法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 質問設計でウエブ会議の準備万全

2021-01-31 12:50:45 | ・・質問設計
さて、先週、質問の使用例を見ていただきましたが、ここで各質問の使用上の留意点について改めて触れることにします。
まずは、基本となる状況質問、問題質問、示唆質問および解決質問です。

・状況質問(詳細調査質問)
顧客の現状に関する事実を確認する状況質問は、詳細調査質問とも呼ばれ、会議のほぼすべての段階で重要ですが、特に初期段階で重要です。しかし、顧客にとって退屈な質問になりがちです。このため、目的をもって質問し、不必要な状況質問はしないことが肝要です。そのためには、顧客について事前に十分調査を行う必要があります。その上で、聞き出したい情報を得るための質問を準備しましょう。

・問題質問
問題質問は、「会議の成功」と最も関連性が強い質問です。そもそも顧客の潜在ニーズを探りださなければ先には進めません。すべての案件は、顧客の抱える不平や不満、課題や問題点が起点になります。会議の前に、顧客が抱えている可能性のある問題や課題で、自社の製品やサービスで解決可能な潜在的な問題点(ニーズ)を書き出してみましょう。そして、その問題点(ニーズ)を浮き彫りにするための質問を準備してみましょう。

・示唆質問
示唆質問は、顧客に問題の深刻さをはっきり認識させるための質問で、潜在ニーズを増幅させるものです。ただ、示唆質問を多用すると、顧客を暗い気持ちにさせてしまいます。「膨大な損失」「システムダウンの可能性」「サービス品質の低下」などの、問題・課題の深刻さを意図的に認識させるからです。

・解決質問
一方、解決質問は、顧客の気持ちを明るくさせます。示唆質問で落ち込んでいる顧客に、こうすれば解決するという希望を与えます。示唆質問で心配させて、解決質問で安心させるのです。解決質問は、あくまでもニーズを膨らませてから行うものです。そうでない状況で使用するとお客を身構えさせてしまいますし、解決策の価値を認識してもらえません。また、自社製品・サービスで解決できない解決質問は禁句です。

<先週の資料からバージョンアップ>


続いてその他の質問です。

・関係構築質問
関係構築質問は、本題に入る前に場を和ませるための質問です。顧客が話好きで雑談や世間話が好きなタイプか、すぐに本題に入ることを望んでいるかを見極めて使いましょう。

・購買プロセス質問(意思決定プロセス質問)
購買プロセス質問は、意思決定プロセス質問とも呼ばれ、解決質問の回答を得た後に行うのが基本です。しかし、コンプレックスセールスの購買プロセスは複雑であることが多く、営業ステップの早い段階から調査が必要な場合が多いようです。

・予算質問
予算質問は、「解決策を提示する前で、望ましい解決策が見つからない間、あるいは、購買プロセスの打ち合わせの間」に使用します。
「予算に見合った」解決策を提示する、あるいは、「必要な予算がないのに解決策の話をしてもしょうがない」との考えから、「解決策を提示する前」という考えになるのだと思います。
(もちろん例外はありますが)コンプレックスセールスの対象となる高額の製品やサービスを必要とする顧客は、お金を持っています。
それを解決策のために予算化していただく必要がある訳です。理想は解決策に見合った予算を用意していただくことです。
このため、お金を持っている顧客には、こちらからお金の話をしないというのも戦略の一つです。
私が計測器の営業をしていたときは、必要な予算の概要(高めの金額)はお知らせしますが、詳細な見積もりはデモを行ってからということにしていました。
販売する製品・サービスの価値を正しく評価していただいた後に提示することにしていました。

次回は、各種質問の事例をご紹介します。海外の事例なので日本では「その質問、失礼でしょ」というのもあるかもしれません!?

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