猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

北朝鮮、特定失踪者問題調査会の短波ラジオに妨害電波

2006-05-14 02:22:22 | 朝鮮半島
 このブログでも何度か取り上げた、北朝鮮による拉致被害者向けにメッセージを送る、特定失踪者問題調査会による短波放送「しおかぜ」は、北朝鮮にとって看過できないものであるらしい。北朝鮮側が妨害電波を流しているという情報がなかなか入ってこないので、実は効果がなかったのではないかと危惧していたのだが、今月から妨害電波の放射が始まった。これは、日本政府も確認している。
 確かに、安倍官房長官がコメントしたように、遺憾なことと言えようが、これも立派な「情報戦」に他ならないのだから、北朝鮮が何も手を打たないと考えるのは非現実的である。逆に、上に述べたとおり、逆説的だが放送を続ける意義があることを示しているともいえる。どうも、北朝鮮の元工作員の体制批判発言を流し始めたことを警戒しているようだ。この4月からは、元工作員の安明進(アンミョンジン)氏が定期的に出演して、朝鮮語で北朝鮮の人民らに決起を促しているのだ。
 同調査会の荒木和博代表も言っていることだが、周波数を複数にする、電波の出力を上げるなどの方法で継続していただきたいと思う。政府も陰に陽に支援すべきである。



(参考記事)
[北朝鮮妨害電波 短波放送に…元工作員の批判に対抗?]
 拉致被害者の支援や救出を目的に「特定失踪(しっそう)者問題調査会」が運営する短波放送「しおかぜ」に対して、北朝鮮側から妨害電波が発信されている。日本政府は、今月から妨害電波が始まったことを確認している。関係者の間では、北朝鮮の元工作員の体制批判発言を流し始めたことに刺激を受けたとの見方が強まっている。
 しおかぜは、昨年10月から放送を開始した。会の依頼を受けたロンドンの放送配信会社が北朝鮮の近隣国の施設から毎日計1時間半、決まった時間に周波数5.89メガヘルツで流している。
 ◇3カ所から発信か
 当初、拉致被害者や特定失踪者らの名前、生年月日などを日本語で読み上げていたが、今年1月から被害者家族が「元気で帰ってくると神様にお願いしています」など本人に直接訴える内容が加わった。4月からは拉致問題の動きなどを伝えるとともに元工作員の安明進(アンミョンジン)氏が定期的に出演して、朝鮮語で北朝鮮の人民らに決起を促している。
 調査会や政府によると、初めて妨害電波が確認されたのは今月5日ごろ。飛行機内で聞こえるような「ゴー」という音のほかに「ブヨブヨ」という雑音と「ピー」という高音が重なっている。東アジアの電波事情に詳しい民間組織「アジア放送研究会」の山下透理事長(45)は、3種類の音が同時に確認されていることから「妨害電波は北朝鮮国内の3カ所から発信されている」とみる。
 北朝鮮の体制を批判する放送としては、米政府系の「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)や「自由アジア放送」(RFA)、北朝鮮の元将校で韓国在住の脱北者が代表を務める「自由北朝鮮放送」があるが、これらに対しても妨害電波が発信されているという。しおかぜへの妨害電波の一つは、これらの放送で確認された妨害電波の音の特徴と一致していたという。
 同調査会の荒木和博代表(49)は「放送が少なくとも北朝鮮の人に届き、当局が気にし始めていることが分かった。放送が有意義なことの証明でもあり、周波数を複数にしたり、電波の出力を上げたりして続けたい」と話す。【工藤哲】
(毎日新聞) - 5月13日17時19分更新


☆ぜひとも、Blog●Rankingをクリックして、ランキングに投票して応援してくださいm(__)m

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
電力不足に拍車がかかるだろう (むじな)
2006-05-14 15:02:48
妨害電波の出力はわからないけど、これでますます彼の国の電力事情悪化に拍車をかけるでしょうな。



私は北陸出身で、中学高校時代に試験勉強のとき、よく南北朝鮮の放送を聴いていた。北朝鮮の放送は大出力で2000KWのもあったから、昼間でもローカル局並みに聞こえた。

ところが、90年代半ば以降は電力不足から出力を落としたらしく、聞こえにくくなった。



そういうわけで、ジャミングを出していたら、ますます宣伝放送のほうに回す電気が減ることになるんじゃないかと。



ご愁傷様です>北朝鮮。



返信する
あ、なるほど! (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-14 20:05:22
なかなか妨害電波を流してこなかった理由は電力問題にもあったわけですね。それで、元工作員の声なんかが流されるようになったから「たまらず」というところですかな。

出力って、国際的な上限の取り決めがありましたよね?違ったっけ?そんなものあっても律儀に守るわけはないのでしょうが…。
返信する
出力 (むじな)
2006-05-14 20:38:27
出力の上限って特に取り決めはなかったと思う。ただし、周波数割り当てがあって、近隣諸国同士では隣にならないように、互いにかぶらないように配慮は必要。

といっても、共産国家は昔から守らないので、ソ連、南イエメン、北朝鮮、中国は昔は大出力で放送していた。

南イエメンなんて、1500KHz台とはいえ中波だったくせに、日本でも時々放送が聞こえていたくらい。出力2000KW。
返信する
そっちでしたか… (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-14 23:12:57
周波数割り当てのほうでしたか。ローカル局の末端局(?)などは音声出力1kWなんてのもありますよね。それが共産国の周波数と競合していると、特に夜間は悲惨です。

南イエメンからの中波を日本で聞き取れていたというのは、全然知らなかったのですが、驚きとしか言いようがありません。
返信する
Unknown (むじな)
2006-05-14 23:25:25
まあ、南イエメンも今は存在しませんけどね。



参考までに



世界の地下・謀略放送に関するサイト:

http://www.clandestineradio.com/

返信する
ほぉ。 (PJ)
2006-05-15 12:13:05
そうなんですか。

日本にいる工作員への指令はラジオ放送でって言ってましたもんね。

こうなりゃ根競べですね。
返信する
Unknown (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-16 00:18:56
>むじなさま

これはわざわざどうもありがとうございます。参考にさせていただきます!ひそかに(?)色々と情報やご教示をくださっていますね。



>PJさま

全くその通りで、根比べですよ。何といっても情報戦ですから。
返信する