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法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 - 会議設計 - ゴールを達成するために提示する情報

2021-01-17 18:05:34 | 会議設計
さて、次は「ゴールを達成するために提示する情報」および「提示する理由」の記述です。

どのような情報をキーパーソンは必要としているか、どのようなプレゼンをすればゴールを達成できるかを考えます。また、何故、そうするのかを検討します。
特に「自社のポジション」で述べた強みを活用し、ネガティブな問題がある場合は、そのリカバリー方法を検討します。

強みを活かす例としては、

・提示する情報:「マーケットシェアのデータ」
・提示する理由:「当該顧客への納入実績がないためマーケットシェアNo.1を印象付ける」

あるいは、

・提示する情報:「サービスサポート体制の重要性」
・提示する理由:「当該顧客での評価の高いサービスサポート体制の重要性を再認識させ他社との差別化を図る」

などがあります。

また、弱点のリカバリーをこの会議で行う必要がある場合も、どのような情報を用いて行うかを検討します。

例えば、「先の投資では失注している」という弱点に関しては、その原因を明確にし、「前回、必要とされながら備えていなかった機能は、最新バージョンのソフトに搭載され、実績を積んでいる」ことを納入実績やデータで示すことなどは有効です。

何故、このようなことまで書いて残すのか?

『理詰めの営業』の「会議設計」では、会議の成功・不成功に関わらず、会議終了後に「振り返り」を行うことを原則にしています。その振り返りのベースになる情報に曖昧さを残さないために書いておきます。
もう一つの理由は、意思統一です。出席者が決めたことを文書化して共有します。とくにグローバル化して様々なバックグラウンドの人がチームメンバーである場合は、書きものにして意思統一を図る必要があります。

次回からは、『会議設計』のハイライト、質問設計に入ります。

海外の営業がする質問事例も取り上げています。「日本のお客さんの前ではちょっとそれは?」という質問も取り上げていますので、それなりに楽しんでください。


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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 -「会議設計」- 自社のポジションを探る

2020-12-15 00:35:10 | 会議設計
私は営業をサポートする仕事もしていますが、逆に発注側としてRFPの作成・ベンダーの選定なども支援しています。

今日も2件RFPを作成し、来年2月末をめどにベンダーの選定をすることになりました。

先週の記事では「相手の期待を予想することにより、打ち合わせに必要な資料や話の内容、順番、役者の選択などを適切に行えるようになります」と書きました。

さて。このRFPの過程で、参加する会社の営業は、「私がどのようなことを期待している」と予想して、どのような行動を取るのでしょうか。あるいは、そのようなことは全く考えずに、対応してくるのか?おそらく後者でしょうね。

いずれにして、営業を観察できるのは、大変、楽しみです。

さて、本日のテーマは、「自社のポジションを探る」です。

客先での自社の現時点のポジションを整理・分析し、「良好」「問題あり」の判定を行います。

例えば、「キーパーソンと課題を共有できている」「過去の実績は他社の2倍」「対応の速さについては高く評価されている」「財務的に安定(無借金経営)」などはプラスに評価できます。

一方、「福岡支店では失注している」「総務の担当者が弊社のチームリーダーを嫌っている」などはマイナスに評価されます。会議の直近に起きた故障もマイナスです。

私自身も、実際、顧客訪問の直前にシステムダウンが起き、新製品の売り込みに苦労したことがあります。

いずれにしても、「顧客基礎情報分析」「問題・課題・ニーズ分析」「関係顧客分析」「競合分析」「自社分析」から出てきた強み・弱み・課題を整理し、会議に影響のある項目を記入します。

その中で、営業ステップを前進させるために何をどうこの会議で活用し、何をどうリカバーするか検討します。すなわち、自社の強みを活用し、弱みをリカバーする方法を考えます。

例えば、対応の速さを顧客が高く評価しているのであれば、プレゼンに自社のサービス体制や実績を加え、他社との差別化のポイントにします。

逆に福岡支店で失注しているのであれば、失注原因を明らかにしてそのリカバーができていることを明確し伝えます。

次回は、「ゴールを達成するために提示する情報」および「提示する理由」の解説です。




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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 -「会議設計」- 相手の期待を予想する

2020-12-07 22:40:45 | 会議設計
2020年もまもなく終りですね。

売上に余裕のある営業は、今月無理に注文を取らないで来年に持っていこうと考えていることでしょう。

一方で、売上未達成の営業は、あと4週間でなんとかクローズしなければなりません。売上未達成では、営業を外されるかもしれません。外資系にいた私も、四半期ごとのプレッシャーはかなりありました。

各案件は、『理詰めの営業』で最初に作った営業ステップのどこにあるのでしょうか。あと4週間でクローズできる案件は、最終ステップに近いものに限られるでしょう。それを見極めた上で、

・手持ちのリソース(社長、役員、上司)を最大限に活用して顧客を説得。
・顧客の最終意思決定者にダイレクトにコミュニケーションを取り、決裁してもらう。そのために、短時間で琴線に触れるプレゼンを準備。決裁と同時に関係部署に発注の手続きを取るように指示も出してもらう<これをSkypeなどでやらねばならないことが昨今の難しい点>
・今月中の発注を条件に値引き。そのためにはある程度値引きの余地を残してあることが前提。
・発注が決まっていて顧客の事務処理が遅い場合は、納期に影響を与える等伝えてプッシュ。例えば、生産のキャパが限られているので今ある製品は他の顧客に回ってしまうなど。

などのアクションを取りましょう。

これらができるか否かは、各案件の状況を社長・役員・上司等が共有化していて、かつ、関係顧客を十分に理解し顧客と良好な関係が構築できているかにかかっています。

『理詰めの営業』の各種分析とそれに対するアクションが取れているかどうかなのです。

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さて、本日のテーマは、「相手の期待を予想する」です。

その前に、ここまでの流れを整理してみます。

まず、「会議のゴールを設定」します。
そして、そのゴールを達成するための具体的な「シナリオを作成」します。
ここから、目標達成に必要な「必須出席者(顧客および自社)の確認」、「確認事項・不足情報の洗い出し」を行うというものでした。

次に、顧客の各出席者がどのような期待・考えを持って会議に来るのかを予想します。

今回の事例では、顧客から打診があった翌週に顧客V社と打ち合わせを行います。目的はRFPへの参加の可否決定に必要な詳細情報の収集および参加する場合の戦略立案に必要な情報の収集です。

その打ち合わせのための「会議設計」です。

先週の記事では、「V社との打ち合わせでは、V社の担当者だけがいいのか、上司にも出ていただいた方がいいのか、どちらが詳細情報を聞き出せるか、営業の判断が求められます」とありましたが、

今回はV社の担当者とだけ面会(または電話会議で打ち合わせを)すると仮定しましょう。

V社の担当者の期待はどうでしょうか。

今までのV社との関係の密度や経過により、想定される内容は異なりますね。

例えば、

a.(現在のベンダーには不満)、是非、代わりのベンダーがほしい。ついては、この会社のことをもっと知りたい。
b. この会社のことは良く知っているので、是非、RFPに参加してもらい、選択肢の一つになってほしい。
c. この会社のことは良く知っており、是非、RFPに参加してもらい、この会社に任せたい。
d. 大阪支社はこの会社に任せているが、担当者やリーダーが頻繁に変わるようだ。大丈夫だろうか。とりあえずRFPに参加してもらおう。
e. 三社に見積もりを成立させるため、参加して欲しい。本命は現行ベンダー。

この事例は、ビル管理ですが、上記のシチュエーションは、他の業種でも当てはまるでしょう。さて、あなただったらどう対応しますか。

相手の期待を予想することにより、打ち合わせに必要な資料や話の内容、順番、役者の選択などを適切に行えるようになります。



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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 -「会議設計」- 必須出席者を考える

2020-11-29 22:10:44 | 会議設計
「できる営業」は、会議のゴールを達成するまでの議事進行のシナリオが頭の中にできています。それまでの経験と訓練から導かれるもので、シナリオだけでなく会議を進めるための問題点や不足している情報なども即座に整理できます。



シナリオを考え、それが決まったら、「最大のゴール」を達成するために必要な人をリストアップし、会議への出席を依頼します。

会議への招集を担当者に任せるのではなく、営業自らキーパーソンに連絡し、出席を依頼すべきです。そのためには、キーパーソンに事前に会い、良好な関係を構築しておく必要があります。

相手任せではなく、営業自ら積極的に、能動的に会議をプランし、営業ステップを前に進めるように策(戦略というほどではない)を練ります。

さて、ビル管理の事例について考えます。

この事例では、顧客から打診があった翌週に顧客V社と打ち合わせを行います。目的はRFPへの参加の可否決定に必要な当該案件の詳細情報の収集および参加する場合の戦略立案に必要な情報の収集です。

先週の記事に書いたように、

Step2の打ち合わせで調査・確認しなければならないのは、
・案件の内容:最初のV社からの電話で、大まかには聞いているでしょうが、RFPの対象となる物件、業務範囲など案件の内容を確認
・スケジュール:RFPの資料の入手から提出、受注した場合の業務実施時期の確認
・RFPの条件:三社見積りか、競合はどこか

「もっと重要なこと」は、
・V社が現在のベンダーに満足しているか
・満足していないとしたらどんな点か
・満足している場合、ベンダーを変更させることができるか
といった点を確認することです。



さて、V社との打ち合わせでは、V社の担当者だけがいいのか、上司にも出ていただいた方がいいのか、どちらが詳細情報を聞き出せるか、営業の判断が求められます。
もちろん、こちら側も日ごろ接している営業だけがいいのか、上司や他の部署の人も出席すべきか、などゴールを達成するための「役者」を考える必要があります。

ちなみに、上記のような調査項目のうち「もっと重要なこと」についてメールで聞いても、回答してこないでしょう。証拠が残るようなことはしたくないからです。

新型コロナ騒動の中、面談は難しいかもしれません。最低でも電話会議を行い、ゴールを達成できるように「会議設計シート」を用いて準備しましょう。

次回は、「相手の期待を予想する」です。

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『理詰めの営業』- サービス業の営業力強化 -「会議設計」- 最大のゴールと最小のゴールを決める

2020-11-23 16:16:43 | 会議設計
私は、営業支援の一環として、営業に同行し、顧客を訪問します。そして、営業支援の初期段階では、営業に以下のような質問します。

私:来週の訪問の目的は
営業:新製品のデモへの勧誘です
私:誰がキーパーソンですか
営業:開発部の渋谷部長のようです
私:他には
営業:生産技術部の原宿部長だと聞いています
私:担当者には、決定権はないでしょうけど、影響力はないのですか
営業:担当の大崎さんは細かい人で、皆から嫌われているようです
私:来週の会議に出てくるのは誰ですか
営業:大崎さんにお願いして関係者を呼ぶようにお願いしてあります
私:・・・・・・・・     
   
さて、入社3年目の営業の稲田さん、会議の目的は、「新製品のデモへの勧誘」と明確ですが、キーパーソンが誰かは少々自信なさそうです。また、キーパーソンと思われる渋谷部長や原宿部長が会議に出席してくれるかどうかも不明確です。キーパーソンの招集を皆から嫌われている担当者任せで良いのでしょうか。

結構、あいまいなまま会議を行おうとしている、これが営業現場の実情です。もっとしっかり会議の準備をし、必ず営業ステップを前へ進めるようにしましょう。

では本題に入ります。添付は会議設計シートの最初のページです。



会議を行う場合は、先ずゴールを明確にしましょう。ゴールは、「情報を集める」、「顧客と良好な関係を築く」といった抽象的な目標では不十分です。もちろん、情報収集や顧客との関係構築は重要ですが、これらはすべての会議の基礎部分であたりまえのことです。

『理詰めの営業』では、「次の営業ステップ」へ進めることがゴールになります。先程の会話の例ように、次の営業ステップがデモを行うことであるなら、「いつ、どのように、デモを行うかを決定する」がゴールとなります。

また、『理詰めの営業』では、会議設計シートにあるように、「最大のゴール」と「最小のゴール」を決めることにしており、前記の場合であれば「デモの日程・内容を決定」が「最大のゴール」であり、「デモを行うことは決定。日程・デモ内容については次の会議に持ち越し」が「最小のゴール」となります。つまり、最低でもここまで営業プロセスを進めることを「最小のゴール」とします。

今回の事例の営業ステップをもう一度見てみましょう。



ステップ2は、「顧客V社と打ち合わせ(案件内容・スケジュール把握)」で、そのための会議設計です。V社からお声がかかったので、ステップ3で「RFPに参加させていただきます」とV社に伝えれば、前へ進んでいくことは確実です。

ステップ2番の打ち合わせで調査・確認しなければならないのは、
・案件の内容:最初のV社からの電話で、大まかには聞いているでしょうが、RFPの対象となる物件、業務範囲など案件の内容を確認
・スケジュール:RFPの資料の入手から提出、受注した場合の業務実施時期の確認
・RFPの条件:三社見積りか、競合はどこか

入手したスケジュールに沿ってRFPに回答できるか、受注した場合に人的リソースも含め対応できるかといった点を検討しなければなりません。大手の会社であれば問題なくできることでも、中小企業ではリソースに限界があるため、信用を無くさないためにも十分検討すべきことです。特に、人手不足な昨今、無理な受注は自分の首を絞めることになります。

しかし、もっと重要なことは、
・V社が現在のベンダーに満足しているか
・満足していないとしたらどんな点か
・満足している場合、ベンダーを変更させることができるか
といった点を確認することです。

V社が現在のベンダーに満足しており、ベンダーを変更する予定も可能性もない場合、このRFPに参加する意味はあるのか、つまり当て馬として参加する意味はあるのか、判断が必要です。

当て馬として参加する場合でも、V社で管理すべき設備の内容が分かり次回のRFPまでの戦略が立てやすい、三社見積もりが必要なV社の担当者に恩を売ることができる、最終的に2次ベンダーとして入り込める可能性がある、などメリットも考えられます。

V社が現在のベンダーに満足していなければ、不満な点を明確にし対策を練ることで受注の可能性は高まります。

このように、このビル管理の事例の場合は、初回の打ち合わせでの調査が大変重要になります。

さて、できる営業は、会議のゴールを達成するまでのシナリオが頭の中にできています。次のステップは、そのシナリオ作成です。できるだけ、映画のようにイメージを頭の中に作っていきます。これにより問題点も見つけることができ、顧客からだけでなく自社からも出席してもらう必要がある役者も見えてきます。自分の案件で考えてみてください。

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