猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

政府、消費税を社会保障目的化を諮問会議に提案へ

2006-05-18 00:39:29 | 財政・税制
 消費税の福祉目的化と税率引き上げは確定事項といっても過言ではないでしょう。そういう意味では、取り上げる意味は大してないのかもしれませんが、政府が、年金や医療など社会保障費の安定的な財源を確保するため、消費税を社会保障目的税化する方針を固め、経済財政諮問会議に提案して議論に着手するという方針をメモ程度に書いておきたいと思います。
 以前に『財政制度等審議会、長期試算を発表―消費税増税・歳出削減』の中で、歳出削減なしの仮定の下で現行の社会保障給付を維持しようとすれば消費税率は20%超にもなるという財政制度等審議会の試算を紹介しました。その試算は極論なのでしょうが、消費税を社会保障目的化と歳出削減の徹底がなければ、間違いなく国民の納得は得られません。都心一等地の公務員宿舎売却なども、額にすれば実はごく小さな割合を占めるに過ぎないのでしょうが、けじめとしての意味はあります。社会保障の在り方と税制は長期的な制度設計でありますから、丁寧な議論が望まれるところです。



(参考記事)
[消費税を社会保障目的化 政府、諮問会議に提案へ]
 政府は14日、年金や医療など社会保障費の安定的な財源を確保するため、消費税を社会保障目的税化する方針を固めた。財政再建に不可欠な消費税率の引き上げに、国民の理解を得るのが狙い。近く経済財政諮問会議に提案して議論に着手、6月下旬に閣議決定する「骨太方針」への盛り込みを目指す。
 社会保障費全体の国と地方の公費負担は2004年度で約26兆円に及び、これを消費税で賄うには税率を10%超へ引き上げる必要がある。目的税化しても大幅な税率引き上げが予想されるため国民の反発は必至で、実現まで曲折もありそうだ。
 政府は、消費税率の引き上げ幅や時期、消費税収の国・地方への配分などについては、来年7月の参院選以降に本格的に議論する意向。実際の税率引き上げの検討などは、08年度税制改正以降に行われる見通しだ。
(共同通信) - 5月14日22時4分更新


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
都心一等地の公務員宿舎売却 (PJ)
2006-05-18 10:44:27
取っておきたい所は宿舎から外して『会議室』ということにして取って置くようです。

歳出削減も特別会計がきちんと整理されるまでは信用する気になりません。
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特別会計 (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-19 09:00:40
一般会計の何倍もの額にのぼりますからね。PJさんのご懸念は、もっともな話です。長年聖域化されていた特別会計に初めてメスを入れた現内閣の功績は認めるべきでしょうが、入り口で終わったらなんにもなりません。これから、例のごとく、総論賛成各論反対が待ち受けているのでしょう。長期戦だろうなあ。
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老後は辛いよ・・・・ (tsubamerailstar)
2006-05-21 10:25:30
高齢者も広く負担する税方式は理にかなっていると思います。実際問題給付倍率に関しては30代前半の私と現在の受給者世代との「格差」は相当ありますし(平成12年改正では一律5%適正化が行われましたが従前額保障等で相当優遇されてますからね)、極端な話いたずらに現役世代の国民負担率ばかりにしわ寄せが来ると「老人栄えて国滅ぶ」ということになりかねません。年金課税相続税等の課税強化も視野に入れる必要があるのではないでしょうか。

現在の日本の年金制度は積み立て方式でなく賦課方式ですから、政治に対する権利を行使し得ない子供や赤子の世代にツケを押し付けかねないという側面も鑑みる必要がありますね。



猫研究員様には確定拠出年金を激しくオススメいたします。(笑)

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tsubamerailstarさまへ (猫研究員。=高峰康修)
2006-05-22 23:23:18
理想を言えば、賦課方式から積み立て方式に移行できればよいのでしょうけど、移行期間に技術的に色々困難があるようですね。



>猫研究員様には確定拠出年金を激しくオススメいたします



アドバイス、ありがたく拝聴いたします!
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