法人営業に最適な「理詰めの営業」で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。自分のシンになる営業方法を確立し、自信に。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 営業ステップの定義

2020-10-11 20:14:35 | 『理詰めの営業』分析ツール
顧客の購買行動には流れがあり、その流れの中で営業がすべきことが決まってきます。案件が一連の流れのどこまで進んでいるのかを把握することで、営業がすべきことが分かります。

さて、あなたが今、抱えている案件は、一連の流れのどこにあるのでしょうか。次に打つべき手は何でしょうか。

トップセールスパーソンは、引き合いがあると、蓄積した顧客情報等をもとに受注までの営業ステップを即座に頭に描くことができます。営業ステップは、営業がやるべきこととスケジュールの組み合わせです。営業ステップは、業界、業種、製品、サービス等により異なります。また。顧客によっても異なります。

例えば、ある工作機械メーカーの営業の場合、その営業ステップには顧客との関係構築~課題の把握~デモの提案~デモの実施~デモ結果報告~仕様提案~価格交渉~受注~納入・立上げといった具合です。

また、あるSIの会社は、「顧客との関係構築~案件としての登録~顧客の購買意欲の確認~案件として確定~ソリューションの提案~成約~導入」という営業ステップを確立しています。

実際の営業ステップの定義では、顧客がその製品あるいはサービスが必要な時期から逆算していくことが多いかと思います。

今回は、ビル管理を例に考えてみます。

ビル管理の契約は通常、1年契約で問題なければ自動更新または5年程度の契約になっています。ビル管理の担当業者を代えたい場合や会社の規則により定期的に業者の見直しを行う場合は、契約終了の遅くとも半年前には契約更新の手続きが進められます。

以下は、某外資系金融機関のビル管理業務委託契約(5年契約)の終了に伴う、業者の見直しを例に取ります。現行業者がA社、そこに割って入ろうとしている業者をS社、当該金融機関をV社とします。

では、サービスが必要な時期(新契約運用開始)から遡って考えていきます。

2019年1月1日:S社による運営開始(その前に)
2018年12月31日:現行業者A社の契約終了(その前に)
2018年11月1日:現行業者A社との引継ぎ開始(その前に・・・・という具合です)
2018年10月1日~:契約締結、スタッフ編成、協力会社への連絡
2018年9月30日:受注
2018年8月1日:価格交渉
2018年7月13日:提案書提出
2018年6月15日:協力会社と打ち合わせ
2018年5月18日:協力会社へ見積依頼
2018年5月11日:現地調査結果の整理・検討、見積もり・必要書類作成開始
2018年4月29日・30日:現地調査
2018年4月10日:RFP検討・必要書類の洗い出し
2018年4月1日:RFP(Request For Proposal)をV社から入手
2018年3月23日:参加表明
2018年3月16日:顧客V社と打ち合わせ(案件内容・スケジュール把握)
2018年3月9日:顧客V社から打診

この営業ステップに時系列に書き直したものが下図です。





記入してみるとゴールまでの具体的な道筋が見えてきます。

S社の営業とV金融機関の担当者は面識があり、当該案件に関してはV社から打診がありました。既知の顧客ではない場合は、顧客からRFPの対象業者として声を掛けられるようになるように顧客との関係構築が必要な場合であり、その場合は上記のステップ1の前に更に長い関係構築のステップが追加になります。なお、公募による入札の場合は、入札条件に合致すれば応募は可能です。

節目、節目に顧客や協力会社との打ち合わせがあることが分かります。この打ち合わせを能動的に行い、成功させるための方法は「会議設計」で改めて触れることにします。

価格交渉をどの程度の期間で終わらせられるかは、顧客との関係や営業の経験・スキルに依存します。また、サービスごとの価格に関しても、どこまで無理が効くかなど営業として知識・経験が必要になります。

この営業ステップは、進捗とともに随時見直します。顧客のスケジュールの変更、顧客の組織変更など、受注まで時間のかかるコンプレックスセールスでは、変更が当たり前と考えた方がよいでしょう。

今、お持ちの案件ごとに、営業ステップを書いてみましょう。そのステップを一つ一つ進めていけば、必ず受注につながります。まだ、具体的な案件がない新規顧客開発のような場合でも、営業ステップを書くことにより、戦略が練りやすくなり、やるべきことが見えてきます。

営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。

『理詰めの営業』を活用して、各営業ステップで、顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを一つ一つ確実に進めていきましょう。

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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - その体系図とサービス業への適用

2020-10-03 18:28:58 | 『理詰めの営業』分析ツール
営業活動は「顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること」です。

各購買段階での顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを進めるツールが『理詰めの営業』です。

『理詰めの営業』は、営業ステップ(営業プロセス)マネジメント・ツールです。「営業ステップを定義」し、「顧客基礎情報分析」、「問題・課題・ニーズ分析」、「関係顧客分析」、「競合分析」、「自社分析」の5つの分析ツールと「会議設計」ツールを使い、営業ステップを進め、顧客を自社に誘導する戦略・戦術を考えます。

特に、節目、節目で重要となるのが、顧客との会議です。会議こそ上記の戦略・戦術を実現する場です。この会議を有効に活用するためのツールが「会議設計」です。



では、次回からこれらの分析ツールを使ったサービス業である「ビル管理業」への適応事例を紹介します。

そこで、今回、簡単に「ビル管理業」に触れておきます。

ビル管理業はだれにでも身近な存在で分かりやすい業界です。「そうはいってもうちはビル管理業ではないし、顧客も違うし・・・」と思われるかもしれませんが、ビル管理業は多くの方にとって本当に身近な存在です。身近すぎて気づかないだけです。

例えば、私が支援しているある外資系証券会社の場合、その会社は大手町のとあるビルの11階にあります。

その会社の社員が朝、出社すると・・・
会社のあるビルの周りはきれいに掃除がされていてごみ一つありません(清掃管理業務)。入り口のガラスのドアはピカピカ(清掃管理業務)。ドアが故障したのは見たことがない(設備管理業務)。受付けが笑顔で迎えてくれます(管理サービス業務)。ビルのセキュリティカード―でゲートを入り(警備・防災業務)、エレベータ乗り場へ。エレベータは定期的に点検されています(設備管理業務)。11階のフロアで降りて、会社のセキュリティカードで入室(警備・防災業務)。昨日あったゴミ箱のごみは空(清掃管理業務)。机のうえにホコリはなし(清掃管理業務)。空調もいい具合に効いています(設備管理業務)

といった具合に、ビル管理の様々な業務は身近な存在です。

「なんだそういうことか」と思われたのではないでしょうか。

この業界については必要に応じて事例の中で更に説明していきますが、大きなビルを一棟まるごと管理する契約は、数十億円の契約金額になります。清掃業務だけでも億単位です。立派なコンプレックスセールスの対象となる業界なのです。

この業界についてもっと知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。

公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会

公益社団法人 東京ビルメンテナンス協会

一連の『理詰めの営業』の分析ツールを使った適用事例の学習が終わる頃には、ビル管理業の営業になりたい、なれる、なってしまった、なんていうレベルになっていることでしょう。

では、また次回。

#豊洲のビル街


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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - そのコンセプト

2020-09-26 23:35:48 | 理詰めの営業(バリューセリング)全般
このブログで過去に紹介してきた『理詰めの営業』の適用事例はすべて生産財でした。それは私自身が生産財メーカーの出身で、他の業種での経験がなかったためです。今回はその後実績を積んできたサービス業での適用事例を紹介します。

ここで改めて『理詰めの営業』とはどのようなコンセプトで開発したものかを説明します。

『理詰めの営業』は、コンプレックスセールスを成功に導く手法です。また、少額でシンプルな営業ではなく、高額で複雑な案件に対応できる営業プロフェッショナルを育成します。そして、営業としてのシンになる考え方・アプローチの方法を確立します。

コンプレックスセールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談で、
・顧客の課題把握、解決策の紹介から受注に至るまで長期間複数の商談を行う必要があり、
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定が必要とされ、
・意思決定は商談の場以外のところで行われる営業です。

・また、受注から納品・引き渡しまでに時間がかかり、
・その後もフォローが必要な案件でもあります。

例えば、プラント建設やITシステムの導入、生産設備の購入、オートメーションの導入、ビル管理業者の選定、不動産の購入、大規模な移転などは好事例でしょう。『理詰めの営業』生産財の営業からサービス業の営業まで幅広く適用が可能です。

『理詰めの営業』が目指したのは、営業プロセスの標準化やマニュアル化ではなく、顧客の動きや環境変化に対して動的に、柔軟に対応するためのツールの作成と営業を論理的に行う方法の開発でした。

論理的に営業のステップを受注に向かって一歩一歩進める営業の方法論を『理詰めの営業』としてまとめました。もちろん、具体的な営業ステップの詳細は、会社によって異なります。

この営業の方法論は、もともとは価格競争の土俵に上がるのを避け、付加価値を売るという意味で『バリューセリング』という名前を使っていましたが、顧問先の社長から「将棋や囲碁のように論理的に、一手先、二手先を考えて営業をする手法だね」と言われ『理詰めの営業』という名前に変えました。

どのような営業でも努力は必要です。大事なことは、どの点に絞って努力するかです。その指針を与えてくれるのが『理詰めの営業』です。

営業が案件の中身を積極的に開示し、適切なアドバイスや社内の協力を得て、営業ステップを進めることにより、受注の確立が高まり、インセンティブやスポットボーナスをもらえる可能性も増加します。

平成24年度中小企業経営診断シンポジウムにおいて、この『理詰めの営業』の活用事例「匠な工場から巧みな営業へ~営業力強化による工場の町の経営革新~」が、日刊工業新聞社賞を受賞しております。



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Coffee Break:『Steve Jobs』- 共食いを恐れるな

2020-09-20 18:55:22 | コラム
伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)の続きです。

iPod & iTunes、何故、ウォークマンで世界を席巻したソニーは、この仕組みを作れなかったのか。

ハードディスク業界にいた私は、ソニーが似たような構想を持っていたことを知っています。

しかし、何回打合せしても前に進まない意思決定ができない会社との印象を持ったことも覚えています。

ソニーには、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ販売を統合するというジョブズの戦略に対抗するために必要なものはすべてそろっていました。

何よりもウォークマンとうい強力なブランドを持っていました。

構想が実現できなかった理由の一つは、部門ごとの独立採算性にあったと言われています。

そのような組織だと各部門の利害がからまり、部門間が連携して相乗効果を生むのは大変困難です。

一方、アップルはカリスマのジョブズがすべてをコントロール、会社全体で損益を考えます。

もう一つの失敗の原因は、ソニーが共食いを心配したこと。

デジタル化した楽曲を簡単に共有できる音楽プレーヤーとサービスを提供すると、自社のレコード部門の売り上げが減ってしまうと心配したのです。

一方、ジョブズは、「共食いを恐れるな」を基本原則にしています。

「自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけ」

だから、アップルはiPhoneを出せばiPodの売り上げが落ちるかもしれない、iPadを出せばノートブックの売り上げが落ちるかもしれないと思っても、ためらわずに突き進みます。

ソニーは、遅ればせながらソニーコネクトという類似のサービスを開始しましたが、3年強で撤退。部門間の抗争が原因と言われています。

「食われる前に食う」。コンピュータの歴史をみても分かりことですが、なかなか「自分で自分を食う」決断はできない、まさに、『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)」です。





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Coffee Break: 『Steve Jobs』- 歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ

2020-09-12 23:56:22 | コラム
伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)の続きです。

マーケティングの基本の一つは、顧客のニーズの把握です。市場調査を行い、顧客が何を望んで探ります。

しかし、最近は、市場調査ではニーズが把握できなくなり、顧客本人でさえも何を望んでいるのか分からないと言われています。

では、伝記「スティーブ・ジョブズ」から一節。

「『顧客が望むものモノを提供しろ』という人もいる。僕の考えは違う。

顧客が今後、何を望むようになるのか、それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。

ヘンリー・フォードも似たようなことを言ったらしい。『なにが欲しいかと顧客に尋ねたら、足の速い馬といわれたはずだ』って。

欲しいモノを見せてあげなければ、みんな、それが欲しいなんてわからないんだ。

だから僕は市場調査に頼らない。

歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ

「文系と理系の交差点」「人文科学と自然科学の」の交差点が好きというスティーブならではの境地ではないでしょうか。



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Coffee Break:『Steve Jobs』- 営業が会社を動かすようになると・・・・・

2020-09-06 19:19:24 | 『理詰めの営業』分析ツール
最後にシリコンバレーに足を運んだのは、昨年の春でした。まさか、新型コロナで行かれなくなるなんて。

前回まではシリコンバレーの投資家ピーター・ティールの著書『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』から「営業のあり方」を学びました。

続けて伝記『Steve Jobs』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)から、あのスティーブ・ジョブズが営業をどう考えていたのか探ります。

改めて、スティーブ・ジョブズの実績ついて説明する必要はないでしょう。

この伝記を読むとシリコンバレーの光景が自然と目に浮かびます。
また、スティーブの「文系と理系の交差点」「人文科学と自然科学の」の交差点が好きという点にも大いに共感を持ちました。

営業については最後の章で触れています。

「IBMやマイクロソフトのような会社が下り坂に入ったのはなぜか、僕なりに思う理由がある。
いい仕事をした会社がイノベーションを生み出し、ある分野では独占かそれに近い状態になると、
製品の質の重要性が下がってしまう。その代わりに重く用いられるのが"すごい営業"だ。

売り上げメーターの針を動かせるのが製品エンジニアやデザイナーではなく、営業になるからだ。その結果、営業畑の人が会社を動かすようになる。

IBMのジョン・エーカーズは頭が良くて口がうまい一流の営業マンだけど、製品についてはなにも知らない。同じことがゼロックスにも起きた。

営業畑の人間が会社を動かすようになると製品畑の人間は重視されなくなり、その多くは嫌になってしまう。・・・・・」


スティーブ・ジョブズは、「文系と理系の交差点」に立つ人なので、製品開発と営業の両方で卓越した結果を残せたのかと思います。
特に彼のトップセールスは、見事。(部下には絶対になりたくはありませんが)

スティーブ・ジョブスほどでないにしても、生産財の営業は、製品やサービスを十分に理解し、技術的な課題について顧客と会話ができるようになりたいものです。

さて、どのような人が会社の社長になるべきなのでしょうか。

社内の権力争いの結果として頭角を現す社長ではなく、会社の経営課題解決に適した社長であるべきです。
それは、技術畑でも営業畑でも課題を解決できるのならどちらでもよいはずです。

私がQuantum社にいたころ(当時、一番の顧客はアップルでした)、
米国の社長(この人もスティーブ)は六本木の居酒屋で「会社を更に大きくするためには5千人の社員のいる会社を経営できる人が必要。俺はその人を見つけたら退職する」と言い、
翌年、後任の社長を自ら採用し、社を去りました。(このスティーブはスタートアップから2千人くらいの会社を作るのが好きなのであって、大会社を経営するのが夢ではないのだそうです。)

ダウンサイジングでIBMの業績が悪くなったとき、ナビスコにいたルイス・ガースナーがCEOになり、構造改革を行いました。
技術に強くないガースナーは、技術スタッフを「各事業部からではなく」、外部から集め、事業部からの影響を排除して改革を進めたそうです。
流石です。事業部とひも付きのスタッフでは、改革はできなかったでしょう。

最適な社長(リーダー)が選ばれる会社としての仕組みが必要ですね。さて、誰がその仕組みを作るのか?



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Coffee Break:『ZERO TO ONE』- 営業力の装備が成功の絶対条件!!

2020-08-31 10:42:57 | 『理詰めの営業』分析ツール
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

前回はコンプレックス・セールスについて述べたが、もっと価格の安い商品のセールスについてもピーター・ティールは語っています。

「個人セールス。・・・・・ほとんどのビジネスは、コンプレックス・セールスに適さない。
一件当たりの平均販売額が一万ドルから十万ドル程度なら、CEOがすべてを自分で売り込む必要はない。
そうしたセールスの課題は、特定案件をどう売り込むかではなく、適正規模の営業チームを使って幅広い顧客層に商品を売り込むプロセスをどう確立するかだ。」


(何となく日本語訳が今一。今度、原文で読んでみよう。11章だけ!?)

「もっと価格の安い商品のセールス」とはいうものの、販売価格が約100万円から1000万円。家庭用品雑貨や家電製品ではなく、車のセールスといったところでしょうか。

さて、「理詰めの営業」は、コンプレックス・セールスをターゲットにした営業手法なので、個人相手のセールスには適しません。
しかし、営業プロセスをマネージする、関係顧客を分析する、といったことには役立ちます。
もっとも個人相手の場合、関係顧客は本人、配偶者およびその他の家族くらいになりますが。

さて、ピーター・ティールは、この章の最後で以下のように述べています。

「誰もが売り込んでいる。・・・・
おたくたちは、販売のことなんて考えたくもないし、営業マンをほかの惑星に追放できればいいのにと願っていることだろう。
僕たちはみんな、自分は何者にも影響されずに判断し、営業に惑わされることはないと思いたがる。でも、それは間違いだ。
誰もが売り込みに影響される。」


エンジニア(おたく)は営業が嫌いです。私もそうでした。営業のように口が立つエンジニアも嫌いでした。

でも今は自分も営業です。口で勝負というよりじっくり戦略を練って攻める営業です。なんせ、コンプレックス・セールスは長丁場ですから、急ぐ必要はありません。

本当にすごい営業は、顧客に自分の口で(こちらが提供するリューション)を語らせる営業です。

いいもの作っても営業がいないと売れません。

スタートアップの企業といえども、スタートアップの企業だからこそ営業力が必要です。

自社の製品やサービスに適した営業戦略を立案し、営業力を装備することが成功の絶対条件です。



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Coffee Break:『ZERO TO ONE』- コンプレックス・セールスに営業はいらない!!

2020-08-23 00:50:37 | コラム
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

コンプレックス・セールスは『理詰めの営業』の主要な適用領域です。

コンプレックス・セールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談で、
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注に至るまで長期間複数の商談を行う必要があり、
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定が必要とされ、
・意思決定は商談の場以外のところで行われる営業です。

という特徴のある営業です。

例えば、プラント建設やITシステム導入、生産設備の購入、ビル設備管理、不動産の購入、大規模な移転などは好事例でしょう。

では、コンプレックス・セールスは、この本でどのように取り上げられているでしょうか。

「コンプレックス・セールス。・・・・・すべての案件について隅々まで念入りに一対一の注意を払わねばならない。

顧客と良い関係を築くのに何か月もかかることもある。

売込みに成功するのは一年か二年に一度だろう。

販売が終わっても設置やサービスなど、長期間にわたってアフターケアを行なわねばならない。

骨の折れる仕事だけれど、高額商品を売るには、こうしたコンプレックス・セールスを行なうしかない。
・・・・・
コンプレックス・セールスは、営業マンがいない方がうまくいく。

・・・高額案件になると、買い手は営業部門の副社長ではなくCEOと話したがるものだ。」


「営業マンがいない方がうまくいく」は言い過ぎだと思いますが、
(顧客に語らせずに自分だけがしゃべる営業マンがいて「いない方がいい」と思ったことがありますが)
コンプレックス・セールスを成功させるには、営業マンの個人的な顧客との関係だけではなく、
事業部長レベル、トップマネジメントレベルといった会社のあらゆる階層での良好な関係の構築が必要です。
トップレベルのマネジメントこそ営業的なセンスを磨き、顧客と強固な関係を構築できるようにする必要があります。


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Coffee Break:『ZERO TO ONE』- 「あの会社の営業は一味違う」と顧客に言わせる営業

2020-08-16 11:41:20 | コラム
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本ですが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

「どう売るか。・・・・・

差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。

製品がどれほど優れていても、たとえそれが従来の習慣に合うもので、一度、利用すれば気に入るような製品だとしても、強力な販売戦略の支えが必要になる。」


どんなに優れた製品でも営業戦略を間違えるとNo.1にはなれなません。

映画『陽はまた昇る』や『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』(NHK)でも取り上げられた家庭用ビデオレコーダーの規格争い、『VHSとベータマックスのデファクトスタンダード戦争』は、その事例の代表です。玄人筋には好評で技術的にも優れていたとされるソーニーのベータマックス。それと対抗した日本ビクターや松下電器産業(現、パナソニック)。結果はVHSの勝利。勝因の一つが営業戦略にあるとされています。

稲盛和夫の著書「アメーバ経営」の中に、以下のような件があります。

技術的な優位性というのは、永遠不変ではない。だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的にさほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切である。つまり、誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである。

家庭用ビデオレコーダー開発の時代は、まだ、ハード的な差別化が可能でした。
しかし、最近はハード面での技術革新が少なくなり、差別化のポイントの少ない製品や目に見えない差別化の製品・サービス(例えば、ITシステム構築、販路の差別化など)の営業が求められています。

技術革新のような圧倒的な強みにはなりませんが、「あの会社の営業は一味違う」と顧客に言わせるような、営業自体が差別化要因になるような競合他社にはない営業の戦略的な育成・強化が重要です。

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Coffee Break:『ZERO TO ONE』- 一流の営業はいつのまにか顧客に語らせる

2020-08-10 00:02:03 | コラム
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)の続きです。

一流の営業はそれとわからない。・・・・・

営業マンはみな役者だ。彼らの仕事は売込みであって、誠実であることではない。セールスマンという呼び名が中傷にもなるのはそのせいである。でも僕たちがネガティブな反応を示すのは、ぎこちないあからさまな売込み、つまり優秀じゃないセールスに対してだ。

一口に営業と言っても能力はピンからキリまでだ。・・・・・セールスの超達人もいる。超のつく達人を知らないとすれば、それはまだ出会っていないからではなく、目の前にいながら気付いていないからだ。・・・演技と同じで、売込みだとわからないのが一流のセールスだ。・・・・・

どんな仕事でも、営業能力がスーパースターと落ちこぼれをはっきり分ける。ウォール街では新卒は数字をはじくアナリストからスタートするけれど、最終目標はディールメーカー(M&Aにおける仕掛人や主要プレーヤーで営業能力は必須)になることだ。・・・・・法律事務所のリーダーは大手クライアントを獲得できるレインメーカーだ。・・・・・・

エンジニアの究極の目標は、何もしなくても売れるようなすごいプロダクトを作ることだ。でも現実のプロダクトについてそうだという人がいたら、うそになる。・・・・・何か新しいものを発明しても、それを効果的に販売する方法を創り出せなければ、いいビジネスにはならない。それがどんなにいいプロダクトとだとしても。」

『理詰めの営業』で説いているように、顧客があたかも自分で考えたように、顧客の口で「必要なソリューション」を語らせている営業。それが一流の営業でしょう。


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Coffee Break:『ZERO TO ONE』- 営業なんていらねえよ。

2020-08-02 23:44:18 | コラム
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、先週、述べたように営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

以下は、その件(くだり)です。
「シリコンバレーのおたくたちは、広告やマーケティングやセールスに懐疑的だ。
というのも、それが薄っぺらで不合理に見えるからだ。・・・・・・
エンジニアの領域では、ソリューションは成功するか、失敗するかのどちらかしかない。
仕事の評価も同じように簡単で、見栄えは対して重要じゃない。

セールスはその反対で、本質を変えずに見栄えを変えるための組織的なキャンペーンだ。
(広告については、「すぐにモノを買わせるためにあるわけではなく、後に売り上げに繋がるように巧妙な印象を刷り込むもの」としています)

エンジニアにとってそれはくだらないことだし、基本的に不正直だとさえ思っている。・・・・・
科学やエンジニアリングは見るからに難しそうなので、人はそれを実際以上に過大評価している。

だけど、セールスを簡単に見せるのがどれほど大変かを、おたくたちは理解していない。」


生産財の営業には、技術的な知識やエンジニアとの協業が必須です。もしあなたの会社のエンジニアが上記のような考えだったら、営業活動は旨くいきませんね。

もとIBMのハードディスクの開発エンジニアであった私にはエンジニアの考え方・気持ちは分かります。

しかし、営業もエンジニアの仕事に劣らず創造的な仕事です。

『理詰めの営業』で説いているように、顧客があたかも自分で考えたように、顧客の口から「そのソリューションが必要だ」と語らせるには、創造力と戦術が必要です。
いくら良いと思うものを作っても、顧客が必要と思わない限り売れないのです。



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Coffee Break:『ZERO TO ONE』‐ ピーター・ティールって?

2020-07-25 23:31:33 | コラム
国内旅行に行くのもはばかれるこの連休、古い本を取り出して読み返してみました。その一つが、2015年ビジネス賞大賞を受賞した『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著、滝本哲史日本語版序文、関美和訳、NHK出版)。

前回は著者の経歴を十分に知らずに読んだが、改めて著者の略歴を調べて読むと一段と興味が膨らみます。

(以下、ウイキの要約)
ティールはスタンフォード・ロー・スクールを1992年に卒業後、合衆国控訴裁判所で法務事務官として働く。1年後、合衆国最高裁判所の法務事務官となるために面接を受けたが、不採用となる。その後、ニューヨークに移り、法律事務所サリヴァン&クロムウェルの証券弁護士として働くが、7ヶ月で離職する。そしてクレディ・スイスの通貨オプショントレーダーとして働いた。その傍ら、元教育長官ウィリアム・ベネットのスピーチ・ライターを務めた。

1996年にベイエリアに戻り、インターネットとパソコンが急速に発展し、経済を変化させていることに気付く。そして友人や家族から100万ドルの資金を調達し、ティール・キャピタル・マネジメントを設立。ベンチャーキャピタリストとしてのキャリアをスタート。発足当初に友人ルーク・ノゼックのプロジェクトに10万ドルの投資をしたが失敗。しかし、1998年、そのノゼックの友人であるマックス・レヴチンと共にコンフィニティ(Confinity)を創業。

1999年、コンフィニティが電子決済サービスPayPalを立ち上げる。2002年2月に新規株式公開(IPO)したPayPalを、その年の10月に15億ドルでeBayに売却。ティールが保有していた3.7%の株式は買収時に5500万ドルの価値となった。

その後、ベンチャーに投資する会社を設立。Facebook初の外部投資家となったほか、
航空宇宙、人工知能、エネルギーといったさまざまな分野に革新的な提案をする新しい企業に投資を続けています。

ちなみに、ティールをはじめとするPayPalの創業メンバーは、現在も投資家として活躍し、YouTube、テスラモーターズ、LinkedIn、スペースXといった価値あるベンチャー企業をいくつも起ち上げています。IT業界に大きな影響力を持つ彼らは「PayPalマフィア」と呼ばれており、ティールは、その「PayPalマフィア」の中心的な存在です。

この本はスタートアップを目指す人々を勇気づける本ですが、スタートアップ企業における営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

「営業は誰もが行っていることなのに、ほとんどの人はその大切さが充分にわかっていない。・・・・

商品のセールスに必要なことを十把一絡げに販売と呼んでいるけれど、その重要性を僕たちは軽んじている。・・・・

営業マンやそのほかの「仲介者」は邪魔な存在で、いい製品を作れば魔法のように販路が開かれると勘違いしている。

特にシリコンバレーでは『フィールド・オブ・ドリームス』的な発想(「それを作れば、みんなやってくる」)が一般的で、エンジニアは売ることよりもクールなものを作ることしか考えていない。

でも、ただ作るだけでは買い手はやってこない。

売ろうとしなければ売れないし、それは見かけよりも難しい。」

スタートアップこそ営業が大事。


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Coffee Break:『「本物の営業マン」の話をしよう』- 一読発見・再読納得

2020-07-18 15:54:07 | コラム
営業関連の本『「本物の営業マン」の話をしよう』(PHPビジネス新書:佐々木常夫著)を再読してみました。



著者の佐々木氏は、根っからの営業ではなく東レにて経営企画などのスタッフ業務に主に従事し、営業経験は42歳からの2年間ほどで、しかも生産財の営業とのことです。

佐々木氏は冒頭で「営業というのはその事業に関する会社の司令塔でありその事業の損益のあらゆる責任を持つ仕事である」と考えを述べています。

すなわち、営業は単に物やサービスを売るのではなく、継続的に事業を営むという利益責任を伴うとしています。

新しい商品を開発部門に作ってもらうことも、また、生産部門に適切な品質やコストを確保してもらうことも大事な営業の仕事であり、特に生産財の営業にはこのような機能がMUSTとしています。

これはマーケティングの機能ですが、日本の生産財メーカーでは営業にこの機能を持たせているということで欧米の企業とは大きく異なります。

マーケティングは別組織にすべきという私とは見解を異にします。

しかし、佐々木氏は「マーケティングとは小手先のスキル、技法ではない」とマーケティングの難しさ・専門性を分かった上で、営業にその機能を持たせているようです。

顧客対応力として顧客の分析、個人としての目標の把握など「理詰めの営業」の「関係顧客分析」の項目の一部についても触れています。

PHPブックフェアの帯「一読発見・再読納得」も気に入りました。

さて、「本物の営業マン」とは?

根っからの営業ではないが、営業が好きという人あるいは私のように元エンジニアの営業にはお勧めの本です。


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契約は始まりに過ぎない - 「顧客リレーションシップ」マネージメント成功のキー

2020-07-13 18:25:33 | 理詰めの営業(バリューセリング)全般
「売ってさよなら」の「ない」、「できない」コンプレックスセールス。もう一度、その定義を確認してみましょう。

このコンプレックスセールスとは、以下の特徴を持つ営業です。

・高額の商談や技術的に複雑な商談
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注、受注から納品に至るまで長期間、複数の商談が必要
・納品後のフォローも重要
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定
・意思決定は商談の場以外のところ

受注までは「理詰めの営業」を活用し、戦略的に行動しても、一旦、注文書を受け取ると営業の気持ちは別のところに行ってしまうことがあります。営業と顧客の間の同床異夢の始まりです。

では、受注後も緊張感を維持するにはどうしたらよいでしょうか。

コンプレックスセールスの特徴を理解し、「契約は始まりにすぎない」ことを認識し、『理詰めの営業』を活用して案件を定期的に振り返ります。そのとき顧客の微妙な変化を敏感に感じ取り、自社が解決すべき自社自身の課題と自社の利益になるチャンスを察知します。

また、顧客との依存関係が望ましい状況か、顧客はどう思っているか、買い手の心理に配慮できているか、等をベースに自社の顧客リレーションシップの現状を振り返ります。

グループ営業の場合、あるいは、長期に亘る案件の場合、売上だけではなく顧客とのリレーションシップ構築の「強度」で、グループあるいは個人を評価することも必要です。

気づき、振り返り、顧客リレーションシップの強度から経営資源の割り当てを行い、顧客リレーションシップを良好にするためのコミュニケーションの確立と顧客とのコミュニケーションの習慣化が大事になります。

これにより有意義な顧客とのコンタクトが行われ、顧客リレーションシップという無形資産の増加を図ることができます。

さて、このような「顧客リレーションシップ」マネージメントをCRMシステムやSFAで後押しすることはできるでしょうか。今のところ、私は有効なシステムを見つけ出せていません。読者の中で、適切なシステムをご存知な方がおられましたら、是非、コメントをお寄せいただければと思います。

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Tea Break: グローバルな営業が陥る罠(わな)

2020-07-04 17:33:33 | コラム
Aさんから「さいとうさん、今、山田さんからメールが来たけどこれ分かる?」とチャットあり。Aさんは来たメールにすぐに回答しないと落ち着かない性質(たち)なのだそうです。Outlookをオンにしておくとメールが来るたびにディスプレの右下にメール到着が数秒表示されます。Aさん、それにすぐ反応するようです。

朝、出社して最初にチェックするのは、メール。いやもっとすごい人は、朝、トイレの中、携帯でメールをチェック。通勤の電車の中でチェック。仕事中は勿論ですが、帰宅後も夕食後にチェック、寝る前にワインを飲みながらチェック、と寝るまでメールのチェックを行い続ける人もいます。

電話であれば帰宅後の時間、ましてや寝ているかもしれない時間にかけることありません。しかし、メールは時間を選びません。書く人の都合でいつでも送信できます。すぐに回答をしてくれるとは期待していなくても、すぐに回答が来れば仕事がはかどりますし、書く方はメールを出したことにより仕事の区切りがつきます。場合によっては、それが達成感になります。また、すぐに回答した人の信頼度と評価は上がります。「やっぱりアイツはいい」と。

グローバル企業では、日本の勤務時間が終わっても、東南アジアの国の社員が働いており、続いて、中近東、ヨーロッパや米国の社員が働き始めます。そしてまた日本の朝がやってきます。例えば、一つのソフトウェアの開発をグローバルにチームを組んで行えば、24時間休みなく開発が続けられます。これが、グローバル企業の強みと昔聞きました。

インターネットが普及し、会社はもちろん、出張先のホテルなど、どこでも使用できるようになりました。もちろん、自宅でも。我が家も2002年にはLANを引いていました。

さらに、スマホの普及によりメールやWeb会議、PowerPointなどの資料の閲覧が容易になり、パソコンがなくても会社の情報にいつでもどこでもアクセスできるようになりました。

まさに、いつでも、どこでも、24時間常時接続です。この状態に人間の方が慣らされてしまい、メールに常に反応する人間、すなわち、「常時接続人間」になっています。冒頭のAさんもその予備軍でしょう。

メールによりコミュニケーションの速さが増し、情報量も増えました。頻繁にメールをチェックし、回答。それが、社内や顧客から評価されます。逆になんらかの原因でメールがチェックできないと不安になり強いストレスを感じてしまう、そういう「常時接続人間」になってしまうのはいかがなものでしょうか。特に、グローバルビジネスに携わっていると、この罠に陥る可能性が高くなります。

「常時接続人間」になると、長時間集中して物事に取り組めなくなります。例えば、スキルアップのための勉強。次のステップを目指してやらなければならないことを実行できず、会社のために消耗してしまう、気が付いた時には「終わっています」。

そうならないためには、

「ご近所の評判」的な評価は気にせずに、長期的な視点から自分の人生を設計し、それに向かって邁進することです。


<伝送人間、ガス人間、液体人間そして「常時接続人間」 ちょっと遊びすぎかな>
  
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