「モダン建築の京都」展というタイトルだけで、建築オタにはたまらない
絶対に見逃せないと思われる展覧会があった。
京都市京セラ美術館でやっているので飛ぶように行って来た。
京都市京セラ美術館
https://kyotocity-kyocera.museum/
京都市京セラ美術館開館1周年記念展
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20210925-1226
モダン建築の京都
2021年9月25日―2021年12月26日
会場[新館 東山キューブ]
が、モダン建築といってもどのように展示するのだろうか?
京都のモダン建築(近代建築)は町の中にあって、
とくに三条通りへ行けばいつでも良質な近代建築が多く見られる。
まさか建築そのものを展示するわけにはいかない。
どんな展示になるのかが興味の焦点だった。
メインビジュアルに少し疑問を抱きながらも
ただ値段が高い。高すぎる(@_@)
定価で1900円もする。
京都新聞のトマトカードを提示しても100円引きにしかならない。
値段に見合うだけの展示なのか?と疑問に思いながら、
新しくなった京都市京セラ美術館を訪ねた。
予約は必要なしで、客もそれほど多くはなかった。
むしろ空いていた。
展示は明治時代の平安神宮、京都国立博物館から
現代の国立京都国際会館、堀川団地まで、
京都の近・現代建築をその設計図と写真、模型、
その建物の古くなった一部、内装に使われていた調度品(テーブル、椅子)
などで構成されていた。
一つの建物につき少しの展示なのでさくさく進む。
殆どの建築は実際の現地へ行ったことがあった。
現地へ行く方がいいかな、とも思ったが、
ただ、その建築の細かい設計や模型、調度品など、
それはそれで深く理解するうえで有効だった。
遠い花山天文台を除けばひとつだけ行ったことのないのが西陣郵便局。
いつか行きたいと思いながら、まだ実現していない。
三条通のように近代建築がまとまってずらりと見られる場所ではないからだ。
いつかは街歩きとして行きたいと思っている。
各建築には詳細な設計図が展示されていた。
中でもウィリアム.M.ヴォーリズの設計図はロゴ(文字)がとても洒落ていて
まるで絵のデザインのようで、統一されていてさすが。
設計図とはいえ見応えがあった。
ヴォーリズの建物は京都の中でもわりとある。
有名なのは四条大橋の東華菜館とか、上京区の大丸ヴィラとか。
設計図には椅子もあり、
建築家が部屋の調度品も手掛けている事を知った。
とても繊細な椅子の設計図が建築家によって描かれている。
建築家は椅子のデザインもとても上手なのだった。
平安神宮や祇園閣、本願寺伝導院を設計した
(私の好きな)伊東忠太の小さなデザイン手帳が展示されていて、
これはとても良かった。
これを見られただけでも行って良かったと思える内容だった。
手のひらくらいの小さな手帳だったが、
建物を擬人化して描いていたり、
奈良の大仏と五重塔、そして自由の女神の高さを
1ページに比較して描いてある部分も面白い。
伊東忠太はやはり変わり者だったのだと納得した。
しかし、ただの変わり者というわけではなく、
その設計図は緻密であり、
アジアへ旅行し、アジア建築を研究した熱心な研究家でもあった。
↑祇園閣の模型
原則として写真撮影は禁止だったが、
時々撮影コーナーが展示室の隅にあり、そこで撮影が出来た。
椅子に座って撮影してくださいと書いてあったが、
座ると展示室を撮影することになる。
それはいいのか?
迷って撮影コーナーの椅子を撮影してみた。
(誰一人撮影している人はいなかった)
だんだん簡素になってゆく
堀川団地などは味気ない
京都市京セラ美術館の前の名前の「京都美術館」のプレートが
飾ってあるのはうれしかった。
あのプレートはどこへ行ってしまったのかと残念に思っていたから。
ちゃんと残してあるのだと分かってほっとした。
展示室の横の廊下を通ると、きれいな庭が広がっていた。
前の京都美術館の時には気づかなかったが…
こんなに庭があるのだと思わず写真を撮った。
また建物を見に行きたい。
モダン建築を写真に撮りたい。
そのようなことを思った展示会であった。
近くにあるとても好きな建物、行きやすいので撮影したもの
京都国立博物館(片山東熊設計)、京都の中で一番好きな近代建築
伊東忠太設計の大好きなサラセン風の西本願寺伝導院
展覧会を見たら写真に撮りたくなり、
歩いて行ける所なので行って撮って来たものである
いつ見ても面白く、近くにあるのがうれしくて仕方がない(^^)
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