法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『ZERO TO ONE』(3)- 一流の営業はいつのまにか顧客に語らせる

2024-01-27 22:40:09 | ・・ピーター・ティールの営業
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)の続きです。

一流の営業はそれとわからない。・・・・・

営業マンはみな役者だ。彼らの仕事は売込みであって、誠実であることではない。セールスマンという呼び名が中傷にもなるのはそのせいである。でも僕たちがネガティブな反応を示すのは、ぎこちないあからさまな売込み、つまり優秀じゃないセールスに対してだ。

一口に営業と言っても能力はピンからキリまでだ。・・・・・セールスの超達人もいる。超のつく達人を知らないとすれば、それはまだ出会っていないからではなく、目の前にいながら気付いていないからだ。・・・演技と同じで、売込みだとわからないのが一流のセールスだ。・・・・・

どんな仕事でも、営業能力がスーパースターと落ちこぼれをはっきり分ける。ウォール街では新卒は数字をはじくアナリストからスタートするけれど、最終目標はディールメーカー(M&Aにおける仕掛人や主要プレーヤーで営業能力は必須)になることだ。・・・・・法律事務所のリーダーは大手クライアントを獲得できるレインメーカーだ。・・・・・・

エンジニアの究極の目標は、何もしなくても売れるようなすごいプロダクトを作ることだ。でも現実のプロダクトについてそうだという人がいたら、うそになる。・・・・・何か新しいものを発明しても、それを効果的に販売する方法を創り出せなければ、いいビジネスにはならない。それがどんなにいいプロダクトとだとしても。」

『理詰めの営業』で説いているように、顧客があたかも自分で考えたように、顧客の口で「必要なソリューション」を語らせている営業。それが一流の営業でしょう。



営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


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『ZERO TO ONE』(2)- 営業なんていらねえよ。

2024-01-21 14:10:26 | ・・ピーター・ティールの営業


2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、先週、述べたように営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

以下は、その件(くだり)です。
「シリコンバレーのおたくたちは、広告やマーケティングやセールスに懐疑的だ。
というのも、それが薄っぺらで不合理に見えるからだ。・・・・・・
エンジニアの領域では、ソリューションは成功するか、失敗するかのどちらかしかない。
仕事の評価も同じように簡単で、見栄えは対して重要じゃない。

セールスはその反対で、本質を変えずに見栄えを変えるための組織的なキャンペーンだ。
(広告については、「すぐにモノを買わせるためにあるわけではなく、後に売り上げに繋がるように巧妙な印象を刷り込むもの」としています)

エンジニアにとってそれはくだらないことだし、基本的に不正直だとさえ思っている。・・・・・
科学やエンジニアリングは見るからに難しそうなので、人はそれを実際以上に過大評価している。

だけど、セールスを簡単に見せるのがどれほど大変かを、おたくたちは理解していない。」


生産財の営業には、技術的な知識やエンジニアとの協業が必須です。もしあなたの会社のエンジニアが上記のような考えだったら、営業活動は旨くいきませんね。

もとIBMのハードディスクの開発エンジニアであった私にはエンジニアの考え方・気持ちは分かります。

しかし、営業もエンジニアの仕事に劣らず創造的な仕事です。

『理詰めの営業』で説いているように、顧客があたかも自分で考えたように、顧客の口から「そのソリューションが必要だ」と語らせるには、創造力と戦術が必要です。

いくら良いと思うものを作っても、顧客が必要と思わない限り売れないのです。


営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


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『ZERO TO ONE』(1)‐ ピーター・ティールって?

2024-01-14 01:27:28 | ・・ピーター・ティールの営業
Coffee Break。最近、コーヒーミルも買って旨いコーヒーを飲んでリラックスする時間が楽しみになってきた。豆はフィリピンの「Barako Coffee」。

そんな時間を使って『イーロン・マスク』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、文藝春秋)を読んでいたらピーター・ティールの名前が出てきた。

ピーターはイーロンと一緒に仕事をし、喧嘩することもあったよが、資金面では支えたりもしたようだ。

以下、ピーター・ティールの『ZERO TO ONE』の再掲。



ネット上に膨大な情報があるにも関わらず情報の選別に疲れたのか、最近、古い本を取り出して読み返しています。その一つが、2015年ビジネス賞大賞を受賞した『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)』(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著、滝本哲史日本語版序文、関美和訳、NHK出版)。

前回は著者の経歴を十分に知らずに読んだが、改めて著者の略歴を調べて読むと一段と興味が膨らみます。

(以下、ウイキの要約)
ティールはスタンフォード・ロー・スクールを1992年に卒業後、合衆国控訴裁判所で法務事務官として働く。1年後、合衆国最高裁判所の法務事務官となるために面接を受けたが、不採用となる。その後、ニューヨークに移り、法律事務所サリヴァン&クロムウェルの証券弁護士として働くが、7ヶ月で離職する。そしてクレディ・スイスの通貨オプショントレーダーとして働いた。その傍ら、元教育長官ウィリアム・ベネットのスピーチ・ライターを務めた。

1996年にベイエリアに戻り、インターネットとパソコンが急速に発展し、経済を変化させていることに気付く。そして友人や家族から100万ドルの資金を調達し、ティール・キャピタル・マネジメントを設立。ベンチャーキャピタリストとしてのキャリアをスタート。発足当初に友人ルーク・ノゼックのプロジェクトに10万ドルの投資をしたが失敗。しかし、1998年、そのノゼックの友人であるマックス・レヴチンと共にコンフィニティ(Confinity)を創業。

1999年、コンフィニティが電子決済サービスPayPalを立ち上げる。2002年2月に新規株式公開(IPO)したPayPalを、その年の10月に15億ドルでeBayに売却。ティールが保有していた3.7%の株式は買収時に5500万ドルの価値となった。

その後、ベンチャーに投資する会社を設立。Facebook初の外部投資家となったほか、航空宇宙、人工知能、エネルギーといったさまざまな分野に革新的な提案をする新しい企業に投資を続けています。

ちなみに、ティールをはじめとするPayPalの創業メンバーは、現在も投資家として活躍し、YouTube、テスラモーターズ、LinkedIn、スペースXといった価値あるベンチャー企業をいくつも起ち上げています。IT業界に大きな影響力を持つ彼らは「PayPalマフィア」と呼ばれており、ティールは、その「PayPalマフィア」の中心的な存在です。

この本はスタートアップを目指す人々を勇気づける本ですが、スタートアップ企業における営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

「営業は誰もが行っていることなのに、ほとんどの人はその大切さが充分にわかっていない。・・・・

商品のセールスに必要なことを十把一絡げに販売と呼んでいるけれど、その重要性を僕たちは軽んじている。・・・・

営業マンやそのほかの「仲介者」は邪魔な存在で、いい製品を作れば魔法のように販路が開かれると勘違いしている。

特にシリコンバレーでは『フィールド・オブ・ドリームス』的な発想(「それを作れば、みんなやってくる」)が一般的で、エンジニアは売ることよりもクールなものを作ることしか考えていない。

でも、ただ作るだけでは買い手はやってこない。

売ろうとしなければ売れないし、それは見かけよりも難しい。」

スタートアップこそ営業が大事。



営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>

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会議設計 - 営業以外の日常業務に活かす(7) - 自社のポジションを探る

2024-01-08 17:27:33 | 会議設計
ここでは「日常業務にどう会議設計を活かすか」をお話していますが *****以下の文章は。以前ご紹介したコンプレックス営業を対象にした会議設計の記事です。

会議設計のコンセプトを営業以外の日常業務に活かす場合、「自社のポジションを探る」はどのようなことに相当するでしょうか。

対外的な話であれば、ビルのテナントとしての「自社」、あるシステムのユーザーとしての「自社」などが考えられますね。

テナントの場合、大家さんの収入に占める割合が高ければ強気の交渉が可能でしょう。

あるシステムのユーザーの場合も、大規模システムを借りていれば強気の交渉が可能と言えますが、他社のシステムに移行できず、現在の会社への依存度が大きくなってしまった場合は、逆の立場になりかねません。

日常業務を見渡して自社、自分の部署、あるいは、自分自身がどんなポジションにいるのか考えて見るのも面白いです。

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客先での自社の現時点のポジションを整理し、「良好」「問題あり」の判定を行います。

例えば、「キーパーソンと課題を共有できている」「過去の納入実績は他社の2倍」「サービスサポートについては高く評価されている」「財務的に安定(無借金経営)」などはプラスに評価できます。

一方、「前回の投資では失注している」「オペレーターが弊社のサービスエンジニアを嫌っている」などはマイナスに評価されます。会議の直近に起きた故障もマイナスです。私自身も、実際、顧客訪問の直前にシステムダウンが起き、新製品の売り込みに苦労したことがあります。

いずれにしても、「顧客基礎情報分析」「問題・課題・ニーズ分析」「関係顧客分析」「競合分析」「自社分析」から出てきた強み・弱み・課題を整理し、会議に影響のある項目を記入します。

その中で、営業ステップを前進させるために何をどうこの会議で活用し、何をどうリカバーするか検討します。すなわち、自社の強みを活用し、弱みをリカバーする方法を考えます。

例えば、サービスサポートを顧客が高く評価しているのであれば、プレゼンに自社のサービス体制や実績を加え、他社との差別化のポイントにします。
逆に前回の投資で失注しているのであれば、失注原因を明らかにしてそのリカバーができていることを明確にします。例えば、前回は他社にあって自社にない機能があったが今は十分に対応できるとプレゼンすることです。

今回の例であれば、納入実績はプラス要因ですが、「山形事業所でのトラブルによる装置の安定性への疑問」や「原宿部長が競合メーカーの高雄工業を高く評価」はマイナス要因となります。これらを踏まえて、どのように会議を設計するかを考えます。

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