研修会から一夜明けた今日、民主党参議院議員団一行は、大震災で甚大な被害を受けた地区の復旧・復興の現状を視察に行きました。
訪問したのは、亘理町の災害廃棄物処理施設と、岩沼市の集団防災移転事業。それぞれ、現場を見せていただいて、首長さんや関係者の皆さんから進捗状況や今後の課題などについて説明を受け、意見交換をさせていただきました。
亘理町の災害廃棄物処理施設
これが、亘理町の災害廃棄物(ガレキ)処理施設の全景です。もともとイチゴの名産地で、出荷量は東北地方第1位だったそうですが、巨大津波の影響でこのように更地が広がっています。
これがガレキ処理施設の内部。ガレキには、混合ガレキ、木材系、コンクリート系、土砂系と4つのタイプがあって、それぞれに集積場所があり、処理行程があります。混合ガレキの場合は、まず最初に手作業も含めたガレキの分別から始まって、いくつかの行程を経ながら、丁寧に分別が進められ、最後に可燃のゴミだけ高温での焼却処分となります。あらためて、ガレキが大変丁寧に分別され、処理されていることに驚きました。
こちらがお話を伺った部屋。奥に見えるのが、5機の焼却炉をモニターしている部屋。炉内の状況がモニターで見えているのが分かるでしょうか。焼却温度が800度以下になるとダイオキシンが発生していしまうので、通常、900度以上に保たれるよう、気をつかっているのだそうです。連日、ご苦労さまです!
亘理町の町長さんは、「マスコミは無責任にガレキ処理が進んでいない、遅れていると言っているが、政府の支援や県の協力により、亘理地区では順調に処理が進んでいる。今では、石巻のガレキも一部、受け入れていて、今後も計画通りに処理が進むよう頑張っていきたい」と仰っていました。
復興に向けた歩みは、ゆっくりと、でも着実に進んでいます。
岩沼市の集団防災移転事業
続いてお伺いしたのが、岩沼市。こちらも大津波で甚大な被害を受けたところですが、防災・災害対策をしっかりとやられていたおかげで死者・行方不明者数が近隣市町村に比べると少なく、そのためかえって復旧過程では注目を受けなかったとのこと。市長さんも「これだけ多くの与党議員が視察にきてくれて本当にありがたい」と仰ってくれました。
まずは、集団防災移転事業の移転計画地で、市長さんから説明を受けました。岩沼市が、集団防災移転事業の認定第一号とのこと。他の市町村に先駆けて事業を進めていることについて賞賛の声が上がっている一方で、先行しているからこその問題点や悩みもあることや、集団防災移転事業の難しさについてお話をいただきました。
そして、会議室に場所を移し、岩沼市の5つの地区の町内会長さんたちからも順次、お話を伺いました。「事業計画は認可されたけれども、計画の実施や本格的な復興にはまだまだ時間がかかるので、引き続き応援して欲しい」との要請をいただきましたが、私たちも住民の皆さんや市当局のがんばりに敬意を表しながら、今後もしっかりと復興に向けた支援を継続していくことをお約束して、岩沼市を後にしました。
以上、民主党参議院議員団として行った宮城県被災地域視察の報告でした。今回は、宮城県の中でもフロントランナーとして復興が進んでいる地域にお邪魔したわけですが、確かに、一歩一歩、着実に復興が進んでいる状況を確認させていただくことが出来、私たちにとっても大変励みになりました。今後この状況が他の市町村にも確実に広がっていくように、引き続きみんなで力を合わせてがんばっていきたいと思います!