いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

ギリシャ、緊縮財政では活路は見出せない。野田首相よ教訓を学びなさい!

2012-05-16 18:59:26 | 日記

 ギリシャが財政危機に陥り、国際支援を仰いでから初めての選挙が今月6日実施された。総選挙(議会:300議席)の結果は、連立与党はNDが得票率で首位に立つ一方、PASOKは3位となり、連立与党の獲得議席数は149議席となり、過半数の151議席にわずかに届かなかった。緊縮策に反対する急進左派連合が2位に入った、国際支援とそれに伴う、緊縮策への国民の反発を反映する結果となった。

この結果、パプリアス大統領が、官僚や有識者ら政治家以外の実務者による内閣樹立の提案について、5政党の党首を集めて協力を要請したが、話し合いは決裂し、6月10日か17日に再選挙を行うことが確定した。

 世論調査では、再選挙でも財政緊縮策の反対勢力が優勢とみられている。
 政権の鍵を握る形となった急進左派連合を率いるツィプラス党首は「多くの支援を背に、左派政権を樹立し、国家を破滅に追い込む政策に終止符を打つ時が来た」と主張。ツィプラス党首は、厳しい緊縮措置を回避しながらユーロ圏にとどまることを有権者に約束し、支持率を大きく伸ばした。

 世論調査によれば、ギリシャ国民は支援条件である緊縮財政には反対する一方、ユーロ支持派が大半だという。80%近くは新政権に対し、ユーロ残留に向け全力で尽くすことを求めている。だが、緊縮財政を止めてユーロ圏に留まることをEU諸国が認めないだろう、特にドイツが許さないだろう。このため仮に急進左派連合が政権を執ったとしても、新政権はユーロ圏離脱するかどうか、究極の選択を迫られる。

 そもそも緊縮財政では活路は見出せない。
 筆者は2年前の日記で、今日の事態を予想したが、この状況は起きるべくして起きただけのことである。触りの部分を再掲します。

 ” いったん財政破綻に陥ると、単一通貨であるが故に、その国独自の政策は通用し難い。それぞれの国が独自の通貨を保有していれば、その国の通貨が緩衝材(通貨の高低:為替の調整)の働きをする余地があるが、単一通貨の下では、その国が採りうる政策は、ただひたすらコスト削減に努めざるを得ない、従って結局は財政の健全化は国民の収入を低下(人件費を低下)させることしかない。従って、それは益々国力の低下を招き、浮かび上がれない。

 ギリシャは今後、厳しい緊縮財政を余儀なくされる。だが緊縮財政からは、有効な景気対策は生まれない、したがって益々の不景気の悪循環となり、ギリシャは受けた金融支援をデフォルト(債務不履行)になる可能性が高い。”

 単一通貨でグローバリゼーションと市場原理主義という荒波のなかでは、市場競争に敗れる国が出るのは当たり前、仮にギリシャがユーロ圏から離脱しても、スペイン、ポルトガル、イタリヤなど次の敗者の予備軍が控えている。

 6日のフランス大統領選でも、市場原理主義派のサルコジが敗れた。財政緊縮策と過当競争の下では格差拡大を招き、フランスの失業率は10%を越えている、特に25歳以下の若年層の失業率は20%を越えている。格差是正と経済成長を求めてオランドに投票したフランスの市民はオランド氏が勝利を決めた6日、「パリ市内では支持者ら数万人がバスチーユ広場の特設会場などに繰り出し、新大統領の誕生を深夜まで歓喜とともに祝った」という。【パリ時事】

 ギリシャ、フランスの選挙結果は、財政の緊縮策に拒否反応が強いことを示している。だからといってドイツを中心に進めてきた緊縮策を放棄できるわけではない。ユーロ圏はこれから、財政の立て直しと経済成長という二律背反の難題にどう舵取りするのだろうか。混乱が続きそうである。これは他人事ではありません、消費税増税が招く「起こるべくして起きる事態」に、口先だけの男が闇雲に突っ込もうとする暴走にストップをかけねばならない。



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