何故ブラック企業を告発するのかといったことを述べており、K君は、もしブラック企業に関わってしまったらどうすればよいかについて、実際の事例を紹介しながら報告した。ブラック企業問題は最近社会的に大きな関心となっており、多くの参加者の興味・関心を惹いた。
特集以外にも、立命館大学政策科学部教授 東佳史先生の「日本人が管理できなかったのだから、我々にもできない-重みのあるフン・セン首相の言葉-」とか、金井さん(原発避難者訴訟原告団事務局長)の「3回目の夏、福島から」「「96条の会」結成に見る護憲運動の新たな展開」など、読んで心に残る名文が満載で、フリーマガジンとはいえ、確かな読み応えがあった。
イソの評価:★★★★☆
蔵書:組合から、回覧で回っています。在庫を持っています。
(続く)