胃 癌 日 記 89
-スキルス胃癌手術から1年半(2013年6月9日)までの日々-
-スキルス胃癌手術1年半後のCT検査-
5月10日はスキルス胃癌手術後のケアとして、年2回の腹部・胸部CT検査。今回で術後3回目となる。昼から年休を取って、15時過ぎにSI病院へ。予約であったので殆ど待つことなく検査開始となった。日常の生活は全く異常なしで快調だが、気のせいか年のせいか咳が出ることが時々ある。まあ、肺に転移かなどは全く気にすることも無いのだろうが、気休めのために今回は胸部の検査もお願いしている。
名前を呼ばれて検査室に入り、上着だけを脱いでCTの機会に横たわる。すぐに撮影が始まり、終わるまで5分とかからなかった。なんの苦痛もなにも無くあっけないほど。10分ほど検査室の外で待っていると、CT撮影のデータをプリントアウトしたフィルムと所見を封入した封筒を預かり、会計を済ましてその足でかかりつけのNクリニックへ行く。
NクリニックでN先生は、CTのフィルムを見てそして封筒を開封し所見を眺めていた。
「Iさん。問題無しですね。」
「先生。肺のほうも大丈夫ですか。」
「全く問題無しです。」
とのこと。手術後1年半。3回目のCT検査も、無事クリアーした。『予定通り』というホッとした気分なのだが、ほんの気持ちの片隅には、『本当に大丈夫なんだろうか』という気持ちが無くはない。後は25日の血液検査をクリアーするだけ。また、気持ちをリフレッシュをして、残された人生、ライフワークに頑張ろうといった気持ちになった。
-学会参加で鎌倉も訪問。労働組合の大きなイベントで、パネルディスカッションのパネラーに-
相変わらず忙しい日々で、その合間にNPO法人の設立に向けての準備も進める。ネットワーク作り、仲間作りを着々と進めている。毎週発行のパライソメッセージも軌道に乗ってきた。
5月18日は、学会に参加。前日の夜行バスで出発し、早朝横浜駅着。学会は14時からなので、それまでの間鎌倉の姉宅を訪問することとした。
鎌倉駅から歩いていくのだが、今回は違った道を散策がてら行くこととした。9時30分に鎌倉駅を出発して西口から暫く歩き、源氏山方面に立ち寄る。途中銭洗い弁天にお参りし、源氏山へ。100メートルもない低い山で頂上は公園になっていて、源頼朝の銅像なども有り、展望は無いのだが市民の憩いの場。源氏山から西に行くと葛原岡神社がある。由緒ある神社で、日野俊基を祀っているらしい。そこで参拝したあと参詣道を通り、広い通りに出て住宅街を通り山の上ロータリーへ。そこで道に迷ったが、歩き回っているうちにいつも通る道に出てきて、10時10分に姉宅着。1時間ぐらいの道のりだが、迷ったりぶらぶらしたこともあり1時間40分かかってしまった。
姉宅で1時間ほどすごしてから退出し、東京の学会へと向かった。この日の学会は、障害者のキャリアデザインを考えるをテーマで開催された。講師は2名で、それぞれ現場で頑張っている方であり、日常の業務や、自分自身の問題意識にも関わることであり大変勉強になった。16時20分に学会が終了し、その後甥のYと合流し、コーヒーを飲み近況報告の交換をして、分かれる。17時50分の新幹線で帰阪。
翌日の5月19日には、労働組合がみやこメッセで開催す『Union up 2013』というイベントで、パネルディスカッションのパネラーとして参加した。テーマは『ブラック企業について』であり、私はブラック企業とは、具体的にどんな例があるか、何故ブラック企業を告発するか、などについて25分間ほど報告した。ざっと200名以上の方が聞いておられたが、若者の参加も多く、最近の社会問題でもある『ブラック企業』への関心の高さが感じられた。報告するパネラーは私ともう一人NPO法人で労働問題や生活問題に実践的に取組んでいるK大学院生のK君。2人の報告を基調に、労働法の研究者N先生、新聞記者T氏がコメントを述べ、コーディネーター兼司会で大学職員のK氏がまとめるといった内容であった。
パネルディスカッションは全体で1時間少し、会場からの質疑といった時間も無い短い間ではあったがかなり盛り上がったように思う。熱気が伝わってきた。それぞれのメンバーと名刺交換もし、これからの若者が主体的に自分のキャリアを形成し、実現できるようにわれわれはどのようなサポートが可能なのかなどを話し合い、私も構想しているNPO法人についての話をし、今後のネットワークとして情報交換等を続けようということになった。
(続く)