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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 -「会議設計」- ゴールを設定しゴールから逆算して「シナリオ」を考える

2020-11-15 00:55:16 | 会議設計
会議設計ツールの詳細を紹介する前に、会議設計の考え方をお話しします。

まず、「営業ステップの定義」シートや以下の分析シートを記入し、会議の目的(ゴール)を設定します。これらは、関係者が集まり意見を出し合いながら行います。営業自身で作成してもかまいませんが、関係者の間でこれらの情報を共有できていなければなりません。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析



ゴールは、次の営業ステップへ進むこと、あるいは、特定のボトルネックになっている課題や問題の解決などになります。

営業はそのゴールを達成するためにはどうすべきか、「会議のシナリオ」をゴールから逆算して考えます。

・サービス業の事例

私が所属するNPOが行っている「障がい者によるお墓掃除」の事業をある施設の責任者に依頼する事例です。

ある福祉施設の施設長さんから紹介を受け、別の施設(F園)の施設長さんに事業を紹介にいくことになりました。この活動の背景には、多くの福祉施設で、そこに通う障がい者(利用者様といいます)の工賃が極めて低く、それを向上させる必要があるという事情があります。工賃は、サラリーマンの月給と考えていただければよいです。利用者様は、施設でクッキー作りや組み立て作業などを行い、代価として工賃を貰いますが、全国平均で月に1万2千円程度。とても自立できる金額ではありません。

会議のゴールをF園施設長さんのこの墓掃除事業への参加の同意です。
そのためには、施設長さんに「よしウチも参加しよう」と言ってもらうための資料や質問の準備が必要です。
そのためには、具体的に利用者さん、一人当たりどれくらいの工賃向上になるか試算し説明
そのためには、墓掃除の料金体系案を説明
そのためには、墓掃除の作業方法を説明し、F園でも実施が容易であることを理解していただく
そのためには、工賃向上の重要性を認識していただく
そのためには、障がい者の自立の必要性を認識していただく
そのためには、F園の作業内容を理解し、共感を示す
そのためには、会議の前に作業現場を見学
・・・・・・

このようにゴールから逆算してシナリオを作ります。

・製造業(生産財)の事例

メーカー(生産財)の場合の事例です。例えば、ゴールが「製品Aのデモを実施すること」だとします。

そのためには、「意思決定者のMさんからデモ実施の同意を得る」
そのためには、「よし、デモして確認しよう」と顧客に言わせるための質問を準備
(質問については「質問設計」で詳述)
そのためには、「推定される生産量と歩留まりでの年間推定損失額の計算」
そのためには、「Mさんがもっとも心配している歩留まり改善の実現方法を説明」
そのためには、「Mさんに必ず出席してもらう」
そのためには、「Mさんに信頼されている部下のSさんから出席依頼」
そのためには、「・・・・・・・・・・・・・・・・」

といったように、ゴールから逆算して「シナリオ」を作ります。

また、シナリオができたら、会議の開始から終わりまでを頭の中でシュミレーションしてみます。たとえば、

「Mさんが入室。初めて訪問する事業部長と名刺交換。最近の業界のトピックスなどをネタに雰囲気を和らげる。議題の説明。歩留まり改善のプレゼン。デモの承認を得るための質問。承認。デモ実施の詳細検討。お礼。」

といったことを映画のように頭の中にイメージします。

それを社内の関係者を集めて検討し、当日の顧客の出席者、社内からの出席者、議題、会議での質問内容等も含めて決めます。つまり、営業の作成したシナリオを皆で検討し、更に詳細で良いシナリオに仕上げていきます。

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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 顧客と初回打ち合わせ-『会議設計』とは?

2020-11-01 00:06:30 | 会議設計
さて、今回は会議設計の話です。

『理詰めの営業』の分析ツールを活用して、案件の中身を可視化し、チームで共有し、戦略を立案し、営業プロセスを進めるために重要な会議の仕切り方を細部に亘るまで『会議設計』で準備し実行します。



「営業ステップの定義」をもう一度見てください(現実に合わせて少し内容を削りました)。顧客からの打診の電話の段階で描けるのはこのくらいでしょう。





この事例では、顧客から打診があった翌週に顧客V社と打ち合わせを行います。

目的はRFPへの参加の可否決定に必要な当該案件の詳細情報の収集および参加する場合の戦略立案に必要な情報の収集です。顧客基礎情報収集・分析シートでオープンになっている情報も収集する必要があります。

さて、最初にコンサル先でよく見かける情景を紹介します・・・・・

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ある営業のオフィスでの出来事です。

顧客のA社に新しいサービスの紹介に行った営業のサイトウ君が夕方会社に戻ってきました。
課長:「うれしそうだけど、今日の打合せは、どうだったの」
営業:「ご担当のBさんにお会いでき、面白そうなサービスだと言っていただきました」
課長:「それは良かったね。他には」
営業:「プレゼンもうまいねと褒められました」
課長:「よかったね。じゃあ、軽く飲みに行くか」

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この二人の会話をどう思いますか。

担当者と面会が出来て、新しいサービスの内容を上手に伝えられたようです。100点満点の営業でしょうか。

そもそもサイトウ君が顧客を訪問した目的とゴールは何だったのでしょうか。
単に担当者と面会してサービスの内容をプレゼンし、褒められて帰ってくることだったのでしょうか。

営業のステップを考えてみましょう。
この案件の受注までのプロセスを頭に描ければ、次のステップが何かは判るはずです。
今回の訪問は、次のステップに進むためのプレゼンだったはずです。

ですから、例えば「担当者の上司との面会の承諾を得た」「見積り依頼を受けた」「エンジニアとの会議を設定した」などの具体的なアウトプットがなければなりません。

次の営業プロセスに進むために、『理詰めの営業』のツールで集めた情報を分析し、しっかり会議を設計して、目的を達成するために「会議を仕切る」必要があります。

・営業ステップの定義
・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

では、会議の仕切り方を学習しましょう。

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理詰めの営業 / 会議設計ツール:「議題の設計」と「会議の振り返り」

2020-03-29 12:18:24 | 会議設計
最後が議題の設計です。

出席者の期待を考慮しながらも、ゴールを達成するために、どう議題を組み合わせるかを考えます。ポイントは、質問設計です。これを成功させることにより、営業ステップを進めることができます。また、誰が質問するかも打合せしておきましょう。営業が質問したほうが良いもの、エンジニアがした方がよいもの、営業部長がしたほうがよいものなど「役者」をフルに活用しましょう。

以上のように、『理詰めの営業』の分析ツールを活用して、案件の中身を可視化し、チームで共有し、戦略を立案し、営業プロセスを進めるための重要な会議の仕切り方を細部に亘るまで「会議設計」で準備し実行することにより、営業が成功する確率はかなり高くなります。

この会議設計で、重要なことは、会議後に同行したメンバーと振り返りを行うことです。とくにゴールを達成できなかった場合は、なぜ達成できなかったのか、その原因を参加者全員でディスカッションし、改善方法とともに文書化して残します。これを積み重ねることにより、会議の仕切り方が改善され、営業の勝率もアップします。また、なにより優秀な営業のスキルを可視化して、経験の浅い営業のスキルアップに役立てることができます。マネージメントにとっても、案件の現状をより深く把握することができるとともに、営業一人一人のスキルレベル、進歩の具合をはあぅすることができます。

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理詰めの営業 / 会議設計ツール:質問の練習方法は

2020-03-22 17:39:21 | 会議設計
質問設計を実践するのにはどうしたらようでしょうか。

いきなり重要な会議で、質問を発して、顧客を自分の思う方向に導くのは難しいでしょうし、リスクが高いのです。

重要な会議で、新しいスキルをいきなり使ってはいけません。

まずは、顧客との会議にかかわらず、社内の会議でも質問をして、質問をすること自体になれましょう。

特に日本人は、傾聴を重んじるあまりか、質問を抑えがちです。
課内の会議など、リスクの少ない会議で試しましょう。

次に、重要度の低い顧客との会議で、「会議設計」のシートを埋めながら、質問を考え、実践してみましょう。

もちろん、相手の反応を予想して、質問を組み立てます。
この相手の反応を予想し、反応をみることだけでも、結構、質問設計が楽しみになります。
「そういう反応もアリか」と勉強になります。

質問は一人で全部行う必要はなく、他の出席者と手分けしてもよいでしょう。

更に重要なことは、会議が終わったら、振り返りを行うことです。
質問の中身、順序、話し方など、同席した人たちと話し合い改善に努めましょう。


質問設計にはPDCAが必要なのです。これにより質問の質が向上し、成功の可能性が増えるのです。

では、明日から試してみましょう。



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理詰めの営業 / 会議設計:クロージングテクニックは役立つか

2020-03-13 23:07:01 | 会議設計
クロージングとは、顧客に何らかの決断やコミットメントをさせる営業の言動のことです。も少し言葉を加えると「何らかの決断やコミットメントを促す営業の行動で、これに対する顧客の反応が、承諾か拒否かのいずれかであるもの」となります。

クロージングにはいくつかのテクニックがあります。顧客にデモに参加してもらう場合を例に取ってみますと、

推定承諾法:「デモのサンプルは、私の名刺の住所まで送ってください」など、いかにも顧客がデモの実施に合意したかのような話をします。
二者択一法:「デモは7月末がいいですか、それともお盆明けの8月末がいいですか」
立見席法:「今、決めていただかないとデモのスロットが埋まってしまい、次のチャンスは4か月後になります」
ラストチャンス法:「再来月からデモは有料になります。今がチャンスです」
注文書空欄記入法:まだ、買う気も示していないのに、注文書に書き込んで購入に持ち込む。

クロージングのテクニックは、果たして役に立つのか。小型の商談では、平均取引時間は短縮され、商談成功率も上がります。しかし、大型商談では、営業は顧客の情報を収集したり、ニーズを育成したりする時間が必要であり、取引時間そのものの短縮は望みません。

また、顧客も購買のプロであり、営業がありふれたテクニックなど使うと、腹の中で「みくびってんじゃないよ」と思ってしまいます。クロージングテクニックによりプレッシャーを受けて決断した場合よりも、自分の自由意思で決断をしたと思った時の方が、販売後の顧客満足度は高いとの研究結果もあります。大型商談の場合は、売って終わりではなく、その後も長い付き合いが続くので、販売後の顧客満足度の高いアプローチを取るべきです。

繰り返しになりますが、大事なことは顧客のニーズを育成することです。切実なニーズがあれば、クロージングテクニックは不要です。

JR大阪駅北口の新しいビルのガチャショップ。販売員はいらない。でもこれを置いてもらうための営業には「理詰めの営業」が必要。
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