ナポリのゴミ問題で再び抗議激化…放火100件、列車妨害も 2008年5月19日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080519-OYT1T00261.htm
イタリア南部ナポリで家庭のゴミが回収されないまま路上に山積している問題で、悪臭に耐えかねた住民がゴミに放火したり、道路を封鎖したりして、伊政府や市当局に抗議する動きが再び激化している。
伊メディアによると、17日夜から18日夜にかけて、100件以上の放火が起き、住民が市内の鉄道の線路にゴミ袋を積み上げ、列車の通行を一時妨害する事件もあった。
今月上旬に就任したべルルスコーニ首相は、21日に初閣議をナポリで開催し、ゴミ問題の解決策の検討に入る方針。
ナポリとその周辺では、地域のゴミ処理施設が満杯になった2007年末から、ゴミの回収が滞るようになり、生ゴミなどの散乱が深刻化。今年に入って住民の抗議行動が激化したため、伊政府は軍を動員してゴミを域外に運び出すなどの対策を取ってきたが、処理が追いつかず、住民の抗議が再燃した。
ナポリ市内では現在、約5000トンのゴミが放置され、周辺部ではさらに約5万トンが未回収という。
ナポリで家庭のゴミが回収されないまま、路上に山積している問題ですが、悪臭に耐えかねた住民がゴミに放火したり、道路を封鎖するなど、再び騒ぎが大きくなっているようですね。
この都市の場合、元々狭い地域にナポリ都市圏だけで人口が300万人も住む(人口密度は8490 人/km² !)という過密都市ぶりだったのですが、州内のゴミ処理場5箇所が全て満杯になり、加えてゴミ収集を請け負っていたマフィアに当局が圧力をかけたことで、反発したマフィアがゴミ回収を中止。一説にはマフィアが自分達の立場を貶めようとしている市長を辞任させようと、あえて住民を煽っているという説まであり、かといって他の埋め立て場所がそう簡単に見つかるわけでもないだけに、解決できる見通しも立たず、それだけに非常に厄介な問題だと思います。
とはいえ一番深刻な問題は、観光都市でありながら観光客がこのゴミ問題の影響で激減しているという残酷な現実。勿論生ゴミの臭いが充満していれば、これから暑くなっていく中、周辺に住んでいる方はたまったものではありませんし、伝染病が発生するリスクも含め衛生的にもかなり問題があるのですが、日本で言えば、京都市内がゴミで埋もれるようなもの。
もし観光客がナポリという都市そのものを旅行の目的地から外せば、ナポリ市内の観光客相手に商売をしているあらゆる業種の方の生活が脅かされるだけでなく、ひいてはイタリアの他の都市を訪問する観光客数も減ることにもつながりかねませんし、そうなれば外貨収入そのものが減少するリスクさえあるのではないでしょうか。
この国の場合は、観光客が落とす外貨収入にかなり頼っている一面があるだけに、『北部のゴミを持ってくるな』などと都市間の意地の張り合いなどやっている状況ではありませんし、国レベルで街を綺麗にすることで、国としての競争力を維持することが急務になっていると思います。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080519-OYT1T00261.htm
イタリア南部ナポリで家庭のゴミが回収されないまま路上に山積している問題で、悪臭に耐えかねた住民がゴミに放火したり、道路を封鎖したりして、伊政府や市当局に抗議する動きが再び激化している。
伊メディアによると、17日夜から18日夜にかけて、100件以上の放火が起き、住民が市内の鉄道の線路にゴミ袋を積み上げ、列車の通行を一時妨害する事件もあった。
今月上旬に就任したべルルスコーニ首相は、21日に初閣議をナポリで開催し、ゴミ問題の解決策の検討に入る方針。
ナポリとその周辺では、地域のゴミ処理施設が満杯になった2007年末から、ゴミの回収が滞るようになり、生ゴミなどの散乱が深刻化。今年に入って住民の抗議行動が激化したため、伊政府は軍を動員してゴミを域外に運び出すなどの対策を取ってきたが、処理が追いつかず、住民の抗議が再燃した。
ナポリ市内では現在、約5000トンのゴミが放置され、周辺部ではさらに約5万トンが未回収という。
ナポリで家庭のゴミが回収されないまま、路上に山積している問題ですが、悪臭に耐えかねた住民がゴミに放火したり、道路を封鎖するなど、再び騒ぎが大きくなっているようですね。
この都市の場合、元々狭い地域にナポリ都市圏だけで人口が300万人も住む(人口密度は8490 人/km² !)という過密都市ぶりだったのですが、州内のゴミ処理場5箇所が全て満杯になり、加えてゴミ収集を請け負っていたマフィアに当局が圧力をかけたことで、反発したマフィアがゴミ回収を中止。一説にはマフィアが自分達の立場を貶めようとしている市長を辞任させようと、あえて住民を煽っているという説まであり、かといって他の埋め立て場所がそう簡単に見つかるわけでもないだけに、解決できる見通しも立たず、それだけに非常に厄介な問題だと思います。
とはいえ一番深刻な問題は、観光都市でありながら観光客がこのゴミ問題の影響で激減しているという残酷な現実。勿論生ゴミの臭いが充満していれば、これから暑くなっていく中、周辺に住んでいる方はたまったものではありませんし、伝染病が発生するリスクも含め衛生的にもかなり問題があるのですが、日本で言えば、京都市内がゴミで埋もれるようなもの。
もし観光客がナポリという都市そのものを旅行の目的地から外せば、ナポリ市内の観光客相手に商売をしているあらゆる業種の方の生活が脅かされるだけでなく、ひいてはイタリアの他の都市を訪問する観光客数も減ることにもつながりかねませんし、そうなれば外貨収入そのものが減少するリスクさえあるのではないでしょうか。
この国の場合は、観光客が落とす外貨収入にかなり頼っている一面があるだけに、『北部のゴミを持ってくるな』などと都市間の意地の張り合いなどやっている状況ではありませんし、国レベルで街を綺麗にすることで、国としての競争力を維持することが急務になっていると思います。