怒る海 鴨川
5月15日しんぶん赤旗潮流より
イラク戦争やアフガニスタン戦争から帰還した米兵は約280万人とも言われています。退役軍人でで作る団体のアンケート調査によると、53%が心的外傷後ストレス障害などの精神疾患に苦しんでいます▼自殺を考えたことがある人は31%自殺した帰還兵の知人がいる人は40%にも。米国では深刻な社会問題になっています。
そんな、元兵士と家族らの姿を追ったノンフィクション『帰還兵はなぜ自殺するのか』が話題です。著者は米紙ワシントンポスト記者を23年間務め、ピュリツアー賞の受賞経験を持つジャーナリストです▼描かれている一人ひとりの体験が壮絶です。ある帰還兵は帰国後、イラクで、3歳ぐらいの少女を殺したことを何度も家族に告白。悪夢で目が覚めると、「そこらじゅうに子供たちの姿が見える」と。結局、彼は自ら命を絶ちました。1歳の娘を残して。
イラク戦争は、「イラクの大量破壊兵器保有」という大ウソで当時のブッシュ政権が始めました。侵略されたイラク国民とともに、戦争と駆り出された米国の若者の心身も壊しました。作家の保坂正康氏はこう評しています。「今の日本でもっとも読まれるべき書」と▼
安倍政権は、日本を「海外で戦争する国」に作り替える戦争法案を閣議決定をしました。先立つ与党の最終合意を米軍事機関誌「星条旗」は伝えています。「この国の平和主義政策の重大転換」。そんな転換を許してはなりません。たたかいは、これからです。
さー戦争法案反対の一点で、国会内外、思想・信条の違いを超えて、すべての政党・団体・個人が力を合わせ、戦後最悪の最悪の安倍政権による憲法破壊の企てを阻止しましょう。