猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

サッチャー元首相80歳の誕生日に寄せて

2005-10-15 01:52:15 | EU・欧州各国
 13日に英国のサッチャー元首相が80歳の誕生日を向かえ、エリザベス女王も臨席して夕食会が開催された。報道写真を拝見する限りかなり衰えておられるのが残念です。こんなところでお祝いを述べても仕方ないといえば仕方ないのだが、やはりまずは祝詞を述べさせていただきたいと思う
 サッチャー元首相は私が最も尊敬している人物の一人である。なんといっても、民営化推進の新自由主義者としての顔がよく知られており「鉄の女」と呼ばれながら改革を断行した。「金持ちを貧乏にしても貧乏人が金持ちになるわけではない」という言葉は象徴的である。
 しかし、サッチャー元首相は新自由主義者である以上に生粋の保守主義者だと私は思う。「金持ちを貧乏にしても貧乏人が金持ちになるわけではない」というのは、単に経済観を表しているのみならず、そういう嫉妬心が共産主義の温床なのだという主張に裏打ちされた信念だと解釈している。保守主義者としての真骨頂は、フランス革命200年記念式典で堂々とフランス革命批判をやってのけた点にも表れている。これなどは、保守主義の大思想家エドマン・バークの名著『フランス革命の省察』を想起させる。フォークランド紛争では「寸土を失うことを黙過するものは全土をも失う」という命題そのままにフォークランド諸島に軍を急派してこれを奪還した。国家主権の縮小を意味する欧州統合には大反対である。まさに主権国家の守り神だと評したい。EUの今のもたつきぶりを見て「ほれ見たことか」と呆れているに違いない。
 意外な側面は、オゾン層破壊を防止するべくフロンガス規制に積極的に動いたことであろう。サッチャー元首相の鶴の一声で決まったと言っても過言ではない。サッチャー元首相は実はオックスフォードの化学科卒業である。科学的見地からオゾン層問題を吟味したのだろうと推察する。オゾン層保護に関するモントリオール議定書が成立したのは退任後のことだが功績は極めて大である。私が地球環境問題と国際政治の関わりに興味を持ちこのブログでも時々それを論じているのも、その影響かもしれない。



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