猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ドイツ総選挙に思う―やはり小選挙区制がよい

2005-10-03 14:43:28 | EU・欧州各国
 先月18日にドイツで総選挙が行われたのだが、今もって選挙後の新政権の行方が定まらない。与党社会民主党(SPD)と最大野党キリスト教民主同盟(CDU)が大接戦の末わずか3議席の差でCDUリード、しかも双方とも過半数を制するに至っていないためである。2日に行われたドレスデン選挙区(旧東独)での、候補者死去にともなう追加投票の結果で4議席差に開いて野党がわずかに優位になった。何が混乱の最大の元凶かといって、少数党に転落したにもかかわらず「負けていない」と居座ろうとするシュレーダー首相である。それから、選挙制度が実質的比例代表制をとっている点である。比例代表制は民意を正しく反映するとも評価されるけれども、黒白がはっきりつかずに政治的混乱を招くということ如実に明らかになったのではないかと思う。
 それに比べると、わが国の先の9・11総選挙は、はっきりと黒白がついてスッキリした。小選挙区制の妙味が遺憾なく発揮された。また、小泉首相が「連立与党で過半数とれなかったら退陣」、岡田代表が「民主党が政権をとれなかったら辞任」と明確に勝敗ラインを設定して選挙に臨んだのも潔かった。「もののふ」の進退と評価していいんじゃないかと思います。
ドイツの総選挙の最新の状況は以下の通りです。


[独CDU、社民党と4議席差…首相への退陣圧力強まる]
 【ベルリン=宮明敬】ドイツ東部ザクセン州のドレスデン第1選挙区(有権者21万9000人)で2日、総選挙の投票が2週間遅れで実施され、即日開票の結果、保守系野党のキリスト教民主同盟(CDU)の候補が、与党・社民党の候補を破って当選した。
 独公共テレビなどによると、連邦議会の最大会派であるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の議席はこれで1議席増の226となり、社民党との差が4議席に広がった。
 次期政権の首相ポストを巡って、メルケルCDU党首と社民党のシュレーダー首相が繰り広げている綱引きは、メルケル氏優位となり、首相への退陣圧力が強まることになろう。
 同選挙区の最終集計によると、候補者を選ぶ直接投票(小選挙区)では、各党の候補者の得票率はCDU37・0%、社民党32・1%、左派党19・2%、自民党4・7%だった。
 社民党のミュンテフェリング党首は2日深夜、「同盟が最大会派で、単独の政党としてはわが党が第1党という状況は、何も変わっていない」と強気の姿勢を示したが、ザクセン州のミルブラート首相(CDU)は、「シュレーダー首相はこれで、大連立政権樹立のじゃまはできなくなった」と語り、同首相に次期首相レースからの撤退を求めた。
(読売新聞) - 10月3日12時16分更新


もしよろしければ、Blog●Rankingに投票お願いいたします。

最新の画像もっと見る