法人営業に最適な「理詰めの営業」で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。自分のシンになる営業方法を確立し、自信に。特にコンプレックスセールスに最適。

理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 相手の期待を予想する

2020-01-19 00:14:24 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
さて、ここまでの流れを整理してみます。

まず、「会議のゴールを設定」します。
そして、そのゴールを達成するための具体的な「シナリオを作成」します。
ここから、目標達成に必要な「必須出席者(顧客および自社)の確認」、「確認事項・不足情報の洗い出し」を行うというものでした。

次に、顧客の各出席者がどのような期待・考えを持って会議に来るのかを予想します。

例えば、渋谷部長は「今抱えている歩留まりの問題を解決するために是非デモを行いたい」と本気で思って来るのかもしれませんし、あるいは、あまり期待はできないが「現状問題はないけど長年の付き合いなのでとりあえず会議の最初だけでも出てみるか」と考えているかもしれません。

後者の場合は、この会議でキーマンである渋谷部長に歩留まりの改善という課題の重要性を気付かせ、それをより深刻なものにするための「質問設計」が重要となります。
「質問設計」は、後述しますが、それはゴールを達成するための一連の質問の準備です

この品田電子の事例では、

渋谷部長の期待:歩留まり改善に効果があるかデモで確かめたい。しかし、山形事業所でトラブルを起こしており、装置の信頼性は疑問。
原宿部長の期待:歩留まり改善には期待。しかし、高尾工業の方が、言うことを聴いてくれる。

としましょう。

つまり、原宿部長は、調布製作所よりも高雄工業がお気に入りのようです。この点に関しても対策が必要なことが分かりました。

営業の稲田さん、確かに原宿部長とのコミュニケーションが少なかったと反省しきりです。
ここも営業が顧客をどれだけ知っているか、どれだけ対策を取ってきたかが問われます。

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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - シナリオを考える

2020-01-12 00:37:13 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
正月明けの一週間は結構、仕事の密度の濃い5日間になりました。

支援先に外資系企業が多いため、クリスマスの前あたりから顧客の反応がスローになり、年末は少し楽になりました。しかし、逆に年始、海外の企業は2日から始まっているので、メールも溜まっていますし、エンジン全開の人もいます。こちらも年始の挨拶もそこそこにほぼエンジン全開でした。

この三連休はありがたい。旧正月、早く来てくれ(アジア地域の会社が休みになるところが多いので)。

さて、会議設計に戻ります。

「できる営業」は、会議のゴールを達成するまでの議事進行のシナリオが頭の中にできています。それまでの経験と訓練から導かれるもので、シナリオだけでなく会議を進めるための問題点や不足している情報なども即座に整理できます。

ここでは、客先に行く前の「事前打ち合わせのたたき台」として、営業の稲田さんにシナリオを考えてもらいます。



私:稲田さん、できるだけ具体的にお願いします。不足している情報や社内で検討すべき点も挙げてください。
稲田:場所は、品川電子開発部会議室、縦長に2列テーブルが並んだ会議室か、それともロの字に並んだ会議室か、先輩に確認する必要がありますね。プロジェクターは設置されていると思うが、これも確認し、使用許可をもらいます。
全体の流れは、名刺交換、仙川部長に口火を切ってもらって業界の話で場を和らげたところで、本題の歩留まり改善方法のプレゼン、デモ提案、デモ日程の検討・決定の順。最後に、競合他社の状況を確認。議事進行は齋藤課長。
私:山形事業所で先月起きたトラブルの件は、品川電子の方も気にされていると思います。この会議で状況を説明しますか。
稲田:1か月前に起きた山形事業所でのトラブルの件は、故障解析も終わり、対策を打ったことを説明する予定です。どのタイミングで言うべきか、言わざるべきか、事前打ち合わせで検討します。
私:御社からの出席者と席順は?
稲田:席順はプロジェクターに一番近いところが営業の稲田、そこから営業課長の齋藤、営業部長の仙川、プレゼンを行うアプリケーションの高井、そして装置を開発した課長の柴崎。
私:絶対に出席して欲しい品川電子の方はどなたですか?
稲田:品川電子に出席を依頼したのは歩留まり改善を急いでいる開発部渋谷部長、目黒課長、大崎主任。渋谷部長に決定権があるらしいので渋谷部長は必須です。
私:他には?
稲田:・・・・
私:デモを行うかどうかは渋谷部長が決めるようですが、デモはどのように行うのですか。
稲田:あ、そうだ、デモが決まった場合、サンプルが必要になるので生産技術部の出席が必要ですが、誰かきてくれるかな
私:誰か来てくれるかではなく、必要な人を出席させる。誰を?それが重要です。

稲田さん、課長に電話。即決させるためには生産技術部の原宿部長の出席が必須だということになりました。

私:競合情報を聞き出せそうな人はいますか?
稲田:購買の山田主任なら少し教えてくれると思います。会議には声をかけておいて、情報収集は席を変えての方がよさそうです。
私:では、会議設計シートに、今話した内容を記入してください。



まずまず埋まったようですね。事前打合せまでは、少し時間があるので、宿題も解決し、シートの内容も更に詳細なものになるでしょう。



まずシナリオを考え、それが決まったら、「最大のゴール」を達成するために必要な人をリストアップし、会議への出席を依頼します。前述の会話例では、曖昧な点もありますが、開発部部長、生産技術部部長の二人が必須出席者になります。

会議への招集を担当者に任せるのではなく、営業自らキーパーソンに連絡し、出席を依頼すべきです。そのためには、キーパーソンに事前に会い、良好な関係を構築しておく必要があります。

相手任せではなく、営業自ら積極的に、能動的に会議をプランし、営業ステップを前に進めるように策(戦略というほどではない)を練ります。

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新年あけましておめでとうございます。

2020-01-01 03:11:14 | お知らせ
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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 最大のゴールと最小のゴールを決める

2019-12-22 11:24:35 | 『理詰めの営業』分析ツール
私は、営業支援の一環として、営業に同行し、顧客を訪問します。そして、営業支援の初期段階では、営業に以下のような質問します。

私:来週の訪問の目的は
営業:新製品のデモへの勧誘です
私:誰がキーパーソンですか
営業:開発部の渋谷部長のようです
私:他には
営業:生産技術部の原宿部長だと聞いています
私:担当者には、決定権はないでしょうけど、影響力はないのですか
営業:担当の大崎さんは細かい人で、皆から嫌われているようです
私:来週の会議に出てくるのは誰ですか
営業:大崎さんにお願いして関係者を呼ぶようにお願いしてあります
私:・・・・・・・・     
   
さて、入社3年目の営業の稲田さん、会議の目的は、「新製品のデモへの勧誘」と明確ですが、キーパーソンが誰かは少々自信なさそうです。また、キーパーソンと思われる渋谷部長や原宿部長が会議に出席してくれるかどうかも不明確です。キーパーソンの招集を皆から嫌われている担当者任せで良いのでしょうか。

結構、あいまいなまま会議を行おうとしている、これが営業現場の実情です。もっとしっかり会議の準備をし、必ず営業ステップを前へ進めるようにしましょう。

では本題に入ります。

会議を行う場合は、先ずゴールを明確にしましょう。ゴールは、「情報を集める」、「顧客と良好な関係を築く」といった抽象的な目標では不十分です。もちろん、情報収集や顧客との関係構築は重要ですが、これらはすべての会議の基礎部分であたりまえのことです。より具体的で顧客のアクションを目標にすることが重要です。

『理詰めの営業』では、「次の営業ステップ」がゴールになります。先程の会話の例ように、次の営業ステップがデモを行うことであるなら、「いつ、どのように、デモを行うかを決定する」がゴールとなります。

また、『理詰めの営業』では、会議設計シートにあるように、「最大のゴール」と「最小のゴール」を決めることにしており、前記の場合であれば「デモの日程・内容を決定」が「最大のゴール」であり、「デモを行うことは決定。日程・デモ内容については次の会議に持ち越し」が「最小のゴール」となります。つまり、最低でもここまで営業プロセスを進めることを「最小のゴール」とします。

さて、できる営業は、会議のゴールを達成するまでのシナリオが頭の中にできています。次のステップは、そのシナリオ作成です。できるだけ、映画のようにイメージを頭の中に作っていきます。これにより問題点も見つけることができ、顧客からだけでなく自社からも出席してもらう必要がある役者も見えてきます。自分の案件で考えてみてください。

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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - ゴールを設定し、ゴールから逆算する

2019-12-15 20:02:26 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
会議設計ツールを紹介する前に、会議設計の考え方をお話しします。

まず、営業ステップ定義シートや以下の分析シートに記入し、会議の目的(ゴール)を設定します。これらの更新は、関係者が集まり意見を出し合いながら行います。営業自身で作成してもかまいませんが、関係者の間でこれらの情報を共有できていなければなりません。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

ゴールは、次の営業ステップへ進むこと、あるいは、特定のボトルネックになっている課題や問題の解決などになります。

営業はそのゴールを達成するためにはどうすべきか、会議のシナリオをゴールから逆算して考えます。

例えば、ゴールが「製品Aのデモを実施する」だとします。
そのためには、「意思決定者のMさんからデモ実施の同意を得る」
そのためには、「よし、デモして確認しよう」と顧客に言わせるための質問を準備
(質問については「質問設計」で詳述)
そのためには、「推定される生産量と歩留まりでの年間推定損失額の計算」
そのためには、「Mさんがもっとも心配している歩留まり改善の実現方法を説明」
そのためには、「Mさんに必ず出席してもらう」
そのためには、「Mさんに信頼されている部下のSさんから出席依頼」
そのためには、「・・・・・・・・・・・・・・・・」

といったように、ゴールから逆算して「シナリオ」を作ります。

また、シナリオができたら、会議の開始から終わりまでを頭の中でシュミレーションしてみます。たとえば、

Mさんが入室。初めて訪問する事業部長と名刺交換。最近の業界のトピックスなどをネタに雰囲気を和らげる。議題の説明。
歩留まり改善のプレゼン。デモの承認を得るための質問。承認。デモ実施の詳細検討。お礼。

といったことを映画のように頭の中にイメージします。

そのイメージを社内の関係者を集めて検討し、当日の顧客の出席者、社内からの出席者、議題、会議での質問内容等も含めて決めます。
つまり、営業の作成したシナリオを皆で検討し、更に詳細で良いシナリオに仕上げていきます。

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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 成功した会議とは

2019-12-08 11:53:47 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
営業ステップを進めるためには、会議を有効に活用することが必要です。そのための準備として会議の設計を行います。「理詰めの営業」では、会議の成功・不成功を以下のように捉えています。

「成功した会議」と言える会議の例は、以下のとおりです。
① 具体的な課題が判明:
競争が激しい業界ほど、情報のリークを恐れ、自社の抱えている課題を簡単には教えてくれません。信頼関係を築き、それを教えてもらえたら営業的には大きな前進です。具体的な課題が分かって初めて具体的なソリューションの検討・提供が可能になります。

② 詳細な投資計画を入手:
上場企業であればある程度の投資計画は入手できるかもしれません。しかし、具体的で詳細な投資計画となると難しい場合が多いものです。購買から見積り依頼が来てから競争に参加するのでは遅すぎます。投資計画をどこよりも早く知り、計画の早い段階からインサイドサプライヤーとして顧客を支援することが重要なのです。

③ 競合情報の入手:
その投資に絡んでくる競争相手の情報です。スポーツの試合と同じで相手のチームの研究は必須です。相手が分かれば対応策も立てられます。既存顧客であればある程度予想はつきますが、全くの新規顧客の場合は、慎重な調査が必要です。

以上の例ように、「成功した会議」は、「必要な情報や貴重な情報を入手できた会議」です。

さらに、次のような会議も「成功した会議」と言えます。

④ 工場までデモに来ていただく
顧客の担当者や上司が、費用と時間を掛けて工場までデモに来ることを会議で約束してくれれば、これは本気で購入を検討していることの証明になります。

⑤ デモ用のサンプルを提供していただく
デモ用のサンプル作成も顧客の費用と時間がかかることです。サンプルの提供も本気度の証明といえます。

⑥ 本社あるいは研究所を訪問していただく
これも④と同じで、顧客の費用と時間を使うもので、前向きなシグナルと考えられます。

⑦ 更に上位の意志決定者と面会の約束
提案を担当者に説明し、納得していただき、更にその上司への紹介の約束を取り付けることができれば、これも一歩前進です。

⑧ 予算の追加
顧客の課題を解決するためには今の予算では不足、追加の予算が必要とお願いしたところ了承していただいた場合です。価格の安い会社に流れるのではなく、ソリューションの内容を評価していただいた結果です。

⑨ 購入の決定
営業プロセスの最後の方以外ではめったにないことですが、購入の決定を聴ければ最高です。

このように、「具体的な顧客の行動や出費を伴う結果が出た会議」は、成功したと言えます。

逆に、失敗した会議とは、「すばらしいプレゼン」「よさそうな装置」などポジティブなコメントや「いつもアクションが早いね」等のお世辞はもらえたものの営業ステップが全く進んでいない場合が相当します。

小型の案件では、打ち合わせの場で受注あるいは不成立が明確になる場合が多いのですが、大型の案件の場合は、何回か打ち合わせを繰り返した結果、受注となるのが一般的です。このため、営業ステップを進めることができた会議は、成功した会議といえます。



「理詰めの営業」では、「次の営業ステップに進むことが確約できた」会議を成功した会議として、そのために会議を営業が能動的に、戦略的にプランします。
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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 会議は能動的に!

2019-12-01 00:35:48 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
今回から、『理詰めの営業』を用いてコンプレックスセールスの営業ステップを進めるための重要な手段である顧客との会議の「仕切り方」を説明させていただきます。

ある営業のオフィスでの出来事です。

顧客のA社に新しいサービスの紹介に行った営業のサイトウ君が夕方会社に戻ってきました。
課長:「うれしそうだけど、今日の打合せは、どうだったの」
営業:「ご担当のBさんにお会いでき、面白そうなサービスだと言っていただきました」
課長:「それは良かったね。他には」
営業:「プレゼンもうまいねと褒められました」
課長:「じゃあ、軽く飲みに行くか」

この二人の会話をどう思いますか。

担当者と面会が出来て、新しいサービスの内容を上手に伝えられたようです。100点満点の営業でしょうか。

そもそもサイトウ君が顧客を訪問した目的とゴールは何だったのでしょうか。
単に担当者と面会してサービスの内容をプレゼンし、褒められて帰ってくることだったのでしょうか。

営業のステップを考えてみましょう。
この案件の受注までのプロセスを頭に描ければ、次のステップが何かは判るはずです。
今回の訪問は、次のステップに進むためのプレゼンだったはずです。

ですから、例えば「担当者の上司との面会の承諾を得た」「見積り依頼を受けた」「エンジニアとの会議を設定した」などの具体的なアウトプットがなければなりません。

次の営業プロセスに進むために、以下のツールで集めた情報を分析し、しっかり会議を設計して、目的を達成するために「会議を仕切る」必要があります。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

では、会議の仕切り方を学習しましょう。

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購買行動と営業プロセス - 第七段階「納品の推進と検収の調整」

2019-11-24 10:41:06 | 生産財のマーケティングと営業
第六段階で一つのサプライヤーが選択されます。競争を勝ち抜き受注が確定した段階です。営業としてはほっとする瞬間です。ここからは仕上げの段階です。

『購買行動と営業活動』では、受注の先に二つのステップがあります。一つは「納品の推進と検収の調整」で、もう一つが「納入後の成果のフィードバック」です。

第七段階で、サプライヤーは顧客から注文書を受け取りますが、その前に検収条件を整理しておく必要があります。

納入までの間、あるいは、納入後のテストで追加の問題が発生する場合があり、それに応えるために検収が延び延びになり、売り上げがたたなくなるなどの問題が発生する場合があります。追加の問題が発生した場合、それがもとの注文書の範囲内で処理すべきか、あるいは追加の仕様として別途処理されるべきかが判定できるように仕様書、検収条件などを書面として整備しておきましょう。(もともとの仕様書が不十分な場合も同様に問題となる可能性があります)

営業は顧客との板挟みになりますが、きちっと線引きをして問題を解決し、かつ、顧客との関係も損なわれないようにする、それが営業です。「そうは言っても」と言っているうちは二軍の営業です。

さて、サプライヤーは、顧客から注文書を受け取った後(あるいは内示後)、顧客と共同で、納入に関する諸手続きの設定と手続きに関する取り決めを行います。

納期や立上げのスケジュールの確定、納入のための搬入経路の確保、立上げのためのスペースの確保、試験用材料・工具の用意、電気・ガス等の手配もこの準備の一部です。営業は、自社のサービス技術と打合せを行い、納入・立上げのプランを行います。

また、営業は、開発が必要な製品・サービスについては、納入までの進捗管理、顧客への進捗の報告を行います。

そして、実際に製品・サービスを納入し、立ち上げて試験を行い、収集したデータをもとに検収会議を開催し、検収をいただきます。

「営業はきちっと線引きをして問題を解決し、かつ、顧客との関係も損なわれないようにする」と前述しましたが、実際には営業は根回しをして、滞りなく検収会議が行われるようにします。

そして、そのまま顧客と飲み会というのが私のパターンでした。

顧客のキーパーソンやエンジニアだけでなく、自社のエンジニアにも参加してもらい、今後のエンジニア同士の協力関係の構築にも心がけましょう。

そして、第八段階として「納入後の成果のフィードバック」があります。ここでは、簡潔に触れるだけにします。

ソリューション実施後、必ずしも順調に進むとは限りません。販売した製品やサービスのトラブルや保守に悩まされることも多いのです。納入後のサプライヤーに対する評価はこの段階での対応の良し悪しに左右されることが多いのが現状です。次の案件に繋げるためにも、営業が顧客との間に入ってマネージする必要があります。


繰り返しになりますが、営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。各購買段階での顧客支援と誘導を戦略的に行い、購買(営業)の段階を進めるツールが「理詰めの営業」です。

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購買行動と営業プロセス - 第六段階「交渉と譲歩、交渉条件の整理、社内コンセンサスの取付け」

2019-11-24 10:33:55 | 生産財のマーケティングと営業
顧客はサプライヤーが提出した見積書や提案書を比較検討します。また、サプライヤーと面談し、仕様、価格、納期等の具体的な条件の折衝を行います。そして、最終的に1社に内定通知を出します。

営業は提案書提出後の交渉に臨む準備として、価格、納期、導入後のサポートなど交渉のポイントを整理し、どこまで妥協できるか、その場で回答するかどうかなど、社内の関係者と打ち合わせをして決めておくことが重要です。

失敗例として、

案件を絶対に取りたいが故に価格交渉時に大幅な値下げを購買に約束。帰社後、社内の同意、承認が得られず頓挫。「下げなきゃとれねーんだよ」「客の言うことが聴けないのか。」と上司や関係部署の面々を恫喝。結局、この案件から外され、上司がお詫びに。

営業は案件を取りたいがために前のめりになりがちです。また、案件を落とせないプレッシャーもあります。営業が単独で決断、回答するのではなく、チームで決めて回答する仕組みにしましょう。

競合の出方も重要なポイントです。価格をあまり下げずにオプションをただで提供したり、導入後のサポートを厚くしたりする会社もあるでしょう。例えば、「導入後、半年、エンジニアを最低1名常駐」などです。

顧客側の状況も日々、変化しており、RFPに記載されている納期が、顧客側の事情により遅れることもあります。そのような状況をつかんでおけば、納期は楽にコミットできる、場合によっては早めるとホラをふくこともできます。

もう一度、選定基準に立ち返り、交渉のポイントを整理し、社内のコンセンサスを取り、交渉に臨む役者を整えましょう。即答が必要な場合は、営業だけでなく開発部門、アフターサービス部門などの責任者に同行してもらったほうが良いでしょう。

ただ、単なる当て馬であると分かっていて絶対に受注できない場合は、最終提案として超ローボールを投げるのも手です。顧客の当該案件担当者は、「何故こんなに安いA社から買わないでB社にするのか」を説明せねばならなくなり、本命のサプライヤーB社に対しても価格低減を求めることになります。これにより本命サプライヤーB社の財務体質を弱らせることができます。そこまで考えるのが営業です。

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購買行動と営業プロセス - 第五段階「提案書提出・競合分析・受注条件整備」 - 競合他社を調査

2019-11-10 18:45:28 | 『理詰めの営業』分析ツール
第五段階の続きです。

見積依頼・提案依頼への対応とともに、競合他社を調査します。

以前も書いたように、この案件に関して、あなたがこのRFPの説明会から呼ばれたのなら、少なくともすでに1社はもっと早い段階から顧客と話会って、懐深く入っています。

それを分かった上で競合他社の仕様やデモの状況、顧客との人間関係、顧客での評判、他の顧客での評判、価格戦略、技術サポート体制、経営状況などを入念に調査し、戦略を練ります。

特に選定基準となるところは、冷静に分析し、提案書の中で自社の強みをどう伝えるか、自社が劣っている点をどう説明するか知恵を出し合いましょう。

また、真剣に取り組まないことも選択肢の一つです。例えば、以下の私の経験例。

大手企業のS社の事業部長A氏は「天皇」と呼ばれる人で、100%の決定権を持っており、かつ、現行サプライヤーはこの人が選んだとのこと。しかも、「天皇」は、サプライヤーの変更を望んでいないらしい。

私はこの案件は、あきらめました。RFPを受け取ってから提出までの短時間で人間関係を構築するのは無理だからです。そもそも、この段階で初めて呼ばれたことが私の会社の現状を如実にあらわされています。

今後を考え、失礼のない提案書を提出し、次の案件を目指し、戦略を始めました。特にS
社内の組織、人間関係、事業部としての問題・課題・戦略、意思決定方法(本当に天皇が決めているのか)など、基本的なところから始めました。後述する「理詰めの営業」の初歩の初歩です。

営業は注文を取りたいがために前のめりになりがちです。

例えば、

「今、社内で検討中のソリューションでお客様の問題は、確実に解決できる」と営業が客先での会議でコミット。その場にいたエンジニアと帰社後、口論。「まだ、検討中なのにあれはないでしょ」とエンジニア。「解決できないのなら打ち合わせの時に反論すればよかったのに」と営業が言い、口論はエスカレート。受注はできたが、その後のエンジニアのサポートが悪く、顧客からの評価は最悪に。

顧客の問題・課題を解決できなければ、訴訟問題にも発展しかねません。顧客の問題・課題を真摯に分析し、そのソリューションを検討します。現在の製品、サービスで「できること」、「できないこと」を明確にしましょう。

「できないこと」を「できること」に変える方法も考えます。例えば、現時点では「できないこと」でも、適切な費用と納期をいただければ開発可能な場合もあります。

現在あるソリューションであれば、費用はいくらで、何か月で納入可能、新たな開発が必要な場合は、さらに費用と開発期間がこれだけかかる等をできる限り正確に見積もります。

また、「できないこと」も他社との協業により、可能になる場合があります。

私が手掛けたビル管理業の場合は、「他社の組み合わせ」を基本とするソリューションでした。自社では顧客とのインターフェース、まとめ役、簡単な日常業務だけを行い、実際の業務、特に専門的で技術的な業務はすべて他社に任せます。例えば、無停電電源装置の点検は東芝、空調機器の点検はダイキン、消防設備点検は能美防災といった具合です。このような場合は、各社へ仕様書を出して見積りを取り、受注できた場合は協業していただくことについてコミットしてもらいます。

これらが受注条件の整備です。営業だけで決めるのではなく、社内の関連各部門あるいは協力会社のコンセンサスを取り付けることが肝要です。

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購買行動と営業プロセス - 第五段階「提案書提出・競合分析・受注条件整備」 - 提案書の提出

2019-11-05 23:05:04 | 生産財のマーケティングと営業
第五段階は、2回に分けて説明します。

顧客はサプライヤーを2~3社に絞り込み、仕様等を公開し、見積依頼(RFQ:Request For Quotation)や提案の依頼(RFP:Request For Proposal)をします。会社(役所)の規則で一定金額以上の案件は、3社見積もり必須というところが多いかと思います。

RFQ、RFPの説明会を行う場合もあります。私の経験では、各サプライヤーが個別に呼ばれ説明を受け、質疑応答を行う形式がほとんどでした。

米国大使館の入札の場合は、ホームページ上で入札説明会の案内が行われ、申し込んだサプライヤーを一堂に集めた説明会・現場調査が実施されました。質疑応答は行わず、質問は決められた日時までにメールで提出。回答はすべてのサプライヤーからの質問を整理してホームページに掲載されます。前回の入札価格について質問しても回答してくれませんが、前回の落札時に落札者名とともにホームページに掲載されているので、調べれば出てきます(データベースが大きすぎて私は調べきれませんでした)。

営業はRFQ、RFPの内容を精査し、提出書類の種類と内容、提出期限、サプライヤー選定基準などを確認します。一般的に提出書類には会社の財務諸表、会社の組織、対応チームのスキル・資格、品質管理体制、サービスサポート体制など多岐に亘るため、社内の関係者を集めて説明会を行い、手分けして進めることが肝要です。

また、阻害要因がないか確認します。

例えば、自社の製品では実現できない機能はないかをチェックします。逆に言うと、第三段階までにインサプライヤーとして活動してきた営業は、他社にない機能などを仕様書に盛り込むように顧客を誘導し、自社の優位性を確立します。

実際に資料を作成し始めると、不明な点がでてきます。改めて質問できる場合もありますが、追加質問を許さない場合もあります。実際、現場調査を一回行っただけでは十分な情報は、得られません。このため現行のサプライヤーがいる場合は、彼らが有利になります。特に、顧客が現状のサプライヤーを気に入っているが、会社(役所)の規則でRFPを実施しなえればならない場合は、他のサプライヤーが落札するのは困難です。

以前、大阪のある役所の設備管理の業務を新規受注したことがありました。当該役所と長期間契約していたサプライヤーを価格差でひっくり返した例です。選ばざるを得ないくらいに価格差のあった例で、役所の担当者からは、「おたくが安すぎる値段を出したからこんなことになった。」といまだに文句を言われています。

また、現在、私は見積もりをお願いする立場にありますが、本当に真剣にサプライヤーを一から選びたい場合は別として、会社の仕組み上の理由で3社見積もりをする場合は、「それとなく」その旨、知らせてサプライヤーが無駄な労力を使わないように調整します。

また、「5段階、価格交渉をする。最後は社長が交渉」「50%以上値下げさせる」などのルールがある顧客もあるので予め聞き出しておきましょう。


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購買行動と営業プロセス - 第四段階「競合分析・選定基準の明確化」-非公式購買プロセスから公式購買プロセスへ

2019-10-27 22:58:16 | 生産財のマーケティングと営業
第一段階から第三段階までは、顧客が検討を重ね、購買の意思決定を行うプロセスで、営業がもっとも顧客に貢献できるプロセスです。

一方、第四段階以降は、購買を実現させるプロセスで、顧客対サプライヤーに分かれて交渉する段階です。
顧客は外部に対して購買の意思を明らかにし、おおやけに調達先候補と接触し、RFPを発行して、提案書、見積書を要求します。
そして、提出された資料を比較・分析して調達先を選定します。第四段階以降を「公式購買プロセス」と呼びます。
反対に、第三段階までを「非公式購買プロセス」と呼びます。

それでは、公式購買プロセスの始まりである第四段階を詳しく見ていきましょう。

この段階から顧客は、正式な購買手続きに従って購買活動を進めます。具体的には、問題、課題を解決できる可能性のある製品やサービスを提供できるサプライヤーを探します。
複数のサプライヤーと連絡を取り、問題あるいは課題、検討しているソリューションの概要を開示します。

営業は自社の技術者とともに開示された内容を検討・理解します。
また、顧客と打ち合わせを行い、問題・課題の理解を確実なものにします。
顧客が検討しているソリューションに関しても、適宜、提案を行います。

また、営業は、サプライヤーの選定基準が何なのか、競合がどこなのかを調査します。

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購買行動と営業プロセス - 第三段階「説得材料の提供、不安の低減」

2019-10-20 23:38:43 | 生産財のマーケティングと営業
第三段階では、顧客は「より具体的に」問題や課題の解決に必要な製品・サービスを製品名・仕様・価格等のように具体的に記述します。

そして、社内での説明、購入計画(年間予算等)へのインプット等を行います。

ここでの営業の役割は、顧客の「この段階でのキーパーソン」が、社内を説得できる材料を提供することです。

「この段階でのキーパーソン」とカッコ書きにしたのは、この人が第二段階で調べた意思決定者とは限らないからです。キーパーソンは、案件が進む段階によって異なります。

営業は、また、顧客が感じているリスクを和らげ、提案しているソリューションに対する確信を深めさせることが大切です。「この会社の(営業の)ソリューションなら大丈夫だ。サポートも安心」などと顧客に確信させることです。

逆に言えば、営業は顧客が感じているリスクや不安を察知し、それらを取り除くためのデータや情報を提供します。

小型商談では、商品を購入したあとで「買って失敗した」と思っても大きな痛手にはなりません。このため顧客は容易にリスクをとることができます。私も買ったがほとんど袖を通さない服やスポーツ用具があります。仕事で購入したものでも、失敗しても大きな問題にはならないでしょう。

しかし、コンプレックスセールスの対象となるような製品・サービスはどうでしょうか。
買ったはいいが、使い勝手が悪すぎて社内のユーザーの評判が悪いソフトウェア、納期が間に合わず会社のプロジェクトの進捗に悪影響、など、失敗例は身近にもたくさんあります。
「もし、そうなったらどうしよう」という顧客が感じているリスクや不安を取り除く努力が必須となります。

これまで説明してきた第一段階から第三段階までが、顧客が検討を重ねて態度決定を行うプロセスです。

さて、皆さんの抱えている第三段階の案件の状況はいかがですか。

「まだ、入札の案内が来ていない(見積もり依頼が来ていない)のでやりようがない」ですか?

もう営業は、とっくに始まっています!!
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購買行動と営業プロセス - 第二段階「情報提供と調査の手伝い」

2019-10-12 09:17:22 | 生産財のマーケティングと営業
資料では「第二段階:必要な財の把握」とあります。

この段階は、「探索の開始と計画」の段階とも言われ、顧客は、第一段階での問題意識に基づき解決方法の調査・探索を行います。

そして、問題解決計画の概要をまとめます。



営業は、顧客が問題解決計画の作成に必要な情報を積極的に提供します。

そして、この計画を進めるためのキーマンおよび関係者を探ります。

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購買行動と営業プロセス - 第一段階「検討のきっかけを作る」

2019-10-05 11:53:47 | 生産財のマーケティングと営業
購買行動と営業活動

購買行動のモデルの代表は、AIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)。そして、インターネットの普及により、その進化版ともいえるAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)が購買行動モデルの新たなモデルとなりました。「Search(検索)」と「Share(共有)」がキーワードであることは、読者なら納得されると思います。

それでは「購買行動と営業のプロセス」を紹介します。顧客が生産財を購入する一連の流れと営業の「やるべきこと」を明確にしていきます。表中のどの段階が「営業にとって勝負所はどこか」を考えていきましょう。


第一段階 検討のきっかけを作る                             


では、まず、第一段階の「問題の認識」です。購買側行動の欄には、「客観的事実に基づく問題意識の発生」、および、「検討のきっかけの発生」とあります。

具体的なきっかけとしては、製造上の問題が発生し、それを解析・解決するために新たな測定器が必要となる、あるいは、新製品の製造のために新たな製造装置が必要となる、営業の生産性を上げるために営業支援システムを導入する、社員が増えてきたので広いところに引っ越す、などが考えられます。

営業活動の欄に、「きっかけ」の提供とありますが、これはどういうことでしょうか。

第三者の立場では明らかな問題でも本人たちが気付かないケースやその組織上の理由で検討の遡上に乗せてもらえない場合などに、「問題に気付かせ、検討のきっかけを与えること」を言っています。

顧客が問題意識の高い人たちであれば、営業が黙っていても、問題を認識し、営業に問い合わせがくるかと思いますが、そうでない場合は、営業自身が問題提起をしないと商売にはなりません。

現状のプロセスあるいは業務でどのような問題があるのか営業が技術と一緒に分析し、問題提起して、解決策を提案する必要があります。

例えば、次世代の製品を開発するためには、もっと高精度の検査装置が必要であることを、データ付きで説明し、解決策を提案するなどです。

営業として大事なことは、顧客の開発担当者や現場のエンジニアと良好な関係を築き、事前に顧客の問題点や課題に関わる情報を収集・分析・整理できていることです。

それらの情報があれば、顧客に合った提案が可能となります。そうでないと、一般的な提案になってしまいます。

もちろん、一般的な提案をして顧客の本質的な問題を探っていくという方法もあります。




誰もいない。どうきっかけを作ればいいんだ!

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