いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

騙す側の責任と、騙される側の責任について、

2013-03-24 18:48:20 | 日記

JAXVN:

当該記事(騙される側の責任について)を読みました。小出裕章氏も原発に関して「騙されたあなたにも責任がある」という本を書いておられますが、正直「そこまで言わなくても」という気がします。

いかりや:
「騙される側の責任」とは、

振り込め詐欺にひっかかって警察に届けたら、警察官から「詐欺にひっかかるお前がアホや」と言われるようなものです。

「騙された貴方の方が悪いのよ」と言われても、憮然とならざるを得ません。一昨日の別の方のコメント投稿にありましたように、

”日本人は外人をあまり疑わないいい性格なんだよ。
大陸の奴とは違う。平和主義で性善者なんだよ。”

 人は、生まれながらにして善人か悪人かは別にして、

 「日本人の庶民(普通の人たち)の生活は性善説で成り立っている。その方が気楽であり、穏やかな生活をおくることができる」、最近はこのような生活文化は失われつつあります。例えば、終戦直後のもの不足の時代でさえ、暑い夏の夜は窓を開け放ったまま寝ることができた・・・向こう三軒、両隣の日常的付き合いがあったから。

 「他人をみたら泥棒と思え!」という生活では、絶えず緊張したものになる。筆者の乏しい経験だけど、欧米人の付き合い方をみると、よくパーティーを開いて、お互い同士の存在感を確かめ合っているような気がする。表面的には楽しんでいるかのようにみえるが、心から信頼し合っているかどうかは疑わしい。

 日本の庶民文化の方が優れていると思うが、その時代ももう終ったのかも知れない。これからは、政治や社会現象を見る場合は、欧米流の「性悪説」に立たなければならないのかもしれない。

蛇足ですが、
前回書いた自民党の大西議員は、毎日新聞のアンケート調査:2012衆院選挙 候補者アンケートの回答で、

問12:(TPP参加)輸出入関税を原則ゼロにする環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に賛成ですか、反対ですか。
 回答:2. 反対 と回答している。
ところが、衆議院の予算委員会では、TPP推進の立場で質問しているのだから、国民を騙す詐欺師かと疑いたくなる。

JAXVN:

原発について言うなら、「ウランは石油より早く枯渇する」とか、「高レベル放射性廃棄物の処理には一万年以上かかる」といった事が今までちゃんと伝えられていたでしょうか?

いかりや:
 仰るとおり、「国民には知らせない」のだから、原発の場合第一義的には「騙す側に責任がある」と思う。

 先日は、福一事故現場の配電盤の故障で冷却水が流せなくなりました・・・そのままだと大惨事になりかねない問題でした。

 東電の発表では、配電盤に焼け焦げたネズミがみつかり、侵入したネズミが原因らしいことがわかった。配電盤にネズミが侵入することは想定外だった? それにしても、まさか「配電盤」が、車の上に載せた「仮設」のものだったとは驚きです。

 お粗末の極みですが、現実は車に載せた仮設のもので当座を凌ぐしかない程、現場は強い放射能で汚染されているということらしい。そのようなことは、東電側も原子力規制委員会も国民に知らせない。

 昔から、庶民(普通の人たち)は難しいことは知る必要もなかったし、お上任せだった。当方も、チェルノブイリの原発事故のときでさえ、一抹の不安を感じながらも「他人事」であったのが正直のところだった。今回の福島原発事故で改めて原発事故の恐ろしさを身を以って知り、自分から情報を収集するようになった。日本に54基の原発があることを初めて知って驚いた。

 しかも、原発の出す熱エネルギーは1/3しか利用されていない、残りは全て海に棄てている。100万キロワットの原発1基で毎秒70トンの海水を取り込んで、その海水温度を7度上げて海に戻しています。日本近海の温暖化について、原発による影響については誰も語らない。

JAXVN:

小沢一郎氏は自民党にいた時から、「ウラン原発はあくまで暫定的なエネルギー源だ。これで何年かしのぐ間に、新しいエネルギーの柱を作らなければいけない。」と言っていた事は知られていたのでしょうか?

また、ここで引き合いにだされている伊丹万作氏の手記は「戦前の日本はファシズムだった」という前提で書かれていますが、必ずしもそうでなかった所もあります。

大政翼賛体制下でも斎藤隆夫議員は堂々といわゆる「反軍演説」を行い、新聞はこの演説の記事を掲載しました。

果たして今の日本は、あの時と比べてどうなのだろうか? もしかしたら、逆に退化しているのではないか? そんなことを考えてしまっています。

いかりや:

>もしかしたら、逆に退化しているのではないか?そんなことを考えてしまっています。

おっしゃる通り、昔も今も変わらないどころか悪化しています。それは大手マスメディアが権力側の圧力に屈しているからであり、批判する力を失っているからだと思う、メディアの責任が重い。

 しかも更に悪いことに、日本の権力者側(与党も、官僚も大手メディア)も米国依存であるところが、戦前の大政翼賛体制下よりも退化している原因だと思う。そして多くの国民がアメリカという国を、性善説の立場から眺めている。日本人はもっとアメリカから、自立しなければならない。

 だが幸いなことに、今はIT化の時代、個人々々が発言するツールを手に入れたことは大きい。誰でも発言できる時代であり、これからこそ「騙される側の責任」が問われる時代ではないだろうか・・・権力者側のネット規制は要注意であるが。



最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
既出ですが (通りがけ)
2013-03-25 01:28:52
日本人の品格 (通りがけ) 2011-07-01 07:39:48
「躾のチカラ=国民の品格」

詐欺師は言う「人間には騙す者と騙される者の二種類しか居ない」と。
これが詐欺師の免罪符となっているが、これもまた詐欺師特有の真っ赤な嘘である。

真実は「人間には騙す者と騙さない者の二種類しか居ない」であり、騙される者と騙す者はじつは同じ「騙す者」の集合に属しているのである。

詐欺師のように「騙す者」は自分の嘘で相手と自分を同時に騙し騙されている「騙される者」となる。

日本で民間の伝統的躾が「嘘つきは泥棒の始まり」と教えているのは、美徳を生きる「騙さない者」に育てる徳育そのものであり、悪徳に溺れる「騙す者=騙される者」に育てないための最上の知育でもある。

これが日本人を世界史上常に同時代最高の品格ある知性を具えた尊敬すべき「騙さない」人々としてきた根源のチカラである。

応用問題:

「地位協定」は言う「日本には占領軍(支配者)と無条件降伏Jap(奴隷)しか居ない」と。

正しい答え:

下品で知性無き戦争詐欺師米軍を品格ある美しい日本人の国から一掃するためにただちに国民投票で地位協定破棄しよう。

http://blog.goo.ne.jp/hikarabin/e/bb0fc811437c8941aebbd946fba53ad4#comment-list
返信する
個人と組織の利益背反 (木綿)
2013-03-25 09:19:23
「騙される方も悪い」という考えが肯是されるのは、ある特定の条件下(「場」といったりしますな、物理の世界では)においてでしょうねぇ。

例えば、いつも騙されてばっかりで、ロクでもない契約を結んで、会社に損害を与える管理職がいたとしますよね。この場合、社内では「あの管理職は悪くない。騙したほうが悪いんだ。」という者は、まぁいないですわな。会社への忠誠心や関与度の厚いものほど、「彼には責任がある」という傾向があることでしょう。

では、隣の家の奥さんが騙された場合はどうでしょう。「あの奥さんにも責任がある。」という町内の人はまずいなくて「詐欺師ってのはほんととんでもないよ。」ということでしょうねぇ。それでも、当の家庭内では相当のケンカが勃発していることでしょうけど(笑)。

そう考えると「騙される方も悪い。」というのは、その当人が騙されることで、自分自身が損失を被るか否か、及びその近しさの度合い・関与の程度によるのだろうということがわかってきますよね。

振り込め詐欺で大損した家族は、その家の出来程度によって「罵倒」から「グチ」まであるでしょうけど、「騙されたお前が悪い」ということでしょうし、その余波で大口送金がしづらくなった経理担当者などは「騙されるババァがいるのが悪い。」ということでしょう。でも、ほとんどのヒトは部外者だから、「まぁそこまでいわんでも。」となる。

では政治の場合はどうでしょう。これは政治への感度、というか国に対する愛着・利害意識の濃淡でわかれるんでしょうなぁ。政治に関しては騙される方も悪いと口に出しちゃうヒトは、賢人ではあるがちと度量の狭い、ちゅうところですかいな。そう思ってもぐっとこらえるとこでしょうなぁ。
返信する
政治とは常に現世利益の追求です (通りがけ)
2013-03-25 10:21:26
それで昔は祭政一致だったのですね。
返信する
情理兼ね備える (明け烏)
2013-03-25 13:22:58
「椎名誠とわしらは怪しい雑魚釣り隊」第三回より(1)

 あいかわらずのバカたちの行状記とはいえ、今回はのっけからちょっと暗い話になる。仲間が死んでしまったのだ。・・・
 西川良という。雑魚釣り隊の古参の一人だった。でも海と釣りが嫌いで「つり丸」連載中、ただの一度も釣竿を握ったことがない、というわけのわからないヒトだった。釣竿のかわりに何を握っていたかというと常にワインボトルを握っていた。
 海風に吹かれ、誰かが釣ってきた魚を食い、ワインを飲みにきていたのだ。喧嘩早く、はじめて行く酒場ではたいてい最初は喧嘩していた。意味なく喧嘩腰で店に入っていく、というまことにハタ迷惑な男だったのだ。そしていつもその後ろにくっついていたのが後輩の西澤だった。
 おれはこの西西コンビとよく旅をしていた。西川は土建屋のような風体をしていたが、信じられないことに芦屋育ちの学習院卒業という「ごきげんよう」のヒトなのだがそれをひた隠しにしていた。
 西澤は立教ボーイなのが恥ずかしく、あばれものになってやっぱりめちゃくちゃで、京都の寿司屋に入ってマグロ寿司を頼み「うまくねーな、このマグロ。鴨川からとってきたマグロなのかこら!関東者をなめるなよ、コラあ」などと無意味にスゴみ、店を出るときに通常の十倍くらいの勘定を請求されていた。だから西西コンビと旅をすると大変だった。
返信する
情理兼ね備える (明け烏)
2013-03-25 17:47:26
「椎名誠とわしらは怪しい雑魚釣り隊」第三回より(2)

その片一方の西さんが逝ってしまった。食道ガンだった。・・・
 雑魚釣り隊はこの連載三回目に伊豆七島の新島に行くことになっていた。・・・その新島遠征のためのすべての準備がととのい、その夜十時に竹芝桟橋集合という朝に訃報が入った。西川のその急逝は、俺にいくらか責任があるような気がする。
 その二日前に病院に見舞いに行っているのだ。・・・おい早く復帰して白ワインばしばし飲めよなどと言った。・・・帰りがけベッドの布団の裾から素足が見えていたので、足の裏をくすぐってやった。
 「ガンバレヨ」のはげましのつもりだったが、彼はそのあと黙ってまっすぐおれの目を見て握手を求めてきた。重病人のくせにいやに力のこもった握手だった。今思えばあれが彼流の別れの挨拶だったのだろう。・・・そこで、急遽方針、行き先変更(千葉県房総上総湊の民宿)。
 まずはその朝亡くなった西川のために、彼が一番好きだった「白ワイン」のよく冷えたやつで一同献杯。しばし黙想。それからしばらく西川の思い出話になった。おれたちのことだから気取った美辞麗句の思い出なんか話さない。
 「あのひと、とんでもないことをよくやっていたけど、一番笑ったのはタクワン浜の夏だけ設置される簡易便所からころがり落ちてきたときだったなあ」
 誰かがとびきりの傑作話で口火を切る。その簡易便所は奥のほうがだんだん高くなる危険な傾斜ができていて、ドアのカギがすぐ壊れる。西川がエイヤッと力をこめてふんばったときに重心が後ろにかかり、背中がドアにぶつかってカギがはずれ、そのままの恰好で背中から丸まって外に飛び出してきたのだ。右手にしっかり紙を握りしめていたらしい。そんな話をしながらみんなでゲラゲラ笑ったが、何人かは目に涙を浮かべていた。

#次の(3)で終わりです
返信する
通りがけさんへ、 (いかりや)
2013-03-25 18:29:11
3月13日の、当方の指示(下記ルール)を守ってください。

本日の、貴投稿の「1965年、CIA による インドネシア大虐殺」削除させていただきました。

コメント投稿について、以下を厳守してください。

一、引用文書を貼付けただけで己の意見を示さない投稿は禁止。
  長文(20行以上)の引用文は、削除します。

一、2回以上の連続投稿は禁止。
  但し、訂正文は別。

一、 異様に長い投稿は禁止。
   ブログ主の判断のよって、削除します。
返信する
情理兼ね備える (明け烏)
2013-03-26 02:06:29
「椎名誠とわしらは怪しい雑魚釣り隊」第三回より(3)

ワインはたちまち空になり、ウイスキー方面に、ということになったが、さっきまで部屋の隅でさん然と輝いていたザ・マッカラン(隊員が「ボウモア12年」と「ザ・マッカランファインオーク17年」を持ってきていた)がどういうわけか見当たらない。どこだどこだ、とみんなで手分けして探したらなぜかテレビの後ろで見つかった。こういうことをするのは竹田しかいない、と全員の意見が一致した。以前にも七千円高級ウイスキーと廉価の五百円ウイスキーの中身をひそかにいれかえ「ぼくは謙虚なのでこっちのほうを飲んでますから」などと言って偽五百円の高級ウイスキーを飲んでいたが、竹田が謙虚なのはおかしい、とみんな言いだし、飲みくらべてバレたことがあったからだ。もっともそれまで五百円ウイスキーを「やっぱり高級ウイスキーはうめえ!」などと言っていた奴のほうが間抜けすぎるのだが。・・・
 翌朝は雲がやけに目立ったが、風もなくやがて晴れそうだった。・・・偵察四ヶ所目にやっと舟形港というところに決まった。・・・広い堤防があり、メタボ系のノラネコがたくさんいる。釣り人が残していった雑魚などの生食生活をしているのだろう。・・・釣具の支度をしている手先や長靴などにスリスリしてくる。
雑誌編集をしていて目下我われのなかで一番忙しい香山が「おまえたちそんな根性じゃだめだ。自分の食べたいものは額に汗して自分で働いて得なければ将来ろくなネコにはなれないぞ」と大きな声で意見している。額に汗しろって言ったってネコの額は狭いからなあ。
返信する
明け烏さん (johmodoki)
2013-03-26 07:40:00
椎名誠氏のエッセイのご紹介を有り難うございました。

仲間の死がテーマですが・・・
軽やかな語りの中、折々の思わず笑えるエピソードを散りばめながら故人と周辺の人物像を浮かび上がらせる手法でしょうか、心地良く読めましたね^^ダイジェストの作成、お疲れ様でした。

パート(3)より、
>それまで五百円ウイスキーを「やっぱり高級ウイスキーはうめえ!」などと言っていた奴のほうが間抜けすぎるのだが。・・・

いかにもありそうな話で、当方なども騙される部類の人間に入るかも知れません。これは「騙される方も悪い」になるんでしょうかねえ(笑)
返信する
温故知新の書「グアムと日本人」山口誠著(岩波新書、196ページ、740円+税)ちょっと規約より長いかなw (通りがけ)
2013-03-26 08:46:27
故きを温ねて新しきを知る。といってもTPPはなにも新しいことではありません。アメリカが建国以来つづけて来た戦争虐殺略奪外交のそのままバカの一つ覚えですから。グァムを見てみましょう。
>【人間扱いされぬ先住民】
選挙権も電気も水も奪われ「米軍基地と観光施設が優先」

阿修羅「アメリカの嘘  田中 良紹 」への書き込みから抜粋します
http://www.asyura2.com/13/senkyo145/msg/500.html#c52
 ▼現在でもグアムは、アメリカの「未編入領土」という名の植民地である。グアム住民は連邦政府が定める納税義務を果たしているが、アメリカ大統領選挙への投票権は与えられていない。また、普通選挙で選出された「グアム代表」は連邦下院議会に出席はできるが、議決権は与えられていない。
 ▼グアムは観光産業以外に主要な産業がなく、その観光産業は外資企業が占めている。外資企業は客室清掃や調理などのブルーカラーに、チャモロ人ではなく(米国市民権を持ち、最低賃金を保障しなければならない)、フィリピン人や他島からの移民を最低賃金以下で大量に雇うことで、経営コストを圧縮している。先住民のチャモロ人は、おもに米軍基地関係の仕事についている。
 ▼そしてグアムの住民が住んでいる地域は、給水施設が未整備のために断水が頻繁に起こる。また数年に一度大型台風が上陸し、島中の電線を破壊して、長期停電と断水になる。摂氏35度を超える熱帯の島で、水も電気もない状態が数週間から数ヶ月続き、病人や死者も出る。だが他方で、巨大な米軍基地と林立する観光施設には日々大量の水と電力が潤沢に注ぎ込まれ、停電や断水とは無縁である。チャモロ人を始めグアムの住民は、民主主義と人権を享受すべき同等の人間とはみなされていないのである。
 
返信する
明け烏さん、 (いかりや)
2013-03-27 21:02:19
明け烏さんの「椎名誠とわしらは怪しい雑魚釣り隊」の話、

「いかりやよ、そうガツガツしないで、椎名誠の怪しい話でも、どないやねん?」つーところでしょうか。

釣りと言えば、

釣りキチ三平だった小生の父親は、老後の楽しみは釣り三昧だった。

30年くらい前の話ですが、山陰の或る島に一人で釣りに行ったまま行方不明となり三日目に、

釣り人も滅多に行かない島の裏側、岩場近くの崖の下で遺体となっているのを

島の漁協の人たちによって発見された。

死因は崖から転落したものだった、

遺体のそばにあった魚篭にはたくさんの魚が入っていたという。

久しぶりの大漁に満足して家路につこうとして、崖から転落したものと思う。

漁協の人には迷惑をかけたが、本人は満足だったかもしれない。


返信する

コメントを投稿