法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化-「営業ステップ定義」は「シナリオづくり」

2021-03-28 22:37:53 | ・・営業ステップを定義する
『理詰めの営業』の第一歩である「営業ステップの定義」については、以下の昨年10月11日の記事で説明しました(ご興味のある方はクリックしてスクロールしてください)。

『理詰めの営業』-サービス業の営業力強化-営業ステップの定義

「トップセールスパーソンは、引き合いがあると、蓄積した顧客情報等をもとに受注までの営業ステップを即座に頭に描くことができます」と書きましたが、それは営業のステップを定義できるということだけではなく、映画『ゴッドファーザー』のような長編映画に匹敵する物語のシナリオができているということです。

シナリオには、二つの役割があります。

一つは営業が自分自身を納得させるツールであること。「よしこれならいける」と自信を持たせるためのツールです。

二つ目は売り込みの道具としての役割。顧客に問題・課題を認識させ、危機感を醸成し、顧客がどうしてもソリューションを知りたくなるように誘導、そして購入に結び付けるツールです。

トップセールスパーソンにとって『理詰めの営業』の各種分析ツールは、そのシナリオの精度を上げる手段です。

新人の場合、一気にこのレベルまではいきません。先輩諸氏に学びながら、『理詰めの営業』を用いて観察・分析・実行を繰り返し、先輩諸氏以上の営業力を身につけましょう。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 営業ステップの定義

2020-10-11 20:14:35 | ・・営業ステップを定義する
顧客の購買行動には流れがあり、その流れの中で営業がすべきことが決まってきます。案件が一連の流れのどこまで進んでいるのかを把握することで、営業がすべきことが分かります。

さて、あなたが今、抱えている案件は、一連の流れのどこにあるのでしょうか。次に打つべき手は何でしょうか。

トップセールスパーソンは、引き合いがあると、蓄積した顧客情報等をもとに受注までの営業ステップを即座に頭に描くことができます。営業ステップは、営業がやるべきこととスケジュールの組み合わせです。営業ステップは、業界、業種、製品、サービス等により異なります。また。顧客によっても異なります。

例えば、ある工作機械メーカーの営業の場合、その営業ステップには顧客との関係構築~課題の把握~デモの提案~デモの実施~デモ結果報告~仕様提案~価格交渉~受注~納入・立上げといった具合です。

また、あるSIの会社は、「顧客との関係構築~案件としての登録~顧客の購買意欲の確認~案件として確定~ソリューションの提案~成約~導入」という営業ステップを確立しています。

実際の営業ステップの定義では、顧客がその製品あるいはサービスが必要な時期から逆算していくことが多いかと思います。

今回は、ビル管理を例に考えてみます。

ビル管理の契約は通常、1年契約で問題なければ自動更新または5年程度の契約になっています。ビル管理の担当業者を代えたい場合や会社の規則により定期的に業者の見直しを行う場合は、契約終了の遅くとも半年前には契約更新の手続きが進められます。

以下は、某外資系金融機関のビル管理業務委託契約(5年契約)の終了に伴う、業者の見直しを例に取ります。現行業者がA社、そこに割って入ろうとしている業者をS社、当該金融機関をV社とします。

では、サービスが必要な時期(新契約運用開始)から遡って考えていきます。

2019年1月1日:S社による運営開始(その前に)
2018年12月31日:現行業者A社の契約終了(その前に)
2018年11月1日:現行業者A社との引継ぎ開始(その前に・・・・という具合です)
2018年10月1日~:契約締結、スタッフ編成、協力会社への連絡
2018年9月30日:受注
2018年8月1日:価格交渉
2018年7月13日:提案書提出
2018年6月15日:協力会社と打ち合わせ
2018年5月18日:協力会社へ見積依頼
2018年5月11日:現地調査結果の整理・検討、見積もり・必要書類作成開始
2018年4月29日・30日:現地調査
2018年4月10日:RFP検討・必要書類の洗い出し
2018年4月1日:RFP(Request For Proposal)をV社から入手
2018年3月23日:参加表明
2018年3月16日:顧客V社と打ち合わせ(案件内容・スケジュール把握)
2018年3月9日:顧客V社から打診

この営業ステップに時系列に書き直したものが下図です。





記入してみるとゴールまでの具体的な道筋が見えてきます。

S社の営業とV金融機関の担当者は面識があり、当該案件に関してはV社から打診がありました。既知の顧客ではない場合は、顧客からRFPの対象業者として声を掛けられるようになるように顧客との関係構築が必要な場合であり、その場合は上記のステップ1の前に更に長い関係構築のステップが追加になります。なお、公募による入札の場合は、入札条件に合致すれば応募は可能です。

節目、節目に顧客や協力会社との打ち合わせがあることが分かります。この打ち合わせを能動的に行い、成功させるための方法は「会議設計」で改めて触れることにします。

価格交渉をどの程度の期間で終わらせられるかは、顧客との関係や営業の経験・スキルに依存します。また、サービスごとの価格に関しても、どこまで無理が効くかなど営業として知識・経験が必要になります。

この営業ステップは、進捗とともに随時見直します。顧客のスケジュールの変更、顧客の組織変更など、受注まで時間のかかるコンプレックスセールスでは、変更が当たり前と考えた方がよいでしょう。

今、お持ちの案件ごとに、営業ステップを書いてみましょう。そのステップを一つ一つ進めていけば、必ず受注につながります。まだ、具体的な案件がない新規顧客開発のような場合でも、営業ステップを書くことにより、戦略が練りやすくなり、やるべきことが見えてきます。

営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。

『理詰めの営業』を活用して、各営業ステップで、顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを一つ一つ確実に進めていきましょう。

***************************************************************************************************************************
グローバル営業Ron McFarlandの自叙伝やエッセイを公開中。

R-50 人生100年時代の私のライフデザインは、ここや!

齋藤信幸のロングステイは、ここ。
***************************************************************************************************************************
<耐震補強された池袋駅前のデパート>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『理詰めの営業』 - 営業ステップの定義

2018-07-09 19:07:11 | ・・営業ステップを定義する
トップセールスパーソンは、引き合いがあると、蓄積した顧客情報等をもとに受注までの営業ステップを即座に頭に描きます。営業ステップは、業界、業種、製品、サービス等により異なります。また。顧客によっても異なります。

例えば、ある工作機械メーカーの営業の場合、顧客との関係構築~課題の把握~デモの提案~デモの実施~デモ結果報告~仕様提案~価格交渉~受注~納入・立上げといった具合です。

また、あるSIの会社は、顧客との関係構築~案件としての登録~顧客の購買意欲の確認~案件として確定~ソリューションの提案~成約~導入という営業ステップを確立しています。

実際の営業ステップの定義では、顧客がその製品あるいはサービスを必要としている時期から逆算していくことが多いかと思います。

例えば、上記、工作機械メーカーの場合、顧客が当該装置を2019年6月に稼働させる必要があるとすると、
2019年6月:稼働
ゴールデンウィーク中の立ち上げを了解いただけるとして、
同5月:立ち上げ(2週間)・試運転(2週間)
同5月頭:納品
当該装置の納期は6か月なので、
2018年10月末:受注
同10月:最終仕様提案・価格交渉
同9月下旬:デモ結果報告
同9月上旬:デモ実施
同8月上旬(お盆のまえまでに):デモの提案
同7月中旬:課題の確認
となります。

すでに顧客との関係が構築できている場合は、このステップでできますが、そうでない場合は、もっとも重要な非公式購買プロセスが省略されることになり、当て馬としてデモに参加するだけで勝算は極めて低くなります。

どの程度の期間でデモ提案から実施まで顧客を持っていけるか、価格交渉をどの程度の期間で終わらせられるかは、顧客との関係や営業の経験・スキルに依存します。また、製品やサービスごとの納期に関しても、どこまで無理が効くかなど営業として知識・経験が必要になります。

案件は個人で抱えるのではなく、チームとして、会社として共有することにより、デモの実施のためのエンジニアの協力や納期の調整等社内調整も得やすくなります。この共有の仕組みを会社として作ることが重要です。

この営業ステップは、進捗とともに随時見直します。顧客の納入スケジュールの変更、顧客の組織変更など、受注まで時間のかかるコンプレックスセールスでは、変更が当たり前と考えた方がよいでしょう。

今、お持ちの案件ごとに、営業ステップを書いてみましょう。そのステップを一つ一つ進めていけば、必ず受注につながります。まだ、具体的な案件がない新規顧客開発のような場合でも、営業ステップを書くことにより、戦略が練りやすくなり、やるべきことが見えてきます。

営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。

『理詰めの営業』を活用して、各営業ステップで、顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを一つ一つ確実に進めていきましょう。

< 営業ステップ記入票と記入例 >

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする