法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

「営業がやるべきことが分かる」 - 第一段階 - 「検討のきっかけ」の前提

2018-01-21 20:09:56 | マーケティングと理詰めの営業
前回、「顧客との人間関係作り、信頼関係の構築は、営業の必須スキルであり、これなしの営業は考えられません。これを個人と個人の関係ではなく、組織と組織の関係にしなければなりません。」と書きました。

一匹狼の営業もいます。すごくエネルギッシュで、エンジニアがトラブル発生で謝っている隣の部屋で、お構いなく次の商談をやり、個人の力で案件をグイグイ進めていく営業も知り合いの中にはいます。

しかし、金額の大きな案件は顧客内の関係者も多く、問題・課題も案件の進行とともに変わっていき、多岐に亘るため、営業一人だけでは取りこぼしも出てきます。

先ほどのエネルギッシュな営業も途中で頓挫することが時々ありました。

なにより顧客との相性もあり、合わない相手からは良い情報、良い結果を引き出せませんでした。

また、一匹狼の営業は、途中経過をこまめに報告しないタイプが多く、上司としてもアドバイスが困難です。

というよりも、アドバイスはもらいたくないというタイプが一匹狼だと思います。

会社としてはこのようなタイプの営業を新規開拓のある段階まで活用するという方法はあるかと思います。

案件を成功させる確率も高めるためには、やはり属人的な営業ではなく組織としてあらゆる階層での対応が必要となります。技術者、営業、部長、役員、社長、それぞれのレベルで顧客と良好な関係を構築することが求められます。

そのように会社という組織を動かすのが営業の仕事といえます。

組織的な対応ができれば「検討のきっかけ」の提供もより容易になります。

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アスリートと営業

2018-01-14 21:26:47 | 理詰めの営業 - 全般
トップセールスの方々とお話をすると、以下のような逸話をお聴きすることが多々あります。

「あの支店長が来たときは、家探しや引っ越しの手伝い、お子様たちの学校の相談までやったよ」
「日本食しか食べないお客さんだったので、電気釜もってまで米国出張して、朝食を作った」

信じられないくらい素直に顧客第一で、苦労を苦労とも思わないのが営業です。

「サメと同じだ。止まったら死ぬ。動け」
「契約が取れるまで帰ってくるな、もう一度行ってこい」
「ここ一発というところの根性が大事」
「ここが勝負というときの押し込みが重要」

元気、勢い、押し、やる気、オーラ、ガッツ。

ちょっと、体育会系クラブのようですね。あるいは、相撲部屋。確かに押しは必要。
 
「営業の極意は、脅し、騙し、賺し」という人も。

営業のスキル体系です。

さて、皆さんは営業についてどう語りますか?

確かにお通夜の席の客のような営業では相談もしたくないですね。

でも、体育会系のノリだけではだめです。昨今の一流アスリートは、十分に科学的なトレーニング方法を取り入れています。NHKの番組でも紹介していますが、科学的なデータと分析は必須です。自分だけでなく相手の分析も。

営業も同じではないでしょうか。元気や根性などに科学的なアプローチを加えてみましょう。

まずは、マーケティングの切り口で営業を見ていきます。

<この後、『「営業がやるべきことがわかる」-生産財の営業-検討のきっかけを作る(その1)』をお読みください。>
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「営業がやるべきことが分かる」 - 第一段階 - 「検討のきっかけ」を作る

2018-01-14 20:51:01 | マーケティングと理詰めの営業
購買行動のモデルの代表は、AIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)。そして、インターネットの普及により、その進化版ともいえるAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)が購買行動モデルの新たなモデルとなりました。「Search(検索)」と「Share(共有)」がキーワードであることは、読者なら納得されると思います。

今回から「購買行動と営業のプロセス」を紹介します。

上記の購買行動モデルがベースになりますが、顧客が生産財を購入する一連の流れの中で営業の「やるべきこと」が明確になります。

以下は、営業研修用に「購買行動と営業のプロセス」を一部変更してまとめた表です。





これから少しずつ紹介していく表中の段階のどの段階が「営業にとって勝負所はどこか」を考えていただきたいと思います。

では、まず、第一段階の「問題の認識」です。

購買側の行動の欄には、「客観的事実に基づく問題意識の発生」、および、「検討のきっかけの発生」とあります。

例えば、具体的には製造上の問題を解析・解決するために新たな測定器が必要となる、あるいは、新製品の製造のために新たな製造装置が必要となる、などが考えられます。

営業活動の欄に、「きっかけ」の提供とありますが、これはどういうことでしょうか。

これは、第三者の立場では明らかな問題でも本人たちが気付かないケースやその組織上の理由で検討の遡上に乗せてもらえない場合などに、問題に気付かせ検討のきっかけを与えることを言っています。

顧客が問題意識の高い人たちであれば、営業が黙っていても、問い合わせがくるかと思いますが、そうでない場合は、営業が問題提起をしないと商売にはなりません。

現状のプロセスあるいは業務でどのような問題があるのか営業が技術と一緒に分析し、問題提起して、解決策を提案する必要があります。

例えば、次世代の製品を開発するためには、もっと高精度の検査装置が必要であることを、データ付きで説明し、解決策を提案するなどです。

ここで、皆さんも今ある顧客の状況をレビューして、顧客の問題点や課題を考えてみましょう。

営業として大事なことは、顧客の開発担当者や現場のエンジニアと良好な関係を築き、事前に顧客の問題点や課題に関わる情報を収集・分析・整理できていることです。

それらの情報があれば、顧客に合った提案が可能となります。そうでないと、一般的な提案になってしまいます。

もちろん、一般的な提案をして顧客の本質的な問題を探っていくという方法もあります。

さて、あなたは現状は?

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