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パライソメッセージ20170307 No.40

2014-03-07 23:51:11 | メッセージ

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パライソメッセージ 2014.03.07 N0.40

  Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

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 「パライソメッセージ20140307 No.40」を送ります。

年度末の仕事の整理整頓や、43年にわたる賃労働者生活(途中かなりの期間の資本家生活も有りましたが)の卒業を控えての“卒業旅行”で、ニュージーランドの自然を楽しんできたりで、超多忙につき、パライソメッセージが1ヶ月間飛んでしまいました。NPO法人CaPSAY(キャプセイ)が承認され登記も終了し、多忙なNext Stageを迎えましたが、メッセージを続けていきたいと思います。

【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:「特定秘密保護法」を告発する⑥

(新しい市民のトレンド)

 前回のパライソメセージの「一押しBOOK」で「シニカルに、しかも自分の言いたいことは十分に言って、それがある種ファッションのように世間に受けるというのは“勝ち組”願望の人たちには垂涎の心地良さかもしれない。自分の言いたいことを言って、やりたいことをやって、人に媚びへつらうことも無く、そして最低限の飯は食える(生活がやっていける)なんてことは、ある意味究極の“勝ち組”なんだろう。誰もがあこがれるし、ヒーローだろう。だがしかし、それだけでは世の中はなにも変わらないのではないか。先回のパライソメッセージで、古市憲寿と国分功一郎の対談を評して、「彼ら、感性の鋭い若手論客が、叡智と言われるように主体的にメッセージを発信し行動すれば変革への実感がトレンドとなり、日本も少しは良くなるのではないか」と言った。正確に言えば、「なにも変わらない」ではなく、雇用や福祉や生活に関わるかなりの部分での政策やその運用で『よりましな』改良や改革にいたる場合もあるだろうし法令に結実する場合も有る。例えば、厚生労働省や文部科学省等を見ていても、個別政策としては評価できる場合もある。逆に個別法令に関わっては、国民の利益を鋭く、厳しく蹂躙する“対決”になりうる場合もある。改良や改革に繫がる政策は若手論客や叡智と言われる人たちの提言を受けてという場合も有るだろう。しかし決定的にインパクトがあるのは、この間日本でも大きく盛り上がってきている、99%によるウォール街包囲やEU諸国での市民デモにも共通した『新しい市民運動』のトレンドではないか。反原発や反TPP、特定秘密保護法反対などの『新しい市民運動』は確実に安倍・自公政権を追い詰めているし、権力者をして国民の思いとの間に大きな矛盾、形としては権力者の本性を露呈させる大変重要なファクターである。

 今、大多数の国民との間の矛盾を激化させている実は脆弱な安倍・自公政権、権力者は、まるで歴史の歯車を逆戻しするかのように、“真剣に”必死になって“富国強兵”へと、平和と民主主義のぶち壊しへと大きくアクセルを踏み込み、大暴走をしている。現代の“富国強兵”は明治以来の“富国”の大義であった近代国家・先進国家の建設ではなく、『企業が世界で一番活動しやすい国』作りであり、アベノミクスという傍若無人で乱暴極まりない経済政策を推し進めることである。“強兵”はアメリカ軍国主義の世界戦略に組み込まれ、解釈改憲あるいは憲法そのものを改悪し、あらゆる国際動向に逆行して日本を戦争をする国に変えていくことである。安倍首相は、憲法解釈について『自分が最高責任者であり、責任を持って閣議決定する。それをもって選挙で信を問う。選挙で選ばれるのは内閣法制局長官ではなく、私だ。』と公言・妄言し、ASEANやEU諸国に見られるような、紛争への平和的・外交を通じた解決といったトレンドに大きく逆行し、憲法を蹂躙して日本を戦争が出来る国にしようとしている。NHK会長、経営委員には自分と意見を同じくする者を据え、公共放送を自らのプロパガンダに変節させようとしているのみならず、この間妄言、失言を続ける籾井会NHK長、百田・長谷川経営委員を更迭しようともせず、逆に居直りを許している。

 安倍、自公政権、権力者達はマスコミに媚びへつらいを強要し、ネトウヨやヘイトスピーチで盛り上げ、ポピュリズムを煽りたてて、まるでファシズムへの道を突き進んでいるかのようだ。

 

(この政治を、変えるために)

 この政治はもはや変えることは出来ないのだろうか。

 2月9日、東京都知事選挙が行なわれ、舛添氏が都知事に選ばれた。得票率は40%台。但し投票率も40%台で、有権者全体から見れば10%代後半の支持しか得ることが出来なかった。これが東京都における自民党、公明党、連合が強固に締め上げた組織力量なのだ。おそらく、映画『永遠の0』も舛添や田母神の20才台での支持率アップに少なからぬ貢献をしたことだろう。

 前回のパライソメッセージで書いたように、沖縄県の名護市長選挙では、米軍基地の辺野古移設を許さない稲嶺さんが、物凄い脅迫と利権誘導に関わらず、圧倒的な勝利を収めた。

 日本の政治を変えるために、新自由主義による規制緩和や自由化をスローガンとする大企業優遇と際限なき大きな格差社会の深化、集団安全保障を題目にした対米従属と軍国主義化にブレーキをかけ、国民の視点での政治にハンドルを切っていくには、今日の日本では選挙で意思表示し、自公政権とその補完・追随諸政党に20%以下の支持しか無いという現実を突きつけなければならないだろう。原発やTPPや特定秘密保護法に反対する、新しい市民運動が大きく展開されている。これらの市民運動は“昭和の時代”のように共産党や社会党、労働組合等が組織したものではない。欧米での99%の運動に共通したような動きである。欧米と比べると日本でのパワーバランスは、小選挙区制も相まって圧倒的な議席を有してはいても、実は砂上の楼閣であるのが実態だ。 

 私は、一つ一つの課題で、国民・市民・労働組合・政党等が世代を超えて一点共闘し、選挙で自公やその補完勢力を追い詰めることが、合法的に政治を変えていく合理的道筋だと思う。

 今、『反革命のすすめ』などと言って政治や選挙に対してシニカルに眺めるのではなく、主体的に参画し、意思表示していくべきだと思う。特に安倍、自公政権は、アメリカと大企業の単なる利益代表に留まらず、個人・人格の内部にまで侵入して個々の思想信条を蹂躙するような恐怖政治の匂いが露骨に感じられてきている。今、自らの信念を守り続けようとするなら、主体的に政治に関心を持ち、具体的には選挙で意思表示をすべきである。そうすれば、必ず政治がと言うよりも日本は必ず立ち直り、ふたたび世界の中で光り輝きを取り戻すであろうと確信している。

(以上)

 「一押しMovie」

題名:小さいおうち

原作:中島京子

監督:山田洋次

出演:黒木華松たか子片岡孝太郎、吉岡秀隆、倍賞千恵子

感想:

 第2次世界大戦時を時代背景とする暗い時代の中で、自分の感情や愛に生きるごく自然な人々の生き様の描写である。自らの感情や愛にあくまで忠実に生きる美しい人妻(松たか子)とそれに寄り添う女中(黒木華)の葛藤が、老婆の追憶の話として展開していく。この映画や前に「一押しMovie」で紹介した『少年H』は、同じ時代を背景とする映画『永遠の0』と比べると、そのリアリティや人間模様の描写は格段に品性がある。『永遠の0』は、特攻礼賛であり、自分の信念を持ち続ける、いわば究極の“勝ち組”であるかっこいいヒーローを徹底的に美化する俗な映画であった。

 『小さいおうち』はメッセージとして戦争の不条理さと、愛と自分の思いに忠実に、そして不条理な悲劇の終末へといたる、丁寧に作られた人間ドラマであった。若い黒木華がベルリン国際映画祭で銀熊賞最優秀女優賞を受賞したのも、この映画の良心と品性からすれば、妥当であったと思う。惜しむらくは、戦後70年の時代を想定するなら、老婆の年は80歳代後期か90歳代なのだが、演じた倍賞千恵子が少し若すぎた。

イソの評価:★★★★☆


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