法人営業に最適な「理詰めの営業」で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。自分のシンになる営業方法を確立し、自信に。特にコンプレックスセールスに最適。

理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 最大のゴールと最小のゴールを決める

2019-12-22 11:24:35 | 『理詰めの営業』分析ツール
私は、営業支援の一環として、営業に同行し、顧客を訪問します。そして、営業支援の初期段階では、営業に以下のような質問します。

私:来週の訪問の目的は
営業:新製品のデモへの勧誘です
私:誰がキーパーソンですか
営業:開発部の渋谷部長のようです
私:他には
営業:生産技術部の原宿部長だと聞いています
私:担当者には、決定権はないでしょうけど、影響力はないのですか
営業:担当の大崎さんは細かい人で、皆から嫌われているようです
私:来週の会議に出てくるのは誰ですか
営業:大崎さんにお願いして関係者を呼ぶようにお願いしてあります
私:・・・・・・・・     
   
さて、入社3年目の営業の稲田さん、会議の目的は、「新製品のデモへの勧誘」と明確ですが、キーパーソンが誰かは少々自信なさそうです。また、キーパーソンと思われる渋谷部長や原宿部長が会議に出席してくれるかどうかも不明確です。キーパーソンの招集を皆から嫌われている担当者任せで良いのでしょうか。

結構、あいまいなまま会議を行おうとしている、これが営業現場の実情です。もっとしっかり会議の準備をし、必ず営業ステップを前へ進めるようにしましょう。

では本題に入ります。

会議を行う場合は、先ずゴールを明確にしましょう。ゴールは、「情報を集める」、「顧客と良好な関係を築く」といった抽象的な目標では不十分です。もちろん、情報収集や顧客との関係構築は重要ですが、これらはすべての会議の基礎部分であたりまえのことです。より具体的で顧客のアクションを目標にすることが重要です。

『理詰めの営業』では、「次の営業ステップ」がゴールになります。先程の会話の例ように、次の営業ステップがデモを行うことであるなら、「いつ、どのように、デモを行うかを決定する」がゴールとなります。

また、『理詰めの営業』では、会議設計シートにあるように、「最大のゴール」と「最小のゴール」を決めることにしており、前記の場合であれば「デモの日程・内容を決定」が「最大のゴール」であり、「デモを行うことは決定。日程・デモ内容については次の会議に持ち越し」が「最小のゴール」となります。つまり、最低でもここまで営業プロセスを進めることを「最小のゴール」とします。

さて、できる営業は、会議のゴールを達成するまでのシナリオが頭の中にできています。次のステップは、そのシナリオ作成です。できるだけ、映画のようにイメージを頭の中に作っていきます。これにより問題点も見つけることができ、顧客からだけでなく自社からも出席してもらう必要がある役者も見えてきます。自分の案件で考えてみてください。

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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - ゴールを設定し、ゴールから逆算する

2019-12-15 20:02:26 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
会議設計ツールを紹介する前に、会議設計の考え方をお話しします。

まず、営業ステップ定義シートや以下の分析シートに記入し、会議の目的(ゴール)を設定します。これらの更新は、関係者が集まり意見を出し合いながら行います。営業自身で作成してもかまいませんが、関係者の間でこれらの情報を共有できていなければなりません。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

ゴールは、次の営業ステップへ進むこと、あるいは、特定のボトルネックになっている課題や問題の解決などになります。

営業はそのゴールを達成するためにはどうすべきか、会議のシナリオをゴールから逆算して考えます。

例えば、ゴールが「製品Aのデモを実施する」だとします。
そのためには、「意思決定者のMさんからデモ実施の同意を得る」
そのためには、「よし、デモして確認しよう」と顧客に言わせるための質問を準備
(質問については「質問設計」で詳述)
そのためには、「推定される生産量と歩留まりでの年間推定損失額の計算」
そのためには、「Mさんがもっとも心配している歩留まり改善の実現方法を説明」
そのためには、「Mさんに必ず出席してもらう」
そのためには、「Mさんに信頼されている部下のSさんから出席依頼」
そのためには、「・・・・・・・・・・・・・・・・」

といったように、ゴールから逆算して「シナリオ」を作ります。

また、シナリオができたら、会議の開始から終わりまでを頭の中でシュミレーションしてみます。たとえば、

Mさんが入室。初めて訪問する事業部長と名刺交換。最近の業界のトピックスなどをネタに雰囲気を和らげる。議題の説明。
歩留まり改善のプレゼン。デモの承認を得るための質問。承認。デモ実施の詳細検討。お礼。

といったことを映画のように頭の中にイメージします。

そのイメージを社内の関係者を集めて検討し、当日の顧客の出席者、社内からの出席者、議題、会議での質問内容等も含めて決めます。
つまり、営業の作成したシナリオを皆で検討し、更に詳細で良いシナリオに仕上げていきます。

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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 成功した会議とは

2019-12-08 11:53:47 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
営業ステップを進めるためには、会議を有効に活用することが必要です。そのための準備として会議の設計を行います。「理詰めの営業」では、会議の成功・不成功を以下のように捉えています。

「成功した会議」と言える会議の例は、以下のとおりです。
① 具体的な課題が判明:
競争が激しい業界ほど、情報のリークを恐れ、自社の抱えている課題を簡単には教えてくれません。信頼関係を築き、それを教えてもらえたら営業的には大きな前進です。具体的な課題が分かって初めて具体的なソリューションの検討・提供が可能になります。

② 詳細な投資計画を入手:
上場企業であればある程度の投資計画は入手できるかもしれません。しかし、具体的で詳細な投資計画となると難しい場合が多いものです。購買から見積り依頼が来てから競争に参加するのでは遅すぎます。投資計画をどこよりも早く知り、計画の早い段階からインサイドサプライヤーとして顧客を支援することが重要なのです。

③ 競合情報の入手:
その投資に絡んでくる競争相手の情報です。スポーツの試合と同じで相手のチームの研究は必須です。相手が分かれば対応策も立てられます。既存顧客であればある程度予想はつきますが、全くの新規顧客の場合は、慎重な調査が必要です。

以上の例ように、「成功した会議」は、「必要な情報や貴重な情報を入手できた会議」です。

さらに、次のような会議も「成功した会議」と言えます。

④ 工場までデモに来ていただく
顧客の担当者や上司が、費用と時間を掛けて工場までデモに来ることを会議で約束してくれれば、これは本気で購入を検討していることの証明になります。

⑤ デモ用のサンプルを提供していただく
デモ用のサンプル作成も顧客の費用と時間がかかることです。サンプルの提供も本気度の証明といえます。

⑥ 本社あるいは研究所を訪問していただく
これも④と同じで、顧客の費用と時間を使うもので、前向きなシグナルと考えられます。

⑦ 更に上位の意志決定者と面会の約束
提案を担当者に説明し、納得していただき、更にその上司への紹介の約束を取り付けることができれば、これも一歩前進です。

⑧ 予算の追加
顧客の課題を解決するためには今の予算では不足、追加の予算が必要とお願いしたところ了承していただいた場合です。価格の安い会社に流れるのではなく、ソリューションの内容を評価していただいた結果です。

⑨ 購入の決定
営業プロセスの最後の方以外ではめったにないことですが、購入の決定を聴ければ最高です。

このように、「具体的な顧客の行動や出費を伴う結果が出た会議」は、成功したと言えます。

逆に、失敗した会議とは、「すばらしいプレゼン」「よさそうな装置」などポジティブなコメントや「いつもアクションが早いね」等のお世辞はもらえたものの営業ステップが全く進んでいない場合が相当します。

小型の案件では、打ち合わせの場で受注あるいは不成立が明確になる場合が多いのですが、大型の案件の場合は、何回か打ち合わせを繰り返した結果、受注となるのが一般的です。このため、営業ステップを進めることができた会議は、成功した会議といえます。



「理詰めの営業」では、「次の営業ステップに進むことが確約できた」会議を成功した会議として、そのために会議を営業が能動的に、戦略的にプランします。
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理詰めの営業 / 会議設計:仕切る会議 - 会議は能動的に!

2019-12-01 00:35:48 | 『理詰めの営業』会議設計ツール
今回から、『理詰めの営業』を用いてコンプレックスセールスの営業ステップを進めるための重要な手段である顧客との会議の「仕切り方」を説明させていただきます。

ある営業のオフィスでの出来事です。

顧客のA社に新しいサービスの紹介に行った営業のサイトウ君が夕方会社に戻ってきました。
課長:「うれしそうだけど、今日の打合せは、どうだったの」
営業:「ご担当のBさんにお会いでき、面白そうなサービスだと言っていただきました」
課長:「それは良かったね。他には」
営業:「プレゼンもうまいねと褒められました」
課長:「じゃあ、軽く飲みに行くか」

この二人の会話をどう思いますか。

担当者と面会が出来て、新しいサービスの内容を上手に伝えられたようです。100点満点の営業でしょうか。

そもそもサイトウ君が顧客を訪問した目的とゴールは何だったのでしょうか。
単に担当者と面会してサービスの内容をプレゼンし、褒められて帰ってくることだったのでしょうか。

営業のステップを考えてみましょう。
この案件の受注までのプロセスを頭に描ければ、次のステップが何かは判るはずです。
今回の訪問は、次のステップに進むためのプレゼンだったはずです。

ですから、例えば「担当者の上司との面会の承諾を得た」「見積り依頼を受けた」「エンジニアとの会議を設定した」などの具体的なアウトプットがなければなりません。

次の営業プロセスに進むために、以下のツールで集めた情報を分析し、しっかり会議を設計して、目的を達成するために「会議を仕切る」必要があります。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

では、会議の仕切り方を学習しましょう。

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