伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

若冲生誕300年

2016年04月26日 | 展覧会・絵
今年は伊藤若冲の生誕300年で、
早速東京都美術館で若冲の展覧会をやっているらしい。

http://www.tobikan.jp/


動植綵絵30幅全部に、
京都相国寺に残っていた釈迦三尊を加えた動植綵絵の一気掛けに加え、
プライス所蔵のモザイク画、
ミホの持つ象と鯨の図も展示されてるらしい。
うううっ。無茶苦茶悔しい。

http://jakuchu2016.jp/

代表作、ほぼ羅列やね。
百犬図まで出てるんだ。
ま、見た事あるけど(負け惜しみ)。

NHKの若冲特集も、録画でやっと見た。
日曜美術館でもやっていたのを見た。
今年は若冲年になるだろう。


京都でも何かやらないかなー、京都の画家なのに。
京都にもちょっぴりはあるんだ、
京博に点描の石燈籠の図とか。
細見美術館に糸瓜の図とか。
でも、ちょっぴり。

京都の錦市場に生まれて育ち、
そこにずっと住んで京都で絵を描いていたというのに、
若冲の絵はばらけて、あちこちに散らばっている。

それは、死後無名になったのと、
戦後、外国人が日本画を買い漁った時に散逸したせいだろう。
特に相国寺が明治の廃仏毀釈のあおりを食って、
若冲から寄進された動植綵絵30幅を宮内庁に渡してしまったのが
どう考えても、京都的に痛い。
今は仕方がなかったことだと私も納得しているんだが
(以前若冲について書いた時は、京都に返せ、戻せと全然納得してなかった)、
それにしても若冲活躍の地、
京都に少ししか作品がないのは、まあ、悲しいなあ。
京都でも何かやってよ。


まあ、動植綵絵もモザイク画もみんな見た事はあるんだし、
あれらはもういいんだけどね。
プライスのモザイク画と、
日本のどこかが所蔵しているもう一つのモザイク画両方を、
この前ミホで同時公開していたのは知っている。

プライスのは見た事があるけれど、
もう一つのは見た事がないので、
比べて見たかったとは思ったのだが、ミホは遠いので断念した。
滋賀県なので近いんだけどね。
私には遠いんだよー。

ミホが持ってる象鯨の屏風もまだ見た事がないのでそれも見たいと思ってる。
いつか見られるんだろうか。
ま、でも銀閣寺(金閣寺だったかな)の葡萄の襖絵は
相国寺美術館が持っているし、あれはいいものだから、
いつでも見られることではちょっとだけ満足する。

http://www.shokoku-ji.jp/j_nyukan.html

ところでNHKでは若冲を謎の画家とか、
孤高の画家とか言って煽っていたが、
でも私が思うに若冲は謎でも孤高の画家でもない。

生家もはっきりしているし、
信仰心が篤くお坊さんの(相国寺の)友達も多かった。
で、寺で秘蔵のナンピン画を見せてもらったりして影響を受けた。
初期には狩野派の絵を大量模写して絵の修行もした。
晩年には弟子もいた 。
別に孤高でも何でもなく、普通の画家じゃないか。


若冲の画風を独特で、
ほかの日本画家には類を見ないなどと言うけれど、
曽我蕭白だっていたし、個性的な画家はいくらでもいたと思う。

若冲の画風は、
当時中国からもたらされたナンピン画の影響を
色濃く受けていることもバラされている。
孤高といっても、
当時の「平安人物志」という京都の文化人のランク誌には
応挙に次いで2位に入っている。
堂々とした、有名画家ではないか。

若冲に安易に孤高だの、
謎のだのの冠を付けて欲しくないというのが私の思いだ。
池大雅らと梅見に出かけたという記録も残っているし、
まあごく普通に活動していたんだと思うんだよ。


若冲が謎になったのは、その死後、
円山応挙の自然派が主流になり、
応挙が日本画の手本として一気に浮上していったために、
蕭白とか、若冲とかの個性派はだんだん忘れ去られていった。
応挙派がそれだけ日本画の大きな流派になってしまったあおりを
食ったからだと思う。
若冲が生きていた間は、
それなりに有名で、謎でも何でもなかったと思うよ。

彼が浮上するのは、200年後、
辻暢雄(字が違うかも…)が評価してからで、
さらに2000年の展覧会で一気にブレイクしてからだ。
それからは若冲はフェルメールのように
ブームになり過剰評価されるようになり、
ありがたがられるようになった。
まあ日本画が応挙だけではない、ということを知らしめ、
日本の絵画に対する概念を修正したという点で、
若冲ブームは意味があったと思う。

それから、評価が分かれるモザイク画に関して、
以前私はふざけた文章を書いた。

http://isabea.web.fc2.com/memora/essay/mosaic.htm


モザイク画は正式には「鳥獣花木図」というらしい。
これについては、これを若冲作ではないと言うと、
プライスが怒って貸さないと言うので、
誰もずばりとしたことは言えないのだ、
といううわさを聞いたこともある。

ネット民の意見をちょっと覗いてみたところ、
やはり皆冷静で、あれは駄目だ、
という意見が多数を占めている。
若冲作、と言いたい思いは理解できるものの、
やはり冷静に検討することが望ましいと思う。



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