伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

男子フィギュアのこと

2016年04月07日 | フィギュアあれこれ
私がフィギュアスケートを見るようになったのは古いよ。
佐野稔が現役だったころを知っているくらいだから。
もうおばさんどころかばあさんだね。
確か日本人で初めてトリプルアクセルを決めて
世界選手権の銅メダルを取ったとかだったと思う。


フィギュアスケートを好きになったのは、
アイスダンスがきっかけだ。
以前にも書いたことがあるけれど、
ソ連時代のモイセーワ・ミネンコフというカップルのダンスを見た時だ。

その時、見た瞬間にアイスダンスは美しさと、
ドラマチックな、
男と女のストーリー性を表現した芸術なのだと思った。
それからアイスダンスに夢中になった。
当時は世界選手権とかは放送してなくて、
見ていたのはNHK杯だけだったが、
アイスダンスを中心にフィギュアスケートを見るようになった。


男子で初めていいと思ったのはロビン・カズンズという人で、
古いねー。
日本でアイスショーがあって、そのテレビ放送があって、
それに出ていてロックのリズムで滑り、
足をネック代わりにエアギターをかき鳴らすという、
それがかっこ良くてね。
とてもきれいな滑りをしていた人だ。
さすがに現役時代は知らない。


次に良いと思った男子選手はスコット・ハミルトンで、
スコットと言えば誰でも鼻水事件を言うのだけれど、
でも彼はいつもスポーツタイプのウェアを着て、
スピーディーな演技で、エキシもとても楽しい、
上手な選手だった。
だからソルトレイクでの彼の発言にはとても失望したものだ。


ペトレンコとか、ブラウニングも見ていた。
ブライアン対決も知ってるよ。
五十嵐文雄が現役で滑っていたのも見ていたよ。
だけど、やっぱり男子にはあんまり興味がなくて、
アイスダンスのついでに男子も女子も見る程度だった。


私の中で革命が起きたのはリレハンメルだった。
その時もアイスダンスに夢中で、
まあ言えば、ウソワ・ズーリン命だったんだね。
アイスダンス中心に録画体制で、
男子はショートも録画していない。
その男子フリーの時、
最終グループの6分間練習でフィリップ・キャンデロロを発見したのだ。
あのバカは、6分練習でロロ・スピンなんかやって受けてたのだ。

それまでにも彼の名は知っていた。
リレハンメルのシーズンのNHK杯に来て、優勝していたから。
でも、その時も男子には興味がなかったから
そのNHK杯の男子を録画していなかった。
ただエキシの録画が残っている。
それで名を覚えていた。
そして、リレハンメルで見たキャンデロロのフリー、ゴッドファーザー。


その衣装、ヘアスタイル、演技、何もかもが衝撃的だった。
そのフリー演技に、こんな演じ方があるのか、
と目が釘付けになった。
初めて心底男子選手のファンになった瞬間だった。


リレハンメル直後の世界選手権は、
日本の幕張で行われた。
その時のキャンデロロの演技直後の「民族大移動」は、
のちのちの語り草になった。

3月に行われたそのワールドの録画ビデオ、当時はまだビデオだった。
それを私は、5月の連休が明けても見続けていた。
本当に偽りなく、毎日、幕張の彼のフリーを見続けた。
(オリンピックよりも出来が良かったのだ)
いくら見続けても飽きなかった。
それくらいキャンデロロという選手は、
私の中で、革命的な選手だった。


4年後、私はすでに彼は引退したのだと思っていた。
だけど長野でフランスの旗手をしている彼を見て、
あ、オリンピックに出場してるんだと知った。
それくらい、もう4年で彼は影薄い選手になっていた。

けれども、キャンデロロの長野のダルタニアン。
それは伝説となった。

エキシで再び彼はダルタニアンを演じ、
そのあと氷にキスをした。
その光景は今も忘れない。
最高成績はワールド2位、オリンピック銅メダル2回、
記録よりも記憶に残る選手だった。


いつの頃か、4-3-2を軽々飛ぶ天才少年がいる、
といううわさを聞いた。
それがエフゲニー・プルシェンコだった。
彼は出て来た最初から天才だった。
ジャンプを失敗する気配が全くしない。
最初から完璧な選手だった。
もちろんファンになった。
ソルトレイクで失敗した時は信じられなかった。
プルが4回転で転ぶなんて。
あの時は随分ヤグディンを恨んだなあ。
とても憎んだっけ。


そのあとプルはトリノで皇帝になった。
その時のトリノで初めて日本選手に目を向けさせたのが高橋大輔だった。
それまでは高橋のことはろくに知らなかった。
でも、トリノの高橋のショート、ロクサーヌは
今も旧レコーダーのハードディスクに残してある。
のち、ボーカル入りのエキシとして名演された、
そのもとのやつだ。

高橋と、女子の浅田真央の台頭もあり、
それがきっかけで私はフィギュアスケートにおいて、
日本選手を応援する、というスタンスの見方を覚えた。

それまでは私は日本選手に興味がなく、
ただただ外国人選手を見ているだけだったのだ。
日本選手が徐々に世界に近づいて来た、
そんな時代の幕開けだった。
高橋がバンクーバーで日本男子で初めて
オリンピックメダルを獲得した時、
本当に嬉しかったし、その演技は見事だった。
日本選手が世界にひけを取らない、
どころかその演技はどの世界の選手よりも輝いている。
それは誇らしいことだった。


羽生結弦を認識したのは、前にも書いたのだが、
NHK杯のチゴイネでだ。
彼が最初の4回転を飛んだその瞬間から、
私は彼に無我夢中になっていた。
その頃はスタミナがなく、
プログラムを最後まで滑る体力がなく、
最後はヘロヘロになっていたものだ。
そして、ニースの「伝説の旧ロミジュリ」。


私のアイスダンスの最後のアイドルは、
メリル・デービス&チャーリー・ホワイトだった。
彼ら以降、
あれほど好きだったアイスダンスをあまり見なくなってしまった。
なぜだろう、あんなに好きだったのに。
もう、あまり魅力に感じるカップルを見いだせなくなってしまった。


アイスダンスは、
美しさとドラマチックなストーリー性を表現した芸術。
私はきっと、それを羽生結弦に見出したのだと思う。
いや、彼にそれを求め始めたのだ。
彼は、私がフィギュアスケートに求めているすべてを備えている、
とさえ思った。

美しさとドラマチックなストーリー性を表現した芸術。
彼にそれを求めて得られるのだろうか?
彼の人となりは関係ない。
彼の性格や人格などは興味がない。
ただ「美を競う」スポーツ、
フィギュアスケートのその一角に確かな名を刻んでほしい、
その思いで私は羽生結弦の演技を見る。




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