猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

N分N乗方式の少し正確な概算(訂正版)

2006-03-17 02:22:15 | 財政・税制
 3月7日に書いた『所得税、N分N乗方式導入のすすめ』の中で提示した、課税所得1000万円の世帯についての計算例がかなり不正確なんじゃないかと、『Maple Leaf Diary -楓葉日記-』の乗本薫様にご指摘を頂戴したので訂正いたしますとともに御礼申し上げます。また、不正確な記述を読者の皆様にお詫びします。N分N乗方式の仕組み自体は3月7日の記事の通りなので、そちらを参照してください。

 当該記事で「年間(課税)所得1000万円で独身の場合と五人の場合では、N分N乗方式を採用すれば、前者には1000万円に対する所得税(30%→300万円)がまるごとかかってくるのに対して、後者には200万円に対する所得税の5倍(10%→20万円、5倍して100万円)しかかからないということになる。」と書いてある部分が、各種人的控除だけを無視して簡単化したつもりが、基礎的な税額控除まで無視してしまったのは大きなミスでした。

以下に示す、「課税される所得金額、税率、控除額」を用いて計算しなおすと

330万円以下、10%、0
330万円超~900万円以下、20%、33万円
900万円超~1,800万円以下、30%、123万円
1,800万円超、37%、249万円

・年間課税所得の一世帯での合計が1000万円の場合、現行の制度だと、
(1)独身の場合:1000万×0.3-123万=177万円
(2)五人家族で夫のみ働いている場合:1000万×0.3-123万=177万円
(3)五人家族で夫の分700万円、妻の分300万円:(700万×0.2-33万)+(300万×0.1)=107万+30万=137万円

これをN分N乗方式を用いて再計算すると、
(1)'→1000万×0.3-123万=177万円
(2)'(3)'→(1000万÷5)×0.1×5=100万円
となり、現行の場合と比べて、五人家族の場合は今考えているモデルケースでは、40万から77万の軽減となります。

・年間課税所得があまり大きくない場合、例えば500万円を考えると、
(1)独身:500万×0.2-33万=67万円
(2)五人家族で夫のみ:500万×0.2-33万=67万円
(3)五人家族で夫400万、妻100万:(400万×0.2-33万)+(100万×0.1)=57万円

N分N乗方式を適用すると、
(1)’→500万×0.2-33万=67万円
(2)’(3)’→(500万÷5)×0.1×5=50万円
となり、現行の場合と比べて、五人家族の場合は今考えているモデルケースでは、五人家族の場合は7万から17万の軽減となります。

興味のある方は、国税庁のHP内の『●所得税の税率』というページで色々の場合について概算してみてください。

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