法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 緻密なの質問設計でゴール達成!!

2021-01-17 18:31:57 | ・・質問設計
『会議設計』のゴールは、営業ステップを進めること。「質問設計」で、どのような質問をどのように組み合わせたらゴールを達成できるかを考えます。

例えば、顧客に「よし、x月x日にデモをやろう」と言わせる、あるいは「じゃぁ、お宅にも見積もりに参加してもらいましょう」といわせる、そのためにはどのような質問すれば良いか、質問を設計します。

営業に必要な能力にはヒアリング力と質問力があります。顧客に営業と会う価値を感じさせ、顧客の本音を聴き出し、必要な情報を引き出し、次の営業ステップに進むコミットメントを得ることができる能力です。

最も大切なことは顧客の問題・課題を抽出し、育成して、解決しなければならないことを「顧客の口」で語らせる質問力です。受注や進展で終わる会議では、継続や不成立で終わる会議よりも、顧客の話す割合が高いと言われています。「顧客に語らせる」これがポイントです。



「オープンな質問」と「クローズな質問」

さて、よく耳にするのは、質問には「オープンな質問」と「クローズな質問」があるということです。まず、「クローズな質問」とは、「はい」または「いいえ」で答えられる質問です。一方、「オープンな質問」とは、「はい」や「いいえ」よりも長い答えが必要となる質問です。

例えば、
営業:「来年度の予算は決まりましたか」
顧客「はい」
は「クローズな質問」であり、
営業:「来年度の予算決定のスケジュールはどうなっていますか」
顧客:「今月末に社長が承認すれば完了です」
は「オープンな質問」と言えます。

これは本当でしょうか。
営業:「来年度の予算は決まりましたか」
顧客:「はい、事業部としての予算は決まりましたが、まだ、社長の最終承認はおりていません」
は「クローズな質問」でしょうか。「クローズな質問」のつもりが、「オープンな質問」の回答に代わっています。

「クローズな質問」、「オープンな質問」の定義が、質問の内容なのか、回答の長さなのか分からなくなります。

「クローズな質問」と「オープンな質問」を組み合わせ営業の目的を達成するためのトレーニングが、重要な営業トレーニングの一つである時代がありました。
しかし、先ほど述べたようにこれらの質問の考え方には疑問な点が多く、確立された営業手法にはなりませんでした。

とくにコンプレックスセールスでは、この「クローズド質問およびオープン質問」という考え方は、役にたたないことが分かっています。

ここで、コンプレックスセールスの定義をもう一度。確認してみましょう。

このコンプレックスセールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注、受注から納品に至るまで長期間、複数の商談が必要
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定が必要
・意思決定は商談の場以外のところ
・納品後のフォローも重要

という特徴の営業です。

例えば、プラント建設やITシステム導入、生産設備の購入、オートメーションの導入、ビル管理、不動産の購入、大規模な移転などは好事例でしょう。

コンプレックスセールスの場合は、投資額も大きいため顧客の課題や問題の深刻さを浮き彫りにし、それを育てるプロセスが絶対に必要です。

それが下表の示唆質問です。顧客の現状を知り(状況質問)、問題や課題を探り出し(問題質問)、その問題や課題の深刻さを浮き彫りにし、それを顧客の口で語らせ(示唆質問)、提供するソリューションの価値を認識させる(解決質問)といった一連のプロセスが必要となります。

・状況質問:顧客の現状に関する事実、データ、情報を収集
・問題質問:顧客の抱える課題、問題、不満(潜在ニーズ)を把握
・示唆質問:顧客が抱える課題、問題等が引き起こす影響や結果を明確にして、深刻さを浮き彫りにする
・解決質問:顧客に解決策の価値や重要性を認識させる

この他に、

・関係構築質問:本題に入る前に場を和ませる
・購買プロセス質問:注文を取るために、踏まねばならなおスッテプを理解
・予算質問:予算あるいは追加予算の可能性を探る

も、適宜加えて、「質問の設計」をします。

次回は、「質問設計」の事例を見ていきます。


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