法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

理詰めの営業 / 会議設計ツール:「議題の設計」と「会議の振り返り」

2020-03-29 12:18:24 | 会議設計
最後が議題の設計です。

出席者の期待を考慮しながらも、ゴールを達成するために、どう議題を組み合わせるかを考えます。ポイントは、質問設計です。これを成功させることにより、営業ステップを進めることができます。また、誰が質問するかも打合せしておきましょう。営業が質問したほうが良いもの、エンジニアがした方がよいもの、営業部長がしたほうがよいものなど「役者」をフルに活用しましょう。

以上のように、『理詰めの営業』の分析ツールを活用して、案件の中身を可視化し、チームで共有し、戦略を立案し、営業プロセスを進めるための重要な会議の仕切り方を細部に亘るまで「会議設計」で準備し実行することにより、営業が成功する確率はかなり高くなります。

この会議設計で、重要なことは、会議後に同行したメンバーと振り返りを行うことです。とくにゴールを達成できなかった場合は、なぜ達成できなかったのか、その原因を参加者全員でディスカッションし、改善方法とともに文書化して残します。これを積み重ねることにより、会議の仕切り方が改善され、営業の勝率もアップします。また、なにより優秀な営業のスキルを可視化して、経験の浅い営業のスキルアップに役立てることができます。マネージメントにとっても、案件の現状をより深く把握することができるとともに、営業一人一人のスキルレベル、進歩の具合をはあぅすることができます。

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理詰めの営業 / 会議設計ツール:質問の練習方法は

2020-03-22 17:39:21 | 会議設計
質問設計を実践するのにはどうしたらようでしょうか。

いきなり重要な会議で、質問を発して、顧客を自分の思う方向に導くのは難しいでしょうし、リスクが高いのです。

重要な会議で、新しいスキルをいきなり使ってはいけません。

まずは、顧客との会議にかかわらず、社内の会議でも質問をして、質問をすること自体になれましょう。

特に日本人は、傾聴を重んじるあまりか、質問を抑えがちです。
課内の会議など、リスクの少ない会議で試しましょう。

次に、重要度の低い顧客との会議で、「会議設計」のシートを埋めながら、質問を考え、実践してみましょう。

もちろん、相手の反応を予想して、質問を組み立てます。
この相手の反応を予想し、反応をみることだけでも、結構、質問設計が楽しみになります。
「そういう反応もアリか」と勉強になります。

質問は一人で全部行う必要はなく、他の出席者と手分けしてもよいでしょう。

更に重要なことは、会議が終わったら、振り返りを行うことです。
質問の中身、順序、話し方など、同席した人たちと話し合い改善に努めましょう。


質問設計にはPDCAが必要なのです。これにより質問の質が向上し、成功の可能性が増えるのです。

では、明日から試してみましょう。



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理詰めの営業 / 会議設計:クロージングテクニックは役立つか

2020-03-13 23:07:01 | 会議設計
クロージングとは、顧客に何らかの決断やコミットメントをさせる営業の言動のことです。も少し言葉を加えると「何らかの決断やコミットメントを促す営業の行動で、これに対する顧客の反応が、承諾か拒否かのいずれかであるもの」となります。

クロージングにはいくつかのテクニックがあります。顧客にデモに参加してもらう場合を例に取ってみますと、

推定承諾法:「デモのサンプルは、私の名刺の住所まで送ってください」など、いかにも顧客がデモの実施に合意したかのような話をします。
二者択一法:「デモは7月末がいいですか、それともお盆明けの8月末がいいですか」
立見席法:「今、決めていただかないとデモのスロットが埋まってしまい、次のチャンスは4か月後になります」
ラストチャンス法:「再来月からデモは有料になります。今がチャンスです」
注文書空欄記入法:まだ、買う気も示していないのに、注文書に書き込んで購入に持ち込む。

クロージングのテクニックは、果たして役に立つのか。小型の商談では、平均取引時間は短縮され、商談成功率も上がります。しかし、大型商談では、営業は顧客の情報を収集したり、ニーズを育成したりする時間が必要であり、取引時間そのものの短縮は望みません。

また、顧客も購買のプロであり、営業がありふれたテクニックなど使うと、腹の中で「みくびってんじゃないよ」と思ってしまいます。クロージングテクニックによりプレッシャーを受けて決断した場合よりも、自分の自由意思で決断をしたと思った時の方が、販売後の顧客満足度は高いとの研究結果もあります。大型商談の場合は、売って終わりではなく、その後も長い付き合いが続くので、販売後の顧客満足度の高いアプローチを取るべきです。

繰り返しになりますが、大事なことは顧客のニーズを育成することです。切実なニーズがあれば、クロージングテクニックは不要です。

JR大阪駅北口の新しいビルのガチャショップ。販売員はいらない。でもこれを置いてもらうための営業には「理詰めの営業」が必要。
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理詰めの営業 / 会議設計:コンプレックス以外でも役立つ質問設計 - 「障がい者によるお墓掃除」の例

2020-03-07 23:22:58 | 会議設計
質問設計は、コンプレックスセールス以外でも役立つことが分かっています。

以下は、私が所属するNPOが行っている「障がい者によるお墓掃除」の事業を依頼する事例です。

ある福祉施設の施設長さんから紹介を受け、別の施設(F園)の施設長さんに事業を紹介にいくことになりました。この活動の背景には、多くの福祉施設で、そこに通う障がい者(利用者様といいます)の工賃が極めて低く、それを向上させる必要があるという事情があります。工賃は、サラリーマンの月給と考えていただければよいです。利用者様は、施設でクッキー作りや組み立て作業などを行い、代価として工賃を貰いますが、全国平均で月に1万2千円程度。とても自立できる金額ではありません。

① (状況質問)「工賃向上はF園の利用者様にとても重要ですね」

<「障がい者による墓掃除」の説明をした後での質問です。どの福祉施設も工賃向上の必要性を認識していることが前提です。> 

予想回答:「私も日々努力して工賃向上に努めているところです」 
                              
② (問題質問)「東京地区の工賃の平均はXXXX円だそうですが、F園では今、一人あたりの工賃は平均でどのくらいでしょうか」
   
<事前調査でF園の工賃は平均以下であることが分かっています。その上での質問です。>
 
予想回答:「YYYY円です」

③ (示唆質問)「墓掃除の事業をやればZZZZ円まで上げられますね」

<ここはコンプレックスセールスとは異なるところです。福祉施設は、利用者様一人当たりXX万円の補助金がでており、極端なことを言えば、何もしなくてもいいのです。つまり「深刻度」を上げることは困難です。>

予想回答:「そうですね」  
                          
④ (解決質問)「私自身も来園してお手伝いしますので、トライアルにはご参加いただけますか」

<私自身も来園してお手伝いすることで、実行することの面倒くささの障壁をさげることができます。>
 
予想回答:「何か準備するものはありますか」
  こうなれば一歩前進ですね。
 
コンプレックスセールスではなくとも、質問を用意して会議に臨めば、成功する確率はかなり高くなるということが判ると思います。

いずれにしても、よい質問は、顧客と話している最中に急に思いつくものではなく、あらかじめ準備に準備を重ねて用意するものです。
また、訓練を重ねることにより、優れた切り口の質問を用意できるようになります。


ちなみに好奇心旺盛でエンディングビジネスの中身を知りたかった私は、1年間、葬儀屋の仕事もしてみました。

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