法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

新人営業の教科書 (5)- 営業に必要なスキルの体系化 - 営業に必要な知識 - ②商品知識

2024-05-25 21:29:00 | 新人営業の教科書
先週に続いて「営業に必要な知識」の中の商品知識です。



自分が売ろうとしている商品に関する知識です。商品の価値、強み、弱み、価格、特徴、成功事例・失敗事例など、熟知して当たり前の領域です。

まずは、ホームページやカタログに記載されている内容およびその裏付けを説明できるようになりましょう。そして競合との比較。

(これらの資料はマーケティングが作成することが多いのですが、資料がない場合は営業が開発エンジニアなどに聞いて作成し、社内研修等で知識を共有します。ただし、機密情報もあるので、どこまで開示できるか、作成した資料を冗長にみてもらうとよいでしょう。これは新人営業には早すぎますね。)

よほどぼんやりしている顧客でないかぎり、最近の顧客はネットで調べまくっていますので、ホームページに掲載されている内容は「そんなの知ってるよ」ということになり、この程度の内容では満足しない、説明を必要としない方もたくさんいます。

もちろん、顧客を上回るくらい営業は勉強すべきですが、エンジニア的な基礎力がないと難しいことも多いかと思います。やはり、技術的に難しいところは、無理をせずエンジニアに同行してもらい、説明してもらったほうが良いでしょう。その場でエンジニアが質問に応えてくれるので顧客も喜びます。エンジニアの説明を聞いているうちに、あなたの知識も「耳学問」として増えるはずです。少しばかり技術に強い営業になれます。

私の知人の奥さんに通訳業の方がいます。半導体関連企業から仕事が入ったのをきっかけに半導体の勉強を始め、半導体分野の通訳のスペシャリストになりました。年収は1千万円を超えたそうです。ちなみに、ご主人は半導体関連の装置を販売する営業ですが、半導体に関する知識の広さでは奥さんにかなわないそうです。本人の努力と「耳学問」の効用ですね。

知識の部分は、本人の努力次第でなんぼでも増やせます。まずは、手に入る情報を短期間で学習(詰め込み学習)しましょう。

目標:顧客の言っている専門用語を含めた内容が理解できる!


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新人営業の教科書 (4)- 営業に必要なスキルの体系化 - 営業に必要な知識 - ①マーケティング

2024-05-18 21:02:17 | 新人営業の教科書
2.営業に必要な知識

次は、営業スキルの真ん中の層「営業に必要な知識」です。ここでは必要な知識として次の5点あげました。



・マーケティング  
・商品知識
・市場に関する知識
・顧客と「顧客の顧客」に関する知識 
・自社に関する知識

少し詳しく見ていきましょう。

① マーケティング
学問的には営業は、マーケティングの販売促進機能の一部です。どのような会社にも必要な機能であるにも関わらず、営業学という学問領域や「営業学部」などといった学校はないのです。マーケティングに関する本を読んでも、営業そのものに関する知識にはならないかもしれませんが、市場トレンド、購買行動、マーケティング・リサーチ、製品開発、製品ライフサイクル、製品価格、販売チャネル、広告やパブリシティなど、営業戦略等を検討する際の多くの視点を与えてくれます。

コトラーの『マーケティング・マネージメント』、『コトラーのマーケティング3.0』、『コトラーのマーケティング4.0』を一読することをお薦めします。私はコトラー信奉者なので。

また、かなり古くなりますが、『新しい生産財のマーケティング』(西村務著)も生産財の営業には大いに役立ちます。特に顧客の購買行動に基づいた営業プロセスを考える参考になるでしょう。

比較的最近の本では、新人営業が読むには早すぎますが『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建著)が興味深いです。「優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーだ・・・・・戦略を構成する要素がからみあって、全体としてゴールに向かって動いていくイメージが動画のように見えてくる」これがストーリーというものだそうで、競争戦略は「ストーリーづくり」としています。

もちろん営業戦略もストーリーづくり。トップセールスパーソンの中には、たくさんのストーリーが詰まっています。

マーケティングの本は、成功例を語ることが多く、スマートで面白いのですが、実際の営業のような泥臭さが足りない気がして物足りなさとマーケティング(という仕事)に対する羨ましさを感じます。

ちなみに、私は、エンジニアからプロダクト・マーケティング、それから営業へと変身しています。

<新卒営業は「いったいなんだこれ」という世代であろう。お父さんかお母さんに聴いてみて・・・・「へん~~しん」。勉強して最強営業に変身。>
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新人営業の教科書 (3)- 営業に必要なスキルの体系化 - 社会人基礎力

2024-05-12 10:37:19 | 新人営業の教科書
今回からは「営業に必要なスキルを体系化」の話です。

以下の資料は、営業に必要なスキルを体系化したものです。三層構造になっており、一番底の部分が社会人として備えるべき能力「社会人基礎力」、真ん中の層は、営業に必要な知識、一番上の層が営業として強化すべきスキルです。



一番下の枠から順に説明していきましょう。

1.社会人基礎力
「社会人基礎力」は2006年に「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として経済産業省から発表された概念です。その背景には、若者が学校卒業後にスムーズに職場に定着できない等の社会問題がありました。この問題の解決策として、それまで十分に意識されていなかった「職場等で求められる能力」を明確化し、意識的に育成していくこととしました。「社会人基礎力」を育成すべく授業のプログラムとして組み込んでいる高校・大学もあり、私も母校のプログラムを2年ほどお手伝いしました。

「社会人基礎力」は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と、それに伴う12の能力要素から構成されています。

「人生100年時代」のもと、2006年に発表した「社会人基礎力」はその重要性を増しており、有効です。しかし、「人生100年時代」ならではの切り口・視点が必要となっていました。

このような状況下、2017年に開催した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」において、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力が「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義されました。

社会人基礎力に関してはWebに診断プログラムが用意されていますので試してみるのもよいでしょう。監修は一般社団法人社会人基礎力診断協議会。このような団体があるとは思いませんでしたが・・・・・・

社会人基礎力診断 WEB診断| 【キャリエデュ】日経HRのキャリア教育・就職支援情報サイト (nikkeihr.co.jp)

自分が大学を卒業したとき、社会人基礎力はどうだったかと考えると、かなり劣っていたのではないかと思います。バイトはやっていたもののクラブに入るでもなく人との関りが少ない、特に、上下関係の希薄な中で過ごしたせいか、外資系企業に入社したとはいえ上司や先輩との上下関係には悩んだものでした。営業として人様の前に出るなんてことは考えられませんでした。

そんな私でもエンジニアを辞めて営業をできるようになったということは、社会に出てからも「社会人基礎力」は少しずつ身に着くということでしょう。「え~、まだまだだ力不足だよ・・・・」という声が聞こえてきこうですね。やはり「人生100年時代の社会人基礎力」として鍛え続けましょう。

でも、あまり真剣に考え悩まないように。

これらの能力を身に付けることにより、仕事がしやすく、生きやすくなるかもしれませんが、「人柄」や「人間性」という別の切り口もあります。こちらで勝負しても良いでしょう。


参考までに、「社会人基礎力」の3つの能力と12の能力要素について簡単に解説します。
<<読まなくても大丈夫です。受験勉強ではないので、まして、暗記は不要>>

① 前に踏み出す力(アクション)
「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」のこと。必要な能力要素は以下の3つです。

・主体性:物事に進んで取り組む力
・働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
・実行力:目的を設定し確実に行動する力

② 考え抜く力(シンキング)
「疑問を持ち、自ら深く考える力」のこと。備えておきたい能力要素は下記の3つです。

・課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・創造力:新しい価値を生み出す力
・計画力:問題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

③ チームで働く力(チームワーク)
「多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」のこと。

・発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
・情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性:社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
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