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「小中学生に携帯持たせるな」って…。あまりにも子供達を見下していませんか?

2008-05-17 16:17:54 | Weblog
政府の教育再生懇「小中学生に携帯持たせるな」報告盛り込みへ 2008年5月17日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080517/plc0805171316006-n1.htm
 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は17日、都内のホテルで会合を開き、子供を有害情報から守るため「小中学生に携帯電話を持たせるべきではない」とする内容を、6月にまとめる第1次報告に盛りこむことで一致した。
 有害サイトを通じて犯罪に巻き込まれたりいじめが起きたりしていることや、子供が携帯電話を持つ必要はないとする福田康夫首相の持論を反映させることになった。
 会合では、情報行政を所管する総務省と携帯電話事業者から意見を聞いた上で議論を進めた。事業者側は、総務省の要請で有害サイトの閲覧をやめることができる「フィルタリングサービス」を導入し、18歳未満は原則加入としている取り組みなどを説明した。
 しかし、再生懇の委員らは、保護者がフィルタリングを解除する恐れがあることを指摘。また、携帯メールを多用することで友人らと直接コミュニケーションを取らなくなり人間関係の形成に影響する、などの声もあがった。山谷えり子首相補佐官は会合終了後の記者会見で、子供に携帯電話を持たせることについて「メリットよりも大きな害があることをよく考えてほしい」と強調した。
 再生懇の前身である教育再生会議は昨年12月の第3次報告で、有害情報対策としてフィルタリングを義務づける法的規制を導入するよう提言していた。しかし、首相が「子供が携帯を持つべきかどうかを議論した方がいい」と指示し、新たに所持を規制する議論が始まった経緯がある。



 そもそも、子供の携帯電話の利用を審議する公式の場に、山谷えり子氏のような、ジェンダーフリー教育やポジティブアクションに猛反発する、超保守的な発想しかできない(融通が利かない)議員がいること自体、公正な議論が進まない危惧を感じるのですが、『小学生ばかりか中学生まで、携帯を持たせるな!』なんて、『あんたはどこぞの軍事政権の中枢人物か!』と、思わず嫌味の一つも言いたくなりますね。

 まず携帯電話に本来備わっている通信機能やGPS機能と、インターネット検索機能やメール機能ははっきり分けて考える必要があります。
 そもそも、親が小学生の子供にわざわざ携帯電話を持たせようとする理由は、何故でしょうか? 世の中が物騒になっているから、万が一の時の連絡手段や位置確認手段として持たせている。あるいはワーキングマザーが子供と頻繁にコミュニケーションを持つために、あえて持たせているのではないでしょうか?
 子育て世代の親の気持ちがわからない方が、いくらこの手の議論を進めても、子育て世代からの共感は得られませんし、もし携帯禁止が実現したところで、親の側はこっそり買い与えることが予想されます。

 それに問題とされているのはインターネット検索機能。だったら、ネット検索のみない子供用の携帯電話を開発するという選択肢はないでしょうか。
 メール機能については、既に中学生の大半が携帯メールで友人とのコミュニケーションをとっている現実を全く無視していますし、100歩譲って禁止したところで、罰則が伴わなければ完全に浸透するまでに何年もかかり、その間携帯電話を持たない中学生はコミュニケーションの手段を奪われて、孤立することにもなりかねません。この人達も、なんでこんな簡単なことがわからないんでしょうかねぇ…。
 人をバカにするにも限度がありますし、こんな連中が、子供への携帯電話の使い方を審議しているお偉いさんかと考えるだけでも、今後の議論がおかしな方向に進んでいかないか心配になってきます。

通信簿に“インフレ現象” 評価「1」つかない!?

2008-05-17 16:08:03 | Weblog
通信簿に“インフレ現象” 評価「1」つかない!? 2008年5月7日 産経
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080506/edc0805060121000-n1.htm
 公立中学校の通信簿の5段階評価で、学校や地域の差が依然としてある。「相対評価」から「絶対評価」に変わり7年目を迎えるが、成績のインフレ傾向が目立ち、生徒の9割に「5」をつけるケースも。高校入試での不公平感を解消しようと千葉県や熊本県は独自の内申補正制度を導入。新しい学習指導要領実施を控え、文部科学省は絶対評価制度の簡素化を念頭に、中央教育審議会で見直しを検討する。
 首都圏1都3県で教育委員会が公表している最近のデータなどを調べたところ、公立中学3年の9教科平均で「5」の割合は相対評価(上位7%)時代と比べ、千葉が3倍、東京と埼玉が2倍だった。
 千葉を例にすると、相対評価では3だったはずの平均値が、18年度に3.59に上昇した。
 特に保健体育や美術などの技能系4教科で上昇が目立っている。学校間格差も大きく、「最も甘い」学校は平均4.11だが、「最も厳しい」学校は3.11と、1段階の差がある。
 千葉県浦安市のある市立中では、「5」がついた生徒の割合は保健体育が89%、美術が74%、社会が69%、理科が59%。平均的な生徒でも計9教科のうち4教科で「5」がもらえる計算だ。生徒180人のなかで「1」がついた生徒は1人もおらず、「2」も各教科数人しかいない。
 成績の格差に保護者は敏感だ。和歌山県の市立小では昨年、2年生の1学期の通知表を配布後、「別のクラスより評価が厳しい」と保護者からの苦情を受けて、成績を書き換えたことが発覚した。
 成績評価の見直しも始まっている。
 熊本県では「絶対評価の公平性を高めたい」として18年度以降、一般入試(後期選抜)の制度を変更。調査書(内申書)の評定を学力試験の得点に基づいて補正する新方式を導入した。
 英語の3年間合計の評定が15の生徒の場合、同教科の学力試験で満点なら補正後の評定を18に加算し、0点なら10に減じる。
 千葉県は今春の入試から、独自の補正算式を用いて格差を是正し始めた。生徒の通う中学校の評定平均値が、県が設定する評定標準値より高ければ、その分を減じ、逆に低ければ加算する。「各校の絶対評価は尊重しつつ、相対評価には戻さずに公平にした。保護者からは理解されている」(県教委指導課)という。
 一方、大阪府は高校入試に使う調査書で相対評価を続けている。「一定の基準に達すれば合格する検定試験とは違い、定員が限られる高校入試は制度自体が相対評価だ。(絶対評価は)成績が全般的に上昇するので上位層は調査書で差がつかない」(府教委高等学校課)という。



 首都圏の公立中学3年生の5段階成績の分布状況を見ると、相対評価時代は3が38%、2と4が24%、1と5が7%ずつだったのですが、絶対評価になってからは、
東京は、5が13.5%、4が25.9%、3が42.7%、2が13.6%、1が4.3%
神奈川は、5が11.9%、4が32.2%、3が34.8%、2が14%、1が7%
千葉は、5が21.6%、4が29.9%、3が34.6%、2が10.5%、1が3.5%
埼玉は、5が14.3%、4が25.8%、3が40%、2が14.8%、1が5.1%
 と、どの都県も全体的に評価が甘くなっているようですね。(特に千葉でこの傾向が顕著です)
 たださすがに、生徒の9割に「5」をつけるというのでは、これでは何のための5段階評価なのかわかりませんし、保健体育や美術といった受験科目に直接関係の科目が中心に寛大化傾向が進んでいるのだとは思いますが、あまり行き過ぎるのも時には考えもの。
 最近はモンスターペアレントの問題もあり、学校側も『下手に1をつけて怒鳴り込まれてはたまらない』ことや、内申書に響くような評価は極力つけたくないという気持ちもわからなくもありませんが、評価は評価としてきっちり行ってもらわなければ、ひいてはその生徒のためにならないと思うんですけどね…。

“個人タクシーの乱”に無線配車停止のペナルティー

2008-05-17 16:04:59 | Weblog
“個人タクシーの乱”に無線配車停止のペナルティー 2008年4月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080429-OYT1T00059.htm
 東京都内の個人タクシー計83台が、運賃値上げと禁煙化に従わないことを理由に加盟する二つの組合から無線配車を止められていることがわかった。
 大幅な収入減になる運転手は、「営業活動の妨害だ」と猛反発。組合のうち一つは公正取引委員会から注意を受けても「禁煙化はお客さんとの約束」として無線配車を再開しない方針で、一歩も引かぬ構えだ。喫煙車は迷惑、でも値上げ見送りはうれしいという人も多いと思うが、さて利用者の軍配は――。
 組合は、屋根のあんどんが「ちょうちん」の日個連東京都営業協同組合(都営協)と「でんでん虫」の東京都個人タクシー協同組合(東個協)。両組合とも昨年12月3日から初乗り運賃を710円に値上げし、1月7日に全面禁煙に踏み切った。
 23区を走る両組合の個人タクシー約1万7700台のうち、無線車は約3100台。このうち都営協の17台、東個協の61台が全面禁煙の方針に従わないほか、都営協の無線車5台は現在も初乗りを650円に据え置くなど以前の運賃体系のままで営業している。
 説得に応じようとしないタクシーに業を煮やした両組合では、そろって2月に喫煙車への無線配車をストップ。都営協は4月から運賃据え置きの5台への無線配車も取りやめた。無線配車を受けられないと、深夜にタクシーチケットで帰宅する長距離の固定客を乗せることができなくなる。
 喫煙車として営業している都営協加盟の江戸川区に住む男性運転手(61)は「自分もたばこを吸うし、サービスを差別化したかった」と話す。昨年の収入約800万円のうち無線配車分は約410万円で、以前よりも自宅を2時間早く出て明け方まで赤坂や六本木を流し、収入を確保している。
 運賃を据え置いている足立区の男性運転手(69)は「客足にどう影響するか様子を見たかっただけなのに」と話し、2人は「組合の方針に兵糧攻めで従わせようというやり方には納得できない」と憤る。
 男性運転手らは、組合の行為が独占禁止法が禁止する「事業者団体による不当な活動制限」にあたるとして公取委に申告。公取委は組合からも数回事情を聞いたうえで今月、「好ましくない」と指摘した。これを受けて都営協では5月7日にも配車を再開するが、東個協は未定。東個協は「組合の方針に従わなければ、ペナルティーの可能性があるのは当然。車の買い替えをサポートするなど、禁煙車化を進めるための手も講じたい」としている。


 う~ん。会社に所属する運転手ならば、初乗り運賃の値上げや、禁煙化に従うのも当然だと思うのですが、さすがに個人タクシーにまで強引に適用しようとして、従わないことを理由に、無線配車を止めるという兵糧攻めをするのはどうなんでしょうね…。
 どうやら運賃据え置きの5台が所属する都営協の方は、5月7日にも配車を再開したようですが、東個協(喫煙車両61台)の方は、GWが過ぎても兵糧攻めを継続するようですし、さすがにここまで強制するようだと、顧客の利便性という問題とは別に、一体何のための個人タクシー制度なんだろうと、少し考えさせられるものがありますね。

SHOP99“名ばかりの店長”…残業代支払えと提訴

2008-05-17 16:03:08 | Weblog
SHOP99“名ばかりの店長”…残業代支払えと提訴 2008年5月10日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080509-OYT1T00612.htm
 店長というだけで管理職とみなし、残業代を払わないのは違法だとして、コンビニエンスストア「SHOP99」の元店長で東京都八王子市在住の清水文美(ふみよし)さん(28)が、同店を展開する「九九プラス」(東京都小平市)を相手取り、未払い残業代など約450万円の支払いを求める訴えを9日、東京地裁八王子支部に起こした。
 訴状によると、清水さんは2006年9月に入社。昨年6月から10月まで都内の3店舗で店長を務めた。
 店舗は24時間営業だが、アルバイトなどの従業員がいない場合は店長が穴埋めをしなければならず、昨年8月にはほぼ24時間、勤務を続けたこともあったという。清水さんは長時間労働などが原因でうつ病と診断され、10月から休職している。
 九九プラス経営推進室は「訴状が来ていないので、コメントは差し控えたい」としている。


 コンビ二版の100均ショップであるSHOP99でも、名ばかり店長が残業代の支払いを求める訴えがとうとう提起されてしまいました。
 マクドナルドの店長の残業代支払い命令が認められてから、外食産業や紳士服販売店などで、この手の訴えが相次いでいますが、果たして会社側の責任は認められるのでしょうか。
 ところで、SHOP99と言えば、他のコンビニと比べて安さをウリにする コンビニと100均ショップの双方をライバルに持つ中間形態のお店。もし、SHOP99のような、もともと粗利益率が低く、量をさばくことで利益を上げているようなお店でも残業代の支払命令が出れば、コンビニ業界だけでなく、100均ショップ全体が人件費上昇の荒波にもまれることになりますし、100均ショップの場合、マクドナルドのように簡単に値上げできないだけに、裁判でどのような判断が下されるのか注目されますね。
 訴え人の事情を聞いていると、残業代を払ってあげて欲しいと思う反面、利用客から見れば、容量を減らされる形での実質値上げを迫られることにもなりかねませんし、私自身も、時折このお店を利用しているだけに、正直非常に複雑な思いで、この裁判の行方を見守っています。

勤務中のプール通いで121人処分、2人は免職 大阪市

2008-05-17 15:59:47 | Weblog
勤務中のプール通いで121人処分、2人は免職 大阪市 2008年05月14日
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0513/OSK200805130078.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080514-OYT1T00038.htm
 大阪市は13日、懲戒免職を含む職員計121人の大量処分を発表した。4年半にわたって勤務時間中にプールで泳いでいた職員や、胴回りが大きくてマンホールで作業ができない部下に、特殊勤務手当を不正受給させていた上司も免職になった。
 処分の内訳は懲戒免職、諭旨免職が1人ずつ、停職28人、減給16人、戒告18人など。今年2月、建設局職員がカラ残業への協力を拒んだ同僚に暴行し、逮捕されたことなどを受けて市が全職員を調査していた。
 今回、懲戒免職になったのは建設局東南工営所の技能職員(40)。勤務中に負ったけがが完治したにもかかわらず、03年4月から07年10月までの間、少なくとも計806日、1209時間にわたって勤務を抜け出し、公営プールで泳ぐなどしていた。職員は「リハビリなので問題はないと思った。職場も認めていた」と釈明しているという。市は不正に受け取った給与約220万円の返還も求める。
 また、建設局南部下水道管理事務所の主任(47)は、胴回りが太い部下(48)をかばって諭旨免職になった。部下はマンホールに入って下水管の詰まりなどをとる作業の担当だが、マンホールの大きさによっては内部での作業ができなかった。
 作業は1回につき、汚水内作業手当770円が支給される。主任は「他の職員より手当が少なく、気の毒に思った」として、06年4月から07年3月の間の43日分、部下がほかの職員同様に作業したように書類を偽造し、3万3110円を不正に受給させていた。この部下は停職3カ月の処分を受けた。
 一方、健康福祉局の係長(41)は妻の両親、祖母2人、おじ1人、おば3人が亡くなったことにし、06年3月から07年6月の間に8回、計12日間の忌引休暇を取り、停職2カ月になった。「年次休暇より取得しやすかった」と話しているという。忌引休暇の不正取得で処分されたのはこの係長を含め5人だった。
 大阪市は05年にカラ残業などで計7924人を処分、昨年は学歴詐称にからんで965人、市税滞納などで80人、マイカー通勤の職員など50人を処分している。



 今回の大阪市職員の懲戒処分ですが、4年半にわたって勤務時間中にプールで泳いでいた職員がいたり、胴回りが大きくてマンホールで作業ができない部下に特殊勤務手当を支給 ですか…(呆れ
 ちなみに、プールで泳いでいて懲戒免職となった職員については、『リハビリなので問題はないと思った。職場も認めていた』と言い訳しているようですが、出先機関で資材管理などを1人で担当していたため、上司のチェックがかからない放置状態だったようですし、抜け出した時間はわかっているだけでも計1209時間! さすがにこちらは処分されてしまったのも無理ないかと…。
 また諭旨免職になった職員ですが、こちらは、部下の中に胴回りが太くてマンホール内で作業ができない職員がいて、「他の職員より手当が少なく、気の毒に思った」という理由で、1回につき770円の汚水内作業手当を43回分、実際には作業をしていないにも関わらず、計33110円分不正受給させたことが理由のようですが、厳密な意味では、こちらも公金横領の一種とはいえ、当の部下は停職3ヶ月だというのに、上司の方が諭旨免職というのでは、処分のバランスがいささか悪いような気もしなくもありませんね。
 忌引休暇の不正処分で懲戒処分を受けた方は同情の余地もないと思います。

中国四川大地震の死者は2万2千人を突破 伝染病蔓延の懸念も…。ニュース5本

2008-05-17 15:57:26 | Weblog
死者2万2千人超える=人命救助、最後まで努力-日本の援助隊も合流・四川大地震 2008年05月17日 時事
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date2&k=2008051601230&j1
 中国政府は16日、四川省を襲った大地震による死者が同日午後2時(日本時間同3時)の段階で2万2069人に増えたと発表した。うち四川省の犠牲者が2万1577人。同省政府によれば、ほかに1万4000人余りが生き埋めになっている。負傷者は全体で約16万人。
 地震発生から5日目の同日、胡錦濤国家主席が初めて四川省入り。新華社電によると、胡主席は「救援闘争は危急のときにある。(生存率が下がる)72時間を過ぎたが、人命救助のため寸秒を争い、一切の艱難(かんなん)を克服せよ」と檄(げき)を飛ばした。その後、壊滅的被害を受けた北川県を訪れ、被災者を励ました。
 日本の国際緊急援助隊も青川県の中心部、喬荘鎮に到着後、直ちに作業を開始。新華社は、小泉崇団長が「被災状況は極めて深刻だが、少しでも希望がある限り、最後の瞬間まで努力する」と語ったと伝えた。援助隊第2陣は同日夕、成都に到着した。

四川大地震、日本の救助隊が徹夜の作業・第2陣も合流へ 2008年5月17日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080517AT2M1701417052008.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080517-OYT1T00328.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY200805170089.html
 中国・四川大地震の被災地で救助活動をしている日本政府の国際緊急援助隊は17日、最初の活動地点である四川省青川県で徹夜の作業を続けた。女性と乳児の親子の遺体を発見したが、生存者の救出には至っていない。同日午前には第2陣が合流するが、地震発生からすでに5日が過ぎており、救助活動は難航を極めている。
 援助隊の第1陣31人は青川県喬荘鎮のビル倒壊現場で、16日夕からがれきの下敷きになった被災者の捜索を続けていた。3チームに分けて2時間交代で徹夜の作業を続けた結果、17日朝、出産のため里帰りしていた女性が生後2カ月の女児を抱きかかえるように倒れて死亡しているのが見つかった。
 親子2人の遺体は担架にのせられ、作業を見守っていた夫が白いシーツをかぶせた。女性の母親は泣き崩れた。

四川大地震、震源地からの生還者「一瞬で建物崩れた」 2008年5月16日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080516AT1G1600S16052008.html
 「一瞬で建物の下敷きになった」「目の前は真っ暗だった」――。死者が5万人を超える見通しとなった中国・四川大地震。今も1万2000人以上が生き埋めとなる中、震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州ブン川(ぶんせん)県で、がれきの下から助け出された人々が恐怖の瞬間を口々に語った。「死んだ友達の分まで勉強する」。生還者たちは紙一重で命を落とした友人らの死を悼み、生き方を模索し始めた。
 「崩れたコンクリート壁の下敷きになり、あきらめかけていた時、『生存者はいないか』という声が聞こえた。即座に『助けてくれ』と力の限り叫んだ」。ブン川県で救出され、隣接する都江堰市の臨時診療所に搬送された男性会社員、高福海さん(50)は全身打撲で簡易ベッドに横たわりながら、絶望のふちから生還した瞬間をゆっくりと語り始めた。

四川大地震 懸念される伝染病の発生 2008年5月17日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080516/dst0805162204007-n1.htm
 中国・四川大地震の発生から5日目を迎え、被災地では救出活動が続いているものの、復旧作業は遅々として進んでいない。劣悪な環境のなかで避難生活を送る被災者には疲労を色が浮ぶうえ、伝染病の流行への懸念が広がっている。
 震源から南方へ数十キロ離れた都江堰市。校舎の倒壊で生徒ら約900人が生き埋めになり、道端には白い布で包まれた遺体が並ぶ。
 人民病院には、多くの負傷者が運び込まれているが、医師はほとんど診療に携わっていない。治療は全国各地から駆けつけた医療チームに任せ、連日、がれきの町へ出向いている。伝染病の流行に最も神経をとがらせているからだ。
 「町の7割の家は住める状態にない。そこから伝染病が発生することを防ぐため、土地勘のあるわれわれは消毒作業に回っている。でも、消毒液の在庫はきょうで底をついてしまった」と女性医師が明かした。
 「大災害の後は必ず疫病が発生する」。武漢大の廖皓磊教授が“定説”を中国国営新華社通信に語っている。伝染病予防の専門家が、震災後に伝染病が発生しやすくなるとして、通常飲用しない井戸水やわき水、水たまりの飲む▽野宿による免疫力の低下▽ごみや糞(ふん)尿が適切に処理されず水源が汚染される▽避難所生活で身体の接触が増える▽食物の腐乱▽蚊の大量発生▽動物の死骸(しがい)の腐乱-の7つを挙げている。各被災地が置かれている状況が、まさにこの7つに当てはまる。
 殺菌されていない水や腐った食物は赤痢や手足口病を誘発する。他人との接触の増加は、はしかや風邪などの流行につながる。節約のため複数の人が同じ水で洗顔し、同じタオルを使えば急性出血性結膜炎の原因となる。蚊を媒介して広がるB型日本脳炎は6~8月に多発するという。
 また当局は、土砂やがれきの中から見つかった遺体の腐乱によるバクテリア発生を防ぐため、非情な処理を続けている。校舎が倒壊した学校ではグラウンドに生徒らの遺体が並べられ、家族の確認が済むと迅速に埋葬されている。徳陽市の一部では、発見された遺体はその日中の埋葬を徹底しているという。
 予報によると、四川省は今後1週間、晴れの日が多く、雨に妨げられていた救援活動の進展が期待されている。一方で、気温の上昇は遺体や水、食物の腐乱を進めかねない。20日には各地で「時々雨」となる見通しだが、湿気が増すことで腐乱をさらに加速することも懸念されている。
 「(伝染病による死者を)自然災害による犠牲者に加えさせてはならない」と中国衛生省幹部。震災との戦いは、新たな問題との戦いへと移りつつある。

避難所480万人超 腐敗始まり感染症発生 四川大地震 2008年05月17日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY200805170085.html
 中国・四川大地震で17日、テントやプレハブなどの避難所で暮らす被災者が、四川省内だけで480万人を超えることが同省政府の調べでわかった。インフラの復旧は大幅に遅れ、衛生状態が悪化している。衛生省は14の専門チームを被災地に派遣し、本格的な感染症対策に乗り出した。
 一方、各国から派遣された救援隊が被災地に入り、救出活動を本格化させ始めた。
 新華社通信によると、四川省綿陽市北川で16日午後、男性(46)が100時間ぶりにがれきの下から救出された。持っていたティッシュを食べ、尿を飲みながら飢えをしのいだという。生き埋めになった人の生存率が極端に下がる発生後72時間を過ぎた16日にも、新たに2213人が救出された。
 地震発生から4日が過ぎ、避難所の環境は悪化している。避難施設の設置が間に合わず、屋外生活を余儀なくされている被災者が多い。ほとんどの避難所にトイレや水道はなく、48台の移動式浄水機と10台の仮設トイレが送られたが、極端に不足している。
 雨がやんで気温が上がり始めていることから、急速に遺体の腐敗などが進み、いくつかの地域で感染症が発生する可能性があることから、がれきへの消毒を進めている。中国政府は17日午前、遺体収容のための特別チームを現地に派遣した。被災地で救助にあたる医師は「対策が遅れれば、感染症が広がる危険性が高い」と話す。
 各国の救援隊は、ファイバースコープや救助犬を使って、がれきや土砂に埋まっている人の捜索をしている。ロシアは50人が綿竹で救助活動を開始し、新たに49人を増派予定。韓国隊47人とシンガポール隊55人はジュウホウで作業をしている。また、台湾からの救援隊22人も16日夜、成都に到着した。




 一方、中国四川の大地震による死亡者数は2.2万人を突破し、生き埋めとなっている方もまだ1.4万人残されているようです。
 また、掘り出された遺体と対面した遺族は、伝染病予防のために 悲しむ間もなく、遺体確認後すぐに埋葬することを迫られているようで、こういうところは、医療技術後進国特有の悲しさというか、非情ではありますが、そうせざるを得ないというつらい状況に追い込まれているようですね。
 まあ、今はまだ瓦礫の下にいる方の人命救助が最優先されるのも致し方ない一面がありますが、もうそろそろ、被災者の生活支援と家族を失った方の心のケアを同時平行で行わなければなりませんし、今後は徐々に(表現は適切ではないかもしれませんが)“戦後処理”的な役割が求められていくのではないでしょうか。
 その“戦後処理”も、神戸の大震災の時は、体育館などに避難して、仮設住宅が出来次第、順次移動するなど、保健衛生上の問題は最小限に抑えることができたので、心のケアを中心に行えばよかったのですが、中国やミャンマーの場合は、建物そのものが、地域丸ごと崩壊しているケースも多いだけに、どう被災者に接し、かつ伝染病をどう予防していくか、中国は複数の観点から、非常に難しい舵取りを迫られることになるかと思います。

ミャンマー、サイクロン死者7万7千人…不明も5万5千人

2008-05-17 15:52:39 | Weblog
ミャンマー、サイクロン死者7万7千人…不明も5万5千人 2008年5月17日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080517-OYT1T00116.htm
朝日 http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY200805160324.html
 ミャンマー軍事政権は16日夜、国営放送を通じ、同国を襲った大型サイクロンによる死者が前日の発表より約3万人増え、7万7738人に達したことを明らかにした。
 行方不明者も5万5917人と約2倍に跳ね上がり、死者と行方不明者の合計は13万人を超えた。被災者に対する軍政の救援活動は全く行き渡っておらず、今後、飢餓や伝染病の蔓延なども予想されることから、犠牲者数はさらに拡大する恐れがある。
 軍政筋は急激に犠牲者が増えた理由について、難航していた最大の被災地・エヤワディ管区における調査が進んだ結果としているが、被害実態はなお不明だ。
 死亡・行方不明者数についてはこれまで、約10万人とする国連や、「20万人超」とする英政府関係者に対し、軍政発表は6~7万人で推移。国連などは「(軍政の数字は)実数とかけ離れている」などと指摘していた。
 また、援助物資が被災地に適切に届いていない現状から、被災者が餓死するなどの“二次災害”の危険もあり、犠牲者数の急増を機に、国連などが軍政に対する国外からの人的支援受け入れを求める動きがさらに強まるものと見られる。

ミャンマー:サイクロン被害 「救援活動、一度も見ない」 被災地住民、軍事政権批判 2008年5月17日 毎日
http://mainichi.jp/select/world/news/20080517ddm007030015000c.html
 「政府は我々のことなど、どうでもいいんだ」--。サイクロン「ナルギス」の直撃で壊滅的な被害を受けた、ミャンマー南部のイラワジ川河口地域。毎日新聞は16日、被災後に現地に入ったフリージャーナリストから話を聞いた。被災地では軍事政権による救援活動はほとんど行われておらず、住民からは政権に対する怒りの声が上がっていた。
 ナルギスは今月2、3日にミャンマー南部を直撃、軍事政権発表で約7万7738人が死亡した。ジャーナリストはその数日後から今月中旬にかけ、河口地域のクンヤンゴンやボガレイを訪れた。
 「ここに私の家があったのよ」。最大都市ヤンゴンの南約50キロにあるクンヤンゴン。アシャビーさん(57)は、土台を残して跡形もなくなった自宅跡を指さして泣き崩れた。
 2日夜、強いサイクロンが接近しているとの情報は一切なかったという。吹き募る強風に、18人の家族は暗闇のなか身を寄せ合っていたが、家は押し寄せた水で押し流された。家族は相次いで流され、木にしがみついたアシャビーさんただ一人が生き残った。
 ジャーナリストは「(被災地で)軍による救援活動を一度も見なかった」と証言する。最大の被災地の一つであるボガレイ近郊に、ようやく、政府からの援助物資を受け取ったことがあるという住民がいた。家族数に関係なく、1世帯にコメ1キロ。コメを大量に食べるミャンマーでは、4人家族なら1食分にしかならない分量だ。
 軍事政権は住民の間に監視網を作り上げ、普段は人々が政権批判を語ることはまずない。だが被災地では、住民は口々に「援助なんて何も来ていない」「あれだけ軍隊がいるのに、何をやっているのか」などと話し、政権の対応への不満をあらわにした。
 軍事政権は被災地での被害状況調査も一切行っていないという。「政権にとって関心があるのは治安維持だけ。(多くの住民の死亡で)無人になった被災地には関心すらないのだろう」。ジャーナリストはそう話した。



 ミャンマーのサイクロン被害ですが、先日の報道(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080516-OYT1T00097.htm)で、死者が4.3万人を超えたという報道がされたばかりだというのに、たった1日で、死亡者数が3万人も増え77738人に、行方不明者数も55917人と倍近くに膨れ上がってしまい、死者と行方不明者の合計は13万人超に達したようです。
 一時、死者数10万人+行方不明者数は22万人に上るという国連人道問題調整事務所からの誤報が流れました(同じ地域の報告を何度もカウントする単純ミスがあったようです)が、この調子では、当初の吃驚予想が現実になる可能性も、決してゼロではなくなりそうな嫌な予感がしますね。

 一方、厳しい報道管制が引かれているため、中々被災者の実態が伝わってこなかったのですが、やはり軍部は被災者支援をロクに行っていないようで、援助物資を受け取ったケースでも、補給物資は家族の人数に関わりなく、わずかコメが1キロ!!  一体これで、どれだけの間、食いつなげるというのでしょうか…(怒!
 あまりにも軍部が民主化を弾圧しているために、さすがに露骨な不満は伝わってきませんが、このままでは、餓死や伝染病に罹って死亡するという、二次災害に遭う方が続出しかねませんし、思想信条の差を越えて、1日でも早く人道援助を直接国民に届ける仕組み作りが急務になっていると思います。

NYダウは小反落 NY原油は最高値を更新し、米政府は7月から石油備蓄の一時取消を決定

2008-05-17 15:47:39 | Weblog
NYダウ反落、5ドル安 2008年5月17日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080517AT3L1700117052008.html
 16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落。前日比5ドル86セント安の1万2986ドル80セントで終えた。米消費者心理の悪化を示す経済指標や原油先物相場が上昇したことが重しとなった。ただ、売り一巡後は押し目買いが入った。原油相場が上げ幅を縮小する局面で大型株の一角が買い戻され、ダウ平均を下支えした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、4.88ポイント安の2528.85で終えた。

NY原油、終値でも最高値更新 2008年5月17日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080517AT2M1700L17052008.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080517k0000e020042000c.html
 16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反発。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の6月物は前日比2.17ドル高の1バレル126.29ドルで終えた。終値としての最高値を更新した。
 ゴールドマン・サックスが今年下半期平均の原油価格の見通しを1バレル107ドルから141ドルに引き上げたことが買いを誘った。午前に一時127.82ドルまで上昇し取引時間中の最高値を更新した。サウジアラビアの原油増産が伝わったが、反応薄だった。
 金先物相場も上昇。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比19.9ドル高の1トロイオンス899.9ドルで終えた。一時905.6ドルと約3週間ぶりの高値を付けた。

原油高騰鎮静化へ石油備蓄一時停止…米政府 2008年5月17日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080517-OYT1T00291.htm
 米エネルギー省は16日、最高値を更新する原油対策として、戦略石油備蓄の積み増しを7月から一時停止すると発表した。
 現在の購入契約が切れる7月以降、年内は再契約しない。積み増しのために購入している原油1日当たり約7万6000バレルを市場に回し、原油・ガソリン価格高騰の沈静化につなげる狙いだ。
 米議会は今週、年内の備蓄積み増し停止か、原油相場が1バレル=75ドルを下回るまでの停止を求める法案を可決した。ブッシュ政権は当初、備蓄積み増し停止の効果に否定的だったが、原油相場が最高値を更新し、米議会の賛成票も大統領の拒否権を覆せる3分の2を上回る圧倒的多数だったことから方針を転換した。
 備蓄積み増し停止法案を主導した民主党は、ガソリン価格で1ガロン当たり5~24セントの価格引き下げ効果があると主張する。だが、米エネルギー省の発表後も原油価格は高騰しており、市場では効果は限定的との受け止めが広がっている。
 米国の戦略石油備蓄は、自然災害や戦争などの非常時の備えとして原油で蓄えている。容量は7億2700万バレル、現在は7億270万バレルが備蓄されている。
 備蓄積み増しの一時停止は、大型ハリケーン「カトリーナ」の被害で、原油が高騰した2006年から07年にかけて実施したことがある。

サウジ 日量30万バレル増産 大幅増産には慎重姿勢 2008年5月17日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080517/mds0805171244001-n1.htm
 サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は16日、首都リヤドで記者会見し、原油価格高騰に対処するため、10日に現行生産量の3・3%増に当たる日量30万バレルの増産を実施したことを明らかにした。ただ、ヌアイミ氏は「現時点では需給のバランスは取れている」と強調、大幅な増産には慎重な姿勢を示した。
 最大の石油消費国である米国のブッシュ大統領が16日、サウジを訪問したのに先立ち、消費国の懸念に一定の配慮を示した。しかし、市場では、サウジの増産は他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国の生産割り当てと実際の生産量の差を埋めるだけで、原油相場への影響は限定的との見方が多い。増産によりサウジの6月の生産量は日量945万バレルとなる。



 16日のNY市場は、NYダウは売りが先行するものの、その後買い戻しが入り、結局前日比5ドル86セント安の1万2986ドル80セントと小反落で終わりましたが、NY原油は相変わらず高騰を続け、一時1バレル128.82ドルまで上昇し、終値も前日から2.17ドルも高い1バレル126.29ドルで終了。
 この原油高騰に危機感を覚えた米政府はとうとう、『年内の備蓄積み増し停止、あるいは、原油相場が1バレル=75ドルを下回るまでの停止』を求める法案を可決して、石油備蓄を7月から一時停止することを決定。また、サウジアラビアも日量30万バレルの増産を実施したことを公表しましたが、現時点では価格抑制効果は限定的といったところでしょうか。
 原油価格が上がれば上がるほど、投機資金が流入し、本来の価格上昇を超えて値上がりする可能性が高まりますし、あまり価格が上がりすぎると、今度は経済活動に与える影響も心配です。