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「社長は給与返す、社員も返上を」労組反発 英BA

2009-06-23 11:18:14 | Weblog
「社長は給与返す、社員も返上を」労組反発 英BA 2009年6月20日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/business/update/0620/TKY200906200039.html
 経営が苦しいから月給1カ月分を返上してほしい。社長も返上するから――。英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のそんな提案に労働組合が猛反発している。平均的従業員は年収でさえ社長の月収の半分。同列に扱う無神経さががまんならないようだ。
 BAの広報によると、月給返上の要請は最近、社内メールで全社員に流された。強制ではないといい、自発的に1カ月間休むか、無給の「ボランティア」として働いてほしいと呼びかけた。ウィリー・ウォルシュ社長自身も7月の給料を返上するという。
 ところが、社長の給料は年間73万5千ポンド(約1億2千万円)で1カ月当たり約1千万円。これに対して従業員は年収でも平均約3万ポンド(約500万円)。社長は1カ月で平均的社員の年収の2倍を取っている勘定になる。
 「社長は1カ月ただ働きしても困らないだろう。だが従業員はそうはいかない」と労組ユナイトのスポークスマン。別の労組幹部も「まず社の幹部が自分たちの給料を永続的に劇的に削減してからの話だ」とあきれている。



 あ~これは勘違いも甚だしいですね。海外程平社員と経営者との給与格差が大きくない日本でも、賃金カットを求める時は、管理職や経営陣など、役職が上がるに連れ賃金カット率を高くするのはいわば常識以前の話。
 BA労組関係者の言葉じゃありませんが、『まずは会社を率いる経営者や幹部が身をもって痛みを受け止めてもらう』ことが先でしょうし、年収が20分の1以下の一般従業員から見れば、『ふざけるんじゃない!!!』と怒りを隠しきれないのではないでしょうか…。
 航空業界も経営が苦しいのはわからなくもないのですが、まずは経営者であるウィリー・ウォルシュ氏が率先して1年分の報酬を返上するなり、仮に一般従業員に痛みを強いるとしても、やはり段階というものが必要でしょう。
 社長のウィリー・ウォルシュ氏は、エア・リンガスに17歳にパイロット見習いとして入社したと聞いていただけに、もう少し従業員の痛みのわかる方だと期待していたのですが、こういう発言を聞くとがっかりさせられますね…(溜息

日本郵政、西川社長続投へ 再任問題、報酬返上3カ月30%で決着

2009-06-23 11:13:23 | Weblog
日本郵政、西川社長続投へ 再任問題、報酬返上3カ月30%で決着 2009年6月23日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090622AT3S2202L22062009.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090622-OYT1T00952.htm
朝日 http://www.asahi.com/politics/update/0622/TKY200906220228.html
毎日 http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/06/22/20090623k0000m020028000c.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090622/plc0906222101018-n1.htm
 佐藤勉総務相は22日、日本郵政の西川善文社長と総務省内で会談し、西川氏の社長再任を認可する方針を決めた。西川氏は宿泊施設「かんぽの宿」譲渡問題などをめぐる業務改善命令を受けた是正措置報告を説明。報酬を3カ月間、30%返上する意向も伝え、総務相が了承した。政府は24日に日本郵政が提出する報告を見て正式に判断するが、西川氏の再任問題は事実上、決着した。
 西川氏が示したかんぽの宿問題の改善措置は、1年以内に実施し3カ月ごとに進ちょく状況を総務省に報告する内容。日本郵政のガバナンス(企業統治)を巡っては「日本郵政グループ経営諮問会議(仮称)」を設置。取締役会の経営監視機能の強化を狙い、3カ月以内に取締役会長」を社外取締役から選任するとした。同会長は諮問会議の議長も兼ねる。

郵政社長続投に鳩山邦氏「国民を愚弄」「ばかばかしい」 2009年6月23日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090623/stt0906231000002-n1.htm
 鳩山邦夫前総務相は23日午前、日本郵政の西川善文社長の続投を決めた政府の対応について、「経営を一新しないで(西川氏らが)責任をとらなければ、国民は受け入れない。ばかばかしいことをやっている」と述べ、激しく批判した。都内で記者団に語った。
 鳩山氏は、西川氏の報酬自主返上を「国民を愚(ぐ)弄(ろう)するような目くらましだ」と批判。西川氏の対応を評価した麻生太郎首相についても「致命的な判断ミスが続いている」と語った。
 西川氏の社長続投に反対した鳩山氏の更迭で、内閣支持率が下がったことについては「自民党や内閣の一部の常識が、私や国民の常識と一八〇度違うから、厳しい政治状況にある」と述べた。ただ、自身の今後の政治行動は「暴れたくなる心を一生懸命抑えている。冷静に自らを戒めて行動していく」とだけ語った。



 う~ん。日本郵政の人事問題については、西川氏が自らへの処分を言及していたことから、最低でも次期社長含みで外部から人材を獲得した上で、西川氏本人も『報酬50%カットを半年間』程度は行なうと思っていただけに、処分内容が『西川氏が30%を3か月分、高木祥吉副社長が10%を3か月分、横山邦男専務執行役・佐々木英治専務執行役・伊藤和博執行役が10%を2か月分』返上し、『「かんぽの宿」売却に深くかかわるなどした宿泊事業部長の担当を変更し更迭』では、(後者の人事更迭処分はともかく)前者の経営者への管理監督責任があまりにも激甘過ぎて、本当に処分と言えるのかクビを傾げたくなりますね…(呆れ
 減額率一つとっても、これではまるで部下の不祥事と連帯して上司が責任を取ったり、あるいは企業が深刻な業績不振になった時の減額率(*)で、とても西川氏ら経営陣の経営責任を認めた減額率とは思えませんし、もしこの問題がここまで大騒ぎにならなかったら、後者の宿泊事業部長など部下数人を処分して問題のもみ消しを図ったのではないか…とさえ勘ぐりたくもなるのですが、こんな小出しの処分でお茶を濁そうとしているようでは、野党に『どうぞ 突っ込んで下さい』とわざわざ攻撃材料を提供しているようなもの。

 責任を決める側も、『最後のバンカー』とまで呼ばれた大物相手に遠慮したのかもしれませんが、トップが3割カットなら、当事者以外の管理職の処分は当然それよりも軽くするのが妥当でしょうし、果たして申し訳程度の処分で国民が納得するかどうか…。
 一応の人事問題は決着したものの、もし自民党が次の衆議院選挙で惨敗するようなことになれば、再びこの西川氏の人事問題が焦点になってきそうな気がします。

*ちなみに、パナソニックが業績悪化を受けてグループの管理職約1万人の09年度の年俸を、平均13%程度カットすることを本日発表。役員年俸はすでに、大坪文雄社長と中村邦夫会長が30%をカットし、ほかの役員も20%削減することを決めています。
→ http://www.asahi.com/business/update/0623/OSK200906220127.html