創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

連載小説「Q」48

2020-05-26 06:08:35 | 小説
連載小説「Q」48
東京が心配である。
ニューヨークみたいにならないだろうか。
オーバーシュート。
街は老人の死体で溢れている。
新しい言葉が次々に出てくる。
水溜まりにわくボーフラみたいだ。
一番最初は濃厚接触者。
クラスター。
ソーシャルディスタンス。
PCR検査。
三密。
抗原検査。
抗体検査。
他は忘れた。
とにかく感染しないこと。
自分が出来るのは、三密を避けることしかない。密閉、密集、密接。
順平は殆ど三密に関係のない生活をしている。
その上奈良県では、感染者数は百人以下なのだ。亡くなった人が二人。
杞憂かも知れない。
でも感染すれば百%なのだ。
誰も助けてくれない。
妻の行動にも一々口を出した。
「緊急事態宣言なんやで」
子供も来なくなった。
年寄りに気をつかっているのだろう。
『子や孫に会へぬ今年の立夏かな』
小説を諦めて俳句を作っている。
幾つも応募したが入選はゼロを更新している。
俳句は五七五の世界。
才能が肝要と誰かが言っていた。
バラエティー「プレバト」を録画して見ているが、
「才能なし」の評価があった。
どこへ行っても「才能なし」がつきまとう。
連載小説「Q」#1-#40をまとめました。