つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

藻谷浩介氏の講演「デフレの正体」

2011年12月07日 | 経済
                   「デフレの正体」の講演をした藻谷浩介氏(右)

豊島区立生活産業プラザで日野かつあき行政総合研究所主催による講演会があったので参加した。
50万部のベストセラーとなった「デフレの正体」の著者である藻谷浩介(もたにこうすけ)氏による講演。
主な内容は、(1)不況の根本要因は景気循環ではない。(2)「生産年齢人口の数」がポイント。(3)働く人間が少なくなったから「モノを買わない」という現象が起きている。(4)これは「地方の問題」ではなく、「東京を含めた日本全国共通の問題」である。といった内容で「デフレの正体」が語られた。

藻谷浩介氏は、地域の問題テーマに全国各地で3000回以上講演をしており、平成大合併以前の3200市町村をほぼ訪問して、地域特性を多面的に把握してきた。とても行動力のある人です。
自分の実体験を話すので、聞くほうも納得がいくものである。
そしてメディア報道に惑わされることなく、客観的事実と統計で実情を解説していく。
途中何度も聴衆に質問による問題を出して、講演会の参加意識を高めていた。なるほど考える時間をとることで、さらに講演の内容に興味を持たせる手法でもあると勉強になった。

東日本大震災後に計画停電が発令されたにもかかわらず停電が起こらなかったのは火力発電所が出力していたから。中部電力は地震に備えて新潟県上越市沖の海上に島を造成して上越火力発電所を建設中である。福島原発の現地指令所はなぜ離れた広野火力発電所のそばにあるのか。メディアが報じない状況がたくさんある。

世界はどうなる? 日本は? 地域の将来は? 「デフレの正体」について詳細に語っていた。財務省の統計によると3月11日の東日本大震災後、日本の貿易収支は直後は落ちたがすぐに持ち直している。
円高で物が売れていくと円安になる。中国が栄えるほど日本は儲かる。サムソンが儲かると日本は黒字になる。すべて統計が証明をしている。評論家の主義主張より事実を信ずる。

日本は生産年齢人口(15歳から64歳)が減少して高齢者層が増えていく。生産年齢人口の減少は消費が少なくなり、高齢者層の貯蓄が増えていく。
高齢者の貯金を「生き金」に変えていくことが必要であると論ずる。
日本の売れる商品/日本で儲けられる企業が今後の世界で生き残っていく。とまとめていた。

講師と名刺交換をすると一人ずつ相手の状況を聞き入れようと質問をしてメモをしていたところが印象に残った。

(12月7日記)
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