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梅雨入りなのに…。 愛媛県砥部町で夜間の断水開始

2009-06-13 12:52:50 | Weblog
愛媛県砥部町 夜間の断水開始 2009年6月12日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013582381000.html
 雨の少ない状態が続き、水源の地下水の水位が低下しているとして、愛媛県砥部町は、町内のおよそ80%の世帯と事業者を対象に、11日夜から夜間の時間断水を始めました。夜間の断水が始まったのは砥部町の80%に当たるおよそ7000の世帯と事業者で、当分の間、午後11時から午前6時までの7時間は上水道の利用ができません。
 この地域では地下水を上水道として使っていますが、ことし4月以降雨の少ない状態が続き、地下水の水位が取水できるぎりぎりまで低下しているということです。11日は午後10時ごろから町の職員10人余りが出て、町内20か所にある上水道のバルブを閉じました。また、町では役場の前に500リットルのタンク2つを設置した臨時の給水所を設け、夜間緊急に水が必要な住民に対応する態勢を取りました。雨の少ない愛媛県でも、梅雨のこの時期に時間断水が行われるのはきわめて異例で、水不足が原因で砥部町で断水したのは、平成6年の大渇水以来15年ぶりです。砥部町の辻充則水道担当課長は「これ以上水不足の影響を大きくしないためのやむをえない対応なので、皆さんの協力をお願いしたい」と話しています。一方、砥部町の隣の松山市は、12日から夜間の断水を予定していましたが、10日の雨で地下水の水位が回復してきているとして、断水を当面延期することを決めています。


 う~ん…。 四国では6月3日の午前9時から、高知県の早明浦(さめうら)ダムで取水制限をはじめた(香川県向けで20%、徳島県向けで13.9%)と聞いていましたが、愛媛県の砥部町では、いきなり夜間断水ですか…(滝汗
 まだ取水制限ならばバルブを絞り込むだけなので、蛇口をひねっても水が出にくい程度の不利益で済みますが、夜間断水ともなると、あらかじめ水を貯め置きしておかなければならないなど、住民はかなりの不便を強いられることになりますし、正直『夜間に断水したところでどの程度水を節約できるのだろう? むしろ悪戯に住民の不安と不満を高めるだけではないだろうか?』とさえ思うのですが、今から梅雨に入るとわかっていて、それでも夜間断水せざるを得ないところに、今年の雨不足の深刻さというものを実感させられますね。

食べ残し持ち帰り用ドギーバッグ、普及道半ば

2009-06-13 12:48:40 | Weblog
食べ残し持ち帰り用ドギーバッグ、普及道半ば 2009年6月6日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090606AT1G0302C06062009.html
 飲食店で食べ残した料理を持ち帰るための専用容器「ドギーバッグ」。無駄に廃棄される食べ物を少しでも減らそうとの試みで、商店街ぐるみでPRする動きもあり知名度は徐々に上がっているが、利用率が思ったほど上がらず、関係者が頭を痛めている。食中毒の懸念などから導入に消極的な店も少なくなく、関係者は「エコバッグ並みに市民権を得るには時間がかかる」とみている。
 「利用者はまだひとりもいない」「数人が使ったが自分で持参した人はゼロ」。4月にドギーバッグ250個を客に無料配布した権之助坂商店街(東京・目黒)。配布時の評判は上々だったが、2カ月が過ぎ、各店舗に尋ねると一様に落胆の声が聞こえてきた。



 なんでも、このドギーバッグという名称は『食べ残しを持って帰るのは恥ずかしいので、“犬の餌にする"という名目で持ち帰っていた』ことが名前の由来だそうですが、最近の日本人は変に見得を張る傾向が強く、男性の場合は『男が食べ残しを持ち帰るなんて』などとプライドが邪魔をして言い出しにくいところがあると思いますし、女性も『おばさん扱いされるのが嫌で言い出しにくい』というのがあるのではないかと思います。
 まだエコバッグの場合は、レジ袋の削減という国民的目標があり、実際にレジ袋が有料化されたりする中、車で移動することが多い地域を中心に比較的定着しやすい条件が揃っていたと思いますが、日本の場合は、なまじコンビニや深夜も営業しているファミリーレストランが普及して24時間365日好きな時に食べ物が手に入るようになっただけに、世界的な食料不足で現に今飢えている人がいるという当たり前の現実を忘れがち…。
 食中毒防止の問題は別にしても、まずは利用者の意識改革が何よりも必要でしょうし、本気で普及させるつもりならば、残り物の持ち帰りに対する偏見の解消と日本の食糧事情についてもっと強く訴えていく必要性も高いのではないでしょうか。

三越伊勢丹、岩田屋の完全子会社化を検討 7月にもTOB

2009-06-13 12:08:57 | Weblog
三越伊勢丹、岩田屋の完全子会社化を検討 7月にもTOB 2009年6月6日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090606AT1D050A105062009.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090606/biz0906061250005-n1.htm
 三越伊勢丹ホールディングスは福岡証券取引所上場で九州地盤の老舗百貨店、岩田屋を完全子会社化する検討に入った。既に傘下の伊勢丹が51%を出資しているが、早ければ7月にもTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式取得を目指す。実現すれば岩田屋は上場廃止となる。その後、岩田屋と来春に分社化する三越の福岡店を統合する方針。
 株式買い取りに向けて、福岡銀行や九州電力など複数の地元の大株主と近く本格的な交渉に入る。岩田屋の時価総額は現在110億円強。49%の買い取り価格は単純計算で50億円強となるが、プレミアムが上乗せされる公算が大きい。



 岩田屋と言えば、福岡市天神で長年地域一番店を誇る、久留米にもお店を持っている地場百貨店で、2005年に伊勢丹の連結子会社になったのですが、三越伊勢丹はいよいよTOBをしかけて完全子会社化するようですね。
 ちなみに、福岡地区では同じ伊勢丹グループの三越福岡店が(最寄り駅の)西鉄福岡駅に入居していて、駅の反対側にはライバルの大丸があり、元々競争が激しかったところに、2011年に新しくなる博多駅ビルには阪急百貨店が入居することが決まっているだけに、競争力の強化は不可欠だったかと思いますし、今のところは縮小計画はなく、むしろ阪急百貨店に対抗するため天神岩田屋の売り場面積を2000~3000m2拡張する予定だそうですが、三越福岡店と棲み分けを計り共に生き残っていくためには、経営を一体化した方が都合が良いとの判断があったのではないかと思います。
 とはいえ、伊勢丹については かって岩田屋との提携で営業していた熊本市にあった岩田屋伊勢丹が1993年に撤退(現在は阪神百貨店と関係の深いくまもと阪神として営業中)し、井筒屋の合弁会社として2004年2月に開業した小倉伊勢丹も赤字続きで2008年3月に井筒屋が持分を買い取り撤退。経営破綻した丸井今井も旭川店の存続を拒絶するなど、中々ドライな経営体質だけに、今後どれだけ業績を改善できるかが岩田屋にとっては勝負になりそう…。
 完全子会社化実施後、伊勢丹がどのような経営改革を打ち出してくるのか注目が集まりそうです。

鳩山総務相辞任問題 ニュース8本

2009-06-13 11:54:49 | Weblog
鳩山総務相が辞表提出、「潔く去るのがいいと判断」 2009年6月12日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/jinji/20090612-OYT8T00714.htm
 麻生首相は12日午前、首相官邸で鳩山総務相と約40分間会談し、日本郵政の社長人事について協議した。
 首相は西川善文社長を条件付きで続投させる考えを伝えた。鳩山氏はこれを受け入れず、同日午後に改めて首相と会談し、総務相の辞表を提出した。
 この問題をめぐっては、政府・与党内で次期衆院選への影響を懸念し、早期の事態収拾を求める声が強まっていた。麻生内閣の閣僚辞任は、中山成彬・前国土交通相、中川昭一・前財務・金融相に続き、3人目。衆院解散・総選挙に踏み切る時期を探る首相にとって、自らの盟友で重要閣僚の総務相辞任という事態が、大きな打撃となるのは必至だ。
 与党関係者によると、鳩山氏との会談で、首相は西川氏を続投させることを認めるよう促した。しかし、鳩山氏は「考えを変えるつもりはない」と拒否した。辞表提出後には記者団に、「仲間と相談して潔く去るのがいいのではと判断した。いずれ歴史が私の正しさを証明してくれるだろう」と語った。
 首相との会談に先立ち、鳩山氏は閣議後の記者会見で、「首相周辺、自民党の方が動かれているようだ。西川さんが私に謝ることで続投を認めたらどうかという話をいくつか聞いた」と明かした。ただ、「西川さんが謝るべきは国民だ」と指摘し、条件付きであっても続投は認めない考えを強調した。
 一方で、「内閣の方針として西川さん続投なら、タイミングによって罷免や辞任は十二分にあり得る」と述べた。「こんなことで信念を曲げたら男ではない。首相は分かってくださると信じている」とも語った。
 自民党の細田幹事長は党役員連絡会後の記者会見で、「できれば12日中に何とかしてほしい。早急に政府側で意思を決めてほしい」と強調。公明党の太田代表も記者会見で、「私の感じでは、調整はかなり進んでいるのではないかと思う。できるだけ、早く結論が出ることを強く望む」と述べ、調整が最終段階に来ているとの見方を示していた。
 日本郵政の社長人事をめぐっては、指名委員会が5月18日に西川氏再任を内定し、6月29日の株主総会で、唯一の株主である政府の代表者が出席して人事を決定する運びとなっている。法律上、最終的な認可権限を持つ鳩山総務相は、「かんぽの宿」売却問題などでの経営責任などを理由に、西川氏更迭論を繰り返し、首相の対応が注目されていた。


鳩山さん、目に涙「総理判断間違い」…西川社長は終日沈黙 2009年6月13日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090613-OYT1T00158.htm
 「かんぽの宿」売却問題に端を発した鳩山総務相と西川善文・日本郵政社長の意地の張り合いは12日、現職大臣の更迭という形で決着した。
 「売却先を決めた入札はできレースだった」などと強い口調で経営責任に言及してきた鳩山氏だが、最後は、西川社長の謝罪という妥協案も突っぱねて、半年間にわたる対立劇から降りた。疑惑解明を期待した国民が置き去りにされる形の幕切れとなった。
 「正しいと思ったことが通用せず、潔く去ることにした」――。12日午後2時ごろ、麻生首相に辞表を提出してきた鳩山氏は、官邸で報道陣を前にその理由を語った。口はへの字に曲がり、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
 社長続投について問われると「総理の判断は間違い」と断言。「歴史が私の正しさを証明する。歴史といっても50年、100年先ではなく、1年以内にも証明は出る」と胸を張った。自身への謝罪と続投をセットにした妥協案が示されたことには「そんなバカな妥協案はない。国民に謝罪すべきだ」と声を荒らげた。
 鳩山氏の下で疑惑解明に当たった総務省は、トップの辞任を複雑な思いで受け止めた。ある幹部は「障害者向け割引制度を悪用した不正ダイレクトメール事件など多々ある不祥事を見た上で『この経営者はおかしい』と指摘したのに」と不満を口にした。20歳代の男性職員も「信念を持って疑惑の追及に取り組んできたので、個人的に辞任は残念」と肩を落とした。
 一方、東京都千代田区の日本郵政本社に出社していた西川社長は、終日沈黙を通した。同社幹部の一人も「まだ、社長の続投が正式に決まったわけではない」と口ごもった。
 現職大臣辞任にもかかわらず、鳩山氏の記者会見は開かれなかった。官邸を後にした鳩山氏は、台東区の谷中霊園で祖父・鳩山一郎の墓参りを済ませ、この日、出産を迎えた長女を見舞うため、港区の病院を訪問。午後5時過ぎには文京区の自宅に戻ったが、問題追及の今後について問われ、「誰かがやる。私もやるから」と答えただけだった。

◆意地の張り合い、折り合えず◆
 なぜ、ここまでこじれたのか。2人の対立の背景には「頑固で負けず嫌い」という共通した人柄が見え隠れする。似た者同士の性格が災いしたのだろうか――。
 発端は、かんぽの宿売却を巡る問題だった。鳩山氏は1月6日、「国民は『できレース』と受け取る可能性がある」とオリックスへの一括売却に不信感を表明。だが、その後、西川氏は「不正義ということではない」と反論した。
 2月には東京中央郵便局の建て替え論議も。鳩山氏が「トキを焼き鳥にして食べるようなものだ」(2月26日の衆院総務委員会)と言えば、西川氏も「耐震性や使い勝手の問題があり、使い物にならない」(3月3日の記者会見)と応戦。
 5月18日、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会で西川氏の続投が内定すると、鳩山氏は「政界が反対しても、財界が反対しても、最後の一人になるまで戦う」とかたくなな姿勢を崩さなかった。
 はた目からは理解しがたいような意地の張り合い。これについて、鳩山氏の選挙区、福岡県久留米市のある市議は、「注目を集める言動が目立つが、いつも説明不足。『自分の考えは理解してもらえる』と思い込むお坊ちゃまタイプだ」と鳩山氏を評する。一方の西川氏については金融ジャーナリストの浪川攻さんが「一言で言えば負けず嫌い。逆風が吹けば吹くほど立ち向かうタイプ。自分が正しいと思えば、大臣が相手でも白旗は掲げないだろう」と分析する。
 ただ、2人の性格のぶつかり合いだけが対立の理由でもなさそうだ。経済評論家の高木勝さんは「西川氏は、郵政改革を進めてきた小泉・竹中ラインの支持を錦の御旗にして踏ん張ってきた」として、「鳩山氏と郵政改革派の争いだったという側面があったため、互いに引くに引けなかったのではないか」とみている。


首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め 2009年6月13日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090613-OYT1T00127.htm
 麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。
 今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。
 首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。
 しかし、直後から巻き返しにあう。
 指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。
 竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。
 結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。


強気の西川社長、後ろ盾は「小泉人脈」有力財界人  2009年6月13日 読売 
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090613-OYT1T00074.htm
 日本郵政の西川善文社長が、取締役選任の認可権を握る鳩山総務相の意に反して続投の姿勢を崩さずにきたのは、財界有力者の支持を取り付けたことが大きい。
 財界には西川氏に批判的な声もあったが、小泉元首相に連なる人脈が動き、そうした声を「封じ込めた」(関係者)との見方がある。
 日本郵政の取締役人事を決める指名委員会には、委員長の牛尾治朗・ウシオ電機会長をはじめ、奥田碩・トヨタ自動車相談役、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長という有力財界人3人が社外取締役として名を連ねる。
 牛尾、奥田の両氏は、小泉政権下の経済財政諮問会議で民間議員を務め、丹羽氏は安倍、福田の両政権で諮問会議の民間議員だった。いずれも郵政民営化などの「構造改革路線」を支える役目を果たし、小泉元首相と親しい。
 指名委員会は5月18日に西川社長の続投を決めた。実はそれ以前、西川氏の進退問題が浮上した今春に、財界の中枢で後任候補の人選が極秘裏に進んだことがある。
 しかし、リストに挙げられた候補者が相次いで固辞。さらに小泉元首相の人脈が「火消し」に動く一方、西川氏に対しては「自分から辞めると言わないことが、一番大事だ」と支え、後任探しはさたやみになった。
 その後、麻生首相や鳩山氏が後任探しに乗り出す場面もあったが、民間人が財界の後押しもなく「火中の栗を拾う」のは厳しい。「指名委員会が西川氏続投を決めた時点で、勝負はついていたのかもしれない」(財界関係者)。有力な後任を見つけられなかったことも、西川社長の続投やむなしとの判断につながった。


野党、首相問責を検討 鳩山氏との連携には温度差 2009年6月13日 読売
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090612AT3S1202S12062009.html
 野党は鳩山邦夫前総務相の事実上の更迭を受け、麻生政権への批判を一層、強めていく構えだ。麻生太郎首相を早期に衆院解散・総選挙に追い込むため、参院への首相問責決議案の提出も検討する。鳩山氏が自民党を離党する可能性もあるとみて、連携を模索する動きも出てきそうだ。
 民主党の鳩山由紀夫代表は12日、都内で記者団に「首相のリーダーシップの欠如は甚だしいにもほどがある。早く国民に信を問う状況をいかに民主党としてリードしていくかが求められる」と強調。岡田克也幹事長も「首相と(鳩山前)総務相がぶざまな姿をさらしたことに非常に危機感がある」と述べた。
 社民、国民新両党は日本郵政の西川善文社長が続投した場合、野党が過半数を握る参院に首相問責決議案の提出を検討すべきだと主張してきた。鳩山代表は記者団に「これから検討する価値はある」と語った。


鳩山更迭、政権弱体化に…衆院解散ますます遠のく 2009年6月13日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090612-OYT1T00899.htm
 重要閣僚で麻生首相の盟友でもある鳩山氏の辞任は、首相の政権基盤の弱体化につながることは確実だ。
 与党では、早期の衆院解散・総選挙は難しくなったという見方が広がっている。
 2009年度補正予算関連法案の税制関連法案や国民年金法改正案、海賊対処法案は19日に成立する見通しだ。与党の一部には、この直後に衆院解散に踏み切り、7月12日投開票の東京都議選との同日選を行うべきだという意見もあるが、今回の事態を受け、「同日選は難しくなった」という受け止め方が広がっている。
 首相はなお、「6月末~7月中旬の衆院解散、8月2日投開票」の日程を模索する構えだが、党内には首相への批判も広がっており、首相が主導権を握って解散に持ち込めるかどうかは不透明だ。解散時期が通常国会会期末までずれこむ場合は、8月30日か9月6日の投開票が有力となる。


鳩山総務相更迭:広がる内閣批判 2009年6月13日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090613k0000m010084000c.html
 麻生太郎首相が日本郵政の西川善文社長の続投を認め、鳩山邦夫総務相が辞任したことを受け、与党内では首相の指導力に疑問を示す声や、衆院選への影響を懸念する声が相次いだ。一方、野党は早期の衆院解散を求めると共に、西川氏続投を問題視し、国会論戦で追及する構えだ。

◇指導力に疑問…与党
 自民党の細田博之幹事長は12日、党本部で記者団に「自分の意見が通らなくて閣僚を辞める人が出ることはよくある」と述べ、事態の沈静化に努めた。大島理森国対委員長も「災いを乗り越えてしっかり歩むことが問われている」と強調したが、与党内には事態収拾の遅れた麻生首相への批判が公然化し、動揺が広がっている。
 首相に近い菅義偉選対副委員長は同日、党本部で記者団に「(党内は)落ち着いてくる」と楽観的な見方を強調。ただ、伊吹文明元幹事長は「国民の感情からすると、鳩山氏の主張のほうがストンと胸に落ちると思う」と今後の影響を懸念する。谷川秀善参院幹事長は「『けんか両成敗』が一番いいと思っていた。おかしい」と首相の判断を批判した。
 問題の長期化を招いた麻生内閣への不満は広がる一方。公明党の漆原良夫国対委員長は「首相の決断が遅く、指導力に疑問符がつくことは否めない」と厳しく批判した。「支持率低下は免れない。首相の早期の衆院解散は難しくなった」(自民党若手)との声も出ており、鳩山氏側近議員の一人は「麻生内閣の終わりの始まりだ」と吐き捨てるように言った。
 一方、政権と距離を置く中川秀直元幹事長は12日、東京都内で記者団に「麻生内閣として正しい判断だった。(麻生降ろしの動きは)すぐにはならないと思う」と語り、反麻生の動きを「封印」してみせた。鳩山氏らの離党については「注視するしかない」と語った。

◇早く解散を…野党
 「政権の体をなしていない姿をまた露呈した。国民の信頼に足る政権を作るしかない。早く解散をおやりなさい」。民主党の鳩山由紀夫代表は記者団に強調。小沢一郎代表代行は松山市内で記者団に「(会期末の7月)28日までに解散できなければ首相は野垂れ死にだ」と述べた。
 郵政民営化に造反した自民党離党者が結成した国民新党の亀井静香代表代行は毎日新聞の取材に「自民党政治の終わりだ」と断じ、旧郵政省OBの長谷川憲正同党副幹事長は記者団に「麻生さんも小泉(純一郎)さんのかいらいだった」と皮肉った。
 ただ、首相問責決議案提出には民主党は慎重だ。岡田克也幹事長は「安売りすべきではない」と述べ、輿石東参院議員会長も毎日新聞の取材に「今後も国会で郵政問題を追及する」と語っており、この問題だけで審議拒否につながる問責提出には踏み切らない姿勢だ。
 共産党の穀田恵二国対委員長は記者団に「民営化路線を一から見直すことが必要だ」と国会論戦の焦点に据える考えを示し、社民党の福島瑞穂党首は記者団に「辞めさせるべき相手が違っている。首相問責も含めて検討する」と語った。


鳩山氏の動向に注目集まる 自民離党か、民主と連携か 2009年6月13日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090613AT3S1202H12062009.html
 自民党内では総務相を事実上、更迭された鳩山邦夫氏の動向に注目が集まっている。鳩山氏は当面、党内での支持拡大を目指す考えだが、周辺では次期衆院選前の離党や新党結成の可能性が取りざたされている。
 鳩山氏には元秘書を中心とした数人の側近議員がいる。12日も鳩山氏の辞任後の対応を協議し、当面は党内にとどまることを確認した。17日にも都内で自身と親しい約30人の議員を集めて会合を開く予定だ。側近の間では衆院選直前に「党内の改革努力は尽きたとの名目で新党をつくるシナリオもある」という。日本郵政の社長続投問題では、野党と立場が似ている。世論の動向次第では離党後、郵政問題を軸に民主党と連携する可能性も否定できない。





 日本郵政の西川社長の続投問題をめぐる鳩山総務相と西川社長及び郵政民営化推進派とのバトルが、鳩山総務相の辞任(事実上の更迭)という形で決着がついたことは先日のブログでもお伝えしましたが、鳩山氏の「潔く去るのがいいと判断」発言からは一種の潔さが伝わる反面、世間ではこの問題をめぐる批判が高まり、自民党にとってはますます痛手となりそうですね…。
 まあ、現実問題としては、就任してまだ3年半しか経っていない、しかも建前は民営化したことになっている会社の社長、加えて住友銀行時代には『最後のバンカー』とまで呼ばれた程の超大物を(本人が自ら辞意を表明したわけでもないのに)斬れるか…となれば、たとえ小泉氏一派の巻き返しがなくとも、銀行業界全体を敵に回しかねない行為を行なうことは(たとえ総理の首が飛ぶことになっても)出来なかったと思いますが、てっきり西川氏に形式的にも謝罪させた上で、お目付け役をつける形で双方に妥協を迫るとばかり思っていただけに、この結果はやはり予想外でしたし、何よりも西川氏がだんまりを決めていることがますます氏への印象を悪くしているだけに、この問題がすんなり決着がつくかどうかはまだ予断を許さないのではないかと思います。

 一方、野党は早速首相への問責決議を検討すると共に、鳩山氏が離党する可能性も想定した上で、連携を模索する動きも見られるようです。まあ、鳩山氏の場合、当時の民主党代表だった菅直人への批判など過去にいろいろと問題発言を繰り返しているだけに、もし衆議院選で民主党が勝利して連立政権を作ったとしても、いきなり閣僚入りすることは他の主力議員との兼ね合いもあり中々難しいと思うのですが、郵政民営化反対をのろしに上げていた国民新党とはかなり考え方が一致するところもあるでしょうし、その後の連携を意識したのか、国民新党や社民党も鳩山氏については今回ばかりは批判を控えているようですし、今後鳩山氏がどのような言動に出るのか(新党は作るのか)、他の野党との連携を取るのか、鳩山氏に続いて何人が離党するのかなどなど、与野党双方の陣営がその後の行方を固唾を呑んで見守っているというのが現実ではないでしょうか…。