いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

為替によって首を絞められていくニッポン(続きⅣ):菅首相のTPP参加?の愚か

2010-10-30 13:34:22 | 日記

 超円高下でのTPP参加は日本農業に壊滅的打撃を与えるだろう。

 菅首相は、TPP 環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(Trans Pacific Partnership)へ参加に意欲を示しているという。域内(アジア太平洋圏内)での自由貿易圏の構築を目指すTPPは、貿易取引にかかわる物品の関税を撤廃することを目的としている。

 経済音痴の菅首相に任せていたらとんでもないことになります。日本農業は壊滅的打撃をうけて、日本人が口にする食料は殆ど原産地が外国オリジンになるだろう。日本農業は金持ち専用として生き残り、金持ちだけが高価な日本原産の無農薬野菜や穀類や肉類を食べ、貧乏人は安い外国産の大量生産される遺伝子組み換え食品を食べざるを得なくなる、収入格差はそのまま食品格差を生じさせる・・・貧乏人は遺伝子組み換え食品を食べさせるという壮大な人体実験が行われることを危惧する、アメリカならやりかねないぞ。現に、アメリカは日本の参加条件に農産物の大幅な自由化だけでなく、TPPとは直接関係のない「郵政民営化の見直し」についての再検討なども求めている(アメリカはぬけぬけと内政干渉する国である)。アメリカは日本からの収奪と日本の弱体化を狙っている、もうええ加減にせんかい!(苦笑)。

 不当な超円高に晒されて呻吟する日本農業にさらに追い討ちをかける。米や肉類が無関税で輸入される事態となれば、日本の農業は成り立たなくなる。壊滅的打撃を受けるだろう

 筆者はさまざまな角度からみて、為替レートは1usドルは150円~170円が妥当なレベルであろうと主張し続けている。
 もし、為替が1usドルが150円~170円の妥当なレベルであるならば、日本のTPP参加に日本側として一応問題ない、(一応という意味は、「グローバリゼーションとか、なんでもかんでも自由化」するということが果たして良いことかどうかそろそろ考え直す時期にきていると思う)。

 為替が経済に及ぼす甚大な影響について、筆者は1985年のプラザ合意の頃から仕事の実体験を通じて危惧してきた(アメリカは円高によって日本経済をコントロールしてきた)。既述したが10年前に某経済復活の会の掲示板に適正な為替レートであれば日本経済は復活すると主張したが、相手にされなかった。これまで経済学者も政治家も「為替」問題を軽視し過ぎてきた。「為替」問題を抜きにして経済(特に国際競争力)を語っても意味がない、これが筆者の自論です

 為替レートこそ、甚大なる関税障壁になり得るという認識が必要不可欠である。アメリカはドル安によって、例えば極端な例だが仮に1usドルが50~60円という水準にもっていけば、日本からの殆どすべての物品の輸出を合法的に拒絶できることになる。現状では、アメリカは日本からの商品を輸入しなくても、中国、韓国その他の国からいくらでも安く輸入できる。

 1usドルが50~60円という極端な円高ではないにしても、100~120円と言うレベルでさえも、貧乏人を大量生産し、日本人の大きな収入格差を生んだ。80円~100円レベルでは、労働者を非正規雇用にして労働コストを低く抑えることで、どうにか大企業としては成り立つかも知れないが、日本人の収入格差と貧乏化現象は決して改善することはないだろう。
 アメリカは政策として、為替レートが80円前後から100円程度が日本をコントロール(生かさず殺さず)しやすいと考えているかもしれない。そうであるとすれば、80円~75円あたりが円高の限界かもしれない。もしそれ以上の「円高」になるとすれば、自国〈アメリカ)の抜き差しならぬ困難な事情のためだと思う(その場合、例えば、機軸通貨としてのドルを放棄して別の通貨もしくは金本位制などなど)。

 TPPはFTA(自由貿易協定)とは似て非なるものの逆で、FTAとTPPは言葉は異なるが中味は殆ど同じである。FTA:自由貿易協定とは物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした、2国間以上の国際協定である。日本はTPPに参加しても得るものはない。現在9カ国が参加して日本包囲網?を結成しようとしているが、日本は参加すべきではない、孤立を恐れてはならない。域内(太平洋環内)の関税障壁を取り除けば、競争を激化させるばかりで紛争を生みやすい、強いものが生き残る。

 自由貿易協定とは聞こえはいいが、妥当な為替レベルによって成り立つ原則であって、例えば、体重80キロの人が体重150~170キロの人とレスリングをしても勝負にならないだろう。

 不当な為替レートで、日本人の収入を抑えられている部分を、国が補填するしかない。

 日本の食料自給率が40%を切ろうとする状況のなかで、関税を撤廃した安い農産物が自由に入ってくれば、日本の食料自給率は更に低下することは言うまでもない。日本の農業をどうする積りなのか。ほとんどすべての農業家は採算割れを起こし、農業を維持するためには、農業者戸別所得補償制度の適用拡大せざるを得なくなる。そうすれば農業は、まるで生命維持装置をつけて延命をはかる事態が生ずる。関税を撤廃すれば、国は関税収入がなくなる一方で、細々と農業を維持するための莫大な出費がかかる。そんな出費ばかりが嵩む馬鹿げた事態が起こらないとどうして言えるだろうか。

 前述した如くTPPに参加し、関税を撤廃しその他の諸々の規制を撤廃して自由競争を基本とする貿易になれば、農業だけでなく林業もさらには漁業も成り立たなくなる。今後の日本の農林漁業が生き残れる道は、金持ち専用の完全無農薬の有機農業として高価な食材提供業としてしか生き残れなくなる。