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剱岳山行⑦

2009-09-10 22:53:17 | 

 

剱岳山行⑦

 黒部水平歩道

 2009年8月20日(木)

【行程】6:00出発→6:40水平歩道→7:40折尾谷(休憩)8:00→9:15志合谷→11:30欅平(ゴール)

 

 いよいよ今日が最終日。諸計画のため朝6時出発とする。小屋の朝食が6時30分からなので朝弁当を作ってもらい、早めに食べて予定通り6時に出発。キャンプ場を通り水平歩道まで登りのアルバイト。やがて水平歩道に到り歩き始める。

 水平歩道は黒部第四ダム建設のときに作業用「道路」として黒部渓谷の右岸壁を切り込んで作られた歩道とのこと。場所によっては断崖絶壁に幅1メートル足らずで切り込んでいる。それが本当に水平かと思うほど見事に切り込まれている。人工の道なのだが、今や歴史がこの道を大自然に同化させてくれているかのようにいわば趣きもある。しかし要所要所にフィックスロープや鎖が取り付けられてるとはいえ気は抜けない。下は何百メートルの断崖絶壁。

 水平歩道をしばらく行くと立派な滝が流れ込んでいる折尾谷。阿曾原温泉小屋の佐々木さんが言っておられたが、この沢の水は飲用可能とのことなのでここの滝壷で小休止と水補給。小休止後再び水平歩道を延々と歩く。やがて断崖絶壁が連なってきて、行く手前方右方対岸の黒部渓谷左岸に雄大、絶大な大岩壁が現れてくる。ここが黒部奥鐘山西壁の大岸壁で日本で最も登攀が難しく、レートの高い壁といわれている。誰かクライミングをしていないかなあと探したが、本日は誰もいないようだ。

わが一行は大岩壁をちらちら見ながら、志合谷を過ぎる。この谷は黒部奥鐘山と立ち向かうかのような厳しい谷で、絶壁のトラバース道も無く、水平歩道は長いトンネルとなる。ヘッドランプを点けて川のような流れを歩いてようやくトンネルを出ると、谷を挟んだ対岸には、岸壁を切り抜いた水平歩道がくっきりと幾何学模様の直線のようだ。

 

 黒部奥鐘山西壁の大絶壁

 志合谷を越えて、しばらく行くと欅平のトロッコ列車の案内放送のような音が遠くに聞こえてくる。『いよいよ終わりに近づいてきたなあ』と少し寂しい思いをしながらさらに水平歩道を歩き続けると、やがて欅平への降路となる送電鉄塔に着く。ここで途中に追い越されたお元気な中高年単独行登山者が行動食を食べていた。

「最後に怪我をしないように、ゆっくりしています。」

とのこと。

 志合谷をまたぐ水平歩道

 ここからは、ひたすら降りるのみ。時々立ち止まっての休止を挟み慎重に降りる。次女リーダーと連れ合いはとっとと先に降りてしまっている。私は、慎重ではあるが、余韻を十分にかみ締めながら、慎重に降りていった。

 11時30分、観光客で喧騒とする欅平に降り立つと次女リーダーと連れ合いは駅屋上広場のベンチから手を振っていた。今回の山行は無事終わった。

この後、欅平温泉(猿飛温泉ともいう)に入り、汗を流して普通の服に着替え、登山靴もカジュアルサンダルに履き替えさっぱりとして、ビールで乾杯後昼食の「冷やし山菜そば」を頂く。その後トロッコ列車に乗り宇奈月温泉駅へ、そこから富山地方鉄道に乗り、途中所要で上市に寄った後、JR富山駅。夕食、土産購入後特急で金沢へ、金沢で雷鳥に乗り換え、京都そして山行の余韻に浸りながら孫たちの待つ大阪の我が家へと列車に揺られていった。

                                                          (終わり)

 


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