固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

固定資産税・誤徴収

2011-01-18 | 固定資産税

秋田県横手市は、本来固定資産税が掛からない社会福祉施設や保安林の所有者から、誤って固定資産税を徴収していたと横手市議会の議案説明会で報告しました。

横手市の報告に拠ると、誤徴収は総額1,302万円に上り、還付加算金を含めて1,423万4,400円を還付する模様です。

まず、地方税法第328条に規定されるJA秋田ふるさとのディサービス・ショートステイ施設について、2004年(平成16年)から2010年(平成22年)の間に固定資産税の課税を行い、950万円を誤徴収したとのことで、還付加算金を合わせた1,032万円を、JA秋田ふるさとに還付するとのことです。
こうした社会福祉施設は、地方税法第328条第2項第10の6号に規定された、固定資産の使用目的等に拠って課税出来ない用途非課税(物的非課税)と呼ばれるものに該当します。

次に、4団体及び91人が所有する地方税法第328条に規定された保安林(1897年(明治30年)~2006年(平成18年)に指定)について、124筆(約107,670,000㎡)が非課税となるべきところを誤って固定資産税が課税され徴収されていたとのことです。
保安林は、地方税法第348条第2項第7号に規定された、固定資産の使用目的等に拠って課税出来ない用途非課税(物的非課税)と呼ばれるものに該当します。

なお、国、都道府県及び市町村など、地方税法第348条第1項に規定された、固定資産が所有されることに拠って課税出来ないことを人的非課税と呼ばれます。


地方税法第348条(昭和25年7月31日・法律第226号/改正平成22年12月3日・法律第65号)

 第二節 固定資産税

 第一款 通則

 (固定資産税の非課税の範囲)
 第384条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区、地方開発事業団及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。
 2 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。
 (途中省略)
  6 公共の用に供する用悪水路、ため池、堤とう及び井溝
  7 保安林に係る土地(森林の保健機能の増進に関する特別措置法第2条第2項第2号に規定する施設の用に供する土地で政令で定めるものを除く。)
 (途中省略)
  10の6 第10号から前号までに掲げる固定資産のほか、社会福祉法人その他政令で定める者が社会福祉法第2条第1項に規定する社会福祉事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの