いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

自公を敗北に導いたのは誰か?その2、自民は内部から崩壊している

2009-09-02 19:08:10 | 日記

 今回の選挙結果は、単に民主への「風」が吹いただけではありません。一過性のものならば、これほどの大きな地殻変動は起きなかったはず、自公は敗れたというより、壊れるべくして壊れたのです。

 今回は、自民の劣化現象についてとりあげます。
 劣化現象の象徴的存在として、与謝野馨氏の場合を例としてとりあげます。与謝野氏は、自民党随一の経済通として知られているからです。

 与謝野氏は06年4月民放の報道番組に出演して「いざなぎ景気」と同等の水準にあるとの発言し、その後も「いざなぎ景気を超える」や「戦後最長の景気拡大」などと、およそ庶民の生活実感とかけはなれた戯言を繰り返していました。

与謝野氏が「いざなぎ超」などと発言していた頃、次のような現象が起きています。
① 日本チェンストアー協会が2007年1月に発表した資料によれば、06年の全国のチェンストアーの売上高は14兆224億円で、10年連続の前年割れとなったと発表しています。

② 内閣府発表の名目GDPをみると、最近3年では、06年507.4兆円、07年515.8兆円、08年507.5兆円であり、以前にも述べましたが、これは10年前の水準と殆んど同じレベルです。

③ この間の諸外国の名目GDPをみると、1995年から2007年の主要先進国の名目GDP(ドル表示)はアメリカ:1.87倍、カナダ:2.41倍、オーストラリア:2.45倍、フランス:1.63倍、ドイツ:1.32倍、オランダ:1.85倍、イギリス:2.43倍となっております。
 諸外国は約2倍になっているにも拘らず、日本は07年は95年に比べ0.835倍つまりマイナス16.5%です。この間のGDPが主要先進国並みならば、日本の名目GDPは、1000兆円になってもおかしくないのです

④ この間に国の借金は500兆円以上も増やしています。

⑤ 厚生労働省発表の資料によれば、世帯当たりの年間収入はピーク時のH6年(94年)664.2万円に比べH19年(07年)は▲108万円減少して556.2万円です。
 高額所得者の年収ならいざ知らず、中低所得者の108万円の減少はどれほどの痛みなのか自公政治家にはわかっていない。108万円は全世帯数約4800万世帯にすれば、計約52兆円の巨額に相当します。

⑥ 95年から08年の14年間に米軍への思いやり予算の合計は、約3兆5000億円です。

 このほかにも、不況を映しだす資料はいくらでもあります。この15年間、年々減少する収入に、庶民は将来の不安を抱えながら、切り詰めた生活を強いられてきた。勤勉で我慢強い国民性も、さすがに自民を捨てる気になったのである。ここまでくると民主が、よほどへまをやらない限り、自民への回帰は難しいと思う。

 与謝野氏は一体、どこ向いて経済の舵取りしてきたのだろうか。どこをどう向いても、ここ15年間の日本経済は、異常な低空飛行です。与謝野氏はそれでも尚、財政均衡と消費税アップ論者です。筆者に言わせれば狂っているとしか言いようがない。

 与謝野氏が、生活者実感とこれほどまでに乖離した楽観論者になったのは、多分彼自身、及び自民政治家に共通する極端な怠け癖があると思う。上記の資料は、一般に広く公開されている資料ばかりです。彼自身でなくても、秘書に調べさせればすぐわかるものばかりです。経済通と言われる与謝野氏がこのレベルだから、他の自民党政治家は推して知るべしでしょう。自民政治家は怠け者の集団です、既に内部から腐っているのです。

 では、何故与謝野氏が、これほどまでに庶民と乖離した見解の持ち主になったのか。それは、やはり官僚の言いなり、官僚任せだったからではないかと思われる、自分の頭で考えていないからだと思う。
 実は、上記②のGDPにはもう一つの、実質GDPというものが存在します。20年くらい前までは、実質GDPは表向きには殆ど使われなかった(何故か、このデフレ不況に入ってから、実質GDPを主に使うようになった)。
 
 実質GDPは、06年547.7兆円、 07年560.5兆円、 08年556.5兆円です。名目GDPよりも約50兆円も大きくなっています。ちなみに97年の実質GDPは500兆円(名目515兆円の方が逆に大)です。実質GDPは、名目GDPをGDPデフレーターを使って膨らませているのです与謝野氏は、官僚からこの膨らませた数字だけを教えてもらって、「いざなぎ景気」と言っていたものと思われる。

補足: ネガティブキャンペーンが効かなかった理由 (JAXVN)

 選挙後半の自民党の民主党に対するネガティブキャンペーンはすさまじい物でしたが、結局効果はほとんど無かったようです。
 それはとりもなおさず、今回の選挙が自公与党対野党というより自公与党の自爆だったことを示しているのではないでしょうか。それほどまでに小泉内閣以降の自公与党の政治は、まさに「暴政」と言える物だったのです。

 国民はどんどん貧乏になり、仕事は無くなり自殺者は増え、とうとう餓死者まで出る事態となってしまいました(そういえば、『生活が苦しくなっているといっても、餓死者が出ているわけではない』と言い放った某経済団体会長もいましたね)。これでなお与党が選挙で勝つ様なら、「日本人は集団自殺を望んでいる」と思われてもしかたがなかったのではないでしょうか。

 あのネガティブキャンペーンは、とうとう最後まで自公与党はなぜこれほどまでの怒りが自分達に向かっているのか分からなかった何よりの証拠ではないでしょうか。いや、今でもまだ分かっていないのでは、と思われる所もたくさんありますね。それは、いまだに竹中平蔵氏を紙面および画面に登場させているマスメディアも同じですが。