法人営業に最適な「理詰めの営業」で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。自分のシンになる営業方法を確立し、自信に。特にコンプレックスセールスに最適。

理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 成功した会議とは

2019-12-08 11:53:47 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
営業ステップを進めるためには、会議を有効に活用することが必要です。そのための準備として会議の設計を行います。「理詰めの営業」では、会議の成功・不成功を以下のように捉えています。

「成功した会議」と言える会議の例は、以下のとおりです。
① 具体的な課題が判明:
競争が激しい業界ほど、情報のリークを恐れ、自社の抱えている課題を簡単には教えてくれません。信頼関係を築き、それを教えてもらえたら営業的には大きな前進です。具体的な課題が分かって初めて具体的なソリューションの検討・提供が可能になります。

② 詳細な投資計画を入手:
上場企業であればある程度の投資計画は入手できるかもしれません。しかし、具体的で詳細な投資計画となると難しい場合が多いものです。購買から見積り依頼が来てから競争に参加するのでは遅すぎます。投資計画をどこよりも早く知り、計画の早い段階からインサイドサプライヤーとして顧客を支援することが重要なのです。

③ 競合情報の入手:
その投資に絡んでくる競争相手の情報です。スポーツの試合と同じで相手のチームの研究は必須です。相手が分かれば対応策も立てられます。既存顧客であればある程度予想はつきますが、全くの新規顧客の場合は、慎重な調査が必要です。

以上の例ように、「成功した会議」は、「必要な情報や貴重な情報を入手できた会議」です。

さらに、次のような会議も「成功した会議」と言えます。

④ 工場までデモに来ていただく
顧客の担当者や上司が、費用と時間を掛けて工場までデモに来ることを会議で約束してくれれば、これは本気で購入を検討していることの証明になります。

⑤ デモ用のサンプルを提供していただく
デモ用のサンプル作成も顧客の費用と時間がかかることです。サンプルの提供も本気度の証明といえます。

⑥ 本社あるいは研究所を訪問していただく
これも④と同じで、顧客の費用と時間を使うもので、前向きなシグナルと考えられます。

⑦ 更に上位の意志決定者と面会の約束
提案を担当者に説明し、納得していただき、更にその上司への紹介の約束を取り付けることができれば、これも一歩前進です。

⑧ 予算の追加
顧客の課題を解決するためには今の予算では不足、追加の予算が必要とお願いしたところ了承していただいた場合です。価格の安い会社に流れるのではなく、ソリューションの内容を評価していただいた結果です。

⑨ 購入の決定
営業プロセスの最後の方以外ではめったにないことですが、購入の決定を聴ければ最高です。

このように、「具体的な顧客の行動や出費を伴う結果が出た会議」は、成功したと言えます。

逆に、失敗した会議とは、「すばらしいプレゼン」「よさそうな装置」などポジティブなコメントや「いつもアクションが早いね」等のお世辞はもらえたものの営業ステップが全く進んでいない場合が相当します。

小型の案件では、打ち合わせの場で受注あるいは不成立が明確になる場合が多いのですが、大型の案件の場合は、何回か打ち合わせを繰り返した結果、受注となるのが一般的です。このため、営業ステップを進めることができた会議は、成功した会議といえます。



「理詰めの営業」では、「次の営業ステップに進むことが確約できた」会議を成功した会議として、そのために会議を営業が能動的に、戦略的にプランします。
コメント

理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 会議は能動的に!

2019-12-01 00:35:48 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
今回から、『理詰めの営業』を用いてコンプレックスセールスの営業ステップを進めるための重要な手段である顧客との会議の「仕切り方」を説明させていただきます。

ある営業のオフィスでの出来事です。

顧客のA社に新しいサービスの紹介に行った営業のサイトウ君が夕方会社に戻ってきました。
課長:「うれしそうだけど、今日の打合せは、どうだったの」
営業:「ご担当のBさんにお会いでき、面白そうなサービスだと言っていただきました」
課長:「それは良かったね。他には」
営業:「プレゼンもうまいねと褒められました」
課長:「じゃあ、軽く飲みに行くか」

この二人の会話をどう思いますか。

担当者と面会が出来て、新しいサービスの内容を上手に伝えられたようです。100点満点の営業でしょうか。

そもそもサイトウ君が顧客を訪問した目的とゴールは何だったのでしょうか。
単に担当者と面会してサービスの内容をプレゼンし、褒められて帰ってくることだったのでしょうか。

営業のステップを考えてみましょう。
この案件の受注までのプロセスを頭に描ければ、次のステップが何かは判るはずです。
今回の訪問は、次のステップに進むためのプレゼンだったはずです。

ですから、例えば「担当者の上司との面会の承諾を得た」「見積り依頼を受けた」「エンジニアとの会議を設定した」などの具体的なアウトプットがなければなりません。

次の営業プロセスに進むために、以下のツールで集めた情報を分析し、しっかり会議を設計して、目的を達成するために「会議を仕切る」必要があります。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

では、会議の仕切り方を学習しましょう。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第七段階「納品の推進と検収の調整」

2019-11-24 10:41:06 | 生産財のマーケティングと営業
第六段階で一つのサプライヤーが選択されます。競争を勝ち抜き受注が確定した段階です。営業としてはほっとする瞬間です。ここからは仕上げの段階です。

『購買行動と営業活動』では、受注の先に二つのステップがあります。一つは「納品の推進と検収の調整」で、もう一つが「納入後の成果のフィードバック」です。

第七段階で、サプライヤーは顧客から注文書を受け取りますが、その前に検収条件を整理しておく必要があります。

納入までの間、あるいは、納入後のテストで追加の問題が発生する場合があり、それに応えるために検収が延び延びになり、売り上げがたたなくなるなどの問題が発生する場合があります。追加の問題が発生した場合、それがもとの注文書の範囲内で処理すべきか、あるいは追加の仕様として別途処理されるべきかが判定できるように仕様書、検収条件などを書面として整備しておきましょう。(もともとの仕様書が不十分な場合も同様に問題となる可能性があります)

営業は顧客との板挟みになりますが、きちっと線引きをして問題を解決し、かつ、顧客との関係も損なわれないようにする、それが営業です。「そうは言っても」と言っているうちは二軍の営業です。

さて、サプライヤーは、顧客から注文書を受け取った後(あるいは内示後)、顧客と共同で、納入に関する諸手続きの設定と手続きに関する取り決めを行います。

納期や立上げのスケジュールの確定、納入のための搬入経路の確保、立上げのためのスペースの確保、試験用材料・工具の用意、電気・ガス等の手配もこの準備の一部です。営業は、自社のサービス技術と打合せを行い、納入・立上げのプランを行います。

また、営業は、開発が必要な製品・サービスについては、納入までの進捗管理、顧客への進捗の報告を行います。

そして、実際に製品・サービスを納入し、立ち上げて試験を行い、収集したデータをもとに検収会議を開催し、検収をいただきます。

「営業はきちっと線引きをして問題を解決し、かつ、顧客との関係も損なわれないようにする」と前述しましたが、実際には営業は根回しをして、滞りなく検収会議が行われるようにします。

そして、そのまま顧客と飲み会というのが私のパターンでした。

顧客のキーパーソンやエンジニアだけでなく、自社のエンジニアにも参加してもらい、今後のエンジニア同士の協力関係の構築にも心がけましょう。

そして、第八段階として「納入後の成果のフィードバック」があります。ここでは、簡潔に触れるだけにします。

ソリューション実施後、必ずしも順調に進むとは限りません。販売した製品やサービスのトラブルや保守に悩まされることも多いのです。納入後のサプライヤーに対する評価はこの段階での対応の良し悪しに左右されることが多いのが現状です。次の案件に繋げるためにも、営業が顧客との間に入ってマネージする必要があります。


繰り返しになりますが、営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。各購買段階での顧客支援と誘導を戦略的に行い、購買(営業)の段階を進めるツールが「理詰めの営業」です。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第六段階「交渉と譲歩、交渉条件の整理、社内コンセンサスの取付け」

2019-11-24 10:33:55 | 生産財のマーケティングと営業
顧客はサプライヤーが提出した見積書や提案書を比較検討します。また、サプライヤーと面談し、仕様、価格、納期等の具体的な条件の折衝を行います。そして、最終的に1社に内定通知を出します。

営業は提案書提出後の交渉に臨む準備として、価格、納期、導入後のサポートなど交渉のポイントを整理し、どこまで妥協できるか、その場で回答するかどうかなど、社内の関係者と打ち合わせをして決めておくことが重要です。

失敗例として、

案件を絶対に取りたいが故に価格交渉時に大幅な値下げを購買に約束。帰社後、社内の同意、承認が得られず頓挫。「下げなきゃとれねーんだよ」「客の言うことが聴けないのか。」と上司や関係部署の面々を恫喝。結局、この案件から外され、上司がお詫びに。

営業は案件を取りたいがために前のめりになりがちです。また、案件を落とせないプレッシャーもあります。営業が単独で決断、回答するのではなく、チームで決めて回答する仕組みにしましょう。

競合の出方も重要なポイントです。価格をあまり下げずにオプションをただで提供したり、導入後のサポートを厚くしたりする会社もあるでしょう。例えば、「導入後、半年、エンジニアを最低1名常駐」などです。

顧客側の状況も日々、変化しており、RFPに記載されている納期が、顧客側の事情により遅れることもあります。そのような状況をつかんでおけば、納期は楽にコミットできる、場合によっては早めるとホラをふくこともできます。

もう一度、選定基準に立ち返り、交渉のポイントを整理し、社内のコンセンサスを取り、交渉に臨む役者を整えましょう。即答が必要な場合は、営業だけでなく開発部門、アフターサービス部門などの責任者に同行してもらったほうが良いでしょう。

ただ、単なる当て馬であると分かっていて絶対に受注できない場合は、最終提案として超ローボールを投げるのも手です。顧客の当該案件担当者は、「何故こんなに安いA社から買わないでB社にするのか」を説明せねばならなくなり、本命のサプライヤーB社に対しても価格低減を求めることになります。これにより本命サプライヤーB社の財務体質を弱らせることができます。そこまで考えるのが営業です。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第五段階「提案書提出・競合分析・受注条件整備」 - 競合他社を調査

2019-11-10 18:45:28 | 『理詰めの営業』分析ツール
第五段階の続きです。

見積依頼・提案依頼への対応とともに、競合他社を調査します。

以前も書いたように、この案件に関して、あなたがこのRFPの説明会から呼ばれたのなら、少なくともすでに1社はもっと早い段階から顧客と話会って、懐深く入っています。

それを分かった上で競合他社の仕様やデモの状況、顧客との人間関係、顧客での評判、他の顧客での評判、価格戦略、技術サポート体制、経営状況などを入念に調査し、戦略を練ります。

特に選定基準となるところは、冷静に分析し、提案書の中で自社の強みをどう伝えるか、自社が劣っている点をどう説明するか知恵を出し合いましょう。

また、真剣に取り組まないことも選択肢の一つです。例えば、以下の私の経験例。

大手企業のS社の事業部長A氏は「天皇」と呼ばれる人で、100%の決定権を持っており、かつ、現行サプライヤーはこの人が選んだとのこと。しかも、「天皇」は、サプライヤーの変更を望んでいないらしい。

私はこの案件は、あきらめました。RFPを受け取ってから提出までの短時間で人間関係を構築するのは無理だからです。そもそも、この段階で初めて呼ばれたことが私の会社の現状を如実にあらわされています。

今後を考え、失礼のない提案書を提出し、次の案件を目指し、戦略を始めました。特にS
社内の組織、人間関係、事業部としての問題・課題・戦略、意思決定方法(本当に天皇が決めているのか)など、基本的なところから始めました。後述する「理詰めの営業」の初歩の初歩です。

営業は注文を取りたいがために前のめりになりがちです。

例えば、

「今、社内で検討中のソリューションでお客様の問題は、確実に解決できる」と営業が客先での会議でコミット。その場にいたエンジニアと帰社後、口論。「まだ、検討中なのにあれはないでしょ」とエンジニア。「解決できないのなら打ち合わせの時に反論すればよかったのに」と営業が言い、口論はエスカレート。受注はできたが、その後のエンジニアのサポートが悪く、顧客からの評価は最悪に。

顧客の問題・課題を解決できなければ、訴訟問題にも発展しかねません。顧客の問題・課題を真摯に分析し、そのソリューションを検討します。現在の製品、サービスで「できること」、「できないこと」を明確にしましょう。

「できないこと」を「できること」に変える方法も考えます。例えば、現時点では「できないこと」でも、適切な費用と納期をいただければ開発可能な場合もあります。

現在あるソリューションであれば、費用はいくらで、何か月で納入可能、新たな開発が必要な場合は、さらに費用と開発期間がこれだけかかる等をできる限り正確に見積もります。

また、「できないこと」も他社との協業により、可能になる場合があります。

私が手掛けたビル管理業の場合は、「他社の組み合わせ」を基本とするソリューションでした。自社では顧客とのインターフェース、まとめ役、簡単な日常業務だけを行い、実際の業務、特に専門的で技術的な業務はすべて他社に任せます。例えば、無停電電源装置の点検は東芝、空調機器の点検はダイキン、消防設備点検は能美防災といった具合です。このような場合は、各社へ仕様書を出して見積りを取り、受注できた場合は協業していただくことについてコミットしてもらいます。

これらが受注条件の整備です。営業だけで決めるのではなく、社内の関連各部門あるいは協力会社のコンセンサスを取り付けることが肝要です。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第五段階「提案書提出・競合分析・受注条件整備」 - 提案書の提出

2019-11-05 23:05:04 | 生産財のマーケティングと営業
第五段階は、2回に分けて説明します。

顧客はサプライヤーを2~3社に絞り込み、仕様等を公開し、見積依頼(RFQ:Request For Quotation)や提案の依頼(RFP:Request For Proposal)をします。会社(役所)の規則で一定金額以上の案件は、3社見積もり必須というところが多いかと思います。

RFQ、RFPの説明会を行う場合もあります。私の経験では、各サプライヤーが個別に呼ばれ説明を受け、質疑応答を行う形式がほとんどでした。

米国大使館の入札の場合は、ホームページ上で入札説明会の案内が行われ、申し込んだサプライヤーを一堂に集めた説明会・現場調査が実施されました。質疑応答は行わず、質問は決められた日時までにメールで提出。回答はすべてのサプライヤーからの質問を整理してホームページに掲載されます。前回の入札価格について質問しても回答してくれませんが、前回の落札時に落札者名とともにホームページに掲載されているので、調べれば出てきます(データベースが大きすぎて私は調べきれませんでした)。

営業はRFQ、RFPの内容を精査し、提出書類の種類と内容、提出期限、サプライヤー選定基準などを確認します。一般的に提出書類には会社の財務諸表、会社の組織、対応チームのスキル・資格、品質管理体制、サービスサポート体制など多岐に亘るため、社内の関係者を集めて説明会を行い、手分けして進めることが肝要です。

また、阻害要因がないか確認します。

例えば、自社の製品では実現できない機能はないかをチェックします。逆に言うと、第三段階までにインサプライヤーとして活動してきた営業は、他社にない機能などを仕様書に盛り込むように顧客を誘導し、自社の優位性を確立します。

実際に資料を作成し始めると、不明な点がでてきます。改めて質問できる場合もありますが、追加質問を許さない場合もあります。実際、現場調査を一回行っただけでは十分な情報は、得られません。このため現行のサプライヤーがいる場合は、彼らが有利になります。特に、顧客が現状のサプライヤーを気に入っているが、会社(役所)の規則でRFPを実施しなえればならない場合は、他のサプライヤーが落札するのは困難です。

以前、大阪のある役所の設備管理の業務を新規受注したことがありました。当該役所と長期間契約していたサプライヤーを価格差でひっくり返した例です。選ばざるを得ないくらいに価格差のあった例で、役所の担当者からは、「おたくが安すぎる値段を出したからこんなことになった。」といまだに文句を言われています。

また、現在、私は見積もりをお願いする立場にありますが、本当に真剣にサプライヤーを一から選びたい場合は別として、会社の仕組み上の理由で3社見積もりをする場合は、「それとなく」その旨、知らせてサプライヤーが無駄な労力を使わないように調整します。

また、「5段階、価格交渉をする。最後は社長が交渉」「50%以上値下げさせる」などのルールがある顧客もあるので予め聞き出しておきましょう。


コメント

購買行動と営業プロセス - 第四段階「競合分析・選定基準の明確化」-非公式購買プロセスから公式購買プロセスへ

2019-10-27 22:58:16 | 生産財のマーケティングと営業
第一段階から第三段階までは、顧客が検討を重ね、購買の意思決定を行うプロセスで、営業がもっとも顧客に貢献できるプロセスです。

一方、第四段階以降は、購買を実現させるプロセスで、顧客対サプライヤーに分かれて交渉する段階です。
顧客は外部に対して購買の意思を明らかにし、おおやけに調達先候補と接触し、RFPを発行して、提案書、見積書を要求します。
そして、提出された資料を比較・分析して調達先を選定します。第四段階以降を「公式購買プロセス」と呼びます。
反対に、第三段階までを「非公式購買プロセス」と呼びます。

それでは、公式購買プロセスの始まりである第四段階を詳しく見ていきましょう。

この段階から顧客は、正式な購買手続きに従って購買活動を進めます。具体的には、問題、課題を解決できる可能性のある製品やサービスを提供できるサプライヤーを探します。
複数のサプライヤーと連絡を取り、問題あるいは課題、検討しているソリューションの概要を開示します。

営業は自社の技術者とともに開示された内容を検討・理解します。
また、顧客と打ち合わせを行い、問題・課題の理解を確実なものにします。
顧客が検討しているソリューションに関しても、適宜、提案を行います。

また、営業は、サプライヤーの選定基準が何なのか、競合がどこなのかを調査します。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第三段階「説得材料の提供、不安の低減」

2019-10-20 23:38:43 | 生産財のマーケティングと営業
第三段階では、顧客は「より具体的に」問題や課題の解決に必要な製品・サービスを製品名・仕様・価格等のように具体的に記述します。

そして、社内での説明、購入計画(年間予算等)へのインプット等を行います。

ここでの営業の役割は、顧客の「この段階でのキーパーソン」が、社内を説得できる材料を提供することです。

「この段階でのキーパーソン」とカッコ書きにしたのは、この人が第二段階で調べた意思決定者とは限らないからです。キーパーソンは、案件が進む段階によって異なります。

営業は、また、顧客が感じているリスクを和らげ、提案しているソリューションに対する確信を深めさせることが大切です。「この会社の(営業の)ソリューションなら大丈夫だ。サポートも安心」などと顧客に確信させることです。

逆に言えば、営業は顧客が感じているリスクや不安を察知し、それらを取り除くためのデータや情報を提供します。

小型商談では、商品を購入したあとで「買って失敗した」と思っても大きな痛手にはなりません。このため顧客は容易にリスクをとることができます。私も買ったがほとんど袖を通さない服やスポーツ用具があります。仕事で購入したものでも、失敗しても大きな問題にはならないでしょう。

しかし、コンプレックスセールスの対象となるような製品・サービスはどうでしょうか。
買ったはいいが、使い勝手が悪すぎて社内のユーザーの評判が悪いソフトウェア、納期が間に合わず会社のプロジェクトの進捗に悪影響、など、失敗例は身近にもたくさんあります。
「もし、そうなったらどうしよう」という顧客が感じているリスクや不安を取り除く努力が必須となります。

これまで説明してきた第一段階から第三段階までが、顧客が検討を重ねて態度決定を行うプロセスです。

さて、皆さんの抱えている第三段階の案件の状況はいかがですか。

「まだ、入札の案内が来ていない(見積もり依頼が来ていない)のでやりようがない」ですか?

もう営業は、とっくに始まっています!!
コメント

購買行動と営業プロセス - 第二段階「情報提供と調査の手伝い」

2019-10-12 09:17:22 | 生産財のマーケティングと営業
資料では「第二段階:必要な財の把握」とあります。

この段階は、「探索の開始と計画」の段階とも言われ、顧客は、第一段階での問題意識に基づき解決方法の調査・探索を行います。

そして、問題解決計画の概要をまとめます。



営業は、顧客が問題解決計画の作成に必要な情報を積極的に提供します。

そして、この計画を進めるためのキーマンおよび関係者を探ります。

コメント

購買行動と営業プロセス - 第一段階「検討のきっかけを作る」

2019-10-05 11:53:47 | 生産財のマーケティングと営業
購買行動と営業活動

購買行動のモデルの代表は、AIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)。そして、インターネットの普及により、その進化版ともいえるAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)が購買行動モデルの新たなモデルとなりました。「Search(検索)」と「Share(共有)」がキーワードであることは、読者なら納得されると思います。

それでは「購買行動と営業のプロセス」を紹介します。顧客が生産財を購入する一連の流れと営業の「やるべきこと」を明確にしていきます。表中のどの段階が「営業にとって勝負所はどこか」を考えていきましょう。


第一段階 検討のきっかけを作る                             


では、まず、第一段階の「問題の認識」です。購買側行動の欄には、「客観的事実に基づく問題意識の発生」、および、「検討のきっかけの発生」とあります。

具体的なきっかけとしては、製造上の問題が発生し、それを解析・解決するために新たな測定器が必要となる、あるいは、新製品の製造のために新たな製造装置が必要となる、営業の生産性を上げるために営業支援システムを導入する、社員が増えてきたので広いところに引っ越す、などが考えられます。

営業活動の欄に、「きっかけ」の提供とありますが、これはどういうことでしょうか。

第三者の立場では明らかな問題でも本人たちが気付かないケースやその組織上の理由で検討の遡上に乗せてもらえない場合などに、「問題に気付かせ、検討のきっかけを与えること」を言っています。

顧客が問題意識の高い人たちであれば、営業が黙っていても、問題を認識し、営業に問い合わせがくるかと思いますが、そうでない場合は、営業自身が問題提起をしないと商売にはなりません。

現状のプロセスあるいは業務でどのような問題があるのか営業が技術と一緒に分析し、問題提起して、解決策を提案する必要があります。

例えば、次世代の製品を開発するためには、もっと高精度の検査装置が必要であることを、データ付きで説明し、解決策を提案するなどです。

営業として大事なことは、顧客の開発担当者や現場のエンジニアと良好な関係を築き、事前に顧客の問題点や課題に関わる情報を収集・分析・整理できていることです。

それらの情報があれば、顧客に合った提案が可能となります。そうでないと、一般的な提案になってしまいます。

もちろん、一般的な提案をして顧客の本質的な問題を探っていくという方法もあります。




誰もいない。どうきっかけを作ればいいんだ!

コメント

マーケティング3.0とコンプレックスセールス

2019-09-29 17:43:45 | 理詰めの営業(バリューセリング)全般
マーケティングの大家、フィリップ・コトラーは、『マーケティング3.0』の中で、

・マーケティング1.0:製品中心のマーケティング
・マーケティング2.0:顧客中心のマーケティング
・マーケティング3.0:人間中心のマーケティング

という大きな流れを示しました。

これらに対応する営業を考えてみました。

マーケティング1.0「製品中心のマーケティング」は、日本の場合、高度成長期から半導体や自動車などのモノづくりで世界市場を席巻した1980年代までのマーケティングです。

これに対応する日本の営業は、営業1.0「根性・気力・気合の営業」でしょう。「日本の営業」としたのは、海外の営業はもう少し洗練されていて、日本ほど体育会系ではないからです。この体育会系営業で、日本を経済大国に押し上げました。

そしてバブル崩壊。

マーケティング2.0「顧客中心のマーケティング」は、バブル崩壊後の成熟市場でのマーケティングです。顧客が何を欲しているか分からない、顧客自身も何を欲しているか分からない、そんな時代のマーケティングでした。CRM(Customer Relationship Management)など顧客情報の活用が盛んに叫ばれました。この時代の営業を、営業2.0「顧客情報活用営業」あるいは顧客のニーズに基づく「提案営業」または「ソリューション営業」と呼びます。

マーケティング3.0「人間中心のマーケティング」は、どうでしょうか。マーケティング3.0は、顧客を単なる購買者としてではなく、マインドとハートと精神(スピリット)を備えた全人的な存在として捉えるべきだと主張しています。顧客をマスあるいはセグメントで括るのではなく、個人個人のニーズをとらえるべくマーケティングするのが3.0です。実際、インターネットを活用し、個人個人をターゲットにしたマーケティングツールは整えられつつあります。例えば、アマゾンのお勧め機能などは、個人を対象にしたマーケティングの成功例といえます。

コンプレックスセールスのBtoBの営業を考えた場合、案件の関係者、個々人の心理面にフォーカスすることが、「人間中心のマーケティング」に通じると考えます。問題・課題が複雑化するにつれて、意思決定に関わる人が増えるため、営業は参加者個々の求めているものを理解し、参加者間の利害調整を行う必要があります。

コメント

コンプレックスセールスを成功に導く『理詰めの営業』をビル管理業で適用。13%売り上げを伸ばす!!(その2)

2019-09-14 00:42:48 | 『理詰めの営業』分析ツール
(その1)でお知らせしたビル管理業務での『理詰めの営業』の適用の続編です。

実は『理詰めの営業』を適用したのは、この会社の国際営業部。国内営業部には営業の強い反対があり、適用できませんでした。

そして3月末で締めたところ国際営業部は、売上が13%増、利益率も27%とお約束していた数字を達成できました。

一方、国内営業部は、目標の8割にしか達せず、先週の会議は営業担当役員の謝罪から始まりました。

『理詰めの営業』は、数字を追いかけるためのツールではありません。営業の各案件の状況を明確化し、情報を共有化するツールです。

数字を追いかける計数(ノルマ)管理には以下のような問題点があります。

・間接管理であり実態管理ではない

・計数は操作性があり、単純計算管理の弊害、実態からの遊離の可能性

・入手容易性の点から財務データに依存する割合が高くなる

・計数管理は非情

計数管理と実態管理は相互補完すべきです。

さて、新年度は国内営業の一部も取り込み、『理詰めの営業』を適用することになりました。

本年度の目標も前年度比15%増。

5年で国際営業部の売り上げを倍にすることをコミットしました。

コメント

コンプレックスセールスを成功に導く『理詰めの営業』をビル管理業に適用。13%売り上げを伸ばす!!(その1)

2019-09-08 00:44:24 | 『理詰めの営業』分析ツール
コンプレックスセールスを成功に導く『理詰めの営業』をサービス業に適用し、成果がでました。

適用分野は、「ビル管理業務」です。

大きなビルには、照明や分電盤、非常用発電機などの電気設備、エアコンに代表される空調設備、飲料水、雑排水に関連するタンクや配管、駐車場、エレベーター、自動ドア、消防設備などの多くの設備があります。これらの保守・管理がビル管理会社の主な仕事です。

清掃業務や保安・警備、受付業務なども含まれます。

事故や故障を防ぎ、そのビルを利用する人々が快適で安全に過ごせるようにすることが使命の業界です。

更に言えば、ビルの価値を維持・改善し、オーナーに利益をもたらすこと、といえます。

この業界も「コンプレックスセールス」に該当します。

・受注金額が高額(億単位の商談もあり)で、顧客の課題を把握、解決策の提案、受注にいたるまで複数回の商談が必要

・(総務部が中心ですが)複数の担当者、複数の関連部門による意思決定

・意思決定は商談の場以外のところで実行(競争入札が一般的)

製造業と異なるのは、年単位の管理費用を見積もり、提示し、一旦、受注できれば、3から5年は仕事が続くことです。

魅力的なビジネスです。

コンサルタントとしても売り上げに連動した契約にしておけば安定した収入が得られます。

『理詰めの営業』を導入することにより、業界に不慣れな人でも、営業に対する確固たる考え方を身に着けることができ、成果を上げることができます。

また、『理詰めの営業』を一つの共通言語として、情報の共有化が図れるようになり、組織として営業情報の蓄積、営業力の向上が図れます。

顧問先のビル管理会社は、2018年度13%売り上げを伸ばしました。また、2019年度も15%の伸びが期待されています。

データセンターのC社、証券会社のU社、ITの大手A社、M社等を取れたからです。

とは言え、2018年は、失注も2件ありました。

原因は、「顧客の課題の把握が不十分であったこと」、「ライバル会社と顧客の強固な関係を切り崩せなかったこと」にあります。

原因を更に深堀して、対策を練り、2019年、反転攻勢をしかけました。それが上記の結果です。

コメント

大型商談やコンサルティング営業を成功に導く『SPIN(スピン)』

2019-09-01 21:43:00 | 『理詰めの営業』分析ツール
Amazonで営業関係の本の売れ筋を調べたところ、『大型商談を制約に導くSPIN営業術』が、第5位に入っていた。

私がこの本を購入したのが、2009年。営業関連ではロングランであろう。

SPIN(スピン)は数千万円から億円単位の大型商談やコンサルティング営業を成功に導くための質問の戦略である。

基本は、「いかに顧客を深く理解するか」であり、「顧客の問題・課題を探り出し、それをどう深刻で重大なものに育て上げるか」である。その切り口がSPINである。

SPINは以下の略。
S: Situation Questions(状況質問)….顧客の現状に関する質問。例えば、工場や装置の利用状況、歩留まり、予算の有無や金額、装置購入の意思決定プロセス、組織等。
P: Problem Questions(問題質問)…..顧客の潜在的な問題・課題を抽出。装置の利用率の低い理由、歩留まりが上がらない理由等。
I: Implication Questions(示唆質問)…..顧客が問題の深刻さを理解できるように仕向ける質問。例えば、歩留まりが上がらないことにより年間で1億円損失を出している等。
N: Need-Payoff Questions(解決質問)…..問題・課題が解決できた場合に顧客のもたらさる価値….例えば、この装置を用いれば歩留まりが改善されれば今の年1億円のロスがなくなるとともに年間2億円の利益を生む等

誰が、どのような質問を顧客にして、顧客の心を動かし、自社製品を選択させるか、その戦略は大変重要である。

私はすでにSPINを活用しているが、これだけでは不十分と考え以下のツールを用意している。

①当該商談に関わるすべての顧客の名前、ポジション、役割(装置の評価者、装置の選定者、予算執行者等)と各自の本音の思惑・考え(歩留まりを改善したい、安いものを選択したい、他メーカーの装置を選択したい、この件には巻き込まれたくない等)をリストアップ
②競合製品情報のまとめ
③商談をクローズするまでの道筋を示すスケジュール表

これだけの情報をそろえるには、相当の時間を用いて顧客とコミュニケーションを持ち、良好な関係を構築する必要がある。逆に、これらの情報を用いることにより不足している情報が明確になる。

大型商談の営業ならではの活動といえる。
コメント

価格交渉 ‐ 顧客が性能や品質を重視する場合

2019-08-23 22:32:42 | 『理詰めの営業』分析ツール
本来は、マーケティングの手法を用いて、顧客のセグメンテーションを行い、顧客がどういうタイプか分析すると以下の話も分かりやすいかと思います。

例えば、

縦軸に上から「性能重視・品質重視」、「関係重視」「単なるバイヤー」。

横軸にはニーズの洗練度、「低」「中」「高」と取ると3×3のマトリックスができます。

各枠内に売り上げに占める%を書き込みます。

そうすると、貴社がどの領域を主戦場にしているかが分かります。

今日話題にするのは、

質問1:この顧客は、製品の性能やサービスの質を高く評価しているか?

質問2:この顧客は、この製品やサービスがないとどれだけこまるか?


です。

質問1で、顧客が自分のニーズを十分に理解していて、こちらが提供する製品やサービスの性能や品質を高く評価する場合は、一般的に、価格についてはあまりうるさくありません。

製品の性能や品質、サポート体制の強化などをアピールし、値引きは最小限にすべきです。値引きしなくても買う客なのです。

そもそもこのタイプの顧客には大手企業が多く、経営環境の厳しい中小企業に比べれば、はるかに価格交渉は楽なはずです。


質問2は、相互依存度の話です。顧客が他社から購入することが困難な製品やサービスの場合や当面競合が現れそうにない場合は自社の立ち位置は盤石と言えます。

また、顧客が他社からも購入しているが、その品質に満足していない、サービス体制に不信感を持っている、などの場合は、自社の立ち位置は優位にあるといえます。

他社よりも価格交渉で優位に立てますね。

いずれにしても、「顧客を知る」を十二分に知ることが肝要です。それまではむやみに価格の話はしないことです。




コメント