KISS OF LIFE / RX

今回はRXとしてのラストアルバム、「KISS OF LIFE」のご紹介。
この作品は、メンバー各人の力関係とでもいいましょうか、なんとなく崩れてきているのがわかります。前作より更に、プログレ的アプローチが色濃くなってきてますね。この作品を最後にRXは活動を再び停止しますが、やはりこれだけプログレに傾いてしまうと、石川さんあたりがやりにくくなってしまったのかもしれません。

1. MJOLLNIR
雷電の作品。ELPの「TARCUS」を思わせる無機質なオルガンのリフ。
2. CORAL
BRENDA VAUGHNのコーラスと物悲しげな岩佐真帆呂のソプラノサックスをフィーチャーした重厚・壮大な組曲風なナンバー。これまたかなりプログレ。
3. RIDING HIGHER
再びボーカルナンバー。普通にロックしてます。ハードロックする勝田一樹のサックスもまたよろし。
4. SHOW OF COURAGE
このアルバム唯一の石川さんの作品。本田雅人風サックスの多重録音調シンセが面白い、このアルバムとしては異常なほどファンキーな曲です。やはりRXのファンキーナンバーには勝田さんのサックスは欠かせません。
5. NEVER SAY NEVER
またまたBRENDA VAUGHNのバラードナンバー。確かにフュージョンアルバムに入ってそうなボーカルナンバーというのはなんとなくわかります。
6. AVALON HILL
これまたいかにも雷電風の重々しいイントロから始まる、おどろおどろしい曲。壊れたようなソプラノサックスソロが更に重く頭の上にのしかかります。まるでRXの終わりを象徴するかのように…。
7. ORDINARY DAYS
前の曲が夜中とするならば、この曲は夜明けですね。勝田のソプラノサックスをフィーチャーしたジャジーで爽やかっぽい？ナンバーです。途中の4ビートパートの雷電のドラムがやっぱりちと可笑しい。
8. SARAH
石川さんのフレットレスが印象的なアコースティックテイスト溢れるボーカルナンバー。
9. YGGDRASIL
最後もやっぱり重厚・壮大なプログレナンバーで締めます。メロは石川さんのフレットレスがメイン。

RXはこのアルバムを最後に活動停止ということで、解散はしていないわけです。その後もこの3人で「黒船バンド」としてデーモン小暮閣下のバックバンドとして時々一緒に活動しているわけですから、別に3人の間に何か問題があったわけじゃないんでしょう。ただ、方向性にズレが生じてきているな～というのが、一連のアルバムを聴いているとなんとなく見えてくるのもまた事実です。プログレっぽくファンキーにハードフュージョンするというスタイルが煮詰まってしまって、RXとしての活動が行き詰ったといったところでしょうか。ゆえに同じメンバーながらもあえてRXを封印してバンド名を変えて活動をしてるんでしょうかね。是非とも更にファンキーでプログレッシブなRXで、活動を再開して欲しいものです。

KISS OF LIFE / RX
RAIDEN YUZAWA(ds)SHUNSUKE ISHIKAWA(b)YUICHI MATSUZAKI(keys)
MASANOBU FUKUHARA(g)KAZUKI KATSUTA/MAHORO IWASA(sax)
BRENDA VAUGHN/MIHO FUJIWARA/GOLYNIS MARTIN(vo)